30 / 111
二章
46話
しおりを挟む
マーガレットは私を睨みながら、身体を震わせた。
「貴方! わ、私にこんな事をして……」
「あなたこそ……勝手に庭園に入って、無事で済むと思っていましたか?」
「わ、私は帝国でも由緒正しきガルシア公爵家の令嬢なのよ!? いくら貴方が皇后とはいえ、公家との仲を軽視していいわけが……」
「情けない……自分の家のことも知らないのね」
「は?」
意味が分からないと首を傾げたマーガレットへ、苦笑が漏れてしまう。
私は皇后としての責務を分かっているつもりだ。
何かあった時のため、帝国貴族の事情はジェラルド様から詳しく聞いていた。だから、彼女が誇るガルシア公爵家の今の立場は危うい事も知っている。
「ガルシア公爵家は鉱山事業で富を築いてきましたね」
「え、えぇ。我が家には、数え切れないほどの宝石がありますわ。父に頼んで、その宝石の流通も止めてしまおうかしら。貴方の愚行のせいよ?」
堆肥まみれのまま、勝利を確信して微笑むマーガレットだけど。
どうやら知らないようだ。
「ここ数年、貴方の領地で鉱石が採れなくなったのはご存知ない?」
「……は?」
「ガルシア家は貴方が思う以上に懐が厳しい状況です。帝国が貴方を許す程の立場も失墜しております。それも知らず……貴方は私に対して無礼を働いたの?」
「う……ウソよ。父は私にそんなこと一言も」
「そのお父様が、貴方に心配かけないようにしてくれていたのに。家柄に甘え身内の事すら知らずにやって来たのが貴方です。それは皇后どころか、貴方が誇る公爵令嬢としてもお粗末ね」
そこまでを聞いて、理解したのか。
彼女はいまさら姿勢を正して私へ向き直った。
「あ……あの。私も言い過ぎたわ、だからどうかお互いに許し合いましょう? 私も、貴方にされた事は言わないでおいてあげるから」
いや、まだ理解できてないのか。
この人は……
「……許すはずがないでしょう?」
「え?」
「貴方と同じ考えを抱く愚か者が出ぬよう。罰は受けてもらいます。なにせ、この庭園に許可も無く入ったのを認めていたのは貴方でしょう?」
「ぁ……」
最初の私との問答で、彼女は自分で罪を自白していたと悟り。顔を青くする。
許しはしない。
シルウィオ達が、諸侯貴族へ牽制したように。
私も……知らしめよう。幸せを奪うのなら容赦はしないということを。
「い、嫌よ! わ、私は……公爵家なのに、そんな罪で」
逃げ出すかのように、一歩引いた彼女だったが。
その最中に、足音が聞こえて来る。どうやら……つくづく、彼女は災難続きのようだ。
「カティ、迎えにきた」
無表情なのに、私を迎えに来たことが嬉しいのか。
ほわほわとした雰囲気のシルウィオが歩いてきたのだ。
それを見たマーガレットはニヤリと微笑んで彼へと一歩踏み出した。
「好機ね……ふ……ふふふ! 陛下は元婚約者の私を覚えていてくださっているはずよ! 私の高貴な美しさを見れば、土まみれの貴方など捨てるはず! ごきげんよう、陛––」
「誰だ。貴様……」
「え?」
「邪魔だ」
「ぁっっ!!」
会話も出来ぬまま、マーガレットはシルウィオの魔法により……なんと再び堆肥へと頭から押し込まれた。
あまりの勢いに、私も呆気にとられてしまう。
まさか、またそこに突っ込まれるとは……流石に少し可哀想にも思えた。
シルウィオの雰囲気は一転し、苛立った雰囲気へと変わっていた。
「俺とカティの庭園を汚すな。グレイン……連れていけ」
「はっ!!」
マーガレットはグレインにより堆肥から引き出され、拘束される。
日に二度も堆肥へと頭から突っ込まれたのだ。流石に絶望した表情を浮かべていた。
「わ、私は、私はいつだって誰よりも美しいと……」
褒められて生きてきたのだろう。マーガレットはそんなうわ言を繰り返し、連行されていった。
