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vol.9 旅の仲間
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[Ⅰ]
ここはジェニアの酒場。
王都アレングランドにおける、汗臭い冒険者達の憩いの場である。
今は日が暮れた事もあり、沢山の冒険者達が酒と料理を楽しんでいるところだ。
勿論、俺もその1人である。
テーブルにはビレアという常温のビールみたいな酒と、野菜炒めみたいな料理やパエリアみたいな料理が並んでいる。
ちなみに料理の味は……塩気が強く、あんま美味しくなかった。
多分、調味料系があまりないんだろう。
英国風の大味な料理ばかりである。
そんなジェニアの酒場だが、ココは様々な出会いと別れの場でもあったりするのだ。
「お前はクビだ!」
「何だと!」
「自分勝手に行動して、仲間を危険に晒すような奴は、いらないんだよ!」
「何言ってやがる! お前が優柔不断だからだろうが! ふざけんな! こんなパーティ、俺の方から抜けさせてもらうわ!」
「ああ、出ていけ、出ていけ!」
「俺がいたお陰で、あの魔物を倒せたのによ! 精々、苦労するがいいさ、優柔不断のリーダーさんよ!」
今まさに、付近のテーブル席から、そんなやり取りが聞こえてくる。
たった今、冒険者の追放の儀が執り行われたようだ。
した側は清々し、された側はいつの日か、「ザマァ」と言ってやりたい気分だろう。
実にくだらない人間模様である。
日本にいた時、俺のお勤めは基本的にソロプレイなので、そういうわだかまりもなく、非常に楽であった。
真紋の一族は一子相伝の秘術を伝えているので、必然的にそうなるからだ。
とはいえ、俺も今後は、そういうわけにいかなくなりそうである。
(パーティか……俺はチームでの戦闘した事ないんだよなぁ。広範囲に影響する結界系の呪術は使えんだろうな。仲間を巻き込むし。となると、いつもと違う戦法を取らんと不味いか……メンドクサ……)
ふとそんな事を考えていると、隣の新入りというか、押し入り娘が俺に話しかけてきた。
「エイシュン……お隣さん、喧嘩別れになっちゃったね。まぁ私達は出逢っちゃった方だけどね。ウフフ」
ミュリンはそう言って、俺の腕に手を回し、しなだれ掛かってきた。
すると肩にいるサタが、嫌そうにミュリンを見たのである。
「あ、ゴメンね、サタ。いきなりエイシュンに寄りかかったから、驚かせちゃったわね」
サタは不満そうにプイッとそっぽを向いた。
自分を買い取ろうとしてきた女だから、まぁそうなるだろう。
それはさておき、なんか知らんが、ミュリンはやけに俺にくっついてくるのだ。
またセクハラしてほしいのだろうか?
つか、次は弄るだけじゃなく、挿入しちゃうぞ。
「それにしても……エイシュンさんとミュリンさんが、そんなに親しかったとは思いませんでしたよ」
リンクは半眼になり、俺達に微妙な視線を向けていた。
勘違いも甚だしいところだ。
「あのな、リンク……言っておくが、決して親しいわけではないからな。大体、ミュリンと会ったのは昨日の夜だし」
「え!? 昨日の夜なの! 俺達と会ったのと、そう変わんないじゃんか。なのに、もうそんな仲なのかい?」
リンクの驚きは尤もだ。
「私とエイシュンは、運命的な出逢いだったのよ。凄く情熱的で刺激的な……」
「そんな素敵な出遭いじゃなかった気がするが……」
都合の良いように、記憶を改竄する女である。
俺に絡んできた事は、なかった事になってるのか?
