侯爵令嬢と密かな愉しみ

ポポロ

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第3章

調査開始

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2日目の朝。
青と白のストライプ柄が爽やかなハーフスリーブワンピースに着替えたキアラは、手首までのレースの手袋をはめると、日除けにもなる帽子を片手にロビーへと向かった。
帽子の着脱の邪魔にならないよう、髪はゆるく片側に編み込んでみた。
胸の下からストンと落ちるようなデザインのワンピースの生地は軽く、動くたびに風が入って着心地は最高だ。
いつも着ているような昼用のドレスに比べると格段に動きやすく、選んでくれたメイドたちに感謝した。
ここにいる理由を思えばそう楽しんでもいられないが、久しぶりの外出に浮き出す心は仕方がない。
軽い足取りで階段をかけ下りると、キアラは早速目的の人物をロビーの片隅に見つける。
いや、どう見てもその一角だけが浮いていて、勝手に目に飛び込んできたのだが。

一人がけのカウチで、幼児を膝上に新聞を読むブロンド美女が目立たないわけがない。
バッスルスタイルのワンピースは首元までキッチリとボタンが留められ、色味もブルーグレー。
目立たない服装なのに何故目立ってしまうのか。

「…お待たせいたしました。」

「ああ、おはようございます、キアラ様。」

「キアラ姉さん、おはよーございまーす!」

新聞を折りたたみながらにっこりと微笑むジャンヌと、本日も輝く笑顔で自分のことを「姉さん」と呼ぶ天使。

「お二人とも、おはようございます…」

キアラたちは、『他州から越してくる予定の、中上流階級の姉弟+その世話役』という設定で行動することになっていた。
昨日練習したとはいえ、やはり慣れないやりとりに、キアラはどうしても戸惑ってしまう。

「キアラ様、髪が崩れないように、私が帽子を。」

ジャンヌはスルリとキアラの手から鍔広帽をとると、髪と角度を丁寧に整えるふりをしながらすっと顔を近づける。
ふわりと香る柑橘系の香りに、キアラの胸がドキリとする。

「緊張しなくても大丈夫だよ。」

「へっ?!」

「俺がいるし、何よりここは観光地だ。みんな浮かれて、周囲などそれほど気にしてないさ。」

キアラは今、別の意味で緊張していたのだが、どうやらそれは悟られていないらしい。
平常心を装おうと、軽く喉を鳴らす。

「…ですが、私はお二人ほど演技が上手くありませんから。というか、ウィリアム様はなぜあんなに自然体なのですか。末恐ろしいです…。」

「それは俺も思う。あいつはきっと大物になるよ。」

その言い草がおかしくてクスっと笑うと、ジャンヌもつられたように口の端を上げる。
これで大丈夫ですわ、と満足気なジャンヌが離れる。

「では、軽く朝食を取ったら、予定を確認いたしましょう。」

「はーい!」

元気よく返事をするウィリアムの手を取り、キアラたちはオテルの直ぐ側にあるカフェへと入った。

イグニス州ではあまりしっかりと朝食をとる文化がなく、朝はこういったカフェやバーでサンドウィッチや菓子パンと濃い目に入れた紅茶またはコーヒーで済ませる人が多い。
夜も明けきらない早朝から活動する漁師の多い地域なので、漁から戻るお昼以降に食事の重きを置く文化が自然と根付いたのではないかと言われている。
朝食をしっかりとるデマントイドの王都周辺とは、こういう点でも文化が異なる。

キアラとジャンヌはスモークサーモンとレタスを挟んだバケットサンドと紅茶、ウィリアムにはアプリコットジャムを挟んだクロワッサンとオレンジジュースをオーダーする。
お店のピーク時間は過ぎているようで、広めの店内には、ゆっくりと食後のひと時を過ごす常連風の客が2人。
距離からみて、キアラたちの会話が彼らに聞こえることはなさそうだ。
もっと朝早くから行動しないことを少し疑問に思っていたが、なるほどこういう理由だったのか。

「それで、今日はこの後どこに行く予定なんです?」

一応周囲を気にしながら問いかけると、ジャンヌはワンピースのボケットから小さな手帳を取り出す。

「とりあえず、今日はアーロン氏の周囲を探ろうと思う。」

「アルファーノ様ではなく、メリノ様ですか?」

「ブルーノ氏の身辺は調査書の作成時にかなり調べてるはずだ。勿論、この3人で周囲に聞き込みをすれば別の話が聞けるとは思うけど、それより俺は、キアラの話が気になっている。」

