47 / 111
二章
62話
しおりを挟む
城内の一室で、侍女達の色めき立つ声が聞こえる。
その中心には、我が子の姿があった。
「えへへ りる。かわい?」
「姫様! とても可愛らしいです!」
「お母様に似て可憐ですね」
日差しの差し込む部屋の中央、いつもと違っておめかしをしてドレスを着るリルレットがくるくると回っている。
私と視線が合えば、嬉しそうにはにかんで駆け寄ってきた。
「おかたん! りる、かわい?」
「リルレット……抱きしめていい? 可愛いすぎるわ」
「いーよ!」
リルを抱きしめれば、ふわりと香る甘いイチゴの香り。
この子が好きな香料を使ってくれているのだろう。匂いまで可愛らしい。
「さて、リルレット。今日はなにをするか分かるかな?」
「えーと、えっと……リルの、しゃこうかいでびゅーだよ!」
「そうね。緊張はしてない?」
「だいじょぶ!」
今日開かれるのは、帝国で一年に一度行われる建国祭という祭典。
諸侯貴族達が城内に集まり、建国を祝う会が開かれる。そして……そこにヴォーレンも出席するのだ。
本来なら……リルレットはお留守番の予定だったのだけど。
「本当に行くの? リルレット。人がいっぱいいるのよ?」
「いくのー!」
こうして、祭典を遊べる場所だと思って出たがっているのだ。
シルウィオは「リルが望むなら、参加させよう」と賛成してくれて。私自身も、誰かの悪意でリルレットの自由を奪われるのは癪なので文句はない。
万が一がないように、準備は万全にしている。
「二人とも、入るぞ」
「おとたのこえ!」
「シルウィオが来たね」
部屋の扉が開き、正装をまとうシルウィオが中に入ってきた。
侍女達は部屋から居なくなり、彼は着飾った私とリルレットを見つめてくる。
「おとた、りるかわい?」
「どうかな、シルウィオ」
二人で問いかければ、シルウィオは目元を抑えながら私とリルレットを抱きしめる。
「本当に、今日は出るのか? 二人を見せたくない。独占したい」
「ふふ、そうもいかないでしょ?」
「りるもおかしたべたいもん!」
「……なら、暫く二人を見せてくれ」
そう言って見つめてくれる彼に照れつつも、私達は建国祭の会場へと足を運ぶ。
会場へと着き、大扉が開かれた瞬間に出席する貴族達の視線が一瞬で集まった。
驚きと、羨望、そしてなによりもその視線はリルレットへ注がれる。
「ひ、姫様?」
「ほ、本当にご出産されたのですね」
集まる視線にリルレットは緊張するかと思いきや、シルウィオの手にしがみつき、ゆらゆらと揺れて遊んでいる。
そして、たくさんの料理とデザートに目を輝かせていた。
「リルレット、何か食べたいのある?」
「んーーとね。ケーキがたべたいの!」
答えを聞き、シルウィオが直ぐに給仕へと指示を飛ばした。
「ケーキをありったけ、用意しろ」
「は、はい! 承知いたしました!」
「やた!」
ケーキを選ぶのを楽しみ、ニコニコと笑ってくれるリルレットと時間を過ごしていると。
同じく正装したグレインが近くへとやって来る。
「ぐーう!」
「姫様、お綺麗ですね」
褒め言葉にリルレットが喜んでいた時、再び大扉が開き、とある人物が入って来た。
その瞬間、リルレットには気付かれぬまま。シルウィオ達の瞳が鋭くなるのが分かった。
やって来たのは、この式典の場であっても黒緋色の鎧騎士を三人引き連れた前公卿ヴォーレンだ。
捕えた者達が白状したのでこちらが全て知っているとも知らず、彼は自信満々な表情で会場を歩いてくる。
さて……
「リルレット、ちょっとだけ……向こうの皆と遊んでこれる?」
視線を送れば信用の出来る顔なじみの侍女達が、リルへと手招きをしてくれた。
「姫様! こちらのお部屋にはケーキが沢山ですよ!」
「おもちゃもいっぱい、ご用意しております!」
「けーき! おもた!!」
リルレットは目を輝かる。
「いってくゆ! おかたんもすぐきてね!」
「うん、直ぐに行くから待ってて」
計画通り、リルレットは会場から離れて、別室にてケーキを食べていてもらう。
グレインが選出した手練れの騎士達が護衛してくれているので安心だ。
「よし……」
