拳闘哀歌

人生真っ逆さま

文字の大きさ
上 下
4 / 40

対決ネルソン・フレジャー

しおりを挟む

答えるか、迷ったが、俺は言った。

ユースティティアというマフィア組織に一矢報いる為だと、その下部組織であるユートピアの傘下であるエディ・アラムプロモーションの選手にちょっかいをかけているのだと、話した。



「一矢報いるか…それは無謀じゃないか、ユースティティアは、大きなグループだぞ、喧嘩売って勝てるとは、とても…」



「俺の親友が殺されたんだ、黙っておけって我慢出来るかよ」



「で、復讐しますか? って話だけど、出来もしないことを、するなんてやめとけ、やめとけ、お前も目を付けられたら、殺られるぞ」



それでも、仇を取られるずに、いられるか…俺がリングを降りようと、するとジムの奥から、待てと声がかかった。

声の主はアンソニーではない、それは、ネルソン・フレジャーだった。



「話が聞こえてたんもんでな、ユースティティアに因縁があるそうじゃないか、いいだろう、試合は無理でもスパーリングなら相手してやる」



花のある選手だと思った、ネルソン・フレジャーは、バンデージを巻き、グローブを着けリングに上がる。



「確か…SMSで絡んできたの、お前だったな、無視して悪かった、俺も一人一人相手、してられないのでな、さあ、上ってこいよ、俺が本当に自分より格下しか相手してないか、その実力を肌で感じるがいいさ、おい、アンソニー、いつまでリングに上がってる? 世界ランク一位の実力を刮目してみるんだ

な」



俺は思いもしない、展開に興奮した、ネルソンに此処でスパーリングで、俺の実力を見せつければ、圧倒すれば、ユースティティアの連中にも、俺のことも無視出来ないだろう、乗った、実力に差があれど、俺はやってやるんだ。



「ネルソンさんよぉ、余り余裕を見せるもんじゃないぜ、俺は強いんだからよ!」



「それだけの自信はリングで見せてくれ」



そして、再び、ゴングが鳴る。



カーンと音がなった瞬間、俺は左ジャブから思い切り右ストレートを放つも、左ジャブをパーリングし、右をクロスして当ててきたんだ。

幸い、スリッピングアウェーで致命的な打撃にはならずにすんだ。

しかし、そんなにダメージが少ない所へ、ネルソンは、右ボディに打ち込んできた。

それは、内臓が揺れるくらい…直接握り潰しに来たのかと、思うくらい衝撃があった。

思わず片膝になり、ダウン状態の俺をネルソンは見下ろしていた。



「まだ、まだ、甘いねぇ~スカーフェイスくん、これじゃ勝負になんないよ」



「この野郎…」



気力で立ち上がってみたものの、あとは、お察しでさ、散々に打ちのめされて来たよ。

強い、つえーー、こんだけに力量に差があるなんてな、デビュー戦勝ち抜いただけの、世間知らずが、ようも挑もうとするよな、笑えるぜ。



「うわわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」



俺は最後の気力を振り絞り、右ストレートを放ち、そこで意識がなくなった。

それをブロックしたネルソンが驚愕したのも、知らずそのままね。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

忘却の艦隊

KeyBow
SF
新設された超弩級砲艦を旗艦とし新造艦と老朽艦の入れ替え任務に就いていたが、駐留基地に入るには数が多く、月の1つにて物資と人員の入れ替えを行っていた。 大型輸送艦は工作艦を兼ねた。 総勢250艦の航宙艦は退役艦が110艦、入れ替え用が同数。 残り30艦は増強に伴い新規配備される艦だった。 輸送任務の最先任士官は大佐。 新造砲艦の設計にも関わり、旗艦の引き渡しのついでに他の艦の指揮も執り行っていた。 本来艦隊の指揮は少将以上だが、輸送任務の為、設計に関わった大佐が任命された。    他に星系防衛の指揮官として少将と、退役間近の大将とその副官や副長が視察の為便乗していた。 公安に近い監査だった。 しかし、この2名とその側近はこの艦隊及び駐留艦隊の指揮系統から外れている。 そんな人員の載せ替えが半分ほど行われた時に中緊急警報が鳴り、ライナン星系第3惑星より緊急の救援要請が入る。 機転を利かせ砲艦で敵の大半を仕留めるも、苦し紛れに敵は主系列星を人口ブラックホールにしてしまった。 完全にブラックホールに成長し、その重力から逃れられないようになるまで数分しか猶予が無かった。 意図しない戦闘の影響から士気はだだ下がり。そのブラックホールから逃れる為、禁止されている重力ジャンプを敢行する。 恒星から近い距離では禁止されているし、システム的にも不可だった。 なんとか制限内に解除し、重力ジャンプを敢行した。 しかし、禁止されているその理由通りの状況に陥った。 艦隊ごとセットした座標からズレ、恒星から数光年離れた所にジャンプし【ワープのような架空の移動方法】、再び重力ジャンプ可能な所まで移動するのに33年程掛かる。 そんな中忘れ去られた艦隊が33年の月日の後、本星へと帰還を目指す。 果たして彼らは帰還できるのか? 帰還出来たとして彼らに待ち受ける運命は?

