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6話
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ラルフから告げられた言葉が、幾度も頭の中を駆け巡る。
執務にも、訓練にも集中できなくなった俺は……屋敷へと戻り椅子へと腰掛ける。
「……リディア」
もぬけの殻となった屋敷、人の気配などない空間。
いつも名を呼べば、パタパタと足音を響かせて駆けつける妻の姿はなく。
呟いた彼女の名は、空虚の中に沈んでいく。
「本当に、出て行ったのだな」
今さらになって、リディアが居なくなった実感が押し寄せる。
いや、感じぬように蓋をしていたものが、真実を知って抑えられなくなったのだろう。
『レイクス様、夕食の準備ができましたよ』
夕食の準備が出来た時、いつも俺を呼びに来てくれたリディアの姿を思い出す。
食事の準備をしてくれた彼女に、俺はなんと声をかけていただろうか。
いや、声もかけていなかったのだ。
無言のまま、彼女が整えてくれた食卓に座り、物言わぬ食事をしていた。
『美味しいでしょうか? レイクス様』
『つまらぬ事を聞くな。黙って食事を出していればいい』
思い返せば、あの時の彼女は悲しそうに俯いていた。
執務を任せて忙しいはずの彼女が、毎日欠かさずに俺の全てを整えてくれていたのに。
俺は、ただの一度も見返りの言葉をかけなかったことを知る。
「俺は騎士として恥ぬ生き方をしてきた……しかし、それだけでは足りなかったのか……」
暗い室内の中。
ただ一人で虚空に問いかけた言葉に、答えてくれる者は、やはり居なかった。
◇◇◇
リディアが居なくなってから、八か月が経つ。
今までの人生を思えば僅かな期間のはずなのに、その期間で俺が受けていた評価は下落の一途を辿っていた。
「レイクス殿。また税収管理の書類や、領主としての報告書が滞っておりますよ」
「すまない……」
今日も王城より遣わされた文官の苦言に、背を丸めることしかできない。
騎士団の執務室にて、情けなくも視線を落とす。
今までリディアに任せていた領主業を行うことになり、慣れない作業のせいで滞っているのだ。
「陛下から爵位を下賜されたとはいえ、こうも領主業がおざなりでは、貴族位の剥奪もありえますよ」
「っ! それは、駄目だ!」
王国の英雄として、そのような不名誉は残せない。
民の安心の象徴である俺は、完璧でなくてはならないのだから。
だが、それを伝えても文官は顰めた表情を変えずに言葉を続けた。
「であれば、領主代理を立てるなりして領主業と騎士団長との両立をしてください。領主業がおざなりで迷惑を被るのは他でもない領民なのですから」
「……」
領主代理を立てようにも、俺が完璧を求めてミスを許さないという話が広まっており。
いくら高給でも申し出てくれる者がいない現状、歯がゆい現実に拳を握る。
「とりあえず、これ以上は領主業は滞らせぬようにお願いします」
「分かっている」
文官の苦言が終わり、執務室から出ていく足音を聞きながら……
耐えきれず、ため息がこぼれた。
「強き騎士であればいいと思っていた。それだけで全てが順調に済むと……だが、違うのか?」
リディアが居なくなってから、とんとん拍子に落ちていく自らの評価。
今まで自分自身の力で培っていたと思っていたものが、支えられていたおかげだった実感が湧いてくる。
「レイクス団長。報告があります」
「っ……どうした」
騎士が執務室に入ってきたため、慌てて姿勢を正す。
英雄として生きる俺が、無様な姿を晒すことはできない。
だから気持ちが落ちていようとも、気丈に振る舞う。
この国の英雄として、恥を晒さぬようにだ。
しかし……今はそれが辛く、無様で滑稽に思えた。
「次回の評議会について、大臣様から伝言を承っております」
評議会とは、以前に俺の法案が貴族から酷評された議会だ。
それを思い出して気が滅入る。
「言ってくれ」
「はっ! ……次回の評議会に加えて、今後の議会への参加も認めないとのことです」
「っ! なんだと!」
