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5話
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「ごめんなさいお姉様…本来なら結婚式の後にする予定でしたのに」
マリアの言葉に私は首を横に振る
「いえ、概ね予定通りです、むしろ今までよくやってくれました」
「優しいお姉様大好き!!」
強く抱きしめられながら私はマリアの頭を撫でる
嬉しそうに微笑む彼女
本心からマリアには感謝しかない、やり遂げてくれたのだから
「いやぁ…長かったね」
お父様も安堵したように私達に笑顔を向ける
「本当に、ローザの結婚が無理矢理決められた時はどうしようかと思ったわ」
お母様も嬉しそうにしてお父様の腕に抱きつく
私達は久々に笑いあった、家族で
ただ1人を除いて
「な、説明しろ!!マリア!!おれの元にこい!!何がどうなっている!!」
はぁ…この状況を見て分からないのだろうか?
子供のように駄々をいって説明してもらおうとしているのだろう
相変わらず思考が停止している…
でも、離縁してもらった嬉しさもある仕方がないので説明しよう
「分からないのですか?全て演技だったのですよ」
「は?………………はぁ!?」
「妹があなたに近づいたのは私から気持ちを離れてもらうため、分かりやすく胸に吸い寄せられてくれましたね」
「ほんっとうに……気持ち悪かった……」
マリアは胸を抑えてライアン様を侮蔑するように睨む
彼も動揺して、頭を抱える
「お父様とお母様があっさりと受け入れた時はバレるかと思いましたわ……」
「すまないねローザ…嬉しくて」
「ええ、思わず笑ってしまいそうになるのを抑えていましたの」
「な、なんだよ……何を言って…」
「不思議に思いませんでした?離縁のための書類…あれは王都でしか発行されていません…手に入れるためには最低でも3週間かかります…易々とは準備できませんよ」
「だ、だましたのか!!」
はぁ…思わずため息を吐く
「だから、先ほど言ったではありませんか…だましていたのだと」
その言葉に彼は悔しさで身体を震わせ
顔を赤くして怒りの表情をうかべる
「お、俺をだました!?タダですむと思っているのか?父と母に言いつけてやる!!俺は公爵家だぞ?お前たちの立場…爵位なんて消し去ってやる!!一家全員を路頭に迷わせてやる!!」
「だから……まだ分かりませんか?この話をした時点であなたは詰んでいるのです」
「は?」
私が手を叩く
すると、先ほどマリアが離れた時に呼んでいてくれたのだろう
控えていた方々がライアン様を捕えた
「な、何を!?」
数人に捕えられたライアン様
そして、一際大きな男性が私の元へとやってきて膝をつく
「今回の捜査の協力…感謝する…ローザ」
「いえ、予定していた日程より早く来ていただいていて助かりました…ガリウス様」
「が、ガリウス!?」
ライアン様が驚きの声を上げた
無理もないだろう
目の前にいるのはガリウス・エディン
私達の王国の正義を司る機関
聖騎士団
彼はその団長なのだから
「さぁ…始めましょうか…ライアン様」
私は冷えた笑みを彼に向けた
マリアの言葉に私は首を横に振る
「いえ、概ね予定通りです、むしろ今までよくやってくれました」
「優しいお姉様大好き!!」
強く抱きしめられながら私はマリアの頭を撫でる
嬉しそうに微笑む彼女
本心からマリアには感謝しかない、やり遂げてくれたのだから
「いやぁ…長かったね」
お父様も安堵したように私達に笑顔を向ける
「本当に、ローザの結婚が無理矢理決められた時はどうしようかと思ったわ」
お母様も嬉しそうにしてお父様の腕に抱きつく
私達は久々に笑いあった、家族で
ただ1人を除いて
「な、説明しろ!!マリア!!おれの元にこい!!何がどうなっている!!」
はぁ…この状況を見て分からないのだろうか?
子供のように駄々をいって説明してもらおうとしているのだろう
相変わらず思考が停止している…
でも、離縁してもらった嬉しさもある仕方がないので説明しよう
「分からないのですか?全て演技だったのですよ」
「は?………………はぁ!?」
「妹があなたに近づいたのは私から気持ちを離れてもらうため、分かりやすく胸に吸い寄せられてくれましたね」
「ほんっとうに……気持ち悪かった……」
マリアは胸を抑えてライアン様を侮蔑するように睨む
彼も動揺して、頭を抱える
「お父様とお母様があっさりと受け入れた時はバレるかと思いましたわ……」
「すまないねローザ…嬉しくて」
「ええ、思わず笑ってしまいそうになるのを抑えていましたの」
「な、なんだよ……何を言って…」
「不思議に思いませんでした?離縁のための書類…あれは王都でしか発行されていません…手に入れるためには最低でも3週間かかります…易々とは準備できませんよ」
「だ、だましたのか!!」
はぁ…思わずため息を吐く
「だから、先ほど言ったではありませんか…だましていたのだと」
その言葉に彼は悔しさで身体を震わせ
顔を赤くして怒りの表情をうかべる
「お、俺をだました!?タダですむと思っているのか?父と母に言いつけてやる!!俺は公爵家だぞ?お前たちの立場…爵位なんて消し去ってやる!!一家全員を路頭に迷わせてやる!!」
「だから……まだ分かりませんか?この話をした時点であなたは詰んでいるのです」
「は?」
私が手を叩く
すると、先ほどマリアが離れた時に呼んでいてくれたのだろう
控えていた方々がライアン様を捕えた
「な、何を!?」
数人に捕えられたライアン様
そして、一際大きな男性が私の元へとやってきて膝をつく
「今回の捜査の協力…感謝する…ローザ」
「いえ、予定していた日程より早く来ていただいていて助かりました…ガリウス様」
「が、ガリウス!?」
ライアン様が驚きの声を上げた
無理もないだろう
目の前にいるのはガリウス・エディン
私達の王国の正義を司る機関
聖騎士団
彼はその団長なのだから
「さぁ…始めましょうか…ライアン様」
私は冷えた笑みを彼に向けた
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