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第一章

最近俺に妹ができた

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唐突だが、皆は考えたことはないだろうか...もし、自分に妹がいたらなーっと。
俺は考えたことがある。
俺の理想の妹は誰にでも優しく、臨機応変対応ができ、たまにおっちょこちょいでカワ(・∀・)イイ!!ところが沢山あり
成績は秀才でずば抜けている。
まぁ、正直俺の理想の物は居ないだろうと考えていたから仮にいなくたとしても、
俺はショックを受けないだろうと思っていたが、本当にショックを受けてしまった...
何故急にそんな話をしたかというと、つい最近俺に妹ができたのだ
名前は萩 千代。自己紹介が遅れたが俺は萩 純一。
年齢は俺の一つ年が下の高校一年生。
顔は典麗でスタイルはモデル並みに繊細撫でお嬢様な雰囲気を醸し出している。
できたことにはうれしいがその俺の理想がまったくもって違ったのだ。
まぁ、そう理想なものはないと覚悟していたものの本当に違うと意外と悲しい。
もうそろそろ、千代が帰ってくるはずだ。
今俺は開校記念日で秋葉へ気分転換で行ってきた。
千代はいつも通りに学校へ通っている。

がちゃ
「ただいま~」
俺は玄関へ入り靴を脱ぐ。
足下を見ると、妹の靴が揃えられていた。
俺より早く、千代は帰ってきていた。
この「ただいま」で変な記憶が出てきた。
うちの妹は礼儀とかはいいが、俺の時だけ礼儀もクソもない。
家族、親には礼儀はいいけど何故か俺だけの時だけは全く。
正直、こういう都合のいい時だけ良くする奴は嫌いだ。
普通に考えて差別でしょ。
特に人種差別は大問題だ。
俺は妹だけに限るのではなく、誰にでも平等で接するべきだ。

「おかえり」
と言ってみるもののやはり返事がなく、そのまま自分の部屋へと行ってしまった。

「ったく、なんなんだよ。」
と俺もリビングのソファに寝ていたのをやめ、自分の部屋へ戻る。
因みに妹の部屋は俺の部屋の隣である。
自分の部屋へ戻る。
部屋には、いたって普通の勉強机とラジカセとベッドとパソコンしか置いていない。
自慢ではないがパソコンは俺が一番得意であり、萩 純一といえばパソコン!って感じな具合に得意だ。
だからと言って自分からは言わない。
俺はプログラマーでありハッカーであるけれども、高校二年生でもある。
悪意な行為を自らしない善意なハッカーである。
元々、ハッカーはすごいエンジニアとして率いられることが多いが、大抵の人は悪い人なんだと決めつけてる人が多い。
悪意な行為をするハッカーがブラックハッカーという。
ブラックとつくならばその反対も?もちろんある。
ホワイトハッカーというのは存在する。
悪意の対義は善意。
なので、正義のハッカーという意味。
まぁそれはよしとして、
今日もノートパソコンを起動する。
今日のやることはある企業から依頼されたアプリ開発だ。
SAM Planetsという会社でビジュアルノベルゲームでいえば上位の会社である。
そもそも、ビジュアルノベルゲームとは簡単にいえば小説に声と音楽とイラストが乗っていて
それらすべてを楽しむというゲーム。
よくあるのが、18禁のゲームなどがそうだ。
18禁といえば、〇ロシーンがあってそういう変な趣味を持っている人がやるゲームだと
思ったら大間違いだ!!
どうせ、こうなんだろうとかでは決めつけてはいけない。
そもそも、18禁の意味をしっかり理解していないと俺は思う。
俺的には、よりリアルな描写や会話の中に下ネタを入れるため年齢制限を設けている。
と考えている。
さてと、作業に取り掛かるか...

プログラミングを始めてから、2時間が経た。

「純~ご飯ができたわよ~下へ降りてらっしゃい。」
とお母さんの声がしたから部屋まで響いてきた。
パソコンの画面にある時計を見てみると、もう6:00にもなっていた。
うちの母は、飯はピカイチである。
けれど、何故か普通の家にはない文化がある。
それは味噌汁がどんなご飯にもついてくることだ。
つまりは毎日味噌汁が出てくる。
健康的で俺は味噌汁が大好物でもあるため、うれしい。
味噌汁の具も毎日変わるから、楽しみである。
食卓へ足を運ぶと、家族全員が2対2で向かい合うようになっていた。
これもいつものことである。
母さんと父さんが向かいで二人並んで座っている。
んで、その前に俺と妹が並んで座っている。
親の前では、俺に殊勝をするが親の前でないときは全くもって、心配も話すことすらもしない。
都合のいいように、しやがって。
多分、俺は人一倍オポチュニズムが嫌いだと思う。
ご飯の時とか家族で出かける時しか話などはしないそれも最低限。
もっと愛想を持って礼儀よく話して欲しいわ。
とは言っても、家族で出かけることはあまりないからご飯の時しか話はしてくれないか。
家族そろって