「別にいいじゃない。そんな事より、エイシュン。私の服装、これで良いの? なんか普通なんだけど」
ミュリンはそう言って、自分の着ている服に目を落とした。
一応、チュニック系の軽装だが、肌の露出を少なくするよう言っておいたので、それに従ってくれた形である。
とはいえ、少し不満そうだが。
「危険な場所に行くんだから、肌の露出は極力控えた方が良い。それに……」
「それに?」
「俺も、いらん事したくなるし……なぁんてな」
ミュリンは頬を赤らめ、恥ずかしそうに俺を見た。
「もう、エイシュンたら……」
満更でもないようだ。
(へぇ……もしかして、コイツ。よし、タイミング見て、今度誘ってみるか。とはいえ、衛生的に、入浴してからだが。ここの連中、あんま身体洗ってなさそうなんだよな。ミュリンも可愛い顔してるが、どうだか……)
なんて事を考えていると、リンクがそこで大きく溜め息を吐いたのである。
「あの……イチャイチャしてるとこ悪いんスけど……ミュリンさんは良いんですか? ウチのパーティに、誰がいるか知ってますよね?」
「勿論、知ってるわよ。ファレルとサリア兄妹のパーティよね? 彼等と一緒にいる貴方を見た事あるもの」
「そうッスか……ならいいです」
リンクはそう言うと、諦めたように手をヒラヒラした。
なんか気になるやり取りだった。
すると程なくして、噂の兄妹が姿を現したのである。
「待たせたな」
「遅くなって、ゴメンね」
「お待たせしました」
ファレルさんとサリアの他に、もう1人いた。
白いカソックのような法衣に身を包む、エルフみたいな女性だ。
透き通るような水色の髪と尖った耳をしており、神秘的な美しさがある女性であった。
この方が、もう1人の仲間なんだろう。
と、そこで、サリアが驚きの声を上げた。
「ああ! 誰かと思ったら……ミュリンじゃない! なんでアンタがいるのよ!」
「私は今日から、エイシュンと冒険する事になったの。よろしくね」
「よろしくねって……どういう事よ」
サリアは不満気に俺を見た。
驚きの展開である。
「エイシュンさん、1人旅と聞いたが、ミュリンと仲間だったんですか?」
ファレルさんは微妙な表情でそう訊いてきた。
この感じから察するに、ミュリンと彼等との間に、因縁めいたモノがあるのかもしれない。
まぁいい。正直に話すとしよう。
「ファレルさん……今朝、色々とあったんですよ。順を追って説明します」――
俺は昨夜の事から皆に説明した。
とはいえ、お仕置き部分は言わなかったが。
「……という事があってですね、ミュリンがここにいるんです」
話し終えると、ファレルさん達は俺に同情の目を向けていた。
「そんな事があったとは……それは災難だったね。しかも、バーンズ本人に絡まれていたのか……」
「エイシュンさんも、大変な女に気に入られちゃったのね……」
そこでリンクが身を乗り出した。
「でも、凄かったよ。エイシュンさん、バーンズの屈強な手下をあっという間に倒しちゃったんだから。たぶん、魔法だと思うんだけど、どうやって倒したのか、全然わからなかったよ」
「へぇ、それは頼もしいな。リンクが驚くくらいだ。本当に凄かったんだろうな」
「ああ、ファレル達にも見せてやりたかったよ」
リンクは興奮気味にそう言った。
変に期待されても困るので、もうその辺にしといて欲しいところだ。
「あ、そうそう、エイシュンさんは初めてだな。紹介するよ。今朝言ったと思うが、彼女がルーミアだ」
そこでルーミアという女性は俺に微笑んだ。
「初めまして、グランディス教の司祭ルーミアです。よろしくお願いしますね」
「俺は英舜と言います。こちらこそ、よろしくお願いします、ルーミアさん」
「じゃあ、次は私の番ね。私はミュリンよ。エイシュンについてく事にしたから、よろしくね」
ファレルとサリアとリンクは微妙な表情であった。
ルーミアは普通だ。
暫し、沈黙の時が続く。
まず先に口を開いたのはサリアであった。
「ミュリン……貴方のお父さんが、私達の仲間にした事……忘れたとは言わせないわよ。アッシュとジルは、貴方達一味の所為で……王都から出て行ったんだから」
どうやら、リンクが言っていた王都から離れる事になった冒険者とは、嘗ての彼等の仲間だったようだ。
ミュリンは少し表情を落とした。
負い目があるんだろう。
「そ、それに関しては謝るわよ。ごめんなさい。お父さんが追い出したようなモノだから。でも……お父さんがしてる事なんて、私は知らないもの。それに……私はもう稼業に嫌気がさして、お父さんの元から離れたんだから。これからは、心を入れ替えるわ」
