【完結】婚約破棄された私が惨めだと笑われている?馬鹿にされているのは本当に私ですか?

なか

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11話

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「なぜ貴様がここに」

「そんな事は関係ありませんよ、それにこの状況の方が気になりますがね?」

アレキシスはソフィア達を見つめる
そして再度ディランへと向き直る


「内容によっては、国王様にも報告しなければいけませんが?」

「……突然、そのシュルクという騎士に剣を向けられたのだ……私はなにもしていない!!」


「うそいわないで!!」

ソフィアの言葉をアレキシスは手で制す
ニコリと微笑み「任せてください」と呟いた


「ただ襲われるはずはないでしょう?彼女達がそんな事をしないのはよく知っています」

「男爵家の者共の言葉と公爵家の僕の言葉……どちらを信じるのだ?」

「真偽に爵位は関係ない…ただ真実が知りたいだけです……それに」


アレキシスはディランの腕を掴み袖を見る
そこにはわずかに真っ赤な血がついていた

「袖に血をつけた方の言葉を信じる事はできませんな?」

アレキシスの言葉にディランは焦ったような表情を浮かべ
袖を掴む腕を振り払う

「穢れた血を持つ者が触るな!!これは……」

「返り血のようですが……いったい……なにをのですか?」

何かを知っているような口ぶりに
ディランは睨む


「なにを言っている?」

「その反応だと、当たっていましたかね?勘ですよ」

笑っているが、アレキシスの瞳は冷静にディランを見つめていた

(同じ爵位を持つこいつの前で下手に動けば面倒だ、国王様に下手に報告されでもしたら…)

ディランは冷静さを取り戻し大きく息を吐く
そして先程までの狂気的な顔を捨て明るく笑う

「いやぁ……どうやらクラリス家に勘違いさせてしまったみたいで!」

明るく笑うディランは手を合わせて謝るように
頭を下げる

「デイモンドとの復縁を申し込んだのだが、どうやら無理強いをしていると勘違いさせてしまった!申し訳ない!!」

「そんな言葉を信じると?」

アレキシスの言葉に、ディランは呟く

「信じるしかないだろう?証拠もないのだから」

「……」

ディランは笑みを絶やさずにソフィア達に頭を下げる
だがその瞳は真っ直ぐにソフィアだけを見つめていた

「私はもう……デイモンド様とは結婚できませんから……」

ソフィアの呟きに
ディランはまるで反応せずにただ

「すいません、いつかまたお詫びをさせていただきます」
としか言わなかった


「それでは、ご迷惑をおかけしました僕は失礼します」

ディランは頭を下げながら帰ろうとするが、片目を抑えているワイアットに近づき
小さく呟く


「後悔するぞ、もう一度考えろワイアット」

そう言って、部屋を出ていく
ワイアットは彼を見つめながら同じく呟く


「娘をお前に脅され……渡した日から、後悔しなかった日など一日もない……」


その言葉をディランは黙って聞いて
去っていった


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