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「ご再考ください。今は私情を挟むような時ではありませんよ殿下」
ユリウスの言葉にアルフレッドは余裕を携えた笑みを浮かべ、優位な位置だと悟ったのか足を組み、先程までとは違って悠然と言葉を返す。
「考えてもみろ、俺がお前達を信用する義理はない。ガディウス達王宮騎士団は王族を守る最後の剣だ。信じるべきなのは彼らだろう?」
「見ていただいた通り、例えガディウスが関わっていなくとも王国に集まっている野盗団の数はすでに正騎士団を超えております。せめて正規軍の招集をお願いいたします」
アルフレッドはシュレイン団長の言葉にさえ、鼻を鳴らして首を横に振って答える。
「王宮は王宮騎士団が、王国の治安については正騎士団の管轄であろう? であればお前達で対処すべき事だ」
「分かっているのですか? これは有事なのです。今こそ王族として王国を守るために貴方が行動すべきだ」
怒気をはらんだシュレイン団長を見るのは初めてであった。
笑みは消え、問いただすような言葉と共にアルフレッドを睨みつけたが、彼はそれを意に介さずにヘラヘラと笑う。
「賊ごときに王家が正規軍を招集するなどそれこそ末代の恥。しかし、リルレットが俺の元へと帰ってくるのであれば、頼みを聞いてもいいと言ってやっている。これでも充分に譲歩しているのだがな」
頭に血が上り、私は叫ぶようにアルフレッドへと声を荒げてしまう。
「ふざけないで!! 私を思い通りにするために有事を利用して……」
「王宮騎士団を疑いたくないだけだ。俺を守る剣とは信頼関係が必要だからな。しかしリルレット、お前が戻ってくれば王宮騎士団への命は解き、特権や支援金も自然と止められる。自然とお前達に協力でき、王宮騎士団を疑って行動せずともいい。俺もお前達も両方が得ではないか?」
「それで、貴方は満足なのですか? もう、貴方に愛などありませんよ」
「満足だよ。俺はずっと弟であるイエルクに全てが負けて生きてきた……奴が他国へ留学していなければ王位継承権は俺ではなく奴だったろう。この悔しくて惨めな思いが分かるか? それらを晴らすためにお前を利用した、俺のために泣き、俺を想い続けているお前を見ていると優越感に満たされて気持ちが良かった」
恍惚とし、愉悦に満ちた笑み。
これはガディウスと同じであり、それ以上に歪んでいる。
人の皮を被り、中身はどす黒く異質なナニカに変わっている、人の感情を自己の欲求を満たすためだけの道具とする異常者の笑み。
「俺を愛さなくても、もう構わない。お前を俺だけのものにして……二度と他の男に渡らないのであれば充分に俺を満たしてくれる。それ程までにお前を愛しているのだぞ、リルレット」
ぬめりとした、異質な愛情……気持ち悪くて不快なソレを向けられて冷や汗が止まらない。
支えるように私の背中に手を当ててくれたのはユリウスであり、アルフレッドを睨みつけていた。
「殿下、申し訳ありませんがその要求には答える事はできません。彼女が身を捧げる事を要求するなど王族のなすべき事には思えません」
「なんとでも言え、俺がお前達に協力するには相応の対価が必要ということだ。リルレット……考えておけ、お前が俺の元へと戻ってくるだけで全てが解決する。それこそ、私情を挟むべきではない事だと分かるだろう? 待っているぞ、お前が帰ってくるのを」
嘲るように笑い、アルフレッドは執務室から外に出て行ってしまう。
残された私達は言いようのない怒りと共に、沈黙の時間が流れる。
私が素直に身を捧げれば……アルフレッドは協力してくれる。
分かってはいるがそれを素直に了承できる程、今の私は彼を好いていない。
それでも、犠牲が少なく済むのならと考えてしまう私を置いて、シュレイン団長とユリウスはため息と共に苦笑を漏らした。
「殿下の協力がないなら仕方がない。別の方法を考えよう」
「ですね、団長。僕の方で引退した騎士達にあたって見ます……まだ動ける方もいるでしょうから」
「ありがとうユリウス、人手は一人でも多い方がいい。いざとなれば王都で義勇兵も募ろう」
不思議であった、二人はすでに最善であった選択肢を諦めて次の一手を考えているのだ。
私が身を捧げるという選択肢は一切存在していない。
「あの……アルフレッドの提案を考えなくてもいいのですか?」
私の問いを聞き、不思議そうにユリウスは首を傾げた。
