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24話
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フロレイス公爵邸にて捕縛されるミラの対面に座り、私はリガル様から渡された書類に目を通す。
どうやら……彼女の供述通りのようだ。
「……貴方から聞いた通り、フロレイス公爵家の馬車整備にて細工を行った業者から言質がとれました」
「……」
「貴方に買収され、細工したのは事実ね。この件はすでに商家の皆様にお伝えし、号外などで王都にて広めていただく予定よ」
「……」
「同時に処罰を決めます。王妃である貴方には、本来なら王家が主導する国家裁判にて刑期を決める所だけど……」
国家裁判。
この国の大きな事件を裁くための裁判だ。
ミラは王妃という籍にいる以上、その裁判で裁く必要がある。
だがそれには、膨大な時間と手間がかかってしまう。
王家を裁くというのは、証拠が揃っていようと簡単ではない。
だから、抜け道を使う。
「ですが犯行当時、貴方は王妃となる前であり。一市民でありました」
「っ!」
ミラは顔を上げる。
そのまま驚く彼女へと言葉を続けた。
「そのため国家裁判ではなく。我が公爵領での簡易裁判にて罪を定めます」
「な! なによそれ。私は王妃なのだから、正式な手続きで……」
「いえ、現在の社会的立場は反映しません。当時の貴方の身分で公爵当主への危害行為は重罪……その処罰は当主、またはその親族に委ねられます」
呟きながら、私は部屋に控える兵士へと視線を注ぐ。
寡黙な兵士は無言のまま、その鞘から剣を払った。
「ま、待ちなさい。せめてセリムと話し合ってから、私の処罰を……」
「では、始めてください」
「はっ!!!」
私の言葉に、兵士がためらいもなく剣を振るう。
風を切った剣は迷いなく、ミラの首元へと吸い込まれるように向かい。
「やめてぇ!!!!!」
ミラの悲鳴の中、その剣は……
「はぁ……はぁ……はぁ……あ、あぁぁ」
ミラの首元を少し切りつけて止まる。
彼女の茶色の髪がパラパラと切り払われ、少しの血が流れる。
今しがた命の危機に瀕したミラは、怯え切った表情を浮かべていた。
「さて、処罰の前に……貴方の思惑を聞かせていただきましょう」
「も……もうやめて。全部、全部話すから……」
「では、聞かせて。貴方は先程、この国を新たに生まれ変わらせると言っていたわね。その意味を答えなさい」
私の問いかけに、ミラは怯えながらも話し始める。
彼女が企てていた、全てを……
「私が、王国に潜む反乱軍を扇動していたの。金で雇った間者を潜ませてね」
「反乱軍の扇動を? どうして王家である貴方が……」
ミラが告げた事実に、私は驚愕の声を漏らしてしまう。
彼女は震えながら言葉を続けた。
「これはね、最後の手段なの。本来ならセリムの王政が安定化すれば、目論見通りに王妃の地位に満足できたの」
「……」
「でも貴方が全てかき乱すんだもの、だから私は……足掻くために全ての手段を講じたの!」
彼女は自らの悪事を事細かに話していく。
ミラはセリムの傍に居たことや、王妃となった事で多額の資産を手に入れた。
その資産を用いて、金に目が眩む者達を懐柔したという。
一つ目は私の父の馬車を細工させた。
そして二つ目は反乱軍へと潜ませ、王家に激情を抱くよう扇動したという。
高まった怒りが解放され、民の全てが王国を潰す計画を企てたのだ。
「現状、セリムの王政は不安定。ゆえに反乱軍の勢いは強い。そして私はね……その反乱軍を先導する妃として、王国と相対する作戦を考えたの」
なるほど……思惑がつかめた気がする。