「いただきます。」

今日のメニューは、とんかつであった。
父の好物である。
最近、外が寒くなってきたから暖かい食べ物があると身も心も温まる。
ご飯を食べ終わると、妹はすぐに自分の部屋へ戻る。
もちろん、俺もやることがないから部屋へ戻る。
いつもの作業へ戻り、黒いヘッドホンを耳にあってている。
それから3分後、妹が俺の部屋へ入ってきた。
でも、俺はそれに気づかず作業を黙々としていた。
そのため、あまり周りからは気持ち悪がれるビジュアルノベルゲームのプレイ画面を妹に
見られてしまった。
これで俺の評判も悪くなって、煙たがれるのだろうと思っていたが
意外にも妹は侮蔑することもなく、興味津々でパソコンの画面をのぞき込んでいた。
それに気づいた俺は妹へ声をかける。
「...千代?何故俺の部屋にいるんだ?」

すると、ちょっと間があいてから口を開いた。

「な、なんでもない!それより、それ何?」
どう答えるべきか、うちの妹は純粋であるから偽れるのもあるがそれもちょっとかっこわるい。
俺は決心した。

「これは、ビジュアルノベルゲームといっていわば、ギャルゲーというものだ。(エロゲーで有ることの方が多く、人気。)
主人公の周りに色々なアクシデントが起き、主人公と何らかの関係がある人物が登場するゲームである。
もちろん物語があってその物語がメインである。」

ここであえて、エロシーンについては言わない。

「・・・ふーん。そっかまた、後で来るね。」
とだけ言い残し、部屋へ戻ってしまった。
結局何のために来たんだ。
作業を一時やめ、勉強をする。
数学、国語の教科書ワークを机上に散らし、椅子へ座る。
案外勉強は苦手ではない。
それから2時間後、就寝時間が来た。
寝る準備をしベットの中へ入り目を瞑った
そして、今日あったことを振り返ってみる。
今日はいろんなことがあったな...いつも以上に疲れた。
でも今までの中で何が一番びっくりしたかというと、妹に作業姿を見られることだ。
普通の作業姿であればよかったのだが、よりによってエロゲーだからな...
どんな風に思われているんだろう...

「カチカチカチカチ・・・カチ!」

意識が落ちそうなときにパソコンのキーボードの打つ音が聞こえた。
その音で目が覚めてしまった。
周りを見渡すとパジャマ姿の妹が俺が作業するときの椅子に座っていた。
よく見てみると、俺のパソコンに作ったアカウントでエロゲーをしていた。

「お、おい千ry」

素早い動きで千代はこちらを見てきた。

「な、なによ。寝てなかったの?死ねば?」

いきなり何だよ、こいつ...実の兄貴に向かって
っとまぁいいか。
「まさか、お前ビジュアルノベルゲームに興味があるのか?」
あえて、エロゲーをビジュアルノベルゲームと言っている。

「なに、それ。きも。」

「とかいいつつもなんだそのゲーム画面は。」

「ひゃ!何もないわよ!」
すぐにパソコンの電源を落とし、部屋へ戻った。
あいつ、何をしているかが気になり、自分のアカウントの中へ入り履歴を見てみると
そこには、『お兄ちゃん大好きっ子集まれ~』というタイトルのエロゲーであった。
ま、まじかよ...
しかも、結構マイナーな方だしな...慮外だった。
本当に目がさせてしまった。
トイレに行き、ほっとしてからもう一度寝る。
すると、またあの音が...

「カチカチカチ」

この音の恐怖症になりそう。
次こそは、吐かせよう。

「おーい?ちーよ?何をしているのかな?千代が何しようと俺には関係ないが、何をしているかだけ教えて。」

すると、少しの間静止してから口が動いた。

「・・・あの、じ、実は...私エロゲーが大好きなんです!」
「でも、嫌いにならないで欲しいの...」
と涙ぐんだ目でこっちを見てくる。
そんな目で見られてもな...

