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高等部三年生としての日々はすでに一か月が経った、長いようで短く感じる日々であり、アイザックの一件からすでに数週間が経ち、他は変わりない日々を過ごしている。
モネと共に勉学に励み共に過ごす時間は素直に楽しいと思える、彼女と過ごす時間は唯一といっていい…前世の人生を忘れて年相応の笑顔になれる。
モネの友達だったエリザではあるが、他の友達とも上手くは出来ていないようで…時折モネを見ては寂しそうな表情を浮かべている、私の見立てではもう少しで彼女も素直になれるのではないだろうか?
きっかけさえあればだけど、私は意地悪なのできっかけになる気はないがモネはどう思っているかは分からないし、これはモネの問題なので私が介入しても話を複雑にするだけだ。
と、ランドルフからの嫌がらせもなく平和な日々を送っているのだけど少しだけ困った問題がある、それは…。
「さて、できましたよモネ」
「すごいよデイジー…今日もありがとう!」
モネの髪をいつも通り結ってあげると彼女は私に抱きついてきた。
「私、デイジーと友達になれて本当に良かった…毎日楽しいよ」
「ふふ、私もです…さぁ今日も行きましょうか」
モネと共に女性徒の寮を出て、晴れ晴れとした晴天の中を談笑して歩き出す。
「いい天気だね、デイジー」
「ええ、本当にいい天気…最近は雨続きだったから余計にそう感じるわね」
「うむ!!その通りだな!これほどの青天は久々だ、大雨で外に出ずに筋肉鍛錬ばかりしていたが、この晴天は良い訓練日和だ!」
……………………。
「え、えっと……」
「所でモネ、昨日習った事について聞きたいのですが」
「え!あ……うん、私に分かる事なら……」
「ありがとう、助かるわ」
「デイジー!モネ殿!俺は勉学も得意であり。2人の助けになるかもしれない!なんでも聞いてくれ!」
はぁ………無視をしてもお構いなく話しかけてくる彼に流石に反応せざるを得ない。
「アイザック、なんの用ですか?」
「おぉ!デイジー!ようやく話してくれたな!これほど嬉しいことはない!」
「………」
私の困りごととはアイザックの事だ、数日前から授業の小休止や学園の放課後に頻繫に話かけてくるようになり無視を貫いていたのだけど、いよいよ朝の登校時にまで一緒についてくるので話をする事に決めたのだ。
「言ったはずですよアイザック、私にそんな気はないと……」
「もちろん、分かっている!そして改めて謝罪させて欲しい、あの時の非礼を……純粋に君とモネ殿と学友として交友させてもらいたいのだ。」
「………目的はなんですか?」
「学友を作る事に目的は必要だろうか?……疑う気持ちは理解している…しかし邪な考えは一切ない事を我がマグノリア公爵家の名に懸けて誓おう」
まさか、家名まで持ち出すとは……本当に虚偽を言っていないと証明したいのだろう、実際にアイザックのまっすぐな瞳を見ても噓をついているようには見えない、だが一回目の人生で受けた仕打ちが記憶にこびりついてアイザックを疑ってしまう。
「信じてもらえないだろうか?俺は純粋に君たちと学友としての仲になりたい」
彼の言葉に素直に返答をできなかった、一回目の人生の経験が彼を素直に受け入れることができずに喉に物がつかえたように声が出なかった。
そんな時にトンと背中を押してくれたのは私の友達のモネだった、背中を叩き微笑んだ彼女は私に言った。
「デイジー、私は貴方がどんな決断をしても一緒にいるよ!だから彼の事は何も心配せずに決めてあげて」
モネにそう言われて、これ程心強い言葉はなかった…成り行きで友になった彼女を救った気でいたけど、実際に救われているのはきっと私だ、一回目の人生では孤独で自死を選ぶことしかできなかった私だったけど。
今はこうして、隣で笑ってくれているモネがいる…心配なんて必要ない、例えアイザックがまた私を騙していたとしてもモネがいれば孤独じゃない、その安心感に心を押さえて私はアイザックへと視線を戻す。
「アイザック、私の答えは………」
彼がごくりと喉を鳴らす音が聞こえ、まるで時間が止まったように周囲のざわめきが聞こえなくなったように思えた………のは気のせいだ、異様なざわめきが周囲から聞こえだし、悲鳴が耳に届いた。
「だ、誰か!!止めてください!!!」
叫びにも似た声が聞こえ、声のする方に視線を向けると数頭の馬がこちらに向けて走ってきていた…力強く蹄で地面を叩きつける音と共に砂煙と共にまっすぐに私達へと向かってきている。
近くの厩舎から逃げ出してきたのか!?このままじゃ私達が馬に踏まれてしまう。
