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9 王子
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父親の言葉に面倒なことになったなと頭を抱えているのはこの国の王子であるダニエルである。
ダニエルがエドウィンに命じて婚約破棄騒動を起こしたのは、発端には母親の存在があった。
コーデリアを良く思わない母は、事あるごとに嫌がらせをするようにダニエルに命じてきた。
ダニエルもダニエルで、太っていて可愛くない妹を疎んでいたので母と一緒に嫌がらせをすることを楽しんでいた。
王子である自分の方が立場が上なのは当たり前であり、回りも自分の言葉に賛同してコーデリアを悪く言うのが心地よかった。
そしてエドウィンを使った今回の婚約破棄騒動も有力なエドウィンの元にコーデリアが嫁いで幸せになることを妬んだ母の命令であった。
「あぁ、くそっ。」
エドウィンがあの場で自分の命令ではないとはっきりと言えば良かったのだ。
それなのに、エドウィンは自分を裏切りコーデリアの側についたのだ。
あの、ブスで陰険な女に!
ダニエルは立ち上がると机の上に飾られていた花瓶を床に投げつけ苛立ちを露にすると、大きく息を吐き、また椅子に腰かけた。
だが、まぁ大丈夫だろう。
コーデリアに一体何が出来るというのか。
あの、デブで頭の悪い、人の意見には逆らえないコーデリアに何か出来るわけがない。
そう思うと苛立ちも薄れていく。
父親の言葉を思い出す。
「3ヶ月で、か。」
たった3ヶ月で何が出来るというのであろうか。
コーデリアにはきっと何も出来ない。
そう思うと今からコーデリアがみっともなく何もできなかった姿を晒すのが面白くて仕方がない。
「父上も私が次期王に相応しいと分かるだろう。」
ダニエルは笑みを浮かべると、どんな風にコーデリアをバカにしてやろうかと考えるのであった。
ダニエルがエドウィンに命じて婚約破棄騒動を起こしたのは、発端には母親の存在があった。
コーデリアを良く思わない母は、事あるごとに嫌がらせをするようにダニエルに命じてきた。
ダニエルもダニエルで、太っていて可愛くない妹を疎んでいたので母と一緒に嫌がらせをすることを楽しんでいた。
王子である自分の方が立場が上なのは当たり前であり、回りも自分の言葉に賛同してコーデリアを悪く言うのが心地よかった。
そしてエドウィンを使った今回の婚約破棄騒動も有力なエドウィンの元にコーデリアが嫁いで幸せになることを妬んだ母の命令であった。
「あぁ、くそっ。」
エドウィンがあの場で自分の命令ではないとはっきりと言えば良かったのだ。
それなのに、エドウィンは自分を裏切りコーデリアの側についたのだ。
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だが、まぁ大丈夫だろう。
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そう思うと苛立ちも薄れていく。
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「3ヶ月で、か。」
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そう思うと今からコーデリアがみっともなく何もできなかった姿を晒すのが面白くて仕方がない。
「父上も私が次期王に相応しいと分かるだろう。」
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