「てか、別に嫌いとかそんな風に思ってない。」
「しかも、俺なんてエロゲー作ってる側なんだから。」
「ふ、ふーん、意外にいいとこあるんじゃん...」
「え?何か言ったか?」
「い、いえ何でもない!兄のバカ!おやすみ!」
といい残し、強くドアを閉じ自分の部屋へ寝にいった。
俺はベットへ戻り、目を閉じ寝た。
そして、翌日。
俺はいつも通り、朝飯を食べに食卓のあるリビングへ妹が起きないように
足を忍び歩き、食卓へ向かう。
すると、そこには珍しく妹がいた。
いつもなら、自分で起きれないから俺が起こしに行っていたのに
まぁ、なんかあってアラームかなんかセットしていたのだろう。

「おはようー」
「おはようお母さん。あれ、父さんは?」
「父さんは、今日から会社の出張で3日間いないわよ。」
「あれ、言ってなかったかしら?ま、いいか」
うちの母は意外とマイペースである。
それも多分普通母さんと違って、かなりのマイペースだと思う。
例えば、息子の遠足日に弁当を忘れそのまま俺は飯を友達にもらうことになったり、
妹の服と俺の服を入れ替えたりなどまだまだエピソードはあるが本当に極度なマイペースの持ち主である。

「ご飯、食卓の上に置いてあるわよー早く食べて学校にいきなさい。」
「はーい」

今日は珍しく起きた千代と俺二人で食卓を囲み一緒に食べる。
手を合わせ
「いただきまーす」
「いただきます。」
すると、母はリビングから出て行き、会社へ向かった。
「行ってきますー家の鍵はもって行ってねー」
「はーい」
「ねぇ、昨日の話で聞きたいことがあるんだけど、いい?」
どうせ、駄目と言っても話すだろう。

「別に、いいけど。昨日の話って例のゲームの話か?」
千代の顔は突然浅紅色を浮かべていた。
「顔真っ赤だけど熱有るんじゃないか?」
「べ、別にないしそれより、私実はラノベ作家なんだ。」
千代がラノベ作家?あの、人に礼儀も知らない生意気な千代が・・・?
まさか。
「はいこれ、これが私が出版している本」
その本のタイトルは『妹だけど恋愛してもいいよね?』
俺はふと思った。
こいつ俺のことが好きなのか?と。
でも、俺のことを嘲笑っているし、殊勝さえしてくれない。
そんなやつが俺のことが好きなのか?それはそれで変だよな。

「こ、これ別にあんたのことじゃないから!」
と強めに声を押した。
ラノベでもアニメでこういう人いたよな。
こいつ、もしかしてツンデレ!?
因みに言うと俺はツンデレが大好きだ!
これはもう普通の見方では見えなくなってくるな。

「お兄ちゃんは、エロゲーを作ってるんだよね?」
一緒に作りたいと言うことか
「あの、お兄ちゃん。その...一緒にゲーム作らない?」
ほらきた。さあてどうするか。
あえて、断りたくなるこの対抗心は出てしまうが
ここはお兄ちゃんという立場上、約束してあげなければならないよな。

「いいよ。一緒に作ろう。エロゲーを!」

なんか、かっこいいはずな台詞がエロゲーという言葉だけでぶち壊されている気がする。。一般的に考えてまず、妹とその兄でエロゲーを作るって変だよな。
家族でエロゲーを作るみたいで。

「それで、いつから作り始める?」
「じゃあ...今日の夕方から!」
「へ?今日から?!」
今日の予定は...何もないし、まぁいっか。
「さっき、なんでもするっていったじゃない!」
「って言ってねぇよ!けど、予定はないからいいぞ!」
と、自然と千代の頭を撫でてみるとそこにはいつもとは違い、しおらしく、薄紅色を顔に浮かべていた。

「・・・兄ちゃんに撫でられた!ウフフ...」
「何か言ったか?」
「いや、別に。早く手をドケテクレナイ??」
と片言で何故か言っていた。
これも、ラノベとかで言えばもっと撫でて欲しいと言うことであろう。

「よしよし、可愛いぞ!」
と何回か撫でて見ると、顔が気持ちよさそうな表情をしていた。
こうしてみるとやっぱり普通な女の子で可愛いのにな。
スマホの時間を見てみると学校へ行く時間になっていた。

