【完結】あなたが妹を選んだのです…後悔しても遅いですよ?

なか

文字の大きさ
上 下
5 / 11

5話

しおりを挟む
「ごめんなさいお姉様…本来なら結婚式の後にする予定でしたのに」

マリアの言葉に私は首を横に振る

「いえ、概ね予定通りです、むしろ今までよくやってくれました」

「優しいお姉様大好き!!」

強く抱きしめられながら私はマリアの頭を撫でる
嬉しそうに微笑む彼女
本心からマリアには感謝しかない、やり遂げてくれたのだから

「いやぁ…長かったね」

お父様も安堵したように私達に笑顔を向ける

「本当に、ローザの結婚が無理矢理決められた時はどうしようかと思ったわ」

お母様も嬉しそうにしてお父様の腕に抱きつく
私達は久々に笑いあった、家族で
ただ1人を除いて


「な、説明しろ!!マリア!!おれの元にこい!!何がどうなっている!!」


はぁ…この状況を見て分からないのだろうか?
子供のように駄々をいって説明してもらおうとしているのだろう
相変わらず思考が停止している…
でも、離縁してもらった嬉しさもある仕方がないので説明しよう


「分からないのですか?全て演技だったのですよ」

「は?………………はぁ!?」

「妹があなたに近づいたのは私から気持ちを離れてもらうため、分かりやすく胸に吸い寄せられてくれましたね」

「ほんっとうに……気持ち悪かった……」

マリアは胸を抑えてライアン様を侮蔑するように睨む
彼も動揺して、頭を抱える

「お父様とお母様があっさりと受け入れた時はバレるかと思いましたわ……」

「すまないねローザ…嬉しくて」
「ええ、思わず笑ってしまいそうになるのを抑えていましたの」


「な、なんだよ……何を言って…」

「不思議に思いませんでした?離縁のための書類…あれは王都でしか発行されていません…手に入れるためには最低でも3週間かかります…易々とは準備できませんよ」


「だ、だましたのか!!」

はぁ…思わずため息を吐く

「だから、先ほど言ったではありませんか…だましていたのだと」

その言葉に彼は悔しさで身体を震わせ
顔を赤くして怒りの表情をうかべる

「お、俺をだました!?タダですむと思っているのか?父と母に言いつけてやる!!俺は公爵家だぞ?お前たちの立場…爵位なんて消し去ってやる!!一家全員を路頭に迷わせてやる!!」

「だから……まだ分かりませんか?この話をした時点であなたは詰んでいるのです」

「は?」

私が手を叩く
すると、先ほどマリアが離れた時に呼んでいてくれたのだろう
控えていた方々がライアン様を捕えた

「な、何を!?」

数人に捕えられたライアン様
そして、一際大きな男性が私の元へとやってきて膝をつく

「今回の捜査の協力…感謝する…ローザ」

「いえ、予定していた日程より早く来ていただいていて助かりました…ガリウス様」

「が、ガリウス!?」

ライアン様が驚きの声を上げた
無理もないだろう
目の前にいるのはガリウス・エディン


私達の王国の正義を司る機関
聖騎士団


彼はその団長なのだから


「さぁ…始めましょうか…ライアン様」


私は冷えた笑みを彼に向けた
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

物語は続かない

mios
恋愛
「ローズ・マリーゴールド公爵令嬢!貴様との婚約を破棄する!」 懐かしい名前を聞きました。彼が叫ぶその名を持つ人物は既に別の名前を持っています。 役者が欠けているのに、物語が続くなんてことがあるのでしょうか?

殿下に裏切られたことを感謝しています。だから妹と一緒に幸せになってください。なれるのであれば。

田太 優
恋愛
王子の誕生日パーティーは私を婚約者として正式に発表する場のはずだった。 しかし、事もあろうか王子は妹の嘘を信じて冤罪で私を断罪したのだ。 追い出された私は王家との関係を優先した親からも追い出される。 でも…面倒なことから解放され、私はやっと自分らしく生きられるようになった。

悪いのは全て妹なのに、婚約者は私を捨てるようです

天宮有
恋愛
伯爵令嬢シンディの妹デーリカは、様々な人に迷惑をかけていた。 デーリカはシンディが迷惑をかけていると言い出して、婚約者のオリドスはデーリカの発言を信じてしまう。 オリドスはシンディとの婚約を破棄して、デーリカと婚約したいようだ。 婚約破棄を言い渡されたシンディは、家を捨てようとしていた。

病弱だった私は彼の姉の結婚式に参加できなかったことで怒られ婚約破棄されました。しかし彼は後に不治の病にかかったようです。

四季
恋愛
病弱だった私は彼の姉の結婚式に参加できなかったことで怒られ婚約破棄されました。 しかし彼は後に不治の病にかかったようです。

【完結】妹が私の婚約者から好意を抱かれていると言いましたけど、それだけは絶対にあり得ませんから

白草まる
恋愛
シルビアとセリアの姉妹はルーファスと幼馴染であり、家族ぐるみの付き合いが続いていた。 やがてルーファスとシルビアは婚約を結び、それでも変わらない関係が続いていた。 しかし、セリアが急に言い出したのだ。 「私、よく考えてみたのですけど……ルーファス様、私のことが好きですよね?」

【完結済み】私を裏切って幼馴染と結ばれようなんて、甘いのではありませんか?

法華
恋愛
貴族令嬢のリナは、小さいころに親から言いつけられた婚約者カインから、ずっと執拗な嫌がらせを受けてきた。彼は本当は、幼馴染のナーラと結婚したかったのだ。二人の結婚が済んだ日の夜、カインはリナに失踪するよう迫り、リナも自分の人生のために了承する。しかしカインは約束を破り、姿を消したリナを嘘で徹底的に貶める。一方、リナはすべてを読んでおり......。 ※完結しました!こんなに多くの方に読んでいただけるとは思っておらず、とてもうれしく思っています。また新作を準備していますので、そちらもどうぞよろしくお願いします! 【お詫び】 未完結にもかかわらず、4/23 12:10 ~ 15:40の間完結済み扱いになっていました。誠に申し訳ありません。

もう無理だ…婚約を解消して欲しい

山葵
恋愛
「アリアナ、すまない。私にはもう無理だ…。婚約を解消して欲しい」 突然のランセル様の呼び出しに、急いで訪ねてみれば、謝りの言葉からの婚約解消!?

処理中です...