「私の、話ですか?」

言いながら、キアラの頭に美しいカフスボタンが浮かんだ。
その花弁を誇らしげに開かせた瞬間を捉えたような、あの美しいベゴニアのカフスボタンを。

「大事なときにしか身につけない宝物のカフスボタンと、それを苦しげに見つめる親友なんて、意味深だろう?それに、ベゴニアという花の花言葉を知ってる?」

「花言葉ですか?いいえ、知りません。何なのです?」

花は好きだが、別に詳しいわけではないキアラは首をかしげる。
ジャンヌは隣に座るウィリアムの首元にナプキンをかけてやりながら無表情で答える。

「不調和。」

「え?」

「ベゴニアは、葉が左右で非対称に育つらしんだ。それで、不調和とか、奇形なんて花言葉がある。そんな意匠を施したもの身に着けて王女との縁談に臨むなんて、デマントイド王家に対する自分の存在を揶揄したとは思えないか?滅多に身に着けないのは、内に秘めた叛意を時々取り出しては周囲を嘲笑っているのかもしれない。この思いに誰も気づかないか?って。」

暗く光るフォレストグリーンの瞳に、ゾワリと背中が粟立つ。
あの日差しに照らされた朗らかな笑顔の裏で、彼はそんな仄暗い思いを持っていたというのか?
そして、それに気づいた友は苦悩しているとでも…?

「まさか、そんな…考え過ぎで…」

「お待ちどうさま!紅茶のポットは真ん中でいいかい?」

言いかけたところで朝食が運ばれてきたので、キアラは仕方なく口をつぐむ。
一方ジャンヌはコロリと態度を変え、店員に愛想よく挨拶をしながら、自然な様子で話かける。

「ありがとう。あ、ジュースはこちらに。そういえば、こちらのお嬢様と坊ちゃんはマルシャからこちらに引っ越してくる予定なんです。旦那様も奥様もお忙しい方なので、まずはお二人の息抜きも兼ねてこちらに。それで、この近くに良い仕事をする細工師や、珍しいものも扱うような商家はありませんか?」

「あら、そうなのかい?」

恰幅の良い体型に、着古してはいるが清潔な麻のエプロンをつけた女性店員は、「こちら」と言われたキアラとウィリアムを交互に見る。
向かいでにっこりと笑うウィリアムを見習って、キアラも慌てて笑顔をぺたりと貼り付ける。

「ははあ、こりゃあ、別嬪な一家だねぇ。そうさねぇ…」

店員はパン籠をテーブルに置きながら、思案するように眉根を寄せる。

「ああ、細工師は知らないけど、6区にあるクレムーナというお店なら、いいんじゃないかい?あそこはお貴族様も御用達だって言うし。あとは、8区のアントニオさんのとこかね。なんでも親戚に子爵様がいて、珍しいものも外商として取り寄せてくれるって聞いたことあるわよ。区内ではみんな知ってるだろうから、近所に行ったら尋ねてみなよ。」

話しぶりから言って、店員はキアラたちを、まさしく「中上流階級の子どもたちと侍従」と判断してくれたらしい。
貴族が通うような店なら、紹介しても良いだろうという自信がうかがえる。

「6区のクレムーナと、8区のアントニオですね。どうも、ありがとうございます。やっぱり、地元にお住まいの方から紹介いただくのが一番信頼できますでしょう?こちらのお店は長年街に愛されているようですし、そんなお店の方が言うなら間違いありませんわ。」

「そりゃ間違いないね!私もうちの亭主も、この街のことなら知らないことはないさ!」

「まあ、こちらはご夫婦で長年やられてるんですか?どうりで温かみのあるお店だと思いました。坊っちゃん、お食事はいかかですか?」

「うん、とっても美味しいよ!おばさん、ありがとう!」

そう言って美味しそうにクロワッサンを頬張るウィリアム様と、それを優しげに見守るジャンヌに、店員もすっかり警戒心を解いている。
キアラなど、少々大げさにも思えるジャンヌの世辞の意図が分からず、貼り付けた笑顔で頷きを繰り返すのが精一杯だというのに、この二人は一体何なのだろう。

