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14話
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商人にとって、貴族からの依頼は簡単なはずだった。
毒入りの焼き菓子を、幼い子供に食べさせるだけだ。
死んだ子供の責任を問われても、依頼した貴族が庇ってくれる。
それだけで大金が舞い込むなら……商売人として断れるはずがない。
簡単な依頼だ、これだけで一生を暮らす資産が手に入るなんて大儲けだ。
そう、思っていたのに。
「さぁ、はやく食べなさい」
「……」
「それとも、ルカに食べさせたそれが……食べられない理由でもあるというの?」
今まさに、商人にとって八方ふさがりの状態に陥っている。
食べられない理由を述べようにも、先に幼子に食べさせた状況では通らない。
「あ、あの……」
「さっさと食べろと言っているの」
「え……」
ヴィオラの魔法により、商人の手が勝手に動く。
自らの意志に反して、その手が焼き菓子を掴んだ。
「あ、や、やめてください。これは……」
「なぜ止めるの? あんな幼い……無力な子供に食べさせた焼き菓子を、大人の貴方が食べられない理由があって?」
「ち、ちが! これは……!」
「なにが違う……貴方があんな幼い子供にしようとした事と、同じのはずよ」
ヴィオラの怒りが溢れて、もう止まらない。
彼女は鋭い瞳を商人へと向けて、その魔力をさらに強めていく。
「んぐっ!」
魔力によって操られて、焼き菓子を食べる商人。
途端に走るのは激痛と猛烈な吐き気、内臓が焼けるような感覚。
「子供では即死ですが、大人なら痛みが続く毒のようね」
ヴィオラのそんな言葉を聞きながら、商人は痛みで悶絶する。
脂汗を流して、必死に痛みに抵抗している中。
再び魔法によって、焼き菓子を掴まされる。
「や、やめ!」
この一口だけなら、まだ助かる。
しかし、さらに食べれば……今度こそ死んでしまうと商人は理解した。
だからこそ抵抗する。
「も、もう食べられない! お願いですからやめっ」
「なら幼子に食べさせたソレがなにか、はっきり言いなさい」
もう、隠していたとしても意味がない
そう思った商人は……耐え切れずに叫んだ。
「こ、この焼き菓子には毒が入っている! だから……もう止めてください! あの子供を殺せと命じられただけなんです!」
「そう。分かった」
「え……」
あっさりと聞き流して、魔力を解いたヴィオラ。
それに拍子抜けした商人だが、ふと辺りを見渡して目を見開いた。
そこには、この公爵邸の主が居た。
ルカとヴィオラの父……ゼインが部屋に入ってきた瞬間であったのだ。
「私の息子を殺すとは、どういう事だ」
「あ……その」
目の前に立ったゼイン。
臆病な気質の彼だが、たった一人の息子であるルカへの陰謀の言葉に……憤怒の表情を見せる。
怒りのまま商人の首元を掴む。
毒の痛みが、さらに激痛へと変わっていった。
「あぐっ……あ……や、やめ」
「言え。ルカのような幼い子供を犠牲にするような、腐った者達の名を」
「……や、やめて……」
「私の娘も、息子も……巻き添えにするような大人は、誰だと聞いている!!」
父としてだけではない。
まだ若いヴィオラをいともたやすく犠牲にするような、誇りなき貴族への怒りがゼインにはあった。
あまり怒りを示さない彼が、生涯において一番の怒りを表す。
「言え!」
「あ……あぐっ!! ムルガ公爵と……リア嬢の父上です。二人から頼まれて……私は……」
もう逃げ場などないと悟った商人は、呆気なく白状する。
自白して、情状酌量を願うためだ。
しかし当然、ゼインの怒りは止まるはずもない。
「公爵兵、この商人を地下牢に入れろ。ルカへの愚行には厳正な処罰を与える」
「っ!! な、まってくだ! 私は未遂で……」
「連れていけ! すでに供述もとり、共犯も知れた……全貌を明らかにして処罰を与える。お前も、貴族達もだ」
「た、助け!」
苦しみながら救いを求めた商人に慈悲など与えず、私兵に連行させるゼイン。
激怒しながらも迅速な対応をした彼は、深呼吸を繰り返した後にヴィオラを見つめる。
「ヴィオラ……ルカへの毒殺は、君が防いだのか」
「……はい。知っていながら、お教えしなかった事をお許しください。必ず救うためでした」