しかし、3人は尚も渋い表情であった。
なかなかの因縁だから仕方ないのかもしれない。
と、そこで、ルーミアさんが口を開いた。
「まぁ良いではないですか。確かに、色々とございましたが……これも神の思し召しでしょう。私は構いませんわよ。それに……アルミナのパーティを捜索する場所は、爪痕の中を結構進まねばなりません。今は仲間が多い方が良いのでは?」
ルーミアさんは司祭というだけあり、中々の人格者であった。
他の者達と違い、寛容な方のようだ。
かくいう俺も、大概の事は寛容なほうである。
というか、俺も日本にいた時は、表の仕事で観音堂の山主をしていたので、境遇自体が彼女と似ているのである。
なもんで、ある種の共感があるのであった。
まぁそれはさておき、他の3人はそこで顔を見合わせ、不満そうにしていた。
だが、ルーミアの言葉を受け入れたのか、程なくして互いに頷き、肩の力を抜いたのである。
「まぁ確かに、ルーミアの言う通りか。良いだろう。今はアルミナ達を捜索するのが先だしな。ミュリン、手を貸してくれるなら、お願いするよ」
ファレルさんはそう言って、ミュリンを見た。
ミュリンの表情が少し和らぐ。
「わかったわ。任せといて。私も簡単な魔法くらいは幾つか使えるから」
「ミュリン……言っておくけど、兄の言う事をちゃんと聞きなさいよ。このパーティは兄がリーダーなんだから」
「勿論よ」
ファレルは仕切り直しとばかりに、そこで柏手を1回打った。
「よし……ではこれについては終わりにしようか。さて、それでは依頼の話にいこう。で、アルミナ達の捜索だが……明日の早朝、グランディスの鐘のなる頃に向かう。道具や薬、それから食料は、俺とサリアとで調達してあるから、皆は自分の装備を整えてきてくれ。そして……確認の為、もう一度言っておこう。行き先は、悪魔の爪痕の奥の方……捻れの回廊区域だ。そこそこ深く潜るから、強い魔物も現れる。各自、準備だけはちゃんとしておいてくれ。以上だ」――
ここはジェニアの酒場。
王都アレングランドにおける、汗臭い冒険者達の憩いの場である。
今は日が暮れた事もあり、沢山の冒険者達が酒と料理を楽しんでいるところだ。
勿論、俺もその1人である。
テーブルにはビレアという常温のビールみたいな酒と、野菜炒めみたいな料理やパエリアみたいな料理が並んでいる。
ちなみに料理の味は……塩気が強く、あんま美味しくなかった。
多分、調味料系があまりないんだろう。
英国風の大味な料理ばかりである。
そんなジェニアの酒場だが、ココは様々な出会いと別れの場でもあったりするのだ。
「お前はクビだ!」
「何だと!」
「自分勝手に行動して、仲間を危険に晒すような奴は、いらないんだよ!」
「何言ってやがる! お前が優柔不断だからだろうが! ふざけんな! こんなパーティ、俺の方から抜けさせてもらうわ!」
「ああ、出ていけ、出ていけ!」
「俺がいたお陰で、あの魔物を倒せたのによ! 精々、苦労するがいいさ、優柔不断のリーダーさんよ!」
今まさに、付近のテーブル席から、そんなやり取りが聞こえてくる。
たった今、冒険者の追放の儀が執り行われたようだ。
した側は清々し、された側はいつの日か、「ザマァ」と言ってやりたい気分だろう。
実にくだらない人間模様である。
日本にいた時、俺のお勤めは基本的にソロプレイなので、そういうわだかまりもなく、非常に楽であった。
真紋の一族は一子相伝の秘術を伝えているので、必然的にそうなるからだ。
とはいえ、俺も今後は、そういうわけにいかなくなりそうである。
(パーティか……俺はチームでの戦闘した事ないんだよなぁ。広範囲に影響する結界系の呪術は使えんだろうな。仲間を巻き込むし。となると、いつもと違う戦法を取らんと不味いか……メンドクサ……)
ふとそんな事を考えていると、隣の新入りというか、押し入り娘が俺に話しかけてきた。
「エイシュン……お隣さん、喧嘩別れになっちゃったね。まぁ私達は出逢っちゃった方だけどね。ウフフ」
ミュリンはそう言って、俺の腕に手を回し、しなだれ掛かってきた。
すると肩にいるサタが、嫌そうにミュリンを見たのである。
「あ、ゴメンね、サタ。いきなりエイシュンに寄りかかったから、驚かせちゃったわね」
サタは不満そうにプイッとそっぽを向いた。
自分を買い取ろうとしてきた女だから、まぁそうなるだろう。
それはさておき、なんか知らんが、ミュリンはやけに俺にくっついてくるのだ。
またセクハラしてほしいのだろうか?