「こんなに小さいのに越してくるなんて、勝手も変わって不安もあるだろうに。うちだったらいつでも寄ってちょうだい。」

「あら、ありがとうございます。ちなみに、この辺に、坊っちゃんとお嬢様が楽しめそうなとこはありますか?なにぶん、土地勘がなく…。」

「ここいらは観光地だからねぇ。見て面白いものはいっぱいあるけど、若い子が楽しめそうなとこねぇ…ああ、でも、行っちゃいけないとこならあるよ。」

「行ってはいけない?どういう意味です?」

「あんたらみたいな若い人たちの前で言うのは何だけどね…」

口ではそう言いながら、話したくてたまらないという思いも透けて見える言い方に、キアラは少なからず不安になった。
そんなキアラとは逆に、ジャンヌはキラリと瞳を光らせ、好奇心を顕にする。
店員は、周りに素早く目を走らせると、声を潜めた。

「賭博場だよ。9区にある、見た目はこの店みたいなカフェなんだけどね、それは表向きさ。お上の目を外れて、それこそ、老若男女・貧富も関係ない遊び場になってるって噂だよ。」

「まあ…」

「身ぐるみ剥がされたり、大きな借金かかえて人生狂ったり、いい話はきこえてこないね。」

「それは、こわいですね…」

ぐっと柳眉を寄せて怯えるジャンヌをみて、店員の気持ちは満足したようだ。

「といっても、私は行ったことないから詳しくは知らないけどね。お嬢ちゃんなんて、いいカモにされそうだ。気をつけなよ?」

「は、はい。」

店員にグッと顔を寄せられて、キアラは引き気味にコクコクと首を振る。

デマントイドで賭博自体は禁止されていない。
キアラは行ったことがないが、紳士淑女が集うポーカー場や、カードやダイスによるゲーム場は州を問わず国内各地にあるものだ。
ただ、それらはすべて正規の賭博場として公に管理されており、掛け率や賭け金の上限、税金などが法律で定められている。
つまり、店員がいう「お上の目を外れて」とは…

「キアラ姉さん、紅茶冷めちゃうよー?」

突如思考に割り込んできた明るい声に、キアラは知らず浅くなっていた息を吐く。

「ああいけない、長く喋っちゃったね!どうぞ、ゆっくりしていって頂戴!」

「こちらこそ、長く引き止めてしまってごめんなさい。ありがとうございました。」

笑いながら店奥に戻っていく店員が十分に離れたのを見計らって、ジャンヌが紅茶のポットを手に取る。
キアラと自分のカップに注ぎながら、ウィリアムに微笑む。

「ナイスタイミングだったぞ、ウィル。」

「むふふー。」

「………。」

先程まで齧り付いてクロワッサンを頬張っていたウィリアムだが、今はきちんと一口大にちぎりながら綺麗に食べている。
そうだった、5歳とはいえ第二王子だった。
だんだんウィリアムが天使ではなく小悪魔に見えてきたのは空腹のせいに違いないと、キアラは目頭を揉む。
気を取り直すべく、パン籠からサンドウィッチを取り皿にとり、紅茶で喉を潤す。

「それにしても、初っ端から良い話が聞けてラッキーだったね。」

切り分けられたサンドウィッチを咀嚼しながら、ジャンヌが切り出す。
こちらはそのまま齧り付いているのに、口元が汚れないのは何でなのか。

「良い話、でしたか?私には、ジャンヌの意図がよく分かりませんでしたけど。」

「ボクは、ジャンヌはカフスボタンのでどころを知りたいのかなって思ったよ?」

「さすがウィル!最初の質問の意図は、まさしくその通りだよ。」

「でどころ…」

「キアラが思わず注目するくらいの凝ったデザインで、しかも公爵家の長男が付けているような品なら、この辺りでも有名な店、もしくは職人がいるんじゃないかと思ってね。」

「ああ、なるほど。でも、公爵家の方なら、代々継いでいるものかもしれませんし、遠方からの戴き物かもしれませんよ?」

「勿論、その可能性もある。むしろ、その可能性の方が高い。でも、さっきの店員の話でも分かったように、貴族階級も御用達の店や職人となると、数はそれほど多くない。せっかく現地にいるんだし、少ない数なら調べてみてもいいだろう?」