騎士団が議会に出席できるのは、ひとえに騎士団の地位向上の表れ。
前騎士団長から続いていた評議会への参加権をはく奪など、いわば騎士団の地位降格を意味していた。
「ふざけるな! すぐに抗議の文を送れ!」
「で、ですが……伝令では、すでに議会参加者の過半数が団長の参加取り止めに賛成していると……」
「……」
「理由として、現騎士団長では評議会参加への能力不足だと」
なんて……ことだ。
『正しさを押し通すには、時にしがらみを受け入れる考えも必要なはずです』
以前、ラルフが言っていた言葉を思い出す。
同時に、俺がそのような媚びを恥だと思って否定していた時。
それらのしがらみを繋ぎとめてくれていた、リディアの存在が頭から離れない。
胸が痛くて仕方がない。
「団長……?」
「少し……外してくれ。それと、ラルフを呼んでくれないか」
「は、はい」
もはや気丈に振る舞う余裕もなく、肩を落として俯いてしまう。
部下の前で無様を晒すことに構わなくなるほど、後悔が胸を貫いてくる。
支えてくれていたと知ったリディアに、俺はなにも返せていなかった。
挙句、笑みを見たことも無いほどに彼女と接していなかった。
「俺に非などないと思っていたが……山ほどあったのだな」
今さら気付いてしまった、リディアの支え。
彼女が居なくなって、はじめて知るなど……
「レイクス団長。お呼びでしょうか」
「ラルフ、よく来てくれた」
部下に頼み、呼んでもらったラルフに視線を向ける。
もはや、恥を忍ぶ余裕もなく、俺は願いを告げた。
「リディアの捜索をしてくれ。彼女に……会いたい。謝罪したいんだ」
「レイクス団長……」
「頼む」
「それは……できません。もう半年以上も経ってしまった今、いくら捜索しても彼女の痕跡や、目撃証言がとれる可能性は低い。長く騎士を勤めた貴方なら、分かっているのでしょう」
「っ……それでも、手を尽くすしかない。一度でいい、謝罪したいんだ」
「……団長」
俺の気付きなどもう遅く、今さら探そうとも、もうリディアには届かぬ。
分かっている。
だが、諦めるなど出来ず……俺は自らの私財を投じて人を雇い、リディアの捜索を始めた。
そして……十日後。
「団長。奥様が失踪された時期の目撃情報がありました」
「っ!! ……本当か?」
「リディア奥様の最後の目撃情報として、王都に居た証言がありました」
やはり半年以上も経った今、大した手がかりにならぬ証言しかないことに肩を落とした時。
続くラルフの言葉が、俺の焦燥感をかきたてた、
「目撃された際。奥様は血の滲んだハンカチを持ち、ふらついておられたと……」
「なっ!! リディアが怪我をしていたのか?」
「分かりません。それ以外の証言は見つからず……」
ラルフの言葉で思い出すのは……リディアが去った頃、執務机に付着していた血痕。
あれが、もし彼女のものであったなら……
俺は、俺は……なにを悠長に生きていたんだ。
「リディア……どこにいるんだ……」
初めて芽生えた、焦りと心配。
だが、捜索するにはあまりに時間が経った今。
俺にはただ、ただ後悔だけが胸を満たしていった。
◇◇◇
失望、後悔に苛まれる中。
今日も誰もいない、あの空虚な屋敷に帰らなくてはならないことに悲観する。
そんな時、屋敷の前に人影が見えた。
リディアと同じく腰まで伸びた髪に、思わず胸が高鳴る。
「帰って、きたのか?」
期待と共に、見える人影へと歩みを向けた先。
待っていたのは……
「レイクス、帰ってきたのね」
「っ、ミラ……!」
俺の幼馴染であり、ラルフに会うなと苦言を呈されていたミラがいた。
彼女が訪れていることに動揺してしまう。
「最近……会いに来てくれないから」
「忙しいんだ。君だって容態が悪いのだから、早く家に帰って安静にしていろ。なぜこんなとこに」
「貴方の奥様が不在なのよね。だから、やって来たの」
「それは、いったいどういう意味で……」
尋ねた言葉に返答はないまま。
彼女は俺の胸へと駆け寄り、腕を回した。
「ミラっ!? なにを!」
「ずっと、待ってたの。私……本当は貴方を……」
赤らんだ頬、艶のある笑みと共に。
彼女は俺を抱きしめた。
◇◇◇お知らせ◇◇◇
