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悪政の華⑤ セリムside
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王都にて起こった暴動の鎮圧はしたが、暴動を先導した者はいまだ捕縛されていないという。
依然、騎士団による調査中だ。
しかし今、重要なのは僕の王政にて暴動が起こった事実。
まさに現王政の不振を象徴しており、騒ぎを聞きつけ王城に集まった貴族は皆が一様に僕を責めた。
「セリム陛下、此度の騒動をどう収めるつもりですか!」
「我らもせっかく頂いた領地が、反乱軍に怯えてろくに使えませぬ」
会議室に集まっているのは、複数人の貴族達。
僕が従軍経験者から土地を返還させた後、支持を目的でその土地を与えた貴族だ。
「そもそも、私は反対だったのです。血統があろうと、ミラ王妃をラテシア嬢と替えるなど」
以前、土地を与えた際には諸手を上げて僕の行為を賛同してくれていた貴族。
だけど以前とまるで違う意見で、彼は僕を責め立てる。
「我らはフロレイス家と敵対など反対だったのですよ」
「責任が我ら貴族に向くことがないようにだけは、お願いいたしますよ」
僕が即位して土地を与えた際は称賛しか送らなかった彼らが、今はまるで別人のように意見を変え、非難の声を上げる。
これが……損益で支持を得た僕の王政の現状だ。
あぁ、なんて惨めだろうか。
「セリム陛下。そもそもゼブル公爵がラテシア嬢との交渉で、馬鹿げた発言を漏らした不覚こそが問題ではありませんか?」
貴族達は僕を責め立てた後、その矛先を……沈黙していたゼブルへと向けた。
「まさか、これほどの失態を犯してなお。セリム陛下の宰相を継続なさるおつもりで?」
「私ならば、恥辱で顔向けなどできませんがね。代わって頂きたいものだ」
皆が小馬鹿にした笑いが上げる中。
ゼブルはなぜか、ふつふつと小さな笑い声を上げ始めた。
「ふ……くく。ふはは」
「…………ゼブル公爵、何がおかしい」
「いや。皮肉なものだと思いましてな。ラテシア殿との議論の結果が、ここまで無残に見せつけられるとは……」
「何を言っておられる?」
「格差なき社会を夢見たが……結局は貴族社会でも同じこと。王家の危機たる状況であっても足を引き合う世では、未来など確かに無さそうだ」
どこか達観したような。
されど満足げなゼブル公爵の表情に僕が視線を奪われる。
だが、他の貴族は激昂の声を上げた。
「ふざけないで頂きたい! 我らは此度の責任をどうとるかとお聞きして––」
「ふざけているのは貴様らだッ!! 王家の危機的状況に、対応策も出さずして身の丈に合わぬ立場を欲するな!」
「っ!」
「今、優先すべきはセリム陛下の王政の安定化。そのためには早急に民の不安、怒りを鎮める対策を立てねばならん!」
ゼブルは立ち上がり、僕を見つめながら跪いた。
「陛下、此度の失態。その責任がこの首で済むなら、いくらでも切り落としましょう。ですが今は……暴動を招いてしまった王政を立て直すため、責務を全うする権利を頂きたく思います」
「陛下! ゼブル公爵は即刻に責任をとらせるべきです!」
今の状況に、僕の答えは決まっていた。
批難の声ばかりあげる貴族と、せめて共に危機を乗り越えようとしてくれるゼブル。
手を取るべき相手は、分かり切っている。
「ゼブル……共に考えてくれるか。まだ僕は……足掻きたいんだ。ラテシアに僕の王政は間違っていないと、証明したい」
「助力となるか分かりませんが……貴方に助言したあの日から、私は自らの責務を全うするつもりです」
ゼブルの言葉に僕は頷き、彼の手を取る。
非難する貴族達は会議場から出てもらい、残された僕達は早急な対応策を練る。
民の税を削減し、その生活が安定するように支援。
その他にも子育て支援のため、子を持つ親には支援金を与える……など。
様々な案が、意外にも貴族優遇思想であったゼブル公爵の発案がキッカケで固まっていく。