「たったの2つだったもんね!」

「まあ、それは、たしかに…」

カフスボタンに、ジャンヌが勘ぐるほどの深い意味があるとは信じきれていないが、調査に何らかの取っ掛かりは必要だとは思う。

「あと、俺としては賭博場の話がかなり興味深いね。」

優雅に紅茶を飲む姿はどこから見ても淑女なのに、獲物を見つけた鷹のような目つきが物騒だ。

「あれは、アルファーノ様たちとは関係ない話では?まあ、王家の方を前に無視しろとは言えませんので、地域の警察隊には報告した方が良いと思いますけど…。」

本来は公に管理されるもの、つまり国が定めた規制の元で運用されるものがされていないとなれば、その国のトップである王家、またはその関係者が見逃せないのは当然だ。

「店員の言葉を聞いただろう?『老若男女・貧富を問わない遊び場』だと。ブルーノ氏やアーロン氏だって例外ではないってことさ。」

「そんな、まさか。お二人とも、貴族のご子息として立場のある方々ですよ?違法賭博などに興じているとは思えません。」

「聞いたか、ウィル?これが清く正しく生きてきた人間の反応だぞ。」

「……何か、馬鹿にしていますか?」

スッと表情をなくして問いかければ、ジャンヌは慌ててキアラのカップに紅茶を注ぐ。

「いやいや!関心したんだよ!やっぱりキアラはちゃんとしてるなって!なぁ、ウィル!」

「キアラは、とっても心がきれいだってボクも思うよ。だからボクはキアラが好きなんだ!」

「ウィリアム様…!」

「俺とウィルの扱いの差がどんどん大きくなってる気がする…」

キアラは残りのサンドウィッチを口に運びながら、冷めた目でジャンヌに先を促す。

「コホン…。まあ、その、貴族と言っても色々いるってことだよ。調査書に賭博場のことは書かれていなかったけど、ブルーノ氏は交友関係が広い。賭博場に悪友がいるのかもしれないし、それがアーロン氏かもしれないし、アーロン氏の友人かもしれない。とにかく、表沙汰にできない事を調べたいってときに、表沙汰にできない場所が出てきたんだ。調べない手はないよ。」

「でも、そんな場所を調査するなんて、危険では?」

キアラはウィリアムを見ながら、ジャンヌに調査反対の意思を示す。
それこそ、王家御用達の諜報員の出番ではないのか。

「ああ、危険だろうね。だから、ウィルとキアラは勿論お留守番だ。」

「ジャンヌだけで行くつもりですか?!」

「えー!!ボクならちゃんと役に立てるよー!」

キアラとウィリアムの言葉が重なる。
ウィリアムの言葉は、なんか、思っていたものと違うけれども。

「ウィルは確かにすごい儲けられそう…いや、そういうことではなくて。流石に二人を危険なところには連れていけない。夜になったら俺だけで行ってくるから、大人しく寝てなさい。」

「夜に一人って…そんなのジャンヌが危険です!仰るように、私やウィリアム様が一緒では危険度が増すだけだとは思いますが、だからって、一人でなんて危なすぎます!せめて、護衛の方が必要です!」

いつになく興奮するキアラに、ジャンヌは驚いた、というか、呆気にとられた顔となる。
ウィリアムは雰囲気を察し、オレンジジュースの残りに一人集中することにしたらしい。

「あなたが私たちを心配するように、私だってあなたを心配します。」

なぜ彼女…いや、彼は一人で危ないことをしようなどと考えるのだろうかと、モヤモヤする。
キアラ自身も、なぜこんなに焦燥感に駆られているのか分からない。

「あー…、ありがとう、キアラ。今はこんな見た目なのがダメなのかもしれないんだけど、俺なら本当に大丈夫だから。その辺の破落戸くらいなら、全然一人で何とかなるし。」

「そんな…、でも、複数人に向かってこられたらどうするんです?護衛も警察隊もいないところに行くなんて、やっぱり…」

そういえば、ベアトリスも同じようなことを言っていたことをキアラは思い出した。
キアラは改めて向かいに座るジャンヌの姿をまじまじと凝視する。
座っていても分かる長身は、針金でも入っているようにスッと伸びている。
胸の詰め物でよく分からないが、やはり上半身は女性として広めか。
金糸のような豊かなブロンドを払う手は、いつも手袋をしているので形は見えない。
首を傾げる仕草は悩ましげで、時折伏せられるまつ毛は、長すぎて顔に陰を作っている。

そしてキアラは改めて思った。

「キ、キアラ…さん?俺の顔に何か…?」

「…ジャンヌ………あなたって、本当に男なの?」

「………」

ウィリアムのジュースを飲み干すズズーッという音と、ジャンヌの沈黙が重なる。
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