27 / 111
二章
43話
しおりを挟む
とある屋敷の一室、二人の男が椅子に座りながらお互いの顔色を窺い合う。
そして、一人の男が息を吐いて口を開いた。
「尾行は……されておらんな」
「はい、ブルックス伯爵」
ブルックスと呼ばれた男は、確認を終えると机の上に札束を置く。
それを見たもう一人が懐から一つの瓶を取り出した。
「お約束通り、避妊薬……となります」
「ルートは?」
「他国の闇市からです。足はつきません」
ブルックスは唇を舐めて、舌なめずりした。
「効果は?」
「数度飲めば、子を望めぬかと」
その避妊薬は複数回摂取すれば妊娠出来ぬ身体となる危険な薬。
手にしたブルックスはもはや笑いが止まらなかった。
「く……くはは! 生誕会でカーティア皇后を見た時に、あの美貌に心奪われたが……やっと手に出来る」
「恐れながら、これでどうするつもりですか?」
男の質問に、気分が上がったブルックスは意気揚々と答えた。
「簡単だ、私の間者数人を城の使用人として向かわせ、この避妊薬を皇后に飲ませる。妊娠できぬ身体となればいくら寵愛されているとはいえ、廃妃は必然であろう? 陛下の子が望めぬのではな」
「それは……」
「よその国からやって来たカーティア皇后は行く当てもない。それを引き取れば、あの美貌を持つカーティアが私の物となる……楽しみだ」
ブルックスはもはや笑いを堪え切れず、自身の欲望を我慢できずに舌なめずりをする。
世襲貴族として欲望のままに生きてきたブルックスにとって、生誕会で一目みたカーティアの美しさは何をもってしても手に入れたいと思える程だった。
陛下に知られれば、殺されてしまう。だがその恐怖すらもカーティアを手にしたい欲望がかき消していた。
「しかし……危険では? 見つかればただでは……」
「良い、そのために騎士もおるのだから、なぁ? ドルア」
部屋の隅に控えていた騎士、漆黒の鎧に身を包んだドルアはニヤリと微笑みブルックスへと跪いた。
「お任せください、ブルックス様」
「こやつは五年前まで他国の騎士であったのだが、その剣の腕を見込んで雇ったのよ」
「この剣、帝国騎士といえど……適う者はいないと自負を持っております」
ドルアの答えに、ブルックスは安堵の笑みを浮かべる。
「この強者が傍におれば、見つかっても他国へ亡命はできよう!」
「それは安心ですね」
避妊薬を持ってきた男はホッと一息をつく。
ドルアも自信満々の笑みを浮かべた。
「ご安心を、例え……帝国最強の騎士グレインが相手であろうと、俺が切り伏せてみせ––」
「言っておくが、お前は帝国騎士にもなれないよ」
「は––!?」
突然の声に、ドルアが振り返った時。
一閃の銀光が、空を薙いでドルアの腕を切り飛ばし、血しぶきと共に悲鳴が上がる。
「あ!あぁああぁ!!!」
「俺が部屋に入る足音ぐらいは分からないとな」
「あ……あぁ、グ、グレイン!?」
ブルックスはドルアを切り裂いた者を見て思わず呟く。
信じられない……いつの間に……
なにより、どうしてここに帝国一の騎士がやって来ているのか、ブルックスは分からなかった。
「あ……あぁ! お、俺は! 関係ない!」
避妊薬を持ってきた男は突然の事態に逃げる選択をとる。
部屋の扉を開いて逃げようとしたが、その顔を大きな手が掴んで持ち上げた。
「ブルックス伯……私の情報網を侮っておられるようですな」
帝国公卿––ジェラルドにより調達の男は地面へと叩きつけられて気絶をしてしまう。
この状況にブルックスは気付く……全てを悟られて手のひらの上で踊らされていたのだと。
こうなれば、取るべき選択は一つ。
「ゆ、ゆるしてくれ! わ、私も魔がさしたのだ! 決して悪用をしようとは」
「……」
「カーティア皇后の美しさに、目を奪われ……」
「魔が差した時点で、お前は終わりだ」
「は? ぇ!! ッ!?」
疑問の声を出した途端、ブルックスの身体が突然。
引きずられて、壁へと叩きつけられる。
「あ……がぁぁ」
強大な力で引っ張られるまま、壁が破壊されて再び隣室の壁へと叩きつけられ。
数度、破壊と叩きつけを受けたブルックスは外へと引きずり出された。
「!?!? あ、な、なひが……」
歯が折れ、喋る事さえ不自由となったブルックスの頭が踏みつけられる。
「ッッツッ!!!!」
「虫が……」
冷たくて、凍てつくような声。