「意外だ、ゼブル。貴方にも……こういった考えがあるのだな」
「……妻が存命の際は、私の領内で実施したものですから」
「そうか。だが貴族はどうする……民の税を下げて優遇すれば、彼らの税収が減って反感を買ってしまう」
「国費から捻出して、減収を補填いたしましょう。これで民と、貴族もどちらも対策は可能です」
これだけの法案を、互いに意見を出し合って固めていく。
初めて王としてあるべき政策を打ち出せているとは思うが……一抹の不安が拭えない。
その不安を感じ取ったのか、ゼブルが首を横に振る。
「セリム陛下もお気づきでしょうが。これらは焼け石に水となる可能性が高い」
「……」
「民の怒りは大きい。特に反乱軍の中枢ともいえる従軍経験者達を止める手立てはありませぬ」
「土地の返還は、不可能か?」
「すでに貴族に与えてしまった。それらを再度返還させることは、現王政の崩壊を覚悟しての法案となりましょう」
つまりは……今、僕達がいくら手立てを考えようとも。
最初の一手が間違っており、それを繕うことなど不可能なのだろう。
ラテシアの……言った通りに。
「僕は……間違っていたのだろうか。ゼブル……」
ふと、漏らしてしまった本音。
俯きながら、僕はゼブルへと問いかける。
対面に座る彼は暫しの沈黙の後、ゆっくりと頷いた。
「結果でいえば、そうなってしまいました。ラテシア殿はこちらの対策が追い付かぬ速度で、支持を得てしまった」
「……」
「言い訳となりますが、私の不覚が無くとも。この現状はいずれ訪れていたと思われます」
その一言が、僕の心を揺らす。
ラテシアのオマケのような存在から脱却して、王として認められたかった。
だけど、だけど。
それはやはり僕には無理だったのか?
その疑問の答えは、たった半年足らずで不安定に陥った現王政を見れば明らかであり、惨めな結果に目頭が熱くなる。
「……僕は……ただ、負けたくなかった。ラテシアのオマケは嫌だったんだ」
「セリム陛下……」
「学園時代の頃と同じ、ラテシアの名声の陰で嘲笑われる惨めな人生を脱却したかった…………惨めな人生を変えたかったんだ」
ミラの血統を手に入れ、ゼブルという家臣の協力もありながら。
僕の王政は、ラテシアには及ばなかった。
なんて、惨めだ。
「顔をお上げください。セリム陛下、貴方は王なのですから」
「っ……ゼブル」
「此度の対応策の結果はまだ出ておりませぬ。万が一にも……活路は生まれるかもしれない」
「だが、そんな可能性はすでに残されていない」
「であれば、惨めな最後ではなく。華々しく散りましょうぞ、セリム陛下!」
ゼブルの言葉にハッと顔を上げる。
彼は清々しいほど真っすぐに僕を見つめて、言葉を続ける。
「たとえラテシア殿の要求を呑み、王家の非を認める結果となろうと……その最後の一時まで王たる努めを果たせばよいのです」
「……」
「どうせ、対応策の結果も半年かかる。ならばその間に、貴族に与えた土地を取り戻せぬか。説得も進めてまいりましょう」
彼の言葉に、僕の心が揺れていく。
「負けは惨めかもしれませぬ。ですが後世に憂いを残さぬため。間違いの代償を残さぬよう務めを果たせば、誰が貴方を嘲笑いましょうか」
「ゼブル……」
「それに、最後は全ての責任を私に被せ、この首を切って済ませばよろしい」
「っ!! なにを言って」
「以前に言ったはずでしょう? 甘さを持っていては、大局は成せませぬ。権力とは、使い道が肝要……世の平定の礎となるなら、家臣たる私が犠牲になりましょう」
「ゼブル、僕は……」
「惨めな人生だと悲観なさるな、セリム陛下。貴方はラテシア殿という傑物相手に、恥のない負け方を示せばいい。それもまた一つの王としての責務です」
それは、気休めのような言葉だ。
負けは負け、結果など変わらない。
「たとえ愚王と歴史に名を残そうと、後世の憂いを正せば……貴方の負けは、胸を張れるものであるはずです」
だけどゼブルの言葉に、僕は救われた気がした。