つか、次は弄るだけじゃなく、挿入しちゃうぞ。
「それにしても……エイシュンさんとミュリンさんが、そんなに親しかったとは思いませんでしたよ」
リンクは半眼になり、俺達に微妙な視線を向けていた。
勘違いも甚だしいところだ。
「あのな、リンク……言っておくが、決して親しいわけではないからな。大体、ミュリンと会ったのは昨日の夜だし」
「え!? 昨日の夜なの! 俺達と会ったのと、そう変わんないじゃんか。なのに、もうそんな仲なのかい?」
リンクの驚きは尤もだ。
「私とエイシュンは、運命的な出逢いだったのよ。凄く情熱的で刺激的な……」
「そんな素敵な出遭いじゃなかった気がするが……」
都合の良いように、記憶を改竄する女である。
俺に絡んできた事は、なかった事になってるのか?
「別にいいじゃない。そんな事より、エイシュン。私の服装、これで良いの? なんか普通なんだけど」
ミュリンはそう言って、自分の着ている服に目を落とした。
一応、チュニック系の軽装だが、肌の露出を少なくするよう言っておいたので、それに従ってくれた形である。
とはいえ、少し不満そうだが。
「危険な場所に行くんだから、肌の露出は極力控えた方が良い。それに……」
「それに?」
「俺も、いらん事したくなるし……なぁんてな」
ミュリンは頬を赤らめ、恥ずかしそうに俺を見た。
「もう、エイシュンたら……」
満更でもないようだ。
(へぇ……もしかして、コイツ。よし、タイミング見て、今度誘ってみるか。とはいえ、衛生的に、入浴してからだが。ここの連中、あんま身体洗ってなさそうなんだよな。ミュリンも可愛い顔してるが、どうだか……)
なんて事を考えていると、リンクがそこで大きく溜め息を吐いたのである。
「あの……イチャイチャしてるとこ悪いんスけど……ミュリンさんは良いんですか? ウチのパーティに、誰がいるか知ってますよね?」
「勿論、知ってるわよ。ファレルとサリア兄妹のパーティよね? 彼等と一緒にいる貴方を見た事あるもの」
「そうッスか……ならいいです」
リンクはそう言うと、諦めたように手をヒラヒラした。
なんか気になるやり取りだった。
すると程なくして、噂の兄妹が姿を現したのである。
「待たせたな」
「遅くなって、ゴメンね」
「お待たせしました」
ファレルさんとサリアの他に、もう1人いた。
白いカソックのような法衣に身を包む、エルフみたいな女性だ。
透き通るような水色の髪と尖った耳をしており、神秘的な美しさがある女性であった。
この方が、もう1人の仲間なんだろう。
と、そこで、サリアが驚きの声を上げた。
「ああ! 誰かと思ったら……ミュリンじゃない! なんでアンタがいるのよ!」
「私は今日から、エイシュンと冒険する事になったの。よろしくね」
「よろしくねって……どういう事よ」
サリアは不満気に俺を見た。
驚きの展開である。
「エイシュンさん、1人旅と聞いたが、ミュリンと仲間だったんですか?」
ファレルさんは微妙な表情でそう訊いてきた。
この感じから察するに、ミュリンと彼等との間に、因縁めいたモノがあるのかもしれない。
まぁいい。正直に話すとしよう。
「ファレルさん……今朝、色々とあったんですよ。順を追って説明します」――
俺は昨夜の事から皆に説明した。
とはいえ、お仕置き部分は言わなかったが。
「……という事があってですね、ミュリンがここにいるんです」
話し終えると、ファレルさん達は俺に同情の目を向けていた。
「そんな事があったとは……それは災難だったね。しかも、バーンズ本人に絡まれていたのか……」
「エイシュンさんも、大変な女に気に入られちゃったのね……」
そこでリンクが身を乗り出した。