私が残るのは、私自身の護衛という建前の招待を送ったためだ。護衛対象の私が不在となれば、こちらの考えを悟られるかもしれない。万が一でも逃げられる可能性を作る訳にはいかない。
なので、私は悠々と歩いてくる前公卿を待った。
近くに彼らが来れば、流石に分かる。
前公卿ヴォーレン、そして黒緋色の騎士が下卑た視線を私へと向けている事が。
事情を話し合うためにも、私達は向かい合った。
「これは、皇后様……お初にお目にかかります。噂に違わぬ美しさに驚いてしまいました」
「初めまして、ヴォーレン様」
「此度の護衛、我らにお任せください。それにしてもお美しい。護衛の際は危険が及ばぬように私とは離れずに行動いたしましょうか。それだけ美しければ、苦労も多いでしょう…………いっそ手でも繋いでおりますか? なんて、冗談です」
あ、やっぱり駄目だ。事情なんて聞く気は無くなった。
余裕から言っているのだろうが、配慮のない気持ち悪い冗談など聞いてられず。
リルレット達を狙われていた怒りが、身体を突き動かす。
「ぁ……え……?」
ヴォーレンの疑問の声が聞こえる頃には、近くの椅子に足をかけて飛び上がっていた。
突然の出来事に時間が止まったように周囲の動きが静止する中で––––
私だけが動いた。
「誰が繋ぐかぁ! 気持ち悪い!!!!」
「おぶっつッツ!!!?!」
怒りに任せて飛び上がった勢いをそのままに、ヴォーレンの顔を蹴りつける。
健康のために最近は鍛えていた甲斐あって上手くいったようで。彼は私の蹴りに耐えられず、近くのテーブルへと大きく転がっていく。
着地は、シルウィオが抱きとめてくれる。
「二度と、下劣な言葉を吐かないで」
そう呟けば、落ちた葡萄酒や食べ物に包まれるヴォーレンが叫ぶ。
「ぶ、無礼な! こ、この私がバジルア公家の人間だと知っての狼藉か! 皇后といえど、私への非礼は許すことは出来んぞ! 貴様の行為は、直ぐに罰してや––」
「誰の妻を、罰すると言った。貴様」
「あ……」
私には威勢よく吠えていたヴォーレンだったけど、呟いたシルウィオを見て絶句する。
彼も怒っていたのだろう。醸し出す怒気が雰囲気を重く張り詰めていく。
それでも、ヴォーレンは叫んだ。
「へ、陛下! 公卿が行方不明となり、貴方から護衛を頼んだというに……この無礼はあまりに」
「誰が、居なくなったというのだ? 誰にそんな事を聞いた?」
「はっ!? あ……え? ジェラルド……?」
傍にやって来たのは、今まで身を隠していたジェラルド様だった。
死んだと思った彼が目の前にやって来て、ヴォーレンはようやく全てを察したようだ。
「お、お前達! 助けよ!」
助けを乞うた声に動き出した黒緋色の騎士達だったが、彼らの前にはグレインが立ちはだかる。
「止まれ」
「ど、どけ! 貴様!」
「構わん! 殺せ!」
「俺が––」
一瞬だった。
叫んだ黒緋色の騎士三人の内……一人の腕が宙を舞った。
「は……?」
切り裂いた剣先の血を拭き取りつつ、グレインはいつも通りに笑う。
「陛下、カーティア様。こちらはお任せを! 直ぐに片づけて俺は姫様の元へ行きますね!」
グラナートで正騎士達を止めた時と同様の爽やかな笑みを見せる彼の余裕は、明らかに黒緋の騎士とは別格の強さだということが分かる。
心配など不要で、安心して彼に任せられそうだ。
周囲の貴族達が騒めくのを気にせず、私はヴォーレンへと視線を向けた。
「筒抜けだった貴方の姑息な策、成功していると思ってました?」
「まさか、そんなはずが……私は長年をかけて……完璧な策を……」
「私達の幸せを脅かしたこと、後悔してもらいましょうか」
罠にはまったことを察したヴォーレンは、ガチガチと歯を鳴らす程に身体が震えていた。
その中心には、我が子の姿があった。
「えへへ りる。かわい?」
「姫様! とても可愛らしいです!」
「お母様に似て可憐ですね」
日差しの差し込む部屋の中央、いつもと違っておめかしをしてドレスを着るリルレットがくるくると回っている。
私と視線が合えば、嬉しそうにはにかんで駆け寄ってきた。
「おかたん! りる、かわい?」
「リルレット……抱きしめていい? 可愛いすぎるわ」
「いーよ!」
リルを抱きしめれば、ふわりと香る甘いイチゴの香り。
この子が好きな香料を使ってくれているのだろう。匂いまで可愛らしい。