シルウィオはそんな彼女には見向きもせず、私の手を握る。
「カティ、行こう。長く一緒にいたい」
「ありがとうシルウィオ。でも……政務は大丈夫? まだ昼なのに」
「いい。カティと…………早く会いたくて、終わらせてきた」
呟き、私の手を引いてくれる彼に笑ってしまう。
愛されている実感が、心を満たしていく。
「いつもありがとう……シルウィオ」
「俺は……あ……愛するカティの傍にいれるなら、なんだってする」
「ふふ。私も大好きです」
照れながらそう言ってくれる彼に抱きつけば、返してくれるように口付けしてくれた。
疑うはずもない……きっと彼は私意外に目を向けはしない。ずっと愛してくれるはずだ。
だから、私も心の底から彼が大好きなんだ。
その後、城へ戻ってきたジェラルド様が事情を聞いて激昂した。
マーガレットと共に、公爵家だからと見逃した騎士達を含め、相応の処罰が下るようだ。
とばっちりはガルシア公爵家だろう、爵位の降格まであるらしく……その重さに帝国の怒り具合が伝わってくる。
しかし今回の件で、一つ功を奏した事もあった。
どうやら、この一件が社交界にも周囲に知れ渡ったらしく。
生誕会の日からマーガレットと同様の事を吹聴していた令嬢達がいたようで、私が彼女を堆肥まみれにしたという噂だけが巡り、その令嬢達は社交界から姿を消してしまった。
恐怖してなのか、責められる前に退避したのか分からぬけど。
これで、帝国で私達を侮る者は男女ともに一掃できたと、ジェラルド様がおっしゃっていた。
どうやら私は帝国で、シルウィオと同様に逆らってはならぬ者としっかりイメージがついたようで。
私の帝国での地盤はかなり固まったようだ。
◇◇◇
と、色々とあったけれど。
シルウィオと一緒に夜を過ごすようになってから早一か月が経った。
一緒に寝る事は幸せで、緊張にも慣れてきた。
でも、それと同時に私は子共への興味も少しずつ膨らみ始めてもいたのだ。
私の知らぬ幸せを庭園でぼうっと考えていると、ジェラルド様がなにやら緊張した面持ちでやって来た。
「カーティア様……」
「ジェラルド様、どうされましたか?」
「その、失礼を承知で、お願いがあります」
「?」
疑問に思った時、ジェラルド様の背後に誰かが居るのが見えた。
小さな手が、彼の服を掴みながらそっと顔を覗かせ私を見つめている。
幼い少女だった……それも二人。
「わ、私の娘達がどうしてもカーティア様にお会いしたいと……よろしいでしょうか……」
「え……」
ジェラルド様の娘……
子供と過ごす事に興味を抱いていた私は、素直にうなずいていた。
「も、もちろん! 可愛いらしい娘さんですね」
ちっちゃな二人を見て、微笑む。
その反応を見たジェラルド様は安堵の息を吐き、小さな少女達はパッと明るく笑った。
「皇后さま! 始めましてミリアです」
「ラーニです。はじめまして」
彼女達はお母様に似ているのだろう、桃色の髪がふわりと揺れ、蒼の瞳が可愛らしく私を見つめる。
五歳ほどの少女は、よく似た容姿で双子なのだと分かる。
彼女たちは私の手を取ってはしゃぐように、飛び跳ねた。
「皇后さま! いつもおとうさまから聞いてます。すごくやさしいひとだって!」
「遊んでください! 皇后さまとお話したいです」
「こ、こら……あまりカーティア様に失礼な事は」
「大丈夫ですよ。ジェラルド様……私もこの子達と遊んでみたいです」
二人の少女に挟まれて、思わず頬笑みがこぼれる。
今日は彼女達と過ごそう。きっと楽しいはず。
それに、私の考えにも答えが出るかもしれないから。
「貴方! わ、私にこんな事をして……」
「あなたこそ……勝手に庭園に入って、無事で済むと思っていましたか?」
「わ、私は帝国でも由緒正しきガルシア公爵家の令嬢なのよ!? いくら貴方が皇后とはいえ、公家との仲を軽視していいわけが……」