「デイジー!!」
「モネっ!」
私は咄嗟にモネを突き飛ばした、馬が走ってきているのは私のいる一直線上…今から逃げても間に合わない…せめて彼女だけでもと突き飛ばした時には蹄の音はすぐ近くで聞こえ始めていた。
大きく発達した筋肉の体躯で迫る馬はまるで私を狙うように走ってきている、いざこうして危険の前に立つと恐ろしいものだ、身体が震えて動けずに…頭の中を埋め尽くすのは死の一文字。
「ふはははは!!マグノリア公爵家を背負ってデイジー、君を守る事を誓ったのだ!易々と死なせはしないぞ!」
怯えて動けないでいた私の前に立ったのは拒絶し、前世の人生で私を捨てたアイザックであった…その背中は一切の恐怖を感じておらず、笑っている様に安心感を感じた。
「騎士の家系として生まれて、身体を鍛えてきた俺ならできる!不可能はない!」
自己暗示のように叫んだアイザックは雄々しく巨大な体躯の馬に真っ向から立ち向かい、その勢いとぶつかり合い激しい音が鳴り響いた。
一瞬の出来事、走っていた馬でさえ動揺したように頭を揺らしている………
なんと目の前でアイザックは馬を受け止めてその脚を浮かせていたのだ…両手に込めた力で馬を持ち上げて…なんと馬鹿力なのだろうか、あっけにとられて開いた口が塞がらなかった。
彼は馬を優しく下ろすと、馬は動揺しながらも大人しく鼻を鳴らしてパカパカと歩いて行った。
「どうだ!デイジー!俺は口だけの男ではない!学友として受け入れてくれないか!!」
「こ、こんな時に………ってアイザック!!まだ来ています!」
「ははは………は?」
再び私達の元へと走ってきていた馬は黒く艶やかな毛をその物凄い勢いと共になびかせて、私達へと真っ直ぐに走ってきていた、アイザックは笑っていた顔は青ざめて目をパチパチと冷や汗を流して動揺していた。
「に、逃げましょう!アイザック!」
「ふ、ふははデイジー、も、もう力が入らん…反動で動けん!」
「な!」
「父に伝えてくれ、息子は雄々しく散ったと!!…父も言うだろう!大儀であったと!」
「え、縁起でもありません!私が引っ張れば!」
だ、駄目だ……アイザックを引っ張って動かせる程の力は私にはない………けど私を助けてくれた彼を捨てて逃げるなんてできない、私の矜持が許さなかった。
すぐ目の前に迫った馬の蹄は地面を叩きながら私達を踏み潰すように高々と上げられた。
お、終わった………私のせっかくの二回目の人生が…。
モネと共に勉学に励み共に過ごす時間は素直に楽しいと思える、彼女と過ごす時間は唯一といっていい…前世の人生を忘れて年相応の笑顔になれる。
モネの友達だったエリザではあるが、他の友達とも上手くは出来ていないようで…時折モネを見ては寂しそうな表情を浮かべている、私の見立てではもう少しで彼女も素直になれるのではないだろうか?
きっかけさえあればだけど、私は意地悪なのできっかけになる気はないがモネはどう思っているかは分からないし、これはモネの問題なので私が介入しても話を複雑にするだけだ。
と、ランドルフからの嫌がらせもなく平和な日々を送っているのだけど少しだけ困った問題がある、それは…。
「さて、できましたよモネ」
「すごいよデイジー…今日もありがとう!」
モネの髪をいつも通り結ってあげると彼女は私に抱きついてきた。
「私、デイジーと友達になれて本当に良かった…毎日楽しいよ」
「ふふ、私もです…さぁ今日も行きましょうか」
モネと共に女性徒の寮を出て、晴れ晴れとした晴天の中を談笑して歩き出す。
「いい天気だね、デイジー」
「ええ、本当にいい天気…最近は雨続きだったから余計にそう感じるわね」
「うむ!!その通りだな!これほどの青天は久々だ、大雨で外に出ずに筋肉鍛錬ばかりしていたが、この晴天は良い訓練日和だ!」
……………………。
「え、えっと……」
「所でモネ、昨日習った事について聞きたいのですが」
「え!あ……うん、私に分かる事なら……」
「ありがとう、助かるわ」
「デイジー!モネ殿!俺は勉学も得意であり。2人の助けになるかもしれない!なんでも聞いてくれ!」
はぁ………無視をしてもお構いなく話しかけてくる彼に流石に反応せざるを得ない。
「アイザック、なんの用ですか?」
「おぉ!デイジー!ようやく話してくれたな!これほど嬉しいことはない!」
「………」
私の困りごととはアイザックの事だ、数日前から授業の小休止や学園の放課後に頻繫に話かけてくるようになり無視を貫いていたのだけど、いよいよ朝の登校時にまで一緒についてくるので話をする事に決めたのだ。
「言ったはずですよアイザック、私にそんな気はないと……」