「リルレットは行きたいの?」
「いえ、そんな事は……」
「じゃあ選択肢に含む必要はない。君を犠牲にするほど正騎士団は薄情じゃない」
ユリウスが笑いながら私の肩に手を置き、座ったままのシュレイン団長も頷いた。
「君の父上であるギーデウス元団長にもよく言われたよ。仲間や民を見捨てる騎士など必要ない……全て守ってこそ騎士であるとね。君は特命騎士として役目を成し遂げた、僕らにとって戦友とも言える君を見捨てるはずがない」
父が残した言葉、それを彼らは騎士として紡いで皆を守っている。
目の前で私を見つめる二人は憧れていた騎士そのものであり、その二人から戦友だと認められている事がたまらなく嬉しかった。
自由に生きると決めたのに、危うく不自由な道を選ぶ所だった自分に自戒する。
シュレイン団長は私とユリウスを交互に見やり、珍しく笑みを浮かべた。
「僕も結婚しているから分かるよ、愛する者同士で結ばれないとね。だからリルレット君は身を捧げる必要などないが、代わり騎士として頑張ってもらうよ。僕がまた妻と会うためにもね」
「もちろんです団長、私もできる限りの力添えをします」
膝をつき、頭を下げる。
目の前にいる二人は私にとって憧れの騎士、私もその一人として責務を全うしよう。
自由に生きると決めたあの日から追い求めた日がようやくきたのだ。
騎士としてこの国を守る事が私の努め。
「しかし、野盗団の数はかなりの数です……王宮騎士団も混ざるとあればラインハルト王国の正規軍程の人員は必要ですね」
話を戻すように切り出したユリウスの言葉にシュレイン団長も苦い表情で頷く。
「勝ち目があるとすれば彼らは訓練された兵ではない事、統率力では勝ってはいるが……それが有効打にはならないね」
「王都は既に囲まれ始めています、せめて各地に散らばった正騎士団を呼び戻すことが出来れば……」
「ガディウスはそれも狙っていたのだろうね、先ずは辺境で被害を起こし騎士団を派遣させて王都を守る正騎士団の数を減らした」
念入りな準備と計画に加えて数の差は歴然としている、正直に言えば勝ち目はない。
野盗団が攻め入れば王都はなすすべなく突破され、王宮まで達していき、さらには王宮の肝心な要である王宮騎士団には期待できないのだ。
せめて……王国の正規軍を起こせればまだ勝機は残っているが、肝心のアルフレッドにも期待できない。
八方塞がりに近く、妙案を出すためにユリウスとシュレイン団長が意見を出し合う。
その中、私は沈黙して考え……今までの経験から思考を巡らせる。
ユリウスの言葉を今になって思い出す、どんな手を使ってでも最後に立っていれば勝ち。
それを狡猾だと自分で卑下していたユリウスであったが、今の私にはそれこそが最も必要な事であると分かる。
信念を持って正々堂々と戦う事も騎士だ……しかし、ずる賢く策を練り、犠牲を一人でも減らす事も騎士に変わりはない。
この状況で必要なのは……後者。
どんな手を使ってでも最後には立つ、それが毒となるかもしれなくても……勝ち目があるならすべき事だ。
自然と、私の中で無茶な考えが浮かぶ。
「団長、ユリウス……提案があります。聞いてくれますか?」
視線を向けた二人に考えた計画を明かしていく、話をしながら自分でもなんて事を考えたのだと苦笑してしまう程に狡猾で、とても危険な計画。
だが、これが今の状況でとれる最善手だと私は思う。
……。
全てを聞いたシュレイン団長は一筋の汗を流し、最終確認というように私を見つめた。
「分かっているのかい? 君が提案した計画はラインハルト王国が無くなるかもしれないよ。それに君やユリウスの命が無事かどうかも分からない」
「……これが最も犠牲を出さずに済むと、私は思っています」
「それに」と付け加えるように呟きながら、ユリウスへ視線を向ける。
「私とユリウスは必ず生きてみせます。お互いに背中を預けているので」
答えるようにユリウスは頷いて「リルレットと一緒なら大丈夫です」と言ってくれた。
私達へ交互に視線を送り、しばらく考えたシュレイン団長は頷く。
「君たちの覚悟が決まっているのなら、僕に異論はない……肉を切らせて骨を断とう。やろうか、正騎士団の責務を全うしよう」
この策は狡猾で、危険だ。
だからこそ、成功した時の見返りは最も大きく、この国に蔓延る毒を全て消し去るだろう。
ならば騎士として、私はやり遂げる……もう怖くなどない。