彼女はセリムを切り捨て、自らは王家に怒りを示して反乱軍を先導した王妃として、民からの求心を得ようとしたのだろう。
「ずいぶんと不安定な策ね。反乱軍は王妃である貴方自身にも剣を向けると思うけれど?」
「私が雇った者が、現王妃はセリムの王政を反対していると反乱軍に吹聴したの。ゆえに反乱軍からみても私の王家への背反は自然に見えるわ」
石壁に伝う茨のように、徐々に王国へと悪を蔓延らせたミラ。
その手腕、他者の人生すら犠牲にする常軌を逸した政略には反吐が出る。
ある意味では、ここまで悪に落ちたからこそ出来た事なのだろうが。
「どうして……ここまでの事をしたの」
「どうして? 貴方には分からないでしょうね。いつだって日陰で生きてきて、前世でも今世でも主役にすらなれない惨めな私の想いなんて!」
「っ……」
「私は輝きたかったの。暗くて惨めで、馬鹿にされて生きてきた前世。友達も彼氏も、楽しみ一つない虚無な人生を送ったからこそ……誰もが憧れる幸せを求めて何が悪いの?」
彼女の抱く嫉妬心、憧れには理解ができない。
他者を犠牲にしていい理由にも……同情足り得る理由になるはずがないのだから。
ミラは掠れた呼吸で言葉を続けた。
「反乱軍を扇動する計画には貴方の存在が邪魔だった。だから……強行手段で排除するため、ここにきたのに」
「全て分かりました。すぐに王家や他貴族家にも遣いを送り……貴方の企ての阻止を図ります」
私は即座に近くの文官達や、兵士の皆へと指示を飛ばし始める。
その時、ミラが俯いたまま……くつくつと笑っているのに気付く。
「ミラ、笑っているところ悪いけれど。貴方には然るべき処罰を……」
「もうね、止められないのよ……ラテシアさん」
ミラがそんな言葉を告げた途端だった。
慌てる足音と共に、私の名を呼ぶ声が聞こえた。
「ラテシア様! 大変です!」
「どうしました、リガル様」
「王国各地にて、反乱軍による暴動が起きたとの報告が入っております!」
「っ!」
「そして王都に向けて進軍する大軍までいると……」
リガル様の報告に驚愕していた時。
ミラはけたたましく笑い、私をあざ笑った。
「もうね、反乱軍は私の扇動のせいで止まらない。私が貴方に会いに来る前から、王家に怒りを向けて止まらず進み始めているの! セリムは手遅れだったのよ!」
「……」
「私の計画通りに進めば、王家と少しの民の犠牲だけで済ませてあげた……でも先導する者もいない反乱軍が暴れていけば、大きな争いに広がっていきそうね?」
ミラの悪意のこもった笑いが、皆へと届く。
醜悪な考えを、彼女はまき散らし続ける。
「貴方は誰も救えないわ。民や……セリムも……皆、貴方が私の幸せを邪魔したから死ぬのよ。あんたの反抗のせいで––––」
「黙れ」
「うぐっ!?」
鈍い音が鳴り響く。
部屋に入ってきたある人物が、ミラの腹部に拳を打ち……黙らせたのだ。
その人物を見て、私は言葉を失った。
「……苦労をかけたな。ラテシア」
「ち、父上……! 意識が……!」
意識を失っていたはずの父が起き上がっており、私を見つめていたのだ。
寝たきりのせいで痩せてはいるが、その健勝な瞳はいまだ燃え盛るように鋭い。
驚く私を置いて、父は周囲へと視線を配る。
「事情はおおよそ察した。この王国の危機……フロレイスの名にかけて乗り越えるぞ!」
「父上……しかし」
「手は残されている。そしてラテシア……それにはお前の力が不可欠だ」
父は起き上がって早々、かつて手腕を振るったフロレイス公爵家当主としての姿を皆に見せる。
一切の焦りも動揺もなく、不安に染まった兵達へと声を張り上げた。
「皆、聞け! 我が国で民同士の戦など起こさせはせん。それこそ我が国を長年に渡って守り抜いてきたフロレイス家の責務だ! 焦る事なく! 冷静に対処を進めよ!!」
