【完結】捨てられ正妃は思い出す。

「お前に食指が動くことはない、後はしみったれた余生でも過ごしてくれ」
 
 そんな言葉を最後に婚約者のランドルフ・ファルムンド王子はデイジー・ルドウィンを捨ててしまう。
 人生の全てをかけて愛してくれていた彼女をあっさりと。
 正妃教育のため幼き頃より人生を捧げて生きていた彼女に味方はおらず、学園ではいじめられ、再び愛した男性にも「遊びだった」と同じように捨てられてしまう。

 人生に楽しみも、生きる気力も失った彼女は自分の意志で…自死を選んだ。




 再び意識を取り戻すと見知った光景と聞き覚えのある言葉の数々。
 デイジーは確信をした、これは二度目の人生なのだと。
 確信したと同時に再びあの酷い日々を過ごす事になる事に絶望した、そんなデイジーを変えたのは他でもなく、前世での彼女自身の願いであった。

––次の人生は後悔もない、幸福な日々を––

 他でもない、自分自身の願いを叶えるために彼女は二度目の人生を立ち上がる。
 前のような弱気な生き方を捨てて、怒りに滾って奮い立つ彼女はこのくそったれな人生を生きていく事を決めた。



 彼女に起きた心境の変化、それによって起こる小さな波紋はやがて波となり…この王国でさえ変える大きな波となる。





 
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