【完結】義姉上が悪役令嬢だと!?ふざけるな!姉を貶めたお前達を絶対に許さない!!

つくも茄子
ファンタジー
義姉は王家とこの国に殺された。 冤罪に末に毒杯だ。公爵令嬢である義姉上に対してこの仕打ち。笑顔の王太子夫妻が憎い。嘘の供述をした連中を許さない。我が子可愛さに隠蔽した国王。実の娘を信じなかった義父。 全ての復讐を終えたミゲルは義姉の墓前で報告をした直後に世界が歪む。目を覚ますとそこには亡くなった義姉の姿があった。過去に巻き戻った事を知ったミゲルは今度こそ義姉を守るために行動する。 巻き戻った世界は同じようで違う。その違いは吉とでるか凶とでるか……。

意味が分かると怖い話(解説付き)

彦彦炎
ホラー
よくよく考えると ん? となるようなお話を書いてゆくつもりです 最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください 実話も混ざっております

転生前のチュートリアルで異世界最強になりました。 準備し過ぎて第二の人生はイージーモードです!

小川悟
ファンタジー
いじめやパワハラなどの理不尽な人生から、現実逃避するように寝る間を惜しんでゲーム三昧に明け暮れた33歳の男がある日死んでしまう。 しかし異世界転生の候補に選ばれたが、チートはくれないと転生の案内女性に言われる。 チートの代わりに異世界転生の為の研修施設で3ヶ月の研修が受けられるという。 研修施設はスキルの取得が比較的簡単に取得できると言われるが、3ヶ月という短期間で何が出来るのか……。 ボーナススキルで鑑定とアイテムボックスを貰い、適性の設定を始めると時間がないと、研修施設に放り込まれてしまう。 新たな人生を生き残るため、3ヶ月必死に研修施設で訓練に明け暮れる。 しかし3ヶ月を過ぎても、1年が過ぎても、10年過ぎても転生されない。 もしかしてゲームやりすぎで死んだ為の無間地獄かもと不安になりながらも、必死に訓練に励んでいた。 実は案内女性の手違いで、転生手続きがされていないとは思いもしなかった。 結局、研修が15年過ぎた頃、不意に転生の案内が来る。 すでにエンシェントドラゴンを倒すほどのチート野郎になっていた男は、異世界を普通に楽しむことに全力を尽くす。 主人公は優柔不断で出て来るキャラは問題児が多いです。

身体強化って、何気にチートじゃないですか!?

ルーグイウル
ファンタジー
 病弱で寝たきりの少年「立原隆人」はある日他界する。そんな彼の意志に残ったのは『もっと強い体が欲しい』。       そんな彼の意志と強靭な魂は世界の壁を越え異世界へとたどり着く。でも目覚めたのは真っ暗なダンジョンの奥地で…?  これは異世界で新たな肉体を得た立原隆人-リュートがパワーレベリングして得たぶっ飛んだレベルとチートっぽいスキルをひっさげアヴァロンを王道ルートまっしぐら、テンプレート通りに謳歌する物語。  初投稿作品です。つたない文章だと思いますが温かい目で見ていただけたらと思います。

離婚した彼女は死ぬことにした

まとば 蒼
恋愛
2日に1回更新(希望)です。 ----------------- 事故で命を落とす瞬間、政略結婚で結ばれた夫のアルバートを愛していたことに気づいたエレノア。 もう一度彼との結婚生活をやり直したいと願うと、四年前に巻き戻っていた。 今度こそ彼に相応しい妻になりたいと、これまでの臆病な自分を脱ぎ捨て奮闘するエレノア。しかし、 「前にも言ったけど、君は妻としての役目を果たさなくていいんだよ」 返ってくるのは拒絶を含んだ鉄壁の笑みと、表面的で義務的な優しさ。 それでも夫に想いを捧げ続けていたある日のこと、アルバートの大事にしている弟妹が原因不明の体調不良に襲われた。 神官から、二人の体調不良はエレノアの体内に宿る瘴気が原因だと告げられる。 大切な人を守るために離婚して彼らから離れることをエレノアは決意するが──。 ----------------- とあるコンテストに応募するためにひっそり書いていた作品ですが、最近ダレてきたので公開してみることにしました。 まだまだ荒くて調整が必要な話ですが、どんなに些細な内容でも反応を頂けると大変励みになります。 書きながら色々修正していくので、読み返したら若干展開が変わってたりするかもしれません。 作風が好みじゃない場合は回れ右をして自衛をお願いいたします。

今世ではあなたと結婚なんてお断りです!

水川サキ
恋愛
私は夫に殺された。 正確には、夫とその愛人である私の親友に。 夫である王太子殿下に剣で身体を貫かれ、死んだと思ったら1年前に戻っていた。 もう二度とあんな目に遭いたくない。 今度はあなたと結婚なんて、絶対にしませんから。 あなたの人生なんて知ったことではないけれど、 破滅するまで見守ってさしあげますわ!

処理中です...