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3話ー裏稼業ー
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「♪~♪~」
口笛を吹きながら、黒い仮面を付けた女性がゆったりと夜の城内を歩く
「おい、貴様なにも………の……」
彼女を止めようとした衛兵は目に見えない速度の斬撃によって小さなかすり傷ができる
だがそれで充分、睡眠薬が塗られた刃により傷口から薬が付着
抵抗も出来ずに倒れふす
「♪~~~」
道中、全ての衛兵がたおれていく
口笛を吹く女性は、確実に標的のもとへと歩みを進めていくのだった
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「いやぁ!!離してください!!」
叫び、もがくメイドは
息も荒く血走った目で取り押さえるライアン王子には抵抗できなかった
「うるさい!!貴様、メイドの分際で抵抗するな、俺は今日は消化不良でな、お前で発散させてもらう」
「い、いやぁ…」
涙を浮かべ、首を振るメイドの顔をライアン王子はべろりと舐め
いやらしく笑う
「いいかぁ?力在る者には従え、じゃないとお前も家族も………この国にいられなくなるぞ」
そう言ってライアン王子は強引にメイドの服を破り始めた
ビリビリと、布を裂く音が部屋に響く
「いいか、叫んでも無駄だ、この部屋の周りには衛兵がいる………全て知った衛兵がな!誰も助けに来ないぞ!!あははははは!!」
「………助けて…お願いします…私には来月結婚する方が…」
「ちょうどいい!!その男にも見せてやろう!!はははは!!どんな顔をするだろうな!」
「いや………だ、誰か…」
ライアン王子が服を脱ぎだし、メイドの身体を触り、自身の欲望を満たそうとした瞬間
ガツン
鈍い音が響き、ライアン王子はぐらりと倒れる
何が起こったのか理解できないメイドの前に暗闇から黒い面を付けた女性が現れた
「ここから出なさい」
「へ?」
「はやく、誰にも伝えずにね」
「は、はい!!」
メイドは手頃な布で身体を隠しながら出ていく
さてと
「早速始めますか」
仮面の女性、アビゲイル・レブルはそうつぶやいた
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ザバン!!
水をかけるとライアン王子は思ったよりも早く起きてくれた
「お目覚めですか?ライアン様」
「だ、誰だ…お前!?」
あら、声も覚えていないのですね
まぁ今日あったのも久々ですし、忘れてくれていてちょうど良かった
「これが、何かわかりますよね?」
「あ…?………!?お、お前、これをどこで」
私が見せたのは一枚の紙だ
そこには女性の名前が列挙されている
この名前の方々は全て
「あなたが脅して強姦した方々ですよね?ライアン王子」
「し、知らない!!そんな奴ら…」
言い終わる前に、ぐさりと私はナイフを振り下ろした
突き刺さった箇所から血が流れる
「ああぁぁぁぁあ!!!い、いだぁぁい!!」
叫ぶ王子の口に布を押し込む
「ふが…ふぐ!!ふ!」
「すいません、全てこちらで調査は済んでいるので…罪は変わりませんよ」
私はそう言って紙を見て名前を読み上げる
「エイブリーさん、16歳の令嬢ですね…立場を脅して強姦っと」
読み終わったと同時に再びナイフが深々と突き刺さる
「ガッッ!!!ググゥゥゥウ!!!!」
「痛いですか?これは彼女達を傷つけた罰です、全て読み終わるまで続けますね、死なないようにちゃんと考えてますから」
「次、エレノアさん、18歳の侍女…両親を人質に強姦…私が言うのもあれですけど王子ってクズですね♪」
再び突き刺さるナイフに王子は叫ぶ
だが、それが誰かに届くことはなかった
「これで終わりですね」
最後の一人を読み終わる
もうすでに血だらけの王子は項垂れ、涙と鼻水を垂らす
意識も朦朧としていて私の言葉は届いていないだろう
その姿に、無性にゾクゾクと悦を感じる自分がいた
「では、最後の仕上げです」
ナイフを首筋に当てる
切れば確実に死に至る位置に
さぁ、貴方の血しぶきを見せて……
握る手に力を込めて切り裂こうとしたとき
ピンッ!!!