空気がひりつくような威圧感……強大な魔法に、この痺れるような視線。
「あ……あぁ……シ……シルウィオ……陛下」
陛下がこの場に居る事で、自身の計画が踊らされていた理由をブルックスは理解した。
自分は、陛下が皇后を寵愛している事を知らしめるための見せしめなのだ。
帝国の花である皇后を傷つけようと目論む者が二度と出ぬように、陛下自らが自身を処罰に来たのだと……理解した時には、全てが遅かった。
「……不愉快だ」
見上げた瞬間に、視界は完全に奪われた。
瞳を切り裂かれ、あまりの痛みに悲鳴を上げようとした瞬間。
「黙れ」
冷たく威圧的な一言に、ブルックスは痛みに耐え頭を下げるしか出来なかった。
◇◇◇
帝国騎士が後始末を進める中。
シルウィオは早々に帰りの馬車へと乗りこむ。
カーティアの身を案じての帰還だ。
護衛は数十人付けているが、シルウィオにとって自身の傍こそが最も彼女が安全だという自負があった。
「陛下、お帰りですか」
「あぁ。ジェラルド……此度の作戦、大儀であった」
「ありがたきお言葉……」
「生誕会の日、カティは本当の意味で帝国の花となった……美しい花には虫が寄る。全て処分するぞ」
「はっ!! カーティア様の御身、我ら帝国の威信にかけてお守りいたします!」
「ジェラルド……一つ、聞きたい事がある」
何処か言いよどむようなシルウィオへ、ジェラルドは視線を上げた。
「いかがいたしましたか?」
「カティになにか贈りたい……良い物はあるか?」
その言葉に、ジェラルドは微笑みと共に自身のおすすめを答えた。
(帝国の花は、きっと二度と傷はつきませぬ……なにせ、狼が花を愛でておられるのですから)
ジェラルドは、そう思いながら城へ戻るシルウィオを見送る。
その時、ふと思い出した。
(そういえば、カーティア様は今日でようやく医療室から出られるはず……夜は、どうなさるのだろうか)
死の淵から目覚めてて一か月、安静のために医療室で過ごしてもらっていたが今日からは自由だ。
また自身の宮で過ごすのか。それとも、陛下と同じ部屋で過ごすのか。
(どちらにせよ、私は二人の今後を暖かく見守るためだ……きっと、御子もそのうち……)
ジェラルドは期待を胸に、二人の幸せを害す者を出さぬために動くと、心に誓った。
そして、一人の男が息を吐いて口を開いた。
「尾行は……されておらんな」
「はい、ブルックス伯爵」
ブルックスと呼ばれた男は、確認を終えると机の上に札束を置く。
それを見たもう一人が懐から一つの瓶を取り出した。
「お約束通り、避妊薬……となります」
「ルートは?」
「他国の闇市からです。足はつきません」
ブルックスは唇を舐めて、舌なめずりした。
「効果は?」
「数度飲めば、子を望めぬかと」
その避妊薬は複数回摂取すれば妊娠出来ぬ身体となる危険な薬。
手にしたブルックスはもはや笑いが止まらなかった。
「く……くはは! 生誕会でカーティア皇后を見た時に、あの美貌に心奪われたが……やっと手に出来る」
「恐れながら、これでどうするつもりですか?」
男の質問に、気分が上がったブルックスは意気揚々と答えた。
「簡単だ、私の間者数人を城の使用人として向かわせ、この避妊薬を皇后に飲ませる。妊娠できぬ身体となればいくら寵愛されているとはいえ、廃妃は必然であろう? 陛下の子が望めぬのではな」
「それは……」
「よその国からやって来たカーティア皇后は行く当てもない。それを引き取れば、あの美貌を持つカーティアが私の物となる……楽しみだ」
ブルックスはもはや笑いを堪え切れず、自身の欲望を我慢できずに舌なめずりをする。
世襲貴族として欲望のままに生きてきたブルックスにとって、生誕会で一目みたカーティアの美しさは何をもってしても手に入れたいと思える程だった。
陛下に知られれば、殺されてしまう。だがその恐怖すらもカーティアを手にしたい欲望がかき消していた。
「しかし……危険では? 見つかればただでは……」
「良い、そのために騎士もおるのだから、なぁ? ドルア」
部屋の隅に控えていた騎士、漆黒の鎧に身を包んだドルアはニヤリと微笑みブルックスへと跪いた。
「お任せください、ブルックス様」
「こやつは五年前まで他国の騎士であったのだが、その剣の腕を見込んで雇ったのよ」
「この剣、帝国騎士といえど……適う者はいないと自負を持っております」