本作は23時にも投稿をしていくことにしました。
完結まで早足で進めてまいります。
執務にも、訓練にも集中できなくなった俺は……屋敷へと戻り椅子へと腰掛ける。
「……リディア」
もぬけの殻となった屋敷、人の気配などない空間。
いつも名を呼べば、パタパタと足音を響かせて駆けつける妻の姿はなく。
呟いた彼女の名は、空虚の中に沈んでいく。
「本当に、出て行ったのだな」
今さらになって、リディアが居なくなった実感が押し寄せる。
いや、感じぬように蓋をしていたものが、真実を知って抑えられなくなったのだろう。
『レイクス様、夕食の準備ができましたよ』
夕食の準備が出来た時、いつも俺を呼びに来てくれたリディアの姿を思い出す。
食事の準備をしてくれた彼女に、俺はなんと声をかけていただろうか。
いや、声もかけていなかったのだ。
無言のまま、彼女が整えてくれた食卓に座り、物言わぬ食事をしていた。
『美味しいでしょうか? レイクス様』
『つまらぬ事を聞くな。黙って食事を出していればいい』
思い返せば、あの時の彼女は悲しそうに俯いていた。
執務を任せて忙しいはずの彼女が、毎日欠かさずに俺の全てを整えてくれていたのに。
俺は、ただの一度も見返りの言葉をかけなかったことを知る。
「俺は騎士として恥ぬ生き方をしてきた……しかし、それだけでは足りなかったのか……」
暗い室内の中。
ただ一人で虚空に問いかけた言葉に、答えてくれる者は、やはり居なかった。
◇◇◇
リディアが居なくなってから、八か月が経つ。
今までの人生を思えば僅かな期間のはずなのに、その期間で俺が受けていた評価は下落の一途を辿っていた。
「レイクス殿。また税収管理の書類や、領主としての報告書が滞っておりますよ」
「すまない……」
今日も王城より遣わされた文官の苦言に、背を丸めることしかできない。
騎士団の執務室にて、情けなくも視線を落とす。
今までリディアに任せていた領主業を行うことになり、慣れない作業のせいで滞っているのだ。
「陛下から爵位を下賜されたとはいえ、こうも領主業がおざなりでは、貴族位の剥奪もありえますよ」
「っ! それは、駄目だ!」
王国の英雄として、そのような不名誉は残せない。
民の安心の象徴である俺は、完璧でなくてはならないのだから。
だが、それを伝えても文官は顰めた表情を変えずに言葉を続けた。
「であれば、領主代理を立てるなりして領主業と騎士団長との両立をしてください。領主業がおざなりで迷惑を被るのは他でもない領民なのですから」
「……」
領主代理を立てようにも、俺が完璧を求めてミスを許さないという話が広まっており。
いくら高給でも申し出てくれる者がいない現状、歯がゆい現実に拳を握る。
「とりあえず、これ以上は領主業は滞らせぬようにお願いします」
「分かっている」
文官の苦言が終わり、執務室から出ていく足音を聞きながら……
耐えきれず、ため息がこぼれた。
「強き騎士であればいいと思っていた。それだけで全てが順調に済むと……だが、違うのか?」
リディアが居なくなってから、とんとん拍子に落ちていく自らの評価。
今まで自分自身の力で培っていたと思っていたものが、支えられていたおかげだった実感が湧いてくる。
「レイクス団長。報告があります」
「っ……どうした」
騎士が執務室に入ってきたため、慌てて姿勢を正す。
英雄として生きる俺が、無様な姿を晒すことはできない。
だから気持ちが落ちていようとも、気丈に振る舞う。
この国の英雄として、恥を晒さぬようにだ。
しかし……今はそれが辛く、無様で滑稽に思えた。
「次回の評議会について、大臣様から伝言を承っております」
評議会とは、以前に俺の法案が貴族から酷評された議会だ。
それを思い出して気が滅入る。
「言ってくれ」
「はっ! ……次回の評議会に加えて、今後の議会への参加も認めないとのことです」
「っ! なんだと!」
騎士団が議会に出席できるのは、ひとえに騎士団の地位向上の表れ。
前騎士団長から続いていた評議会への参加権をはく奪など、いわば騎士団の地位降格を意味していた。
「ふざけるな! すぐに抗議の文を送れ!」