私の手が一ミリも動かない
見えない糸で封じられている
こんな事ができるのは
「約束だろ、俺たちの稼業は殺しはしない」
背後にいたのは同じく黒い面を付けた男性
だが、私にはわかる
彼はレブル家に仕えていた執事のハイド
いや、夜の顔は違う
彼はレブル家の存在しない息子
誰も彼を知らない、彼は知らせない
ハイド・レブル
昼は執事として
夜はレブル家として生きる
私の兄だ
口笛を吹きながら、黒い仮面を付けた女性がゆったりと夜の城内を歩く
「おい、貴様なにも………の……」
彼女を止めようとした衛兵は目に見えない速度の斬撃によって小さなかすり傷ができる
だがそれで充分、睡眠薬が塗られた刃により傷口から薬が付着
抵抗も出来ずに倒れふす
「♪~~~」
道中、全ての衛兵がたおれていく
口笛を吹く女性は、確実に標的のもとへと歩みを進めていくのだった
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「いやぁ!!離してください!!」
叫び、もがくメイドは
息も荒く血走った目で取り押さえるライアン王子には抵抗できなかった
「うるさい!!貴様、メイドの分際で抵抗するな、俺は今日は消化不良でな、お前で発散させてもらう」
「い、いやぁ…」
涙を浮かべ、首を振るメイドの顔をライアン王子はべろりと舐め
いやらしく笑う
「いいかぁ?力在る者には従え、じゃないとお前も家族も………この国にいられなくなるぞ」
そう言ってライアン王子は強引にメイドの服を破り始めた
ビリビリと、布を裂く音が部屋に響く
「いいか、叫んでも無駄だ、この部屋の周りには衛兵がいる………全て知った衛兵がな!誰も助けに来ないぞ!!あははははは!!」
「………助けて…お願いします…私には来月結婚する方が…」
「ちょうどいい!!その男にも見せてやろう!!はははは!!どんな顔をするだろうな!」
「いや………だ、誰か…」
ライアン王子が服を脱ぎだし、メイドの身体を触り、自身の欲望を満たそうとした瞬間
ガツン
鈍い音が響き、ライアン王子はぐらりと倒れる
何が起こったのか理解できないメイドの前に暗闇から黒い面を付けた女性が現れた
「ここから出なさい」
「へ?」
「はやく、誰にも伝えずにね」
「は、はい!!」
メイドは手頃な布で身体を隠しながら出ていく
さてと
「早速始めますか」
仮面の女性、アビゲイル・レブルはそうつぶやいた
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ザバン!!
水をかけるとライアン王子は思ったよりも早く起きてくれた
「お目覚めですか?ライアン様」
「だ、誰だ…お前!?」
あら、声も覚えていないのですね
まぁ今日あったのも久々ですし、忘れてくれていてちょうど良かった
「これが、何かわかりますよね?」
「あ…?………!?お、お前、これをどこで」
私が見せたのは一枚の紙だ
そこには女性の名前が列挙されている
この名前の方々は全て
「あなたが脅して強姦した方々ですよね?ライアン王子」
「し、知らない!!そんな奴ら…」
言い終わる前に、ぐさりと私はナイフを振り下ろした
突き刺さった箇所から血が流れる
「ああぁぁぁぁあ!!!い、いだぁぁい!!」
叫ぶ王子の口に布を押し込む
「ふが…ふぐ!!ふ!」
「すいません、全てこちらで調査は済んでいるので…罪は変わりませんよ」
私はそう言って紙を見て名前を読み上げる
「エイブリーさん、16歳の令嬢ですね…立場を脅して強姦っと」
読み終わったと同時に再びナイフが深々と突き刺さる
「ガッッ!!!ググゥゥゥウ!!!!」
「痛いですか?これは彼女達を傷つけた罰です、全て読み終わるまで続けますね、死なないようにちゃんと考えてますから」
「次、エレノアさん、18歳の侍女…両親を人質に強姦…私が言うのもあれですけど王子ってクズですね♪」
再び突き刺さるナイフに王子は叫ぶ
だが、それが誰かに届くことはなかった
「これで終わりですね」
最後の一人を読み終わる
もうすでに血だらけの王子は項垂れ、涙と鼻水を垂らす
意識も朦朧としていて私の言葉は届いていないだろう
その姿に、無性にゾクゾクと悦を感じる自分がいた
「では、最後の仕上げです」
ナイフを首筋に当てる
切れば確実に死に至る位置に
さぁ、貴方の血しぶきを見せて……
握る手に力を込めて切り裂こうとしたとき
ピンッ!!!
私の手が一ミリも動かない
見えない糸で封じられている
こんな事ができるのは
「約束だろ、俺たちの稼業は殺しはしない」
背後にいたのは同じく黒い面を付けた男性
だが、私にはわかる
彼はレブル家に仕えていた執事のハイド
いや、夜の顔は違う
彼はレブル家の存在しない息子
誰も彼を知らない、彼は知らせない
ハイド・レブル
昼は執事として
夜はレブル家として生きる
私の兄だ
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