「さて、リルレット。今日はなにをするか分かるかな?」
「えーと、えっと……リルの、しゃこうかいでびゅーだよ!」
「そうね。緊張はしてない?」
「だいじょぶ!」
今日開かれるのは、帝国で一年に一度行われる建国祭という祭典。
諸侯貴族達が城内に集まり、建国を祝う会が開かれる。そして……そこにヴォーレンも出席するのだ。
本来なら……リルレットはお留守番の予定だったのだけど。
「本当に行くの? リルレット。人がいっぱいいるのよ?」
「いくのー!」
こうして、祭典を遊べる場所だと思って出たがっているのだ。
シルウィオは「リルが望むなら、参加させよう」と賛成してくれて。私自身も、誰かの悪意でリルレットの自由を奪われるのは癪なので文句はない。
万が一がないように、準備は万全にしている。
「二人とも、入るぞ」
「おとたのこえ!」
「シルウィオが来たね」
部屋の扉が開き、正装をまとうシルウィオが中に入ってきた。
侍女達は部屋から居なくなり、彼は着飾った私とリルレットを見つめてくる。
「おとた、りるかわい?」
「どうかな、シルウィオ」
二人で問いかければ、シルウィオは目元を抑えながら私とリルレットを抱きしめる。
「本当に、今日は出るのか? 二人を見せたくない。独占したい」
「ふふ、そうもいかないでしょ?」
「りるもおかしたべたいもん!」
「……なら、暫く二人を見せてくれ」
そう言って見つめてくれる彼に照れつつも、私達は建国祭の会場へと足を運ぶ。
会場へと着き、大扉が開かれた瞬間に出席する貴族達の視線が一瞬で集まった。
驚きと、羨望、そしてなによりもその視線はリルレットへ注がれる。
「ひ、姫様?」
「ほ、本当にご出産されたのですね」
集まる視線にリルレットは緊張するかと思いきや、シルウィオの手にしがみつき、ゆらゆらと揺れて遊んでいる。
そして、たくさんの料理とデザートに目を輝かせていた。
「リルレット、何か食べたいのある?」
「んーーとね。ケーキがたべたいの!」
答えを聞き、シルウィオが直ぐに給仕へと指示を飛ばした。
「ケーキをありったけ、用意しろ」
「は、はい! 承知いたしました!」
「やた!」
ケーキを選ぶのを楽しみ、ニコニコと笑ってくれるリルレットと時間を過ごしていると。
同じく正装したグレインが近くへとやって来る。
「ぐーう!」
「姫様、お綺麗ですね」
褒め言葉にリルレットが喜んでいた時、再び大扉が開き、とある人物が入って来た。
その瞬間、リルレットには気付かれぬまま。シルウィオ達の瞳が鋭くなるのが分かった。
やって来たのは、この式典の場であっても黒緋色の鎧騎士を三人引き連れた前公卿ヴォーレンだ。
捕えた者達が白状したのでこちらが全て知っているとも知らず、彼は自信満々な表情で会場を歩いてくる。
さて……
「リルレット、ちょっとだけ……向こうの皆と遊んでこれる?」
視線を送れば信用の出来る顔なじみの侍女達が、リルへと手招きをしてくれた。
「姫様! こちらのお部屋にはケーキが沢山ですよ!」
「おもちゃもいっぱい、ご用意しております!」
「けーき! おもた!!」
リルレットは目を輝かる。
「いってくゆ! おかたんもすぐきてね!」
「うん、直ぐに行くから待ってて」
計画通り、リルレットは会場から離れて、別室にてケーキを食べていてもらう。
グレインが選出した手練れの騎士達が護衛してくれているので安心だ。
「よし……」
私が残るのは、私自身の護衛という建前の招待を送ったためだ。護衛対象の私が不在となれば、こちらの考えを悟られるかもしれない。万が一でも逃げられる可能性を作る訳にはいかない。
なので、私は悠々と歩いてくる前公卿を待った。
近くに彼らが来れば、流石に分かる。
前公卿ヴォーレン、そして黒緋色の騎士が下卑た視線を私へと向けている事が。
事情を話し合うためにも、私達は向かい合った。
「これは、皇后様……お初にお目にかかります。噂に違わぬ美しさに驚いてしまいました」
「初めまして、ヴォーレン様」
「此度の護衛、我らにお任せください。それにしてもお美しい。護衛の際は危険が及ばぬように私とは離れずに行動いたしましょうか。それだけ美しければ、苦労も多いでしょう…………いっそ手でも繋いでおりますか? なんて、冗談です」