彼が背を守ってくれているから。
ユリウスの言葉にアルフレッドは余裕を携えた笑みを浮かべ、優位な位置だと悟ったのか足を組み、先程までとは違って悠然と言葉を返す。
「考えてもみろ、俺がお前達を信用する義理はない。ガディウス達王宮騎士団は王族を守る最後の剣だ。信じるべきなのは彼らだろう?」
「見ていただいた通り、例えガディウスが関わっていなくとも王国に集まっている野盗団の数はすでに正騎士団を超えております。せめて正規軍の招集をお願いいたします」
アルフレッドはシュレイン団長の言葉にさえ、鼻を鳴らして首を横に振って答える。
「王宮は王宮騎士団が、王国の治安については正騎士団の管轄であろう? であればお前達で対処すべき事だ」
「分かっているのですか? これは有事なのです。今こそ王族として王国を守るために貴方が行動すべきだ」
怒気をはらんだシュレイン団長を見るのは初めてであった。
笑みは消え、問いただすような言葉と共にアルフレッドを睨みつけたが、彼はそれを意に介さずにヘラヘラと笑う。
「賊ごときに王家が正規軍を招集するなどそれこそ末代の恥。しかし、リルレットが俺の元へと帰ってくるのであれば、頼みを聞いてもいいと言ってやっている。これでも充分に譲歩しているのだがな」
頭に血が上り、私は叫ぶようにアルフレッドへと声を荒げてしまう。
「ふざけないで!! 私を思い通りにするために有事を利用して……」
「王宮騎士団を疑いたくないだけだ。俺を守る剣とは信頼関係が必要だからな。しかしリルレット、お前が戻ってくれば王宮騎士団への命は解き、特権や支援金も自然と止められる。自然とお前達に協力でき、王宮騎士団を疑って行動せずともいい。俺もお前達も両方が得ではないか?」
「それで、貴方は満足なのですか? もう、貴方に愛などありませんよ」
「満足だよ。俺はずっと弟であるイエルクに全てが負けて生きてきた……奴が他国へ留学していなければ王位継承権は俺ではなく奴だったろう。この悔しくて惨めな思いが分かるか? それらを晴らすためにお前を利用した、俺のために泣き、俺を想い続けているお前を見ていると優越感に満たされて気持ちが良かった」
恍惚とし、愉悦に満ちた笑み。
これはガディウスと同じであり、それ以上に歪んでいる。
人の皮を被り、中身はどす黒く異質なナニカに変わっている、人の感情を自己の欲求を満たすためだけの道具とする異常者の笑み。
「俺を愛さなくても、もう構わない。お前を俺だけのものにして……二度と他の男に渡らないのであれば充分に俺を満たしてくれる。それ程までにお前を愛しているのだぞ、リルレット」
ぬめりとした、異質な愛情……気持ち悪くて不快なソレを向けられて冷や汗が止まらない。
支えるように私の背中に手を当ててくれたのはユリウスであり、アルフレッドを睨みつけていた。
「殿下、申し訳ありませんがその要求には答える事はできません。彼女が身を捧げる事を要求するなど王族のなすべき事には思えません」
「なんとでも言え、俺がお前達に協力するには相応の対価が必要ということだ。リルレット……考えておけ、お前が俺の元へと戻ってくるだけで全てが解決する。それこそ、私情を挟むべきではない事だと分かるだろう? 待っているぞ、お前が帰ってくるのを」
嘲るように笑い、アルフレッドは執務室から外に出て行ってしまう。
残された私達は言いようのない怒りと共に、沈黙の時間が流れる。
私が素直に身を捧げれば……アルフレッドは協力してくれる。
分かってはいるがそれを素直に了承できる程、今の私は彼を好いていない。
それでも、犠牲が少なく済むのならと考えてしまう私を置いて、シュレイン団長とユリウスはため息と共に苦笑を漏らした。
「殿下の協力がないなら仕方がない。別の方法を考えよう」
「ですね、団長。僕の方で引退した騎士達にあたって見ます……まだ動ける方もいるでしょうから」
「ありがとうユリウス、人手は一人でも多い方がいい。いざとなれば王都で義勇兵も募ろう」
不思議であった、二人はすでに最善であった選択肢を諦めて次の一手を考えているのだ。
私が身を捧げるという選択肢は一切存在していない。
「あの……アルフレッドの提案を考えなくてもいいのですか?」
私の問いを聞き、不思議そうにユリウスは首を傾げた。
「リルレットは行きたいの?」
「いえ、そんな事は……」
「じゃあ選択肢に含む必要はない。君を犠牲にするほど正騎士団は薄情じゃない」