「いい。そんな事はもういい。ただ……ヴィオラ」
ゼインはそっと、ヴィオラの肩に手を置く。
落ち着いた声色で、言い聞かせるように彼女へと言葉を告げた。
「すまない」
「ど、どうして謝罪なんて……」
「私は大人失格だ。君の力と、以前の貴族家の集会を目のあたりにしながら……未だに怯えて、なにも出来ずにいた。君はこんなにも腐敗した悪と対峙していたのか」
「ゼイン……叔父様……」
「……ようやく分かったよ。私がすべきこと、当主となって果たすべき義務を」
ゼインはニコリと、頬に笑みを刻む。
しかしその瞳は憤怒に燃えており……決意が満ちていた。
「これだけされて、もう逃げてはいられない。だからこそ……君と共に怒りを示したい」
「っ……」
「大人としても……君やルカの父としても。もう好き勝手にさせん。大人の矜持を見せてみせる」
ゼインの言葉に、ヴィオラは顔を上げる。
臆病な気質の叔父から、そんな言葉が出るとは思わなかった。
ルカを救ったが故の変化に、目を見開く。
「徹底的に私も動こう。君の尊厳を傷つけた者達へ、報いを与えるぞ。ヴィオラ」
もうそこに、以前までの臆病な気質のゼインは居ない。
父として……公爵家当主としての顔を見せた彼に、ヴィオラは頷く。
「はい。頼りにしておりますね。ゼインお父様」
「っ……あぁ、任せてくれ。息子も娘も……今度は私が守ってみせる」
二人がそんなやり取りを遂げて、新たな決意を胸にしていた時。
部屋の扉が開いて、ルカの手を握ってハースが入って来た。
「おねさま、はーすにせいふくみてもらってたらね。ないてるの」
「す、ずびません。だ、だって……良かった。本当に良かったから……」
「ハースはルカが元気そうで、嬉しいのよ」
「そうなの? えへへ……るかもね、みんなといっしょでうれしい。みんなすきだもん」
ルカの言葉に喜びを示して泣き出すハース。
そんな彼を見て、ヴィオラもゼインも共に微笑む。
「ゼインお父様、明日より色々と協力してくださいますか?」
「あぁ、もちろんだ。いくらでも頼れ……娘、なのだから」
「……はい」
運命を受け入れた末に、ヴィオラはもう一人ではない。
新たな協力者、いや……家族に囲まれ、ようやく動き出す。
本日より、反撃の狼煙は上がっていく。
◇◇◇
その夜、ヴィオラは寝台に座りながらほっと安堵の息を吐く。
自らの指にはめている指輪を見つめた。
「ハースが作ってくれた指輪のおかげで、上手くいった……本当に感謝しないと」
これで最悪な運命を回避して、物語ではヴィオラの出番はここで終わる。
あとは残された『王国の凋落』を引き起こせばいい、それで前世で読んだ悲劇の物語通りの展開となる。
「でもルーク……もし、貴方が自分の間違いに気付けば、もっと手っ取り早く済むのよ」
いや、そんなことができるはずがないか。
彼が間違いに気付くなんて、それこそ全てを知らないと無理だろう。
リアや貴族の傀儡になっているなんて、彼が理解できるはずがない。
ヴィオラが失望のため息を吐いた……時だった。
「おねさま……おきてる?」
聞こえた声に顔を上げると、寝室の扉が少し開いて……覗き込むようにルカが立っていた。
ヴィオラは慌てて笑みを浮かべる。
「どうしたの、ルカ」
「……」
ルカは黙ったまま、ヴィオラの傍へと近づく。
そして、小さな指で彼女の手を握った。
「あのね、いっしょにね。ねんねしてもいい?」
「ええ、でも……急にどうしたの」
ルカはそっと寝台に座って、ヴィオラを見つめる。
そして頭を彼女の膝上にのせた。
「おとうさまからきいたの。おねさまが、るかのためにいろいろしてくれたって」
「ゼインお父様から……」
「だからね、おれいとね……あと、つたえたいこともあって」
ルカはヴィオラの手を握って、自らの胸にぎゅっと抱く。
そして、その綺麗な瞳で彼女を見つめた。
「るかね、おねさまがね。だいすきだよ」
「っ……」
「かぞくになってくれて、ありがと。もっと……もっとすきっていいたいから。ずっといっしょにいてね」
「もちろんよ、ルカ。私の方こそ……そう思ってる」
ルカの頭を撫でながら、ヴィオラの瞳は潤む。
一度目では自らが起因となり、貴族の暗躍に巻き込まれて失った命。
それを救えて、また家族でいられることが……なにより嬉しくて。