「情けない……自分の家のことも知らないのね」
「は?」
意味が分からないと首を傾げたマーガレットへ、苦笑が漏れてしまう。
私は皇后としての責務を分かっているつもりだ。
何かあった時のため、帝国貴族の事情はジェラルド様から詳しく聞いていた。だから、彼女が誇るガルシア公爵家の今の立場は危うい事も知っている。
「ガルシア公爵家は鉱山事業で富を築いてきましたね」
「え、えぇ。我が家には、数え切れないほどの宝石がありますわ。父に頼んで、その宝石の流通も止めてしまおうかしら。貴方の愚行のせいよ?」
堆肥まみれのまま、勝利を確信して微笑むマーガレットだけど。
どうやら知らないようだ。
「ここ数年、貴方の領地で鉱石が採れなくなったのはご存知ない?」
「……は?」
「ガルシア家は貴方が思う以上に懐が厳しい状況です。帝国が貴方を許す程の立場も失墜しております。それも知らず……貴方は私に対して無礼を働いたの?」
「う……ウソよ。父は私にそんなこと一言も」
「そのお父様が、貴方に心配かけないようにしてくれていたのに。家柄に甘え身内の事すら知らずにやって来たのが貴方です。それは皇后どころか、貴方が誇る公爵令嬢としてもお粗末ね」
そこまでを聞いて、理解したのか。
彼女はいまさら姿勢を正して私へ向き直った。
「あ……あの。私も言い過ぎたわ、だからどうかお互いに許し合いましょう? 私も、貴方にされた事は言わないでおいてあげるから」
いや、まだ理解できてないのか。
この人は……
「……許すはずがないでしょう?」
「え?」
「貴方と同じ考えを抱く愚か者が出ぬよう。罰は受けてもらいます。なにせ、この庭園に許可も無く入ったのを認めていたのは貴方でしょう?」
「ぁ……」
最初の私との問答で、彼女は自分で罪を自白していたと悟り。顔を青くする。
許しはしない。
シルウィオ達が、諸侯貴族へ牽制したように。
私も……知らしめよう。幸せを奪うのなら容赦はしないということを。
「い、嫌よ! わ、私は……公爵家なのに、そんな罪で」
逃げ出すかのように、一歩引いた彼女だったが。
その最中に、足音が聞こえて来る。どうやら……つくづく、彼女は災難続きのようだ。
「カティ、迎えにきた」
無表情なのに、私を迎えに来たことが嬉しいのか。
ほわほわとした雰囲気のシルウィオが歩いてきたのだ。
それを見たマーガレットはニヤリと微笑んで彼へと一歩踏み出した。
「好機ね……ふ……ふふふ! 陛下は元婚約者の私を覚えていてくださっているはずよ! 私の高貴な美しさを見れば、土まみれの貴方など捨てるはず! ごきげんよう、陛––」
「誰だ。貴様……」
「え?」
「邪魔だ」
「ぁっっ!!」
会話も出来ぬまま、マーガレットはシルウィオの魔法により……なんと再び堆肥へと頭から押し込まれた。
あまりの勢いに、私も呆気にとられてしまう。
まさか、またそこに突っ込まれるとは……流石に少し可哀想にも思えた。
シルウィオの雰囲気は一転し、苛立った雰囲気へと変わっていた。
「俺とカティの庭園を汚すな。グレイン……連れていけ」
「はっ!!」
マーガレットはグレインにより堆肥から引き出され、拘束される。
日に二度も堆肥へと頭から突っ込まれたのだ。流石に絶望した表情を浮かべていた。
「わ、私は、私はいつだって誰よりも美しいと……」
褒められて生きてきたのだろう。マーガレットはそんなうわ言を繰り返し、連行されていった。
シルウィオはそんな彼女には見向きもせず、私の手を握る。
「カティ、行こう。長く一緒にいたい」
「ありがとうシルウィオ。でも……政務は大丈夫? まだ昼なのに」
「いい。カティと…………早く会いたくて、終わらせてきた」
呟き、私の手を引いてくれる彼に笑ってしまう。