「よし、俺はもう学校へ行くわ」
千代の頭から手を離し、俺は玄関を出て、学校へ行く。

「いってきまーす。」

俺はいつも通りに同じ道を歩きただ単に歩いている。
すると、俺はいきなり強い衝撃に襲われた。

「ガッシャン!」

即座に立ち上がろうとすると何か柔らかいようなものが手に当たっていた。

「ひゃん!」
俺は頭をフル回転させ、状況を整理した。
ラノベで言えばもしや、ラッキースケベでは?!
多分この手は胸に当たっているのだろう。
感覚的にはGカップぐらいだったような...割とでかい方だと俺は感じだ。
いや待てよ、すぐにはなれなければ周りの人に誤解されそうだ。
直ぐさま俺は立ち上がる。
衝突した相手見るとどこか懐かしい雰囲気を感じられ、
金髪美少女であった。
顔立ちは端正でスタイル抜群であった。

「あの、大丈夫ですか?」
「あ、はい...」

目を細くして再度改めてみると、うちの制服を着ていた。

「それ、もしかして内田高校の制服?」
にしても、こんな美人だったら有名なはずだが...
「はい、そうです。今日からお世話になります。佐藤 琴美と申します。以後お見知りおきを。」
「呼び方は、琴美でいいですわ。」
「因みに貴方様は?」
如何にもって感じにお嬢様オーラが感じられる。
まだ、こんな風な感じの人がいたんだな。

「俺は、萩 純一だ。よろしく。」

「純一様あの一緒に学校へ行ってもよろしいですか?まだちょっと慣れてなくて」
「別にかまわないがその呼び方はやめて欲しい。なんか堅苦しい。普通に、純一でいいよ。」

最近、俺の周りがラノベ化としてないか?
まだ、決定的な証拠などはないが明らかにラノベのテンプレやラッキースケベとかって普通ないだろ。
転校は...まぁ事情によるか...

「ここら辺は初めて来たの?」
「昔、小さい頃に住んでいました。けれど、親の事情でイギリスにいかなければならなくなりました。」
い、イギリス?!この人すげぇ。
一度はイギリスへ行ってみたいものだ。

「因みに年はいくつなの?」
女性に年齢を聞くのは慮外だよな。

「17歳です。高校二年生です。」
ってことは、俺と同じ年齢で同級生ってことになるのか。
「実は俺もなんだ。」
という、他愛ない話をしていると
学校へ着いた。

「ここだよ、うちの高校。意外と綺麗だろ?」
「はい!因みに案内もうここまででいいですよ。」
「一人で大丈夫か?」
「そんなに気を遣わなくても私は大丈夫ですから。」
「そっか、気をつけろよー」
俺は、隣り合わせになっていた琴美と離れ自分の教室へ向かった。

「おはよ!純一!今日はどうやら転校生がうちのクラスへ来るらしいぞ!」
「それも、スタイル抜群で超美人らしい!」
こいつは昔からの幼なじみで一宮 涼という。
そこそこ仲はいい。
今日の教室の雰囲気はいつもと違いどこか浮かれている。

・・・

「ん?今転校生と言ったか?」
「反応遅くね?」
まさか、朝会った琴美なのか?

「ガラガラ~」
とドアの音が聞こえ先生と転校生琴美が入ってきた。
「今日はみんなに転校生を紹介する。」

そして、琴美が入ってきて定番の転校挨拶。

「皆さん初めまして、佐藤 琴美と申します。以後お見知りおきを。」

「えー。佐藤 琴美さんはとある事情でイギリスからこの内田学校に転入することになりました。」
一斉に教室の中は騒然とし、琴美は注目を浴びていた。

「皆さん静かに~!!」

先生の呼びかけで周りは静かになり、琴美の身の回りを囲っていたクラスメイトは散っていった。
うちの担任の先生は、顔は大人っぽくクール系で女性であり厳しく優しいので人として割と人気である。
HRが終わるとまたクラスメイトは琴美の所へ行き、質問攻めだ。
やはり、転校生は人気だよな。
こっちの視線に気づいたのか、こっちによってきた。
「ねぇ、純一。私に学校案内して。」
何故か、周りからの視線が痛い。
特に男子からの視線が・・・
何も悪いことしていないはずなのにな・・・理不尽だ。

「んじゃあ、いくぞ。」
まず、どこから案内した方がいいのだろう。

~  ~  ~

「とこんな感じだ。」
一通りは紹介してみたものの自信がない。
俺の案内したところは役に立つのだろうか...