千回ものやり直しの末……初めてやり遂げたという達成感が胸を満たした。
毒入りの焼き菓子を、幼い子供に食べさせるだけだ。
死んだ子供の責任を問われても、依頼した貴族が庇ってくれる。
それだけで大金が舞い込むなら……商売人として断れるはずがない。
簡単な依頼だ、これだけで一生を暮らす資産が手に入るなんて大儲けだ。
そう、思っていたのに。
「さぁ、はやく食べなさい」
「……」
「それとも、ルカに食べさせたそれが……食べられない理由でもあるというの?」
今まさに、商人にとって八方ふさがりの状態に陥っている。
食べられない理由を述べようにも、先に幼子に食べさせた状況では通らない。
「あ、あの……」
「さっさと食べろと言っているの」
「え……」
ヴィオラの魔法により、商人の手が勝手に動く。
自らの意志に反して、その手が焼き菓子を掴んだ。
「あ、や、やめてください。これは……」
「なぜ止めるの? あんな幼い……無力な子供に食べさせた焼き菓子を、大人の貴方が食べられない理由があって?」
「ち、ちが! これは……!」
「なにが違う……貴方があんな幼い子供にしようとした事と、同じのはずよ」
ヴィオラの怒りが溢れて、もう止まらない。
彼女は鋭い瞳を商人へと向けて、その魔力をさらに強めていく。
「んぐっ!」
魔力によって操られて、焼き菓子を食べる商人。
途端に走るのは激痛と猛烈な吐き気、内臓が焼けるような感覚。
「子供では即死ですが、大人なら痛みが続く毒のようね」
ヴィオラのそんな言葉を聞きながら、商人は痛みで悶絶する。
脂汗を流して、必死に痛みに抵抗している中。
再び魔法によって、焼き菓子を掴まされる。
「や、やめ!」
この一口だけなら、まだ助かる。
しかし、さらに食べれば……今度こそ死んでしまうと商人は理解した。
だからこそ抵抗する。
「も、もう食べられない! お願いですからやめっ」
「なら幼子に食べさせたソレがなにか、はっきり言いなさい」
もう、隠していたとしても意味がない
そう思った商人は……耐え切れずに叫んだ。
「こ、この焼き菓子には毒が入っている! だから……もう止めてください! あの子供を殺せと命じられただけなんです!」
「そう。分かった」
「え……」
あっさりと聞き流して、魔力を解いたヴィオラ。
それに拍子抜けした商人だが、ふと辺りを見渡して目を見開いた。
そこには、この公爵邸の主が居た。
ルカとヴィオラの父……ゼインが部屋に入ってきた瞬間であったのだ。
「私の息子を殺すとは、どういう事だ」
「あ……その」
目の前に立ったゼイン。
臆病な気質の彼だが、たった一人の息子であるルカへの陰謀の言葉に……憤怒の表情を見せる。
怒りのまま商人の首元を掴む。
毒の痛みが、さらに激痛へと変わっていった。
「あぐっ……あ……や、やめ」
「言え。ルカのような幼い子供を犠牲にするような、腐った者達の名を」
「……や、やめて……」
「私の娘も、息子も……巻き添えにするような大人は、誰だと聞いている!!」
父としてだけではない。
まだ若いヴィオラをいともたやすく犠牲にするような、誇りなき貴族への怒りがゼインにはあった。
あまり怒りを示さない彼が、生涯において一番の怒りを表す。
「言え!」
「あ……あぐっ!! ムルガ公爵と……リア嬢の父上です。二人から頼まれて……私は……」
もう逃げ場などないと悟った商人は、呆気なく白状する。
自白して、情状酌量を願うためだ。
しかし当然、ゼインの怒りは止まるはずもない。
「公爵兵、この商人を地下牢に入れろ。ルカへの愚行には厳正な処罰を与える」
「っ!! な、まってくだ! 私は未遂で……」
「連れていけ! すでに供述もとり、共犯も知れた……全貌を明らかにして処罰を与える。お前も、貴族達もだ」
「た、助け!」
苦しみながら救いを求めた商人に慈悲など与えず、私兵に連行させるゼイン。
激怒しながらも迅速な対応をした彼は、深呼吸を繰り返した後にヴィオラを見つめる。
「ヴィオラ……ルカへの毒殺は、君が防いだのか」
「……はい。知っていながら、お教えしなかった事をお許しください。必ず救うためでした」
「いい。そんな事はもういい。ただ……ヴィオラ」
ゼインはそっと、ヴィオラの肩に手を置く。
落ち着いた声色で、言い聞かせるように彼女へと言葉を告げた。