ドルアの答えに、ブルックスは安堵の笑みを浮かべる。
「この強者が傍におれば、見つかっても他国へ亡命はできよう!」
「それは安心ですね」
避妊薬を持ってきた男はホッと一息をつく。
ドルアも自信満々の笑みを浮かべた。
「ご安心を、例え……帝国最強の騎士グレインが相手であろうと、俺が切り伏せてみせ––」
「言っておくが、お前は帝国騎士にもなれないよ」
「は––!?」
突然の声に、ドルアが振り返った時。
一閃の銀光が、空を薙いでドルアの腕を切り飛ばし、血しぶきと共に悲鳴が上がる。
「あ!あぁああぁ!!!」
「俺が部屋に入る足音ぐらいは分からないとな」
「あ……あぁ、グ、グレイン!?」
ブルックスはドルアを切り裂いた者を見て思わず呟く。
信じられない……いつの間に……
なにより、どうしてここに帝国一の騎士がやって来ているのか、ブルックスは分からなかった。
「あ……あぁ! お、俺は! 関係ない!」
避妊薬を持ってきた男は突然の事態に逃げる選択をとる。
部屋の扉を開いて逃げようとしたが、その顔を大きな手が掴んで持ち上げた。
「ブルックス伯……私の情報網を侮っておられるようですな」
帝国公卿––ジェラルドにより調達の男は地面へと叩きつけられて気絶をしてしまう。
この状況にブルックスは気付く……全てを悟られて手のひらの上で踊らされていたのだと。
こうなれば、取るべき選択は一つ。
「ゆ、ゆるしてくれ! わ、私も魔がさしたのだ! 決して悪用をしようとは」
「……」
「カーティア皇后の美しさに、目を奪われ……」
「魔が差した時点で、お前は終わりだ」
「は? ぇ!! ッ!?」
疑問の声を出した途端、ブルックスの身体が突然。
引きずられて、壁へと叩きつけられる。
「あ……がぁぁ」
強大な力で引っ張られるまま、壁が破壊されて再び隣室の壁へと叩きつけられ。
数度、破壊と叩きつけを受けたブルックスは外へと引きずり出された。
「!?!? あ、な、なひが……」
歯が折れ、喋る事さえ不自由となったブルックスの頭が踏みつけられる。
「ッッツッ!!!!」
「虫が……」
冷たくて、凍てつくような声。
空気がひりつくような威圧感……強大な魔法に、この痺れるような視線。
「あ……あぁ……シ……シルウィオ……陛下」
陛下がこの場に居る事で、自身の計画が踊らされていた理由をブルックスは理解した。
自分は、陛下が皇后を寵愛している事を知らしめるための見せしめなのだ。
帝国の花である皇后を傷つけようと目論む者が二度と出ぬように、陛下自らが自身を処罰に来たのだと……理解した時には、全てが遅かった。
「……不愉快だ」
見上げた瞬間に、視界は完全に奪われた。
瞳を切り裂かれ、あまりの痛みに悲鳴を上げようとした瞬間。
「黙れ」
冷たく威圧的な一言に、ブルックスは痛みに耐え頭を下げるしか出来なかった。
◇◇◇
帝国騎士が後始末を進める中。
シルウィオは早々に帰りの馬車へと乗りこむ。
カーティアの身を案じての帰還だ。
護衛は数十人付けているが、シルウィオにとって自身の傍こそが最も彼女が安全だという自負があった。
「陛下、お帰りですか」
「あぁ。ジェラルド……此度の作戦、大儀であった」
「ありがたきお言葉……」
「生誕会の日、カティは本当の意味で帝国の花となった……美しい花には虫が寄る。全て処分するぞ」
「はっ!! カーティア様の御身、我ら帝国の威信にかけてお守りいたします!」
「ジェラルド……一つ、聞きたい事がある」
何処か言いよどむようなシルウィオへ、ジェラルドは視線を上げた。
「いかがいたしましたか?」
「カティになにか贈りたい……良い物はあるか?」
その言葉に、ジェラルドは微笑みと共に自身のおすすめを答えた。
(帝国の花は、きっと二度と傷はつきませぬ……なにせ、狼が花を愛でておられるのですから)
ジェラルドは、そう思いながら城へ戻るシルウィオを見送る。
その時、ふと思い出した。
(そういえば、カーティア様は今日でようやく医療室から出られるはず……夜は、どうなさるのだろうか)
死の淵から目覚めてて一か月、安静のために医療室で過ごしてもらっていたが今日からは自由だ。
また自身の宮で過ごすのか。それとも、陛下と同じ部屋で過ごすのか。
(どちらにせよ、私は二人の今後を暖かく見守るためだ……きっと、御子もそのうち……)
ジェラルドは期待を胸に、二人の幸せを害す者を出さぬために動くと、心に誓った。