「今日はありがとうございました。おかげで楽しい時間を過ごせました。」
「こちらこそ、楽しかったよ。また何かあればいつでも言ってくれ。」
「あの!純一さん!・・・その・・・私と一緒に登校してくれませんか?」
「別に構わないよ。けど、どうやって一緒に行くの?」
「これをどうぞ。ここに私の家がありますからインターホンを押してください。」

と俺は手紙のようなメモ用を受け取りその場で別れた。
駆け足で俺は教室へ戻り授業を受ける。
授業中だが今日の授業は自習なので先生はいない。周りは騒々しい。
俺は久しぶりの寝不足で体がだるく、俺は机に伸し掛かり、体を休ませていた。
寝不足になる理由としてはテスト勉強の一夜漬けぐらいだったはずが今日は違う。
昨日今日でいつもは平凡で静かだったのに、突然忙しいハードスケジュールになってるからだ。
とはいえ、多分寝れたのは2時間程度。
2時間で十分って言う人は俺からしてみればただ単純にすげぇと思う。
それは能力の一種だと俺は思う。
けれど残念だが俺にはその能力はない。

「純ちゃん。いつもより、なんか疲れてない?どうしたの?」
今、俺に話しかけてきたのは、幼なじみの古城 美優である。
近所に住んでいて幼い頃はお泊まりや一緒に寝たりなどしていた仲だ。
そのため、美優は俺が何かあったらすぐにわかってしまう鋭い奴でもある。
まぁ、美優は信用できるし、言っても大丈夫か。
「今日は妹に色々言われたり、転校生にぶつかったりとかあって大変だったのさ...」
といっても、この二つ以外何もないけど。