「でも、凄かったよ。エイシュンさん、バーンズの屈強な手下をあっという間に倒しちゃったんだから。たぶん、魔法だと思うんだけど、どうやって倒したのか、全然わからなかったよ」
「へぇ、それは頼もしいな。リンクが驚くくらいだ。本当に凄かったんだろうな」
「ああ、ファレル達にも見せてやりたかったよ」
リンクは興奮気味にそう言った。
変に期待されても困るので、もうその辺にしといて欲しいところだ。
「あ、そうそう、エイシュンさんは初めてだな。紹介するよ。今朝言ったと思うが、彼女がルーミアだ」
そこでルーミアという女性は俺に微笑んだ。
「初めまして、グランディス教の司祭ルーミアです。よろしくお願いしますね」
「俺は英舜と言います。こちらこそ、よろしくお願いします、ルーミアさん」
「じゃあ、次は私の番ね。私はミュリンよ。エイシュンについてく事にしたから、よろしくね」
ファレルとサリアとリンクは微妙な表情であった。
ルーミアは普通だ。
暫し、沈黙の時が続く。
まず先に口を開いたのはサリアであった。
「ミュリン……貴方のお父さんが、私達の仲間にした事……忘れたとは言わせないわよ。アッシュとジルは、貴方達一味の所為で……王都から出て行ったんだから」
どうやら、リンクが言っていた王都から離れる事になった冒険者とは、嘗ての彼等の仲間だったようだ。
ミュリンは少し表情を落とした。
負い目があるんだろう。
「そ、それに関しては謝るわよ。ごめんなさい。お父さんが追い出したようなモノだから。でも……お父さんがしてる事なんて、私は知らないもの。それに……私はもう稼業に嫌気がさして、お父さんの元から離れたんだから。これからは、心を入れ替えるわ」
しかし、3人は尚も渋い表情であった。
なかなかの因縁だから仕方ないのかもしれない。
と、そこで、ルーミアさんが口を開いた。
「まぁ良いではないですか。確かに、色々とございましたが……これも神の思し召しでしょう。私は構いませんわよ。それに……アルミナのパーティを捜索する場所は、爪痕の中を結構進まねばなりません。今は仲間が多い方が良いのでは?」
ルーミアさんは司祭というだけあり、中々の人格者であった。
他の者達と違い、寛容な方のようだ。
かくいう俺も、大概の事は寛容なほうである。
というか、俺も日本にいた時は、表の仕事で観音堂の山主をしていたので、境遇自体が彼女と似ているのである。
なもんで、ある種の共感があるのであった。
まぁそれはさておき、他の3人はそこで顔を見合わせ、不満そうにしていた。
だが、ルーミアの言葉を受け入れたのか、程なくして互いに頷き、肩の力を抜いたのである。
「まぁ確かに、ルーミアの言う通りか。良いだろう。今はアルミナ達を捜索するのが先だしな。ミュリン、手を貸してくれるなら、お願いするよ」
ファレルさんはそう言って、ミュリンを見た。
ミュリンの表情が少し和らぐ。
「わかったわ。任せといて。私も簡単な魔法くらいは幾つか使えるから」
「ミュリン……言っておくけど、兄の言う事をちゃんと聞きなさいよ。このパーティは兄がリーダーなんだから」
「勿論よ」
ファレルは仕切り直しとばかりに、そこで柏手を1回打った。
「よし……ではこれについては終わりにしようか。さて、それでは依頼の話にいこう。で、アルミナ達の捜索だが……明日の早朝、グランディスの鐘のなる頃に向かう。道具や薬、それから食料は、俺とサリアとで調達してあるから、皆は自分の装備を整えてきてくれ。そして……確認の為、もう一度言っておこう。行き先は、悪魔の爪痕の奥の方……捻れの回廊区域だ。そこそこ深く潜るから、強い魔物も現れる。各自、準備だけはちゃんとしておいてくれ。以上だ」――
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