愛されている実感が、心を満たしていく。
「いつもありがとう……シルウィオ」
「俺は……あ……愛するカティの傍にいれるなら、なんだってする」
「ふふ。私も大好きです」
照れながらそう言ってくれる彼に抱きつけば、返してくれるように口付けしてくれた。
疑うはずもない……きっと彼は私意外に目を向けはしない。ずっと愛してくれるはずだ。
だから、私も心の底から彼が大好きなんだ。
その後、城へ戻ってきたジェラルド様が事情を聞いて激昂した。
マーガレットと共に、公爵家だからと見逃した騎士達を含め、相応の処罰が下るようだ。
とばっちりはガルシア公爵家だろう、爵位の降格まであるらしく……その重さに帝国の怒り具合が伝わってくる。
しかし今回の件で、一つ功を奏した事もあった。
どうやら、この一件が社交界にも周囲に知れ渡ったらしく。
生誕会の日からマーガレットと同様の事を吹聴していた令嬢達がいたようで、私が彼女を堆肥まみれにしたという噂だけが巡り、その令嬢達は社交界から姿を消してしまった。
恐怖してなのか、責められる前に退避したのか分からぬけど。
これで、帝国で私達を侮る者は男女ともに一掃できたと、ジェラルド様がおっしゃっていた。
どうやら私は帝国で、シルウィオと同様に逆らってはならぬ者としっかりイメージがついたようで。
私の帝国での地盤はかなり固まったようだ。
◇◇◇
と、色々とあったけれど。
シルウィオと一緒に夜を過ごすようになってから早一か月が経った。
一緒に寝る事は幸せで、緊張にも慣れてきた。
でも、それと同時に私は子共への興味も少しずつ膨らみ始めてもいたのだ。
私の知らぬ幸せを庭園でぼうっと考えていると、ジェラルド様がなにやら緊張した面持ちでやって来た。
「カーティア様……」
「ジェラルド様、どうされましたか?」
「その、失礼を承知で、お願いがあります」
「?」
疑問に思った時、ジェラルド様の背後に誰かが居るのが見えた。
小さな手が、彼の服を掴みながらそっと顔を覗かせ私を見つめている。
幼い少女だった……それも二人。
「わ、私の娘達がどうしてもカーティア様にお会いしたいと……よろしいでしょうか……」
「え……」
ジェラルド様の娘……
子供と過ごす事に興味を抱いていた私は、素直にうなずいていた。
「も、もちろん! 可愛いらしい娘さんですね」
ちっちゃな二人を見て、微笑む。
その反応を見たジェラルド様は安堵の息を吐き、小さな少女達はパッと明るく笑った。
「皇后さま! 始めましてミリアです」
「ラーニです。はじめまして」
彼女達はお母様に似ているのだろう、桃色の髪がふわりと揺れ、蒼の瞳が可愛らしく私を見つめる。
五歳ほどの少女は、よく似た容姿で双子なのだと分かる。
彼女たちは私の手を取ってはしゃぐように、飛び跳ねた。
「皇后さま! いつもおとうさまから聞いてます。すごくやさしいひとだって!」
「遊んでください! 皇后さまとお話したいです」
「こ、こら……あまりカーティア様に失礼な事は」
「大丈夫ですよ。ジェラルド様……私もこの子達と遊んでみたいです」
二人の少女に挟まれて、思わず頬笑みがこぼれる。
今日は彼女達と過ごそう。きっと楽しいはず。
それに、私の考えにも答えが出るかもしれないから。
1,302
お気に入りに追加
12,293
あなたにおすすめの小説
側妃は捨てられましたので
なか
恋愛
「この国に側妃など要らないのではないか?」
現王、ランドルフが呟いた言葉。
周囲の人間は内心に怒りを抱きつつ、聞き耳を立てる。
ランドルフは、彼のために人生を捧げて王妃となったクリスティーナ妃を側妃に変え。
別の女性を正妃として迎え入れた。
裏切りに近い行為は彼女の心を確かに傷付け、癒えてもいない内に廃妃にすると宣言したのだ。
