この運命を受け入れましょうか

「君のようは妃は必要ない。ここで廃妃を宣言する」

 自らの夫であるルーク陛下の言葉。
 それに対して、ヴィオラ・カトレアは余裕に満ちた微笑みで答える。
 
「承知しました。受け入れましょう」

 ヴィオラにはもう、ルークへの愛など残ってすらいない。
 彼女が王妃として支えてきた献身の中で、平民生まれのリアという女性に入れ込んだルーク。
 みっともなく、情けない彼に対して恋情など抱く事すら不快だ。

 だが聖女の素養を持つリアを、ルークは寵愛する。
 そして貴族達も、莫大な益を生み出す聖女を妃に仕立てるため……ヴィオラへと無実の罪を被せた。
 あっけなく信じるルークに呆れつつも、ヴィオラに不安はなかった。


 これからの顛末も、打開策も全て知っているからだ。
 前世の記憶を持ち、ここが物語の世界だと知るヴィオラは……悲運な運命を受け入れて彼らに意趣返す。
 ふりかかる不幸を全て覆して、幸せな人生を歩むため。


    ◇◇◇◇◇

 設定は甘め。
 不安のない、さっくり読める物語を目指してます。

 良ければ読んでくだされば、嬉しいです。

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