父は、私に当主としてのあるべき姿を見せつける。
その檄に、動揺していた私を含めた皆が……父へと視線を集中させた。
どうやら……彼女の供述通りのようだ。
「……貴方から聞いた通り、フロレイス公爵家の馬車整備にて細工を行った業者から言質がとれました」
「……」
「貴方に買収され、細工したのは事実ね。この件はすでに商家の皆様にお伝えし、号外などで王都にて広めていただく予定よ」
「……」
「同時に処罰を決めます。王妃である貴方には、本来なら王家が主導する国家裁判にて刑期を決める所だけど……」
国家裁判。
この国の大きな事件を裁くための裁判だ。
ミラは王妃という籍にいる以上、その裁判で裁く必要がある。
だがそれには、膨大な時間と手間がかかってしまう。
王家を裁くというのは、証拠が揃っていようと簡単ではない。
だから、抜け道を使う。
「ですが犯行当時、貴方は王妃となる前であり。一市民でありました」
「っ!」
ミラは顔を上げる。
そのまま驚く彼女へと言葉を続けた。
「そのため国家裁判ではなく。我が公爵領での簡易裁判にて罪を定めます」
「な! なによそれ。私は王妃なのだから、正式な手続きで……」
「いえ、現在の社会的立場は反映しません。当時の貴方の身分で公爵当主への危害行為は重罪……その処罰は当主、またはその親族に委ねられます」
呟きながら、私は部屋に控える兵士へと視線を注ぐ。
寡黙な兵士は無言のまま、その鞘から剣を払った。
「ま、待ちなさい。せめてセリムと話し合ってから、私の処罰を……」
「では、始めてください」
「はっ!!!」
私の言葉に、兵士がためらいもなく剣を振るう。
風を切った剣は迷いなく、ミラの首元へと吸い込まれるように向かい。
「やめてぇ!!!!!」
ミラの悲鳴の中、その剣は……
「はぁ……はぁ……はぁ……あ、あぁぁ」
ミラの首元を少し切りつけて止まる。
彼女の茶色の髪がパラパラと切り払われ、少しの血が流れる。
今しがた命の危機に瀕したミラは、怯え切った表情を浮かべていた。
「さて、処罰の前に……貴方の思惑を聞かせていただきましょう」
「も……もうやめて。全部、全部話すから……」
「では、聞かせて。貴方は先程、この国を新たに生まれ変わらせると言っていたわね。その意味を答えなさい」
私の問いかけに、ミラは怯えながらも話し始める。
彼女が企てていた、全てを……
「私が、王国に潜む反乱軍を扇動していたの。金で雇った間者を潜ませてね」
「反乱軍の扇動を? どうして王家である貴方が……」
ミラが告げた事実に、私は驚愕の声を漏らしてしまう。
彼女は震えながら言葉を続けた。
「これはね、最後の手段なの。本来ならセリムの王政が安定化すれば、目論見通りに王妃の地位に満足できたの」
「……」
「でも貴方が全てかき乱すんだもの、だから私は……足掻くために全ての手段を講じたの!」
彼女は自らの悪事を事細かに話していく。
ミラはセリムの傍に居たことや、王妃となった事で多額の資産を手に入れた。
その資産を用いて、金に目が眩む者達を懐柔したという。
一つ目は私の父の馬車を細工させた。
そして二つ目は反乱軍へと潜ませ、王家に激情を抱くよう扇動したという。
高まった怒りが解放され、民の全てが王国を潰す計画を企てたのだ。
「現状、セリムの王政は不安定。ゆえに反乱軍の勢いは強い。そして私はね……その反乱軍を先導する妃として、王国と相対する作戦を考えたの」
なるほど……思惑がつかめた気がする。
彼女はセリムを切り捨て、自らは王家に怒りを示して反乱軍を先導した王妃として、民からの求心を得ようとしたのだろう。
「ずいぶんと不安定な策ね。反乱軍は王妃である貴方自身にも剣を向けると思うけれど?」