「今はそっと寝かせておくれ。」
「自習だけど一応授業中だからね?」
そんなことは知っている。けれど、この時間にでも寝ないと寝る時間はないと思う。
家に帰ったら今日は妹とエロゲーを作るのだから。
俺はそっと目を瞑る。
朝、千代に言われたことを思い出していた。
エロゲーを一緒に作ろう!
ということだったが、正直妹と兄二人で作るゲームっていうこと自体、珍しいが
エロゲーを作るというのはもっと珍しい。ってか変人...いや変態?
でも、まさか千代がラノベ作家だったなんて...これはすごいことなんじゃないか?
ラノベって確か、応募して大賞を受賞しなければ、出版とかできないよな?
自費出版すれば話は別だが、かなりの大金が必要になる。
自費出版の大金を誰が出すんだという話になる。
つまり、大賞を受賞しているわけだよな。
俺はポケットに入っているスマホを取り出し、千代が言っていたラノベのタイトルを検索してみる。
『妹だけど恋愛してもいいよね?』を検索してみると、
そこには100年に一度の天才が現れた!や久しぶりに1200万本を突破した!などと色々なコメントが飛び交っている。
俺は驚愕してしまい、目が覚めてしまった。
まさか、そこまで夥しい作家だとは思っていなかった。
正直舐めていた。
もう片方の席ににオタクっぽい幼なじみがいるから聞いてみる。
こいつはの名前は杉本 猛という。如何にもオタクっぽいという感じな見た目ではなく隠れオタクって奴。
でも、こいつの部屋は厳つい。もう壁にはポスターで埋め尽くされていてタンスとかにはフィギアがおいてある。
ほかにも色々グッズとかだらけである。
相当なオタクだと俺は思っている。
「なぁ、これ知ってる?」
と俺はさっきスマホで検索したサイトを目の前に差し出してみる。
杉本はこっちを即座に見てきた。
「もちろん!知ってるぞ!!この作品はもう神と謳われているほどだぞ!」
「逆に知らない奴なんていないほどだ。」
でも、それはしないのがここにいるんですけど...
「どのように凄いんだ?」
敢えて聞いてみる。
敢えてというのは、もう十分に凄いことは知っているから他人からはどのように見えているのかを聞期待からだ
「この作品は普通の作品とは訳が違う。まず、世界観そして、キャラの構成。物語など」
「すべてそのものがもうこの作品には欠けては、ならない。」
「最近出たばかりではあるがもう、アニメ化などの話があるという噂なども色々出回っている。」
「俺もその作品を手に入れる為に歩き回った。けれど、まったく手に入らない。未だに俺も本屋へ行ったりしているのだが、在庫が売れ切れで買えない!とはいえ、一冊あるけどね。」
「何冊もいるものなのか?」
「バカを言え!鑑賞用、保管用、使用用とあるんだ。使用用だけ有っても困る。」
俺はそこまで必要性を感じないがそういうものなんだろうか。
今までこいつと一緒にいたが、ここまで語るなんて言うのはなかったな。
それほど、凄い作品なんだな。
帰りに本屋にでも行ってみるか。
学校が終わり本屋へ向かう。
すると、俺は目を細め本屋かどうかを見てみる。
何故目を細めたのかというと、そこが本屋かどうかがわからなかったからだ。
人気店に並ぶかのように行列ができており、それも1000人ぐらいだろうな。
看板を持った店員が店の出入り口から出てきた。
その看板には、あの大人気のラノベ。『妹だけど恋愛してもいいよね?』の在庫が入りました!
って書いてあった。
千代...妹が書いた。小説がバン!と宣伝されている。
この時、俺は思った。意外に世界は狭いんだなと。
ましてやあの妹だぞ?あの俺に態度のあるいあの妹だぞ?
そんな奴が、何故?...いや、いいか。俺の妹。自慢の妹だな。
自分の心をなんとか殺しながら現実を受け止めようとしていた。
「さてと、こんな行列だから帰るか。」
と俺は呟き帰ろうとした直後。
「ちょっと待って、君。」
後ろから声がした。
女性の声だけれど、低くかっこいい。
うちの先生より、クールなのかもしれない。
恐る恐る後ろを振り向くと
スタイルはモデルのようで、細い。が、オーラはなんか。・・・一言で言えば怖い。
「もしかして君は、妹好先生の兄ですか?」
な、なんだそのいもこう先生って・・・
まさか、とは思うが・・・
「あの、それは誰ですか?」
「あ、すまんなこちらでは普通ペンネームで呼ぶようにしているんだ。ところで君は萩 千代の兄?」
妹のペンネームが妹好先生?!うぁぁぁぁ、恥ずいぞ!
「その兄って何で知ってるんだよって・・・編集者か何かか?」
「その通り。さすが、千代の兄なだけあるな。」
だから俺はどんな扱いされてるんだよ
千代やこの編集者や・・・もう、あきれてくるな。
「申し遅れた。私は、佐々木 里桜という。よろしく。」
「それで、何か用が?」
「あぁ、見ての通り行列ができるほどの人気ラノベ作家だが、2巻の原稿がまだ届いていなくてだな。」
あいつ、原稿追われているのに得ろー下野照る場合じゃないだろ。てか、作る方もだ。
「それって、結構やばいんじゃないか?」
「かなりやばい。普通の売れ具合であればなんとかなるものの、ここまで売れっ子になると遅れただけで売り上げもやばいし、人気度も落ちる。だから、かなりやばい。それで、君から千代に伝えて欲しいんだ。」
なるほど、緊急事態って訳だ。
「わかりました。自分から千代に伝えておきます。」
「それでは・・・」
「ちょっと待って。これ」
家に帰ろうとすると、何かを手に渡してきた。
手元を見ると、あの『妹だけど恋愛してもいいよね?』人気の本だった。
「これを読んでみて欲しい。君の妹がどれだけすごいか。また、手伝ってやって欲しい。私はこれで。」
まぁ、うちの妹が革命起こしてるわけだしな・・・家に帰ったら読んでみるか。

「ただいま~」
「遅い!どこに行ってたの!今日はあれを作るって言ったでしょ!」
いつもなら、遅くかえって親がおかえりぐらいしか聞こえないのに今日は聞こえる。それも、何故か怒られている。

「あぁ、ちょっとな。それより、お前の編集者が言ってたぞ。原稿がまだ来ていないと。」
急に顔を顰めていた。
「あってきたの?佐々木に。」
「ちゃんと、出せよ。じゃないと、ゲーム作らないからな。」
俺はそう言い残し、玄関で靴を履き替え自分の部屋へ戻った。
さっき、渡された本をベットの上で横たわり読んでみる。
それから1時間が経ったのだろうか。
俺は本を読み終えた。
俺は初めて1時間で一巻を読み終えた。いつもなら何日もかかるのに。
それより、「なんだこれは!!!!」面白いじゃねぇか!!!!
これは、世界に通用するわ。
俺も今までラノベ読んできたがここまでとは・・・これで二巻が遅れたら大問題だな。
俺もできる限り手伝ってあげたいな。
そう思った俺は、千代の部屋で向かう。
「こんこん。千代?部屋へ入ってもいいか?」
「・・・返事がないな。はいるぞ!」
ドアを開けた途端、俺の目には凄い光景が広がった。
机には大量の原稿用紙。
壁にはエロゲーのポスターなど、普通の部屋にはないものがずらずらと飾ってあった。
肝心の千代は寝ていた。

