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「は、話とはなんですか? マルク」
前の一件から気まずくなってしまった私達はこうして話すのも久々だ。
とはいえ、嫌いになったわけじゃない。
マルクとは騎士試験からの同期、共に切磋琢磨した友人なのだから話す機会を設けたいと思っていた。
「この前は……本当にごめん。俺が余計な心配をしていた」
マルクは見たこともない程に思い詰めた表情で頭を下げた。
彼なりに反省をしてくれていたのなら、責める理由もない。
「気にしてないよ。謝ってくれたならそれで充分」
その言葉を聞いた瞬間、マルクは弾けるような笑みを浮かべて大きな息を吐いた。
心の底から安心をしたのだろう。
「良かったぁ……リールとは仲良くしたいからさ、ずっと謝る機会を探ってたんだ」
「僕こそ、また話せて嬉しいよ」
返した言葉に彼は目を潤ませて私と肩を組んでくる。
相変わらず距離の近い友人だ、男同士だと思ってくれているのはありがたいけど。
「リールもさ、あっちで先輩と飲まないか? 今はユリウス様も外しているから大丈夫だろ?」
マルクの提案は嬉しいが、私は首を横に振る。
「ごめん、ユリウス様に席を離れるなって言われいて」
「……なんだよ、それ」
眉根をひそめたマルクはあの時と同じように過剰な心配を口にした。
「流石に噂されるぞ、お前も男色の気があるってな」
「っ……」
正直に言って私の噂が立つのはどうでも良い。
だけど、せっかくユリウス様が払拭しようとした噂を私が原因で広めてしまうのは心苦しい。
渋々と立ち上がり、頷く。
「す、少しだけですよ?」
「もちろん、先輩も待っているから行こうぜ」
肩を組まれて連れて行かれ、逃げられないのだと悟る。
断った方が良かったのだろうか、しかしそれではユリウス様に迷惑がかかる。
ジレンマにヤキモキしていると、先輩達と同席に着いて早々に目の前に酒瓶が置かれる。
「ほら、どんどん飲めよ。リール」
「マルク……僕はあんまり飲めないよ」
「飲めば酒には強くなれる、さぁ飲め!!」
酒瓶を無理矢理に口元に押し当てられ、こぼすわけにもいかずにゴクリと飲み込む。
苦い味を感じ、やってしまったと思った。
ユリウス様はこうなる事を予測していたのだ。
彼ら男同士では多少の無茶は当たり前、嫌であれば抵抗すればいい。
しかし、酒瓶を口元に押し当てる男性の力に抵抗できない私はされるがままだ。
貴族として社交会では甘い果実酒を嗜む事はあったけど、発泡酒を飲み干すなんて初めてだ。
酒瓶が空になった時には気持ち悪い感覚に口元を抑えてしまう。
「大丈夫か? 抵抗しないからてっきり飲めるのかと」
「…………」
視界がかすんで、ボーっとして何も考えられない。
「ごめん、トイレ」と一言だけ告げて席を立つ。
今は酒の匂いを感じたくなくて、外に出て夜風に当たる。
少しはマシになるかと思ったけど、酔いが回って正常な判断が出来ない程に眠気が襲いかかる。
酒場の外で地べたに座ってしまい、目を閉じそうになりながら必死に耐えるが駄目だった。
ぽわぽわとした頭、まともな判断も出来ずに羞恥もなく眠りに落ちてしまう。
駄目だ、せめてユリウス様に言われた席に戻らないと……そんな考えを最後に私の意識は遠くへと消えていった。
……。
「ずいぶんと出来上がってるみたいだね。この子」
「すみません団長、先に中に入ってもらっていいですか? この子は僕が」
何か聞こえてくる、定まらない思考の中で瞳を薄っすらと開く。
かすれた視界に映ったのはバターブロンドの髪、そして私の身体は不思議な浮遊間を感じていた。
懐かしい感覚、まるで幼き頃に父がしてくれた横抱きのようだ。
その心地よさに身を預けて、私は再び瞳を閉じてしまう。
何故かとても安心できたその浮遊間に柄にもなく甘えて、眠りの船を漕いだ。
◇◇◇
「ん……」
徐々に取り戻す意識の中、私は誰かに身体を寄せて眠っていると気づく。
思考は回らず、ゆっくりと瞼を開くと頬を緩めるユリウス様と視線が合った。
「起きたみたいだね。リール」
「へ……わ、私なにを!?」
慌てて顔を上げるが、ズキズキとした頭痛に思わず顔をしかめる。
その時、彼は私の肩に手を置いて再び身体を引き寄せた。
「酔いがさめるまではゆっくりとしておきなよ」
「で、でも……」
ここはまだ酒場だ、聞こえてくる賑わいは未だに人の目がある事が分かる。
彼に身を寄せる事が悪いわけではない、むしろ気遣いは嬉しいがまた噂されるだけだと無理矢理に身体を起こす。
「うっ、団長様は来られたのですか?」
虚ろな意識で周囲を見渡すが、それらしき人はいない。
「団長は挨拶だけして帰ったよ、久々に王都に帰ってきたからね。家族との時間を大切にしたいみたいだ。相談は明日にすればいいよ」
「分かりました」
未だにボーっとしている意識の中で私の前に木製のコップが置かれた。
ユリウス様からであり、視線を向けると意地の悪い笑みを浮かべている。
「席を離れた罰だよ。これを飲むように」
「その……許してくれませんか? もうお酒は飲めません」
「駄目だよ。上官命令」
最悪だ、更に飲んでしまえば倒れてしまう。
悪態をつく元気もなく、見逃してくれなさそうな視線に観念してコップを傾ける。
カラリと氷の音が鳴り、中身がただの水だと分かった。
「これ、水……」
「ごめん、本当はお詫び。君も連れて行けば良かった。それなら酒を飲めとうるさい事を言う奴もいないだろう?」
ニコリと笑って葡萄酒を飲む彼に心がほわほわとしてしまう。
嬉しくて、ドキドキしてしまうのは酔いのせいなのだろうか?