「で、ですが……伝令では、すでに議会参加者の過半数が団長の参加取り止めに賛成していると……」
「……」
「理由として、現騎士団長では評議会参加への能力不足だと」
なんて……ことだ。
『正しさを押し通すには、時にしがらみを受け入れる考えも必要なはずです』
以前、ラルフが言っていた言葉を思い出す。
同時に、俺がそのような媚びを恥だと思って否定していた時。
それらのしがらみを繋ぎとめてくれていた、リディアの存在が頭から離れない。
胸が痛くて仕方がない。
「団長……?」
「少し……外してくれ。それと、ラルフを呼んでくれないか」
「は、はい」
もはや気丈に振る舞う余裕もなく、肩を落として俯いてしまう。
部下の前で無様を晒すことに構わなくなるほど、後悔が胸を貫いてくる。
支えてくれていたと知ったリディアに、俺はなにも返せていなかった。
挙句、笑みを見たことも無いほどに彼女と接していなかった。
「俺に非などないと思っていたが……山ほどあったのだな」
今さら気付いてしまった、リディアの支え。
彼女が居なくなって、はじめて知るなど……
「レイクス団長。お呼びでしょうか」
「ラルフ、よく来てくれた」
部下に頼み、呼んでもらったラルフに視線を向ける。
もはや、恥を忍ぶ余裕もなく、俺は願いを告げた。
「リディアの捜索をしてくれ。彼女に……会いたい。謝罪したいんだ」
「レイクス団長……」
「頼む」
「それは……できません。もう半年以上も経ってしまった今、いくら捜索しても彼女の痕跡や、目撃証言がとれる可能性は低い。長く騎士を勤めた貴方なら、分かっているのでしょう」
「っ……それでも、手を尽くすしかない。一度でいい、謝罪したいんだ」
「……団長」
俺の気付きなどもう遅く、今さら探そうとも、もうリディアには届かぬ。
分かっている。
だが、諦めるなど出来ず……俺は自らの私財を投じて人を雇い、リディアの捜索を始めた。
そして……十日後。
「団長。奥様が失踪された時期の目撃情報がありました」
「っ!! ……本当か?」
「リディア奥様の最後の目撃情報として、王都に居た証言がありました」
やはり半年以上も経った今、大した手がかりにならぬ証言しかないことに肩を落とした時。
続くラルフの言葉が、俺の焦燥感をかきたてた、
「目撃された際。奥様は血の滲んだハンカチを持ち、ふらついておられたと……」
「なっ!! リディアが怪我をしていたのか?」
「分かりません。それ以外の証言は見つからず……」
ラルフの言葉で思い出すのは……リディアが去った頃、執務机に付着していた血痕。
あれが、もし彼女のものであったなら……
俺は、俺は……なにを悠長に生きていたんだ。
「リディア……どこにいるんだ……」
初めて芽生えた、焦りと心配。
だが、捜索するにはあまりに時間が経った今。
俺にはただ、ただ後悔だけが胸を満たしていった。
◇◇◇
失望、後悔に苛まれる中。
今日も誰もいない、あの空虚な屋敷に帰らなくてはならないことに悲観する。
そんな時、屋敷の前に人影が見えた。
リディアと同じく腰まで伸びた髪に、思わず胸が高鳴る。
「帰って、きたのか?」
期待と共に、見える人影へと歩みを向けた先。
待っていたのは……
「レイクス、帰ってきたのね」
「っ、ミラ……!」
俺の幼馴染であり、ラルフに会うなと苦言を呈されていたミラがいた。
彼女が訪れていることに動揺してしまう。
「最近……会いに来てくれないから」
「忙しいんだ。君だって容態が悪いのだから、早く家に帰って安静にしていろ。なぜこんなとこに」
「貴方の奥様が不在なのよね。だから、やって来たの」
「それは、いったいどういう意味で……」
尋ねた言葉に返答はないまま。
彼女は俺の胸へと駆け寄り、腕を回した。
「ミラっ!? なにを!」
「ずっと、待ってたの。私……本当は貴方を……」
赤らんだ頬、艶のある笑みと共に。
彼女は俺を抱きしめた。
◇◇◇お知らせ◇◇◇
本作は23時にも投稿をしていくことにしました。
完結まで早足で進めてまいります。
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