1,394
お気に入りに追加
12,293
あなたにおすすめの小説
側妃は捨てられましたので
なか
恋愛
「この国に側妃など要らないのではないか?」
現王、ランドルフが呟いた言葉。
周囲の人間は内心に怒りを抱きつつ、聞き耳を立てる。
ランドルフは、彼のために人生を捧げて王妃となったクリスティーナ妃を側妃に変え。
別の女性を正妃として迎え入れた。
裏切りに近い行為は彼女の心を確かに傷付け、癒えてもいない内に廃妃にすると宣言したのだ。
あまりの横暴、人道を無視した非道な行い。
だが、彼を止める事は誰にも出来ず。
廃妃となった事実を知らされたクリスティーナは、涙で瞳を潤ませながら「分かりました」とだけ答えた。
王妃として教育を受けて、側妃にされ
廃妃となった彼女。
その半生をランドルフのために捧げ、彼のために献身した事実さえも軽んじられる。
実の両親さえ……彼女を慰めてくれずに『捨てられた女性に価値はない』と非難した。
それらの行為に……彼女の心が吹っ切れた。
屋敷を飛び出し、一人で生きていく事を選択した。
ただコソコソと身を隠すつまりはない。
私を軽んじて。
捨てた彼らに自身の価値を示すため。
捨てられたのは、どちらか……。
後悔するのはどちらかを示すために。
私が死んで満足ですか?
マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。
ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。
全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。
書籍化にともない本編を引き下げいたしました

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

【完結】潔く私を忘れてください旦那様
なか
恋愛
「子を産めないなんて思っていなかった
君を選んだ事が間違いだ」
子を産めない
お医者様に診断され、嘆き泣いていた私に彼がかけた最初の言葉を今でも忘れない
私を「愛している」と言った口で
別れを告げた
私を抱きしめた両手で
突き放した彼を忘れるはずがない……
1年の月日が経ち
ローズベル子爵家の屋敷で過ごしていた私の元へとやって来た来客
私と離縁したベンジャミン公爵が訪れ、開口一番に言ったのは
謝罪の言葉でも、後悔の言葉でもなかった。
「君ともう一度、復縁をしたいと思っている…引き受けてくれるよね?」
そんな事を言われて……私は思う
貴方に返す返事はただ一つだと。

婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました
kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」
王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。
本日、貴方を愛するのをやめます~王妃と不倫した貴方が悪いのですよ?~
なか
恋愛
私は本日、貴方と離婚します。
愛するのは、終わりだ。
◇◇◇
アーシアの夫––レジェスは王妃の護衛騎士の任についた途端、妻である彼女を冷遇する。
初めは優しくしてくれていた彼の変貌ぶりに、アーシアは戸惑いつつも、再び振り向いてもらうため献身的に尽くした。
しかし、玄関先に置かれていた見知らぬ本に、謎の日本語が書かれているのを見つける。
それを読んだ瞬間、前世の記憶を思い出し……彼女は知った。
この世界が、前世の記憶で読んだ小説であること。
レジェスとの結婚は、彼が愛する王妃と密通を交わすためのものであり……アーシアは王妃暗殺を目論んだ悪女というキャラで、このままでは断罪される宿命にあると。
全てを思い出したアーシアは覚悟を決める。
彼と離婚するため三年間の準備を整えて、断罪の未来から逃れてみせると……
この物語は、彼女の決意から三年が経ち。
離婚する日から始まっていく
戻ってこいと言われても、彼女に戻る気はなかった。
◇◇◇
設定は甘めです。
読んでくださると嬉しいです。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。