ユリウスが笑いながら私の肩に手を置き、座ったままのシュレイン団長も頷いた。
「君の父上であるギーデウス元団長にもよく言われたよ。仲間や民を見捨てる騎士など必要ない……全て守ってこそ騎士であるとね。君は特命騎士として役目を成し遂げた、僕らにとって戦友とも言える君を見捨てるはずがない」
父が残した言葉、それを彼らは騎士として紡いで皆を守っている。
目の前で私を見つめる二人は憧れていた騎士そのものであり、その二人から戦友だと認められている事がたまらなく嬉しかった。
自由に生きると決めたのに、危うく不自由な道を選ぶ所だった自分に自戒する。
シュレイン団長は私とユリウスを交互に見やり、珍しく笑みを浮かべた。
「僕も結婚しているから分かるよ、愛する者同士で結ばれないとね。だからリルレット君は身を捧げる必要などないが、代わり騎士として頑張ってもらうよ。僕がまた妻と会うためにもね」
「もちろんです団長、私もできる限りの力添えをします」
膝をつき、頭を下げる。
目の前にいる二人は私にとって憧れの騎士、私もその一人として責務を全うしよう。
自由に生きると決めたあの日から追い求めた日がようやくきたのだ。
騎士としてこの国を守る事が私の努め。
「しかし、野盗団の数はかなりの数です……王宮騎士団も混ざるとあればラインハルト王国の正規軍程の人員は必要ですね」
話を戻すように切り出したユリウスの言葉にシュレイン団長も苦い表情で頷く。
「勝ち目があるとすれば彼らは訓練された兵ではない事、統率力では勝ってはいるが……それが有効打にはならないね」
「王都は既に囲まれ始めています、せめて各地に散らばった正騎士団を呼び戻すことが出来れば……」
「ガディウスはそれも狙っていたのだろうね、先ずは辺境で被害を起こし騎士団を派遣させて王都を守る正騎士団の数を減らした」
念入りな準備と計画に加えて数の差は歴然としている、正直に言えば勝ち目はない。
野盗団が攻め入れば王都はなすすべなく突破され、王宮まで達していき、さらには王宮の肝心な要である王宮騎士団には期待できないのだ。
せめて……王国の正規軍を起こせればまだ勝機は残っているが、肝心のアルフレッドにも期待できない。
八方塞がりに近く、妙案を出すためにユリウスとシュレイン団長が意見を出し合う。
その中、私は沈黙して考え……今までの経験から思考を巡らせる。
ユリウスの言葉を今になって思い出す、どんな手を使ってでも最後に立っていれば勝ち。
それを狡猾だと自分で卑下していたユリウスであったが、今の私にはそれこそが最も必要な事であると分かる。
信念を持って正々堂々と戦う事も騎士だ……しかし、ずる賢く策を練り、犠牲を一人でも減らす事も騎士に変わりはない。
この状況で必要なのは……後者。
どんな手を使ってでも最後には立つ、それが毒となるかもしれなくても……勝ち目があるならすべき事だ。
自然と、私の中で無茶な考えが浮かぶ。
「団長、ユリウス……提案があります。聞いてくれますか?」
視線を向けた二人に考えた計画を明かしていく、話をしながら自分でもなんて事を考えたのだと苦笑してしまう程に狡猾で、とても危険な計画。
だが、これが今の状況でとれる最善手だと私は思う。
……。
全てを聞いたシュレイン団長は一筋の汗を流し、最終確認というように私を見つめた。
「分かっているのかい? 君が提案した計画はラインハルト王国が無くなるかもしれないよ。それに君やユリウスの命が無事かどうかも分からない」
「……これが最も犠牲を出さずに済むと、私は思っています」
「それに」と付け加えるように呟きながら、ユリウスへ視線を向ける。
「私とユリウスは必ず生きてみせます。お互いに背中を預けているので」
答えるようにユリウスは頷いて「リルレットと一緒なら大丈夫です」と言ってくれた。
私達へ交互に視線を送り、しばらく考えたシュレイン団長は頷く。
「君たちの覚悟が決まっているのなら、僕に異論はない……肉を切らせて骨を断とう。やろうか、正騎士団の責務を全うしよう」
この策は狡猾で、危険だ。
だからこそ、成功した時の見返りは最も大きく、この国に蔓延る毒を全て消し去るだろう。
ならば騎士として、私はやり遂げる……もう怖くなどない。
彼が背を守ってくれているから。
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