弱者なりに間違いを認め、はるか上をいくラテシアに……恥じぬ負けを示せるかもしれないと。
依然、騎士団による調査中だ。
しかし今、重要なのは僕の王政にて暴動が起こった事実。
まさに現王政の不振を象徴しており、騒ぎを聞きつけ王城に集まった貴族は皆が一様に僕を責めた。
「セリム陛下、此度の騒動をどう収めるつもりですか!」
「我らもせっかく頂いた領地が、反乱軍に怯えてろくに使えませぬ」
会議室に集まっているのは、複数人の貴族達。
僕が従軍経験者から土地を返還させた後、支持を目的でその土地を与えた貴族だ。
「そもそも、私は反対だったのです。血統があろうと、ミラ王妃をラテシア嬢と替えるなど」
以前、土地を与えた際には諸手を上げて僕の行為を賛同してくれていた貴族。
だけど以前とまるで違う意見で、彼は僕を責め立てる。
「我らはフロレイス家と敵対など反対だったのですよ」
「責任が我ら貴族に向くことがないようにだけは、お願いいたしますよ」
僕が即位して土地を与えた際は称賛しか送らなかった彼らが、今はまるで別人のように意見を変え、非難の声を上げる。
これが……損益で支持を得た僕の王政の現状だ。
あぁ、なんて惨めだろうか。
「セリム陛下。そもそもゼブル公爵がラテシア嬢との交渉で、馬鹿げた発言を漏らした不覚こそが問題ではありませんか?」
貴族達は僕を責め立てた後、その矛先を……沈黙していたゼブルへと向けた。
「まさか、これほどの失態を犯してなお。セリム陛下の宰相を継続なさるおつもりで?」
「私ならば、恥辱で顔向けなどできませんがね。代わって頂きたいものだ」
皆が小馬鹿にした笑いが上げる中。
ゼブルはなぜか、ふつふつと小さな笑い声を上げ始めた。
「ふ……くく。ふはは」
「…………ゼブル公爵、何がおかしい」
「いや。皮肉なものだと思いましてな。ラテシア殿との議論の結果が、ここまで無残に見せつけられるとは……」
「何を言っておられる?」
「格差なき社会を夢見たが……結局は貴族社会でも同じこと。王家の危機たる状況であっても足を引き合う世では、未来など確かに無さそうだ」
どこか達観したような。
されど満足げなゼブル公爵の表情に僕が視線を奪われる。
だが、他の貴族は激昂の声を上げた。
「ふざけないで頂きたい! 我らは此度の責任をどうとるかとお聞きして––」
「ふざけているのは貴様らだッ!! 王家の危機的状況に、対応策も出さずして身の丈に合わぬ立場を欲するな!」
「っ!」
「今、優先すべきはセリム陛下の王政の安定化。そのためには早急に民の不安、怒りを鎮める対策を立てねばならん!」
ゼブルは立ち上がり、僕を見つめながら跪いた。
「陛下、此度の失態。その責任がこの首で済むなら、いくらでも切り落としましょう。ですが今は……暴動を招いてしまった王政を立て直すため、責務を全うする権利を頂きたく思います」
「陛下! ゼブル公爵は即刻に責任をとらせるべきです!」
今の状況に、僕の答えは決まっていた。
批難の声ばかりあげる貴族と、せめて共に危機を乗り越えようとしてくれるゼブル。
手を取るべき相手は、分かり切っている。
「ゼブル……共に考えてくれるか。まだ僕は……足掻きたいんだ。ラテシアに僕の王政は間違っていないと、証明したい」
「助力となるか分かりませんが……貴方に助言したあの日から、私は自らの責務を全うするつもりです」
ゼブルの言葉に僕は頷き、彼の手を取る。
非難する貴族達は会議場から出てもらい、残された僕達は早急な対応策を練る。
民の税を削減し、その生活が安定するように支援。
その他にも子育て支援のため、子を持つ親には支援金を与える……など。
様々な案が、意外にも貴族優遇思想であったゼブル公爵の発案がキッカケで固まっていく。
「意外だ、ゼブル。貴方にも……こういった考えがあるのだな」
「……妻が存命の際は、私の領内で実施したものですから」
「そうか。だが貴族はどうする……民の税を下げて優遇すれば、彼らの税収が減って反感を買ってしまう」
