【完結】婚約破棄された私が惨めだと笑われている?馬鹿にされているのは本当に私ですか?

なか

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2話

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笑い声に包まれる中
デイモンドは自身の称賛の声に気をよくしていた

「流石デイモンド様ですよ」「いやぁ~いいものが見れるぞ!」

騒ぐ貴族達は皆が自身に称賛を送っている
デイモンドは調子良く
胸を張って目の前のソフィアを指さす

「みよ!!やはり俺にお前はふさわしくないと皆が思っているぞ!」

「その通りですよ!デイモンド様!」

「デイモンド様にはふさわしくありません!!」

貴族達の合いの手が入る

デイモンドは隣にいるロミエを抱きしめ
ソフィアに見せつけるが、彼女は無表情のままだ

「わかっているのか?皆がお前を笑っているぞ?その惨めな姿にな!」

「そうでしょうか?デイモンド様はもう少し考えて人の話を聞くべきだと思いますが?」

「なにっ!?言わせておけば!!」

「それでは、最後にお聞きします」

ソフィアは凛としたたたずまいでデイモンドを見つめ
最後の質問をする

「本当に婚約破棄でよろしいのですね?」

周りの貴族達が静まり返る
デイモンドの返事を期待するように
待っている
ニヤニヤと笑いながら

彼はロミエを抱きしめながら高らかに笑った


「もちろんだ!!お前なんてもういらない!俺はロミエと幸せになるんだ!!」


デイモンドの言葉に周りの貴族達は最高潮に盛り上がる
笑う者や、中には喜びを表すように歌い出すような者までいた

「そうですか、それでは私は帰らせていただきますね」

「あぁ。さっさと帰れ!」

「えぇ、ではさようならデイモンド様」

ソフィアは静かに頭を下げて
笑い声に包まれる会場を後にする

「シュルク、帰りましょう」

ソフィアの呼びかけに会場の隅にいた人物が歩み寄る
茶色の整った髪に蒼眼の男性

デイモンドも知っている人物だ
ソフィアの護衛であり、幼少の頃よりソフィアを守っていた
騎士のシュルク

彼は静かにソフィアの隣に歩み寄り
共に会場を後にしていった


(いい気味だ、これだけの貴族達の前で恥をかき、笑い者となったのだ……ソフィアをはじめ奴の家のクラリス家もこの先にいい未来はないだろうな)

ニヤニヤとデイモンドは笑う

(まぁ、泣きついてきたら側室として迎えてやらん事もないがな)

「ねぇ?デイモンド、私にも皆さんを紹介してよ」

ロミエの言葉にデイモンドは頷き
顔を上げた時、なにか不思議な違和感を感じた


(なぜだ?まだパーティーは始まったばかりなのに貴族達が帰り支度を始めている?)


貴族達がそれぞれ連れてきた使用人達にコートなどを持ってこさせている
まるでもう宴は終わったかのように

(やはり、貴族達の目の前で婚約破棄など、場をシラケさせただろうか?)

不安に思っていたデイモンドだが
貴族の中の一人が声を上げる

「デイモンド様!今日は大変いいものを見せてもらいました!!」

「ええ、本当に胸がすっと軽くなりましたわ、悩みが無くなりました!」

「あなたに彼女はふさわしくありませんね」

「デイモンド様に拍手を送りましょう!!良くぞ婚約破棄してくださいました!」

大勢の貴族達がはち切れんばかりの声援と
大喝采の拍手を送る

「おぉ!!やはり皆も祝ってくれるか!!」

デイモンドの言葉に全員が頷いた

「もちろんですよ」「こんなに嬉しい事はありません!」

「そうかそうか!!ロミエ、俺たちをこれだけの人数が祝福してくれているぞ!」

「本当に?」

「あぁ!」

再び熱い抱擁と口付けをしたデイモンドとロミエを
貴族達は笑い声と拍手で包んだ


(皆が俺の事を祝ってくれている……これほど嬉しい事はない)

デイモンドは笑い声に包まれながら
自身の今後の幸せを確信したのだった

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