「私が雇った者が、現王妃はセリムの王政を反対していると反乱軍に吹聴したの。ゆえに反乱軍からみても私の王家への背反は自然に見えるわ」
石壁に伝う茨のように、徐々に王国へと悪を蔓延らせたミラ。
その手腕、他者の人生すら犠牲にする常軌を逸した政略には反吐が出る。
ある意味では、ここまで悪に落ちたからこそ出来た事なのだろうが。
「どうして……ここまでの事をしたの」
「どうして? 貴方には分からないでしょうね。いつだって日陰で生きてきて、前世でも今世でも主役にすらなれない惨めな私の想いなんて!」
「っ……」
「私は輝きたかったの。暗くて惨めで、馬鹿にされて生きてきた前世。友達も彼氏も、楽しみ一つない虚無な人生を送ったからこそ……誰もが憧れる幸せを求めて何が悪いの?」
彼女の抱く嫉妬心、憧れには理解ができない。
他者を犠牲にしていい理由にも……同情足り得る理由になるはずがないのだから。
ミラは掠れた呼吸で言葉を続けた。
「反乱軍を扇動する計画には貴方の存在が邪魔だった。だから……強行手段で排除するため、ここにきたのに」
「全て分かりました。すぐに王家や他貴族家にも遣いを送り……貴方の企ての阻止を図ります」
私は即座に近くの文官達や、兵士の皆へと指示を飛ばし始める。
その時、ミラが俯いたまま……くつくつと笑っているのに気付く。
「ミラ、笑っているところ悪いけれど。貴方には然るべき処罰を……」
「もうね、止められないのよ……ラテシアさん」
ミラがそんな言葉を告げた途端だった。
慌てる足音と共に、私の名を呼ぶ声が聞こえた。
「ラテシア様! 大変です!」
「どうしました、リガル様」
「王国各地にて、反乱軍による暴動が起きたとの報告が入っております!」
「っ!」
「そして王都に向けて進軍する大軍までいると……」
リガル様の報告に驚愕していた時。
ミラはけたたましく笑い、私をあざ笑った。
「もうね、反乱軍は私の扇動のせいで止まらない。私が貴方に会いに来る前から、王家に怒りを向けて止まらず進み始めているの! セリムは手遅れだったのよ!」
「……」
「私の計画通りに進めば、王家と少しの民の犠牲だけで済ませてあげた……でも先導する者もいない反乱軍が暴れていけば、大きな争いに広がっていきそうね?」
ミラの悪意のこもった笑いが、皆へと届く。
醜悪な考えを、彼女はまき散らし続ける。
「貴方は誰も救えないわ。民や……セリムも……皆、貴方が私の幸せを邪魔したから死ぬのよ。あんたの反抗のせいで––––」
「黙れ」
「うぐっ!?」
鈍い音が鳴り響く。
部屋に入ってきたある人物が、ミラの腹部に拳を打ち……黙らせたのだ。
その人物を見て、私は言葉を失った。
「……苦労をかけたな。ラテシア」
「ち、父上……! 意識が……!」
意識を失っていたはずの父が起き上がっており、私を見つめていたのだ。
寝たきりのせいで痩せてはいるが、その健勝な瞳はいまだ燃え盛るように鋭い。
驚く私を置いて、父は周囲へと視線を配る。
「事情はおおよそ察した。この王国の危機……フロレイスの名にかけて乗り越えるぞ!」
「父上……しかし」
「手は残されている。そしてラテシア……それにはお前の力が不可欠だ」
父は起き上がって早々、かつて手腕を振るったフロレイス公爵家当主としての姿を皆に見せる。
一切の焦りも動揺もなく、不安に染まった兵達へと声を張り上げた。
「皆、聞け! 我が国で民同士の戦など起こさせはせん。それこそ我が国を長年に渡って守り抜いてきたフロレイス家の責務だ! 焦る事なく! 冷静に対処を進めよ!!」
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