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「ローザ!!ローザはいるか!」
彼の声が屋敷内に響く
あそこまで大きな声で呼ばなくてもいいのに
すこし呆れながら私は声の主の元へと向かう
「何か用でしょうか?ライアン様」
目の前のライアン様は私を見て鼻で笑う
彼は私の夫で公爵家の令息
夫といってもまだ書類上の関係だが明日には結婚式を上げる予定だ
そんな彼は私を嘲笑うように指さす
「ローザ!!お前との結婚は取り消しとさせてもらう!!」
は!?
この方は正気でしょうか?
明日には結婚式ですよ?
冗談かと、冷や汗をかきながら
私は問いただす
「御冗談ですよね?明日のご予定は知っておられますよね?」
「もちろん」
「もちろんではありません!明日の結婚式に何人の方々が関わっていると思っているのですか?今からキャンセルなどどれだけご迷惑をかけるか……」
「うるさいぞ!!ヒステリックな女だな」
彼は私の忠告をヒステリックと蔑み
そして憐れむような視線を向ける
「残念だが、お前への興味は失せたのだ…」
「ライアン様…此度の結婚式にかかる費用もお忘れですか?」
「うるさいぞ!!費用は全てお前が払え…俺は結婚式に関しては口出しもしていない…よってお前が勝手に頼んだ式だ、中止になろうが知ったことではない」
怒りで拳を握る
ここまで自分勝手な方だったなんて
元よりこの方には愛などなかった…私の家は伯爵家
公爵家の彼に言われて無理に結ばれた
いつか離縁する事になると思っていたが早すぎる
タイミングも最悪だ
「残念だったな…ローザ…お前よりも相応しい相手がいたのだよ」
「相応しい相手ですか?」
彼はもったいぶるように「誰だろうな~」なんて言ったが
私には分かっていた
だからこそ、驚きもしないだろう
「こっちにこい!!マリア!!」
マリア…聞きなじみのある名前
それもそうだ、だって彼女は
「お呼びですか~ライアン様!」
微笑みながら彼の腕に絡みつく、彼女
マリア・リシテア…
私と同じリシテア伯爵家の令嬢……そう私の妹だ
「みろ、マリア…ローザが俺たちを見て言葉を失っているぞ!!」
指さし、私を馬鹿にするように大笑いするライアン様
私は黙って彼を見ていた
マリア…妹は舌をだしわざとらしく私に言った
「ごめんなさい~お姉様」と
あぁ…本当に哀れな方だライアン様
あなたが選んだのです
彼の声が屋敷内に響く
あそこまで大きな声で呼ばなくてもいいのに
すこし呆れながら私は声の主の元へと向かう
「何か用でしょうか?ライアン様」
目の前のライアン様は私を見て鼻で笑う
彼は私の夫で公爵家の令息
夫といってもまだ書類上の関係だが明日には結婚式を上げる予定だ
そんな彼は私を嘲笑うように指さす
「ローザ!!お前との結婚は取り消しとさせてもらう!!」
は!?
この方は正気でしょうか?
明日には結婚式ですよ?
冗談かと、冷や汗をかきながら
私は問いただす
「御冗談ですよね?明日のご予定は知っておられますよね?」
「もちろん」
「もちろんではありません!明日の結婚式に何人の方々が関わっていると思っているのですか?今からキャンセルなどどれだけご迷惑をかけるか……」
「うるさいぞ!!ヒステリックな女だな」
彼は私の忠告をヒステリックと蔑み
そして憐れむような視線を向ける
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「うるさいぞ!!費用は全てお前が払え…俺は結婚式に関しては口出しもしていない…よってお前が勝手に頼んだ式だ、中止になろうが知ったことではない」
怒りで拳を握る
ここまで自分勝手な方だったなんて
元よりこの方には愛などなかった…私の家は伯爵家
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いつか離縁する事になると思っていたが早すぎる
タイミングも最悪だ
「残念だったな…ローザ…お前よりも相応しい相手がいたのだよ」
「相応しい相手ですか?」
彼はもったいぶるように「誰だろうな~」なんて言ったが
私には分かっていた
だからこそ、驚きもしないだろう
「こっちにこい!!マリア!!」
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「お呼びですか~ライアン様!」
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マリア・リシテア…
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「みろ、マリア…ローザが俺たちを見て言葉を失っているぞ!!」
指さし、私を馬鹿にするように大笑いするライアン様
私は黙って彼を見ていた
マリア…妹は舌をだしわざとらしく私に言った
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あぁ…本当に哀れな方だライアン様
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