グラスに入った氷が頭を冷やしてくれて気持ちがいい。
「氷なんて、何処に……」
氷はとても貴重な品のはず……社交会でも寒い時期しか出てくる事はない。
「ないしょ」
含みのある笑みを浮かべて答えてくれない彼に首を傾げつつも水を飲み進める。
周囲の騒ぎも相当なはずなのに、彼の隣は不思議と静かに思えた。
コップを机に置いて一息つくと、するりと机の下で私の手をユリウス様が握った。
「っ!?」
「嫌かな? 今はこうしていたい」
聞かれた言葉、嫌だなんて言えなかった。
周囲に隠れて繋いだ手、トクトクと脈打つ鼓動……流石に分かる。
久しく抱いていなかった恋情は、男装した私の心を女性に変えた。
「見つかれば、噂されますよ?」
「別にいいよ。君は知ってくれているだろ?」
「……はい」
演技じゃない彼の仕草に心惹かれてしまう。
この行為は……彼も同じ気持ちを抱いてくれているのだろうか?
そうであれば、とても嬉しくて思わず笑みがこぼれてしまう。
私が女性だと認めてしまえば規律に従って除隊しないといけなくなる。
だから、この好意は秘密であり机の下でしか気持ちは伝えない。
嬉しくて、申し訳ないと思いながらも……今は何も考えず。
お互いの恋情を伝え合うように私達は机の下で指を絡め合った。
前の一件から気まずくなってしまった私達はこうして話すのも久々だ。
とはいえ、嫌いになったわけじゃない。
マルクとは騎士試験からの同期、共に切磋琢磨した友人なのだから話す機会を設けたいと思っていた。
「この前は……本当にごめん。俺が余計な心配をしていた」
マルクは見たこともない程に思い詰めた表情で頭を下げた。
彼なりに反省をしてくれていたのなら、責める理由もない。
「気にしてないよ。謝ってくれたならそれで充分」
その言葉を聞いた瞬間、マルクは弾けるような笑みを浮かべて大きな息を吐いた。
心の底から安心をしたのだろう。
「良かったぁ……リールとは仲良くしたいからさ、ずっと謝る機会を探ってたんだ」
「僕こそ、また話せて嬉しいよ」
返した言葉に彼は目を潤ませて私と肩を組んでくる。
相変わらず距離の近い友人だ、男同士だと思ってくれているのはありがたいけど。
「リールもさ、あっちで先輩と飲まないか? 今はユリウス様も外しているから大丈夫だろ?」
マルクの提案は嬉しいが、私は首を横に振る。
「ごめん、ユリウス様に席を離れるなって言われいて」
「……なんだよ、それ」
眉根をひそめたマルクはあの時と同じように過剰な心配を口にした。
「流石に噂されるぞ、お前も男色の気があるってな」
「っ……」
正直に言って私の噂が立つのはどうでも良い。
だけど、せっかくユリウス様が払拭しようとした噂を私が原因で広めてしまうのは心苦しい。
渋々と立ち上がり、頷く。
「す、少しだけですよ?」
「もちろん、先輩も待っているから行こうぜ」
肩を組まれて連れて行かれ、逃げられないのだと悟る。
断った方が良かったのだろうか、しかしそれではユリウス様に迷惑がかかる。
ジレンマにヤキモキしていると、先輩達と同席に着いて早々に目の前に酒瓶が置かれる。
「ほら、どんどん飲めよ。リール」
「マルク……僕はあんまり飲めないよ」
「飲めば酒には強くなれる、さぁ飲め!!」
酒瓶を無理矢理に口元に押し当てられ、こぼすわけにもいかずにゴクリと飲み込む。
苦い味を感じ、やってしまったと思った。
ユリウス様はこうなる事を予測していたのだ。
彼ら男同士では多少の無茶は当たり前、嫌であれば抵抗すればいい。
しかし、酒瓶を口元に押し当てる男性の力に抵抗できない私はされるがままだ。
貴族として社交会では甘い果実酒を嗜む事はあったけど、発泡酒を飲み干すなんて初めてだ。
酒瓶が空になった時には気持ち悪い感覚に口元を抑えてしまう。
「大丈夫か? 抵抗しないからてっきり飲めるのかと」
「…………」
視界がかすんで、ボーっとして何も考えられない。
「ごめん、トイレ」と一言だけ告げて席を立つ。
今は酒の匂いを感じたくなくて、外に出て夜風に当たる。