「おい、大丈夫か?」
と声をかけながら体を揺すぶると流石に千代は起きた。
「おにぃひゃん?なんでここにいるのかにゃ?」
にゃ?御二位ひゃん?何を言っているんだ?寝ぼけているのか。
普段こういうことを言わないから急に言われるとキュンと来るな。
「何、目ぼけているんだ。起きろ千代。」
俺は階段を下り、コップに水を入れ千代へ持っていく。
「ほら、目を覚ませ。」
落ち着いて目を覚ましたようだ。
「なんでここにいるわけ?気持ち悪いんだけど。」
やっぱり起きると可愛げがないな。
「それより、原稿の方はどうなんだ?何か手伝えることがあれば言って欲しい。」
「急に何?でも、ありがとう。一応、できあがった。見てみて欲しい。」
原稿用紙を俺は受け取り読んでみる。
やはり面白い。がさっき読んだときより何かが引っかかる。
「これ、少し納得いかない部分があって・・・兄と妹が一緒の風呂を入る所なんだけどどうすればいい?」確かにそこの部分がおかしかったのか。
そもそも、兄と妹の風呂シーンってなんだろう。
それは、幼い頃同士なら考えられるが今の年だと考えられないな。
「考えつかないな・・・」
「ねぇ・・・」
と言い、急に接近してきた。
お互い様少しの間黙って見つめ合っていた。
「そ、その一緒に..........」
間が長いなどうかしたんだろうか。
「一緒に風呂入りませんか!!!!」
ええええええええええええええええええええええ!!!
今の年頃で一緒にはいるって言う意味分かって言っているのか?
もう、意識しないでは入れないんだぞ?さらに前と違ってお互い様成長しているんだぞ?
・・・でもな妹のために手伝うって言ったしな・・・
「本当に入るのか?本気なら俺もとことん手伝うぞ!」
千代は一瞬戸惑ったが、覚悟を決めたかのような顔で
「本気。私本気!」
「今から行くわよ!」
「え?今から?」
さっき、リビング行ったときは確かに親はいなかったけど、今からか・・・
そして、俺たちは一緒に階段を降りて交代で脱衣所で着替える。
妹が先に着替え風呂へ入り俺も脱衣所で着替える。
これってお互い生まれたままの姿って事だよな
「入るぞー」
「ガチャ」
と音を立てて俺は目を瞑りながら風呂のドアを開けた。
あぁ、俺の青春はどうなるのだろうとか思いつつも俺はどきどきしていた
目を開けると千代は水着でいた。
これには俺は安心したと同時に何かが失われた気がした。
俺の覚悟は何だったのだろうか。
「きゃあああああ。お、お兄ちゃんし、した見えてるよ!!」

俺は、すぐに自分の下を見ると裸であった。

「ぎゃーー」

俺はいつものように脱いでいたから、油断をしていた。
とはいえ、もうここまで来たんだ。
俺は覚悟を決め、風呂の奥へ進む。

「そんなことはき、気にするな。それはともかく俺はどうすればいい?」

俺はどんあシチュエーションでもやるつもりだが、やはり俺も千代もお互い様思春期ということがあるから
気にしてしまう。

「で、では一緒に浴槽に入りましょう!」
うちの風呂の浴槽は二人から三人が限界。
よく考えてみると狭いのかもしれない。
それはおいていて、俺は覚悟を決めゆっくりと足から浴槽へ浸かっていく。
体の一部が入るごとに胸の鼓動が激しくなっている気がする。
下手したら胸が破裂するのではと俺は感じるぐらいだ。
体全体が風呂の中に入った。
俺は浴槽の壁によし掛かり俺の上に千代はよし掛かる。
ラノベ、アニメでもこんな展開があったと不意に思う。

「次はどうすればいい?」
「じ、自分で考えてください。」
俺は今までと見方が変わって一人の女として見てしまっている。
いや、それでいいのか。
でもこうじっくり見てみると可愛いんだよな。
何もなはなければいいのに。
何か千代はもじもじしていた。
この何気ない仕草も可愛く見えてくる。
俺はラノベを参考して千代にスキンシップをしてみる。