「国費から捻出して、減収を補填いたしましょう。これで民と、貴族もどちらも対策は可能です」
これだけの法案を、互いに意見を出し合って固めていく。
初めて王としてあるべき政策を打ち出せているとは思うが……一抹の不安が拭えない。
その不安を感じ取ったのか、ゼブルが首を横に振る。
「セリム陛下もお気づきでしょうが。これらは焼け石に水となる可能性が高い」
「……」
「民の怒りは大きい。特に反乱軍の中枢ともいえる従軍経験者達を止める手立てはありませぬ」
「土地の返還は、不可能か?」
「すでに貴族に与えてしまった。それらを再度返還させることは、現王政の崩壊を覚悟しての法案となりましょう」
つまりは……今、僕達がいくら手立てを考えようとも。
最初の一手が間違っており、それを繕うことなど不可能なのだろう。
ラテシアの……言った通りに。
「僕は……間違っていたのだろうか。ゼブル……」
ふと、漏らしてしまった本音。
俯きながら、僕はゼブルへと問いかける。
対面に座る彼は暫しの沈黙の後、ゆっくりと頷いた。
「結果でいえば、そうなってしまいました。ラテシア殿はこちらの対策が追い付かぬ速度で、支持を得てしまった」
「……」
「言い訳となりますが、私の不覚が無くとも。この現状はいずれ訪れていたと思われます」
その一言が、僕の心を揺らす。
ラテシアのオマケのような存在から脱却して、王として認められたかった。
だけど、だけど。
それはやはり僕には無理だったのか?
その疑問の答えは、たった半年足らずで不安定に陥った現王政を見れば明らかであり、惨めな結果に目頭が熱くなる。
「……僕は……ただ、負けたくなかった。ラテシアのオマケは嫌だったんだ」
「セリム陛下……」
「学園時代の頃と同じ、ラテシアの名声の陰で嘲笑われる惨めな人生を脱却したかった…………惨めな人生を変えたかったんだ」
ミラの血統を手に入れ、ゼブルという家臣の協力もありながら。
僕の王政は、ラテシアには及ばなかった。
なんて、惨めだ。
「顔をお上げください。セリム陛下、貴方は王なのですから」
「っ……ゼブル」
「此度の対応策の結果はまだ出ておりませぬ。万が一にも……活路は生まれるかもしれない」
「だが、そんな可能性はすでに残されていない」
「であれば、惨めな最後ではなく。華々しく散りましょうぞ、セリム陛下!」
ゼブルの言葉にハッと顔を上げる。
彼は清々しいほど真っすぐに僕を見つめて、言葉を続ける。
「たとえラテシア殿の要求を呑み、王家の非を認める結果となろうと……その最後の一時まで王たる努めを果たせばよいのです」
「……」
「どうせ、対応策の結果も半年かかる。ならばその間に、貴族に与えた土地を取り戻せぬか。説得も進めてまいりましょう」
彼の言葉に、僕の心が揺れていく。
「負けは惨めかもしれませぬ。ですが後世に憂いを残さぬため。間違いの代償を残さぬよう務めを果たせば、誰が貴方を嘲笑いましょうか」
「ゼブル……」
「それに、最後は全ての責任を私に被せ、この首を切って済ませばよろしい」
「っ!! なにを言って」
「以前に言ったはずでしょう? 甘さを持っていては、大局は成せませぬ。権力とは、使い道が肝要……世の平定の礎となるなら、家臣たる私が犠牲になりましょう」
「ゼブル、僕は……」
「惨めな人生だと悲観なさるな、セリム陛下。貴方はラテシア殿という傑物相手に、恥のない負け方を示せばいい。それもまた一つの王としての責務です」
それは、気休めのような言葉だ。
負けは負け、結果など変わらない。
「たとえ愚王と歴史に名を残そうと、後世の憂いを正せば……貴方の負けは、胸を張れるものであるはずです」
だけどゼブルの言葉に、僕は救われた気がした。
弱者なりに間違いを認め、はるか上をいくラテシアに……恥じぬ負けを示せるかもしれないと。
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