あ、やっぱり駄目だ。事情なんて聞く気は無くなった。
余裕から言っているのだろうが、配慮のない気持ち悪い冗談など聞いてられず。
リルレット達を狙われていた怒りが、身体を突き動かす。
「ぁ……え……?」
ヴォーレンの疑問の声が聞こえる頃には、近くの椅子に足をかけて飛び上がっていた。
突然の出来事に時間が止まったように周囲の動きが静止する中で––––
私だけが動いた。
「誰が繋ぐかぁ! 気持ち悪い!!!!」
「おぶっつッツ!!!?!」
怒りに任せて飛び上がった勢いをそのままに、ヴォーレンの顔を蹴りつける。
健康のために最近は鍛えていた甲斐あって上手くいったようで。彼は私の蹴りに耐えられず、近くのテーブルへと大きく転がっていく。
着地は、シルウィオが抱きとめてくれる。
「二度と、下劣な言葉を吐かないで」
そう呟けば、落ちた葡萄酒や食べ物に包まれるヴォーレンが叫ぶ。
「ぶ、無礼な! こ、この私がバジルア公家の人間だと知っての狼藉か! 皇后といえど、私への非礼は許すことは出来んぞ! 貴様の行為は、直ぐに罰してや––」
「誰の妻を、罰すると言った。貴様」
「あ……」
私には威勢よく吠えていたヴォーレンだったけど、呟いたシルウィオを見て絶句する。
彼も怒っていたのだろう。醸し出す怒気が雰囲気を重く張り詰めていく。
それでも、ヴォーレンは叫んだ。
「へ、陛下! 公卿が行方不明となり、貴方から護衛を頼んだというに……この無礼はあまりに」
「誰が、居なくなったというのだ? 誰にそんな事を聞いた?」
「はっ!? あ……え? ジェラルド……?」
傍にやって来たのは、今まで身を隠していたジェラルド様だった。
死んだと思った彼が目の前にやって来て、ヴォーレンはようやく全てを察したようだ。
「お、お前達! 助けよ!」
助けを乞うた声に動き出した黒緋色の騎士達だったが、彼らの前にはグレインが立ちはだかる。
「止まれ」
「ど、どけ! 貴様!」
「構わん! 殺せ!」
「俺が––」
一瞬だった。
叫んだ黒緋色の騎士三人の内……一人の腕が宙を舞った。
「は……?」
切り裂いた剣先の血を拭き取りつつ、グレインはいつも通りに笑う。
「陛下、カーティア様。こちらはお任せを! 直ぐに片づけて俺は姫様の元へ行きますね!」
グラナートで正騎士達を止めた時と同様の爽やかな笑みを見せる彼の余裕は、明らかに黒緋の騎士とは別格の強さだということが分かる。
心配など不要で、安心して彼に任せられそうだ。
周囲の貴族達が騒めくのを気にせず、私はヴォーレンへと視線を向けた。
「筒抜けだった貴方の姑息な策、成功していると思ってました?」
「まさか、そんなはずが……私は長年をかけて……完璧な策を……」
「私達の幸せを脅かしたこと、後悔してもらいましょうか」
罠にはまったことを察したヴォーレンは、ガチガチと歯を鳴らす程に身体が震えていた。
933
お気に入りに追加
12,231
あなたにおすすめの小説
側妃は捨てられましたので
なか
恋愛
「この国に側妃など要らないのではないか?」
現王、ランドルフが呟いた言葉。
周囲の人間は内心に怒りを抱きつつ、聞き耳を立てる。
ランドルフは、彼のために人生を捧げて王妃となったクリスティーナ妃を側妃に変え。
別の女性を正妃として迎え入れた。
裏切りに近い行為は彼女の心を確かに傷付け、癒えてもいない内に廃妃にすると宣言したのだ。
あまりの横暴、人道を無視した非道な行い。
だが、彼を止める事は誰にも出来ず。
廃妃となった事実を知らされたクリスティーナは、涙で瞳を潤ませながら「分かりました」とだけ答えた。
王妃として教育を受けて、側妃にされ
廃妃となった彼女。
その半生をランドルフのために捧げ、彼のために献身した事実さえも軽んじられる。
実の両親さえ……彼女を慰めてくれずに『捨てられた女性に価値はない』と非難した。
それらの行為に……彼女の心が吹っ切れた。
屋敷を飛び出し、一人で生きていく事を選択した。
ただコソコソと身を隠すつまりはない。
私を軽んじて。
捨てた彼らに自身の価値を示すため。
捨てられたのは、どちらか……。
後悔するのはどちらかを示すために。
私が死んで満足ですか?
マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。
ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。
全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。
書籍化にともない本編を引き下げいたしました
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
政略より愛を選んだ結婚。~後悔は十年後にやってきた。~
つくも茄子
恋愛
幼い頃からの婚約者であった侯爵令嬢との婚約を解消して、学生時代からの恋人と結婚した王太子殿下。
政略よりも愛を選んだ生活は思っていたのとは違っていた。「お幸せに」と微笑んだ元婚約者。結婚によって去っていた側近達。愛する妻の妃教育がままならない中での出産。世継ぎの王子の誕生を望んだものの産まれたのは王女だった。妻に瓜二つの娘は可愛い。無邪気な娘は欲望のままに動く。断罪の時、全てが明らかになった。王太子の思い描いていた未来は元から無かったものだった。後悔は続く。どこから間違っていたのか。
他サイトにも公開中。
本日、貴方を愛するのをやめます~王妃と不倫した貴方が悪いのですよ?~
なか
恋愛
私は本日、貴方と離婚します。
愛するのは、終わりだ。
◇◇◇
アーシアの夫––レジェスは王妃の護衛騎士の任についた途端、妻である彼女を冷遇する。
初めは優しくしてくれていた彼の変貌ぶりに、アーシアは戸惑いつつも、再び振り向いてもらうため献身的に尽くした。
しかし、玄関先に置かれていた見知らぬ本に、謎の日本語が書かれているのを見つける。
それを読んだ瞬間、前世の記憶を思い出し……彼女は知った。
この世界が、前世の記憶で読んだ小説であること。
レジェスとの結婚は、彼が愛する王妃と密通を交わすためのものであり……アーシアは王妃暗殺を目論んだ悪女というキャラで、このままでは断罪される宿命にあると。
全てを思い出したアーシアは覚悟を決める。
彼と離婚するため三年間の準備を整えて、断罪の未来から逃れてみせると……
この物語は、彼女の決意から三年が経ち。
離婚する日から始まっていく
戻ってこいと言われても、彼女に戻る気はなかった。
◇◇◇
設定は甘めです。
読んでくださると嬉しいです。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】側妃は愛されるのをやめました
なか
恋愛
「君ではなく、彼女を正妃とする」
私は、貴方のためにこの国へと貢献してきた自負がある。
なのに……彼は。
「だが僕は、ラテシアを見捨てはしない。これから君には側妃になってもらうよ」
私のため。
そんな建前で……側妃へと下げる宣言をするのだ。
このような侮辱、恥を受けてなお……正妃を求めて抗議するか?
否。
そのような恥を晒す気は無い。
「承知いたしました。セリム陛下……私は側妃を受け入れます」
側妃を受けいれた私は、呼吸を挟まずに言葉を続ける。
今しがた決めた、たった一つの決意を込めて。
「ですが陛下。私はもう貴方を支える気はありません」
これから私は、『捨てられた妃』という汚名でなく、彼を『捨てた妃』となるために。
華々しく、私の人生を謳歌しよう。
全ては、廃妃となるために。
◇◇◇
設定はゆるめです。
読んでくださると嬉しいです!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました
kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」
王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】潔く私を忘れてください旦那様
なか
恋愛
「子を産めないなんて思っていなかった
君を選んだ事が間違いだ」
子を産めない
お医者様に診断され、嘆き泣いていた私に彼がかけた最初の言葉を今でも忘れない
私を「愛している」と言った口で
別れを告げた
私を抱きしめた両手で
突き放した彼を忘れるはずがない……
1年の月日が経ち
ローズベル子爵家の屋敷で過ごしていた私の元へとやって来た来客
私と離縁したベンジャミン公爵が訪れ、開口一番に言ったのは
謝罪の言葉でも、後悔の言葉でもなかった。
「君ともう一度、復縁をしたいと思っている…引き受けてくれるよね?」
そんな事を言われて……私は思う
貴方に返す返事はただ一つだと。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。