少しはマシになるかと思ったけど、酔いが回って正常な判断が出来ない程に眠気が襲いかかる。
酒場の外で地べたに座ってしまい、目を閉じそうになりながら必死に耐えるが駄目だった。
ぽわぽわとした頭、まともな判断も出来ずに羞恥もなく眠りに落ちてしまう。
駄目だ、せめてユリウス様に言われた席に戻らないと……そんな考えを最後に私の意識は遠くへと消えていった。
……。
「ずいぶんと出来上がってるみたいだね。この子」
「すみません団長、先に中に入ってもらっていいですか? この子は僕が」
何か聞こえてくる、定まらない思考の中で瞳を薄っすらと開く。
かすれた視界に映ったのはバターブロンドの髪、そして私の身体は不思議な浮遊間を感じていた。
懐かしい感覚、まるで幼き頃に父がしてくれた横抱きのようだ。
その心地よさに身を預けて、私は再び瞳を閉じてしまう。
何故かとても安心できたその浮遊間に柄にもなく甘えて、眠りの船を漕いだ。
◇◇◇
「ん……」
徐々に取り戻す意識の中、私は誰かに身体を寄せて眠っていると気づく。
思考は回らず、ゆっくりと瞼を開くと頬を緩めるユリウス様と視線が合った。
「起きたみたいだね。リール」
「へ……わ、私なにを!?」
慌てて顔を上げるが、ズキズキとした頭痛に思わず顔をしかめる。
その時、彼は私の肩に手を置いて再び身体を引き寄せた。
「酔いがさめるまではゆっくりとしておきなよ」
「で、でも……」
ここはまだ酒場だ、聞こえてくる賑わいは未だに人の目がある事が分かる。
彼に身を寄せる事が悪いわけではない、むしろ気遣いは嬉しいがまた噂されるだけだと無理矢理に身体を起こす。
「うっ、団長様は来られたのですか?」
虚ろな意識で周囲を見渡すが、それらしき人はいない。
「団長は挨拶だけして帰ったよ、久々に王都に帰ってきたからね。家族との時間を大切にしたいみたいだ。相談は明日にすればいいよ」
「分かりました」
未だにボーっとしている意識の中で私の前に木製のコップが置かれた。
ユリウス様からであり、視線を向けると意地の悪い笑みを浮かべている。
「席を離れた罰だよ。これを飲むように」
「その……許してくれませんか? もうお酒は飲めません」
「駄目だよ。上官命令」
最悪だ、更に飲んでしまえば倒れてしまう。
悪態をつく元気もなく、見逃してくれなさそうな視線に観念してコップを傾ける。
カラリと氷の音が鳴り、中身がただの水だと分かった。
「これ、水……」
「ごめん、本当はお詫び。君も連れて行けば良かった。それなら酒を飲めとうるさい事を言う奴もいないだろう?」
ニコリと笑って葡萄酒を飲む彼に心がほわほわとしてしまう。
嬉しくて、ドキドキしてしまうのは酔いのせいなのだろうか?
グラスに入った氷が頭を冷やしてくれて気持ちがいい。
「氷なんて、何処に……」
氷はとても貴重な品のはず……社交会でも寒い時期しか出てくる事はない。
「ないしょ」
含みのある笑みを浮かべて答えてくれない彼に首を傾げつつも水を飲み進める。
周囲の騒ぎも相当なはずなのに、彼の隣は不思議と静かに思えた。
コップを机に置いて一息つくと、するりと机の下で私の手をユリウス様が握った。
「っ!?」
「嫌かな? 今はこうしていたい」
聞かれた言葉、嫌だなんて言えなかった。
周囲に隠れて繋いだ手、トクトクと脈打つ鼓動……流石に分かる。
久しく抱いていなかった恋情は、男装した私の心を女性に変えた。
「見つかれば、噂されますよ?」
「別にいいよ。君は知ってくれているだろ?」
「……はい」
演技じゃない彼の仕草に心惹かれてしまう。
この行為は……彼も同じ気持ちを抱いてくれているのだろうか?
そうであれば、とても嬉しくて思わず笑みがこぼれてしまう。
私が女性だと認めてしまえば規律に従って除隊しないといけなくなる。
だから、この好意は秘密であり机の下でしか気持ちは伝えない。
嬉しくて、申し訳ないと思いながらも……今は何も考えず。
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