「ひゃん!」
俺は手を千代の頬に手を当て親指で優しく撫でてみた。
てか、なんだ今の声は余計可愛いじゃねぇか・・・
そして、肩...首...鎖骨...へと指を撫で下ろし胸へと運ぶ。
「ふにゃ、そ、そこはらめぇ」
「ガチャ。ただいま~」
と玄関から声がした。
多分親だろう。
この状況を親に見られたら恥ずか死する。
「なぁ、千代?帰ってきたからまた今度にしないか?」
「う、うん・・・また、してくれるの?」
「あぁ、もちろん。だが今度な?」
俺は物音を立てないように体の水滴をバスタオルで拭き取り、さっきまで来ていた服に着替える。そして自分の部屋へ忍び足で階段を上がり戻る。
父さんは出張でいないからちょうど母だけであった。
しかも、母はタイミングよくトイレの中にいた。
うちの家のトイレの場所は玄関を入ってすぐ隣である。
だから、忍び足で階段を上ることにより、バレない。
自分の部屋につきベッドの下にある薄い本を読み、スキンシップの知識を増やす。
「ガチャ」
という音とともに母さんの声が聞こえた。
「ねぇ~純一~?」
この状況は何か誤解をされるのでは・・・
薄い本を俺は布団の中に隠し、返事をする。
「何か用か?」
「おっと~やっぱりなんでもないわ~ほどほどにね~」
とドアを閉め、階段を降りていった。
ほどほどにってうちの親はどれだけ甘いんだ?てか、バレてるじゃねぇか。無性に恥ずかしくなった。
俺はベットに横たわり目を瞑って俺はさっきの入浴シーンを思い出していた。
やはり、昔とは違って色々成長していた。
そんなことを考えていると、段々と眠くなって
いつの間にか寝てしまっていた。

~  ~  ~
俺は早き替え早朝ご飯をして、学校を出た。
何故こんなにいつもより急いでいるのかというのは、昨日琴美と約束をしてしまったのだ。一緒に登校をすると
だから、俺は早く着替え、急いで外を出る。
「いってきまーす」
急ぎ足で玄関を出でて昨日琴美に渡された紙を開くと
そこには、住所が書かれていてそこの住所の近辺は金持ちしか住めないと言われるほど
金持ちしか住んでいない場所だ
もしかして、琴美はお金持ちなのか?
有ったときからお嬢様の雰囲気を醸し出していたが本当にお金持ちなのだろうか。
俺の住んでいる場所は如何にも平凡な人が住む場所である。
駆け足で琴美の住所まで走ること五分

俺は多分、やばい人に関わってしまったらしいと言うことだけがわかった。
そう、住所通りにいくとそこは豪邸で警備は万全で黒いボディガートマンのような人が二人門の前に並んでいる。
俺はボディガードマンに話しかけてみる。
「あの・・・ここは佐藤 琴美さんのオタクでしょうか?」
と俺は恐れ恐れながら聞いてみる。
この人たち怖い~すぐにでも殺させそうな雰囲気がめちゃくちゃ漂ってくる。
「お嬢様から聞いております。貴方は純一様ですね?顔も一致しますし・・・」
顔?一致?ナニソレコワイ・・・け、けど
俺もびしっと言ってやろう。
「は、はい!今日から琴美さんと登校することになりました。よろしくお願いします!」
とそんな他愛ない会話・・・会話なのか?
まぁいいや、話をしていると、豪邸の家から琴美が出てきたのが見えた。
それに気づいたのか、こっちへ走ってくる。
「純一~お待たせ~遅くなってごめんね!」
それに気づいたボディガードマン達は急いで、門を開ける。
俺の時の対応とは正反対に焦っていた。
「遅くないよ~今来たところだから」
俺は琴美と普通に話していると、門の前にいるボディガードマン達が何やらヒソヒソと話している。
「昨日も言ったけど、この人が将来の旦那さん!そういう態度を次取ったら
ただじゃぁ済まないからねぇ~」
と俺が見てきた琴美ではなく、まるで…般若のような…
「ま・こ・と 今何か考えていたように見受けられたのですが何を考えてらっしゃるのですか??」
!!この子、エスパーか何かか?!俺の心の中をまるでお見通しのように思っていたことをズバッと当ててきた。
本当にこのお嬢様は一体何者なんだろう…
「早く行きましょう純一!!」
さてと、行きますか学校へ
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