「すまない」
「ど、どうして謝罪なんて……」
「私は大人失格だ。君の力と、以前の貴族家の集会を目のあたりにしながら……未だに怯えて、なにも出来ずにいた。君はこんなにも腐敗した悪と対峙していたのか」
「ゼイン……叔父様……」
「……ようやく分かったよ。私がすべきこと、当主となって果たすべき義務を」
ゼインはニコリと、頬に笑みを刻む。
しかしその瞳は憤怒に燃えており……決意が満ちていた。
「これだけされて、もう逃げてはいられない。だからこそ……君と共に怒りを示したい」
「っ……」
「大人としても……君やルカの父としても。もう好き勝手にさせん。大人の矜持を見せてみせる」
ゼインの言葉に、ヴィオラは顔を上げる。
臆病な気質の叔父から、そんな言葉が出るとは思わなかった。
ルカを救ったが故の変化に、目を見開く。
「徹底的に私も動こう。君の尊厳を傷つけた者達へ、報いを与えるぞ。ヴィオラ」
もうそこに、以前までの臆病な気質のゼインは居ない。
父として……公爵家当主としての顔を見せた彼に、ヴィオラは頷く。
「はい。頼りにしておりますね。ゼインお父様」
「っ……あぁ、任せてくれ。息子も娘も……今度は私が守ってみせる」
二人がそんなやり取りを遂げて、新たな決意を胸にしていた時。
部屋の扉が開いて、ルカの手を握ってハースが入って来た。
「おねさま、はーすにせいふくみてもらってたらね。ないてるの」
「す、ずびません。だ、だって……良かった。本当に良かったから……」
「ハースはルカが元気そうで、嬉しいのよ」
「そうなの? えへへ……るかもね、みんなといっしょでうれしい。みんなすきだもん」
ルカの言葉に喜びを示して泣き出すハース。
そんな彼を見て、ヴィオラもゼインも共に微笑む。
「ゼインお父様、明日より色々と協力してくださいますか?」
「あぁ、もちろんだ。いくらでも頼れ……娘、なのだから」
「……はい」
運命を受け入れた末に、ヴィオラはもう一人ではない。
新たな協力者、いや……家族に囲まれ、ようやく動き出す。
本日より、反撃の狼煙は上がっていく。
◇◇◇
その夜、ヴィオラは寝台に座りながらほっと安堵の息を吐く。
自らの指にはめている指輪を見つめた。
「ハースが作ってくれた指輪のおかげで、上手くいった……本当に感謝しないと」
これで最悪な運命を回避して、物語ではヴィオラの出番はここで終わる。
あとは残された『王国の凋落』を引き起こせばいい、それで前世で読んだ悲劇の物語通りの展開となる。
「でもルーク……もし、貴方が自分の間違いに気付けば、もっと手っ取り早く済むのよ」
いや、そんなことができるはずがないか。
彼が間違いに気付くなんて、それこそ全てを知らないと無理だろう。
リアや貴族の傀儡になっているなんて、彼が理解できるはずがない。
ヴィオラが失望のため息を吐いた……時だった。
「おねさま……おきてる?」
聞こえた声に顔を上げると、寝室の扉が少し開いて……覗き込むようにルカが立っていた。
ヴィオラは慌てて笑みを浮かべる。
「どうしたの、ルカ」
「……」
ルカは黙ったまま、ヴィオラの傍へと近づく。
そして、小さな指で彼女の手を握った。
「あのね、いっしょにね。ねんねしてもいい?」
「ええ、でも……急にどうしたの」
ルカはそっと寝台に座って、ヴィオラを見つめる。
そして頭を彼女の膝上にのせた。
「おとうさまからきいたの。おねさまが、るかのためにいろいろしてくれたって」
「ゼインお父様から……」
「だからね、おれいとね……あと、つたえたいこともあって」
ルカはヴィオラの手を握って、自らの胸にぎゅっと抱く。
そして、その綺麗な瞳で彼女を見つめた。
「るかね、おねさまがね。だいすきだよ」
「っ……」
「かぞくになってくれて、ありがと。もっと……もっとすきっていいたいから。ずっといっしょにいてね」
「もちろんよ、ルカ。私の方こそ……そう思ってる」
ルカの頭を撫でながら、ヴィオラの瞳は潤む。
一度目では自らが起因となり、貴族の暗躍に巻き込まれて失った命。
それを救えて、また家族でいられることが……なにより嬉しくて。
千回ものやり直しの末……初めてやり遂げたという達成感が胸を満たした。
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