「もちろん、分かっている!そして改めて謝罪させて欲しい、あの時の非礼を……純粋に君とモネ殿と学友として交友させてもらいたいのだ。」
「………目的はなんですか?」
「学友を作る事に目的は必要だろうか?……疑う気持ちは理解している…しかし邪な考えは一切ない事を我がマグノリア公爵家の名に懸けて誓おう」
まさか、家名まで持ち出すとは……本当に虚偽を言っていないと証明したいのだろう、実際にアイザックのまっすぐな瞳を見ても噓をついているようには見えない、だが一回目の人生で受けた仕打ちが記憶にこびりついてアイザックを疑ってしまう。
「信じてもらえないだろうか?俺は純粋に君たちと学友としての仲になりたい」
彼の言葉に素直に返答をできなかった、一回目の人生の経験が彼を素直に受け入れることができずに喉に物がつかえたように声が出なかった。
そんな時にトンと背中を押してくれたのは私の友達のモネだった、背中を叩き微笑んだ彼女は私に言った。
「デイジー、私は貴方がどんな決断をしても一緒にいるよ!だから彼の事は何も心配せずに決めてあげて」
モネにそう言われて、これ程心強い言葉はなかった…成り行きで友になった彼女を救った気でいたけど、実際に救われているのはきっと私だ、一回目の人生では孤独で自死を選ぶことしかできなかった私だったけど。
今はこうして、隣で笑ってくれているモネがいる…心配なんて必要ない、例えアイザックがまた私を騙していたとしてもモネがいれば孤独じゃない、その安心感に心を押さえて私はアイザックへと視線を戻す。
「アイザック、私の答えは………」
彼がごくりと喉を鳴らす音が聞こえ、まるで時間が止まったように周囲のざわめきが聞こえなくなったように思えた………のは気のせいだ、異様なざわめきが周囲から聞こえだし、悲鳴が耳に届いた。
「だ、誰か!!止めてください!!!」
叫びにも似た声が聞こえ、声のする方に視線を向けると数頭の馬がこちらに向けて走ってきていた…力強く蹄で地面を叩きつける音と共に砂煙と共にまっすぐに私達へと向かってきている。
近くの厩舎から逃げ出してきたのか!?このままじゃ私達が馬に踏まれてしまう。
「デイジー!!」
「モネっ!」
私は咄嗟にモネを突き飛ばした、馬が走ってきているのは私のいる一直線上…今から逃げても間に合わない…せめて彼女だけでもと突き飛ばした時には蹄の音はすぐ近くで聞こえ始めていた。
大きく発達した筋肉の体躯で迫る馬はまるで私を狙うように走ってきている、いざこうして危険の前に立つと恐ろしいものだ、身体が震えて動けずに…頭の中を埋め尽くすのは死の一文字。
「ふはははは!!マグノリア公爵家を背負ってデイジー、君を守る事を誓ったのだ!易々と死なせはしないぞ!」
怯えて動けないでいた私の前に立ったのは拒絶し、前世の人生で私を捨てたアイザックであった…その背中は一切の恐怖を感じておらず、笑っている様に安心感を感じた。
「騎士の家系として生まれて、身体を鍛えてきた俺ならできる!不可能はない!」
自己暗示のように叫んだアイザックは雄々しく巨大な体躯の馬に真っ向から立ち向かい、その勢いとぶつかり合い激しい音が鳴り響いた。
一瞬の出来事、走っていた馬でさえ動揺したように頭を揺らしている………
なんと目の前でアイザックは馬を受け止めてその脚を浮かせていたのだ…両手に込めた力で馬を持ち上げて…なんと馬鹿力なのだろうか、あっけにとられて開いた口が塞がらなかった。
彼は馬を優しく下ろすと、馬は動揺しながらも大人しく鼻を鳴らしてパカパカと歩いて行った。
「どうだ!デイジー!俺は口だけの男ではない!学友として受け入れてくれないか!!」
「こ、こんな時に………ってアイザック!!まだ来ています!」
「ははは………は?」
再び私達の元へと走ってきていた馬は黒く艶やかな毛をその物凄い勢いと共になびかせて、私達へと真っ直ぐに走ってきていた、アイザックは笑っていた顔は青ざめて目をパチパチと冷や汗を流して動揺していた。
「に、逃げましょう!アイザック!」
「ふ、ふははデイジー、も、もう力が入らん…反動で動けん!」
「な!」
「父に伝えてくれ、息子は雄々しく散ったと!!…父も言うだろう!大儀であったと!」
「え、縁起でもありません!私が引っ張れば!」
だ、駄目だ……アイザックを引っ張って動かせる程の力は私にはない………けど私を助けてくれた彼を捨てて逃げるなんてできない、私の矜持が許さなかった。
すぐ目の前に迫った馬の蹄は地面を叩きながら私達を踏み潰すように高々と上げられた。
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