あまりの横暴、人道を無視した非道な行い。
だが、彼を止める事は誰にも出来ず。
廃妃となった事実を知らされたクリスティーナは、涙で瞳を潤ませながら「分かりました」とだけ答えた。
王妃として教育を受けて、側妃にされ
廃妃となった彼女。
その半生をランドルフのために捧げ、彼のために献身した事実さえも軽んじられる。
実の両親さえ……彼女を慰めてくれずに『捨てられた女性に価値はない』と非難した。
それらの行為に……彼女の心が吹っ切れた。
屋敷を飛び出し、一人で生きていく事を選択した。
ただコソコソと身を隠すつまりはない。
私を軽んじて。
捨てた彼らに自身の価値を示すため。
捨てられたのは、どちらか……。
後悔するのはどちらかを示すために。
私が死んで満足ですか?
マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。
ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。
全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。
書籍化にともない本編を引き下げいたしました

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

【完結】潔く私を忘れてください旦那様
なか
恋愛
「子を産めないなんて思っていなかった
君を選んだ事が間違いだ」
子を産めない
お医者様に診断され、嘆き泣いていた私に彼がかけた最初の言葉を今でも忘れない
私を「愛している」と言った口で
別れを告げた
私を抱きしめた両手で
突き放した彼を忘れるはずがない……
1年の月日が経ち
ローズベル子爵家の屋敷で過ごしていた私の元へとやって来た来客
私と離縁したベンジャミン公爵が訪れ、開口一番に言ったのは
謝罪の言葉でも、後悔の言葉でもなかった。
「君ともう一度、復縁をしたいと思っている…引き受けてくれるよね?」
そんな事を言われて……私は思う
貴方に返す返事はただ一つだと。

婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました
kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」
王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。
本日、貴方を愛するのをやめます~王妃と不倫した貴方が悪いのですよ?~
なか
恋愛
私は本日、貴方と離婚します。
愛するのは、終わりだ。
◇◇◇
アーシアの夫––レジェスは王妃の護衛騎士の任についた途端、妻である彼女を冷遇する。
初めは優しくしてくれていた彼の変貌ぶりに、アーシアは戸惑いつつも、再び振り向いてもらうため献身的に尽くした。
しかし、玄関先に置かれていた見知らぬ本に、謎の日本語が書かれているのを見つける。
それを読んだ瞬間、前世の記憶を思い出し……彼女は知った。
この世界が、前世の記憶で読んだ小説であること。
レジェスとの結婚は、彼が愛する王妃と密通を交わすためのものであり……アーシアは王妃暗殺を目論んだ悪女というキャラで、このままでは断罪される宿命にあると。
全てを思い出したアーシアは覚悟を決める。
彼と離婚するため三年間の準備を整えて、断罪の未来から逃れてみせると……
この物語は、彼女の決意から三年が経ち。
離婚する日から始まっていく
戻ってこいと言われても、彼女に戻る気はなかった。
◇◇◇
設定は甘めです。
読んでくださると嬉しいです。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。