【完結】私が貴方の元を去ったわけ

なか

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 窓からそよぐ風。
 揺れるカーテンが、私を引き止めるかのように頬を撫でる。

 でも、もう覚悟を決めたことだから。
 私は躊躇わずに、夫の書斎机の上へと……紙を置く。
 夫婦関係の終わりを告げる書き置きを残して。

「レイクス様……」

 愛していたレイクスから離れていくことを、私はずっと葛藤していた。

 でも、もう限界だ。
 このまま私が彼と共に居ても……どうにもならない。
 彼の説得もできず、去ることに悔やむ気持ちはあるけれど。

「貴方を……

 自然と口から漏れ出る、過去形の通り。
 私はもう、貴方を愛せない。
 もう……愛したって辛いだけだから。

「さよなら」

 私が居なくなった後……
 貴方は、私が去った理由を知ってくれるのだろうか。 

 いや、知らなくていい。
 どうせ知っても、意味がないのだから。

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