9 / 14
9 王子
しおりを挟む
父親の言葉に面倒なことになったなと頭を抱えているのはこの国の王子であるダニエルである。
ダニエルがエドウィンに命じて婚約破棄騒動を起こしたのは、発端には母親の存在があった。
コーデリアを良く思わない母は、事あるごとに嫌がらせをするようにダニエルに命じてきた。
ダニエルもダニエルで、太っていて可愛くない妹を疎んでいたので母と一緒に嫌がらせをすることを楽しんでいた。
王子である自分の方が立場が上なのは当たり前であり、回りも自分の言葉に賛同してコーデリアを悪く言うのが心地よかった。
そしてエドウィンを使った今回の婚約破棄騒動も有力なエドウィンの元にコーデリアが嫁いで幸せになることを妬んだ母の命令であった。
「あぁ、くそっ。」
エドウィンがあの場で自分の命令ではないとはっきりと言えば良かったのだ。
それなのに、エドウィンは自分を裏切りコーデリアの側についたのだ。
あの、ブスで陰険な女に!
ダニエルは立ち上がると机の上に飾られていた花瓶を床に投げつけ苛立ちを露にすると、大きく息を吐き、また椅子に腰かけた。
だが、まぁ大丈夫だろう。
コーデリアに一体何が出来るというのか。
あの、デブで頭の悪い、人の意見には逆らえないコーデリアに何か出来るわけがない。
そう思うと苛立ちも薄れていく。
父親の言葉を思い出す。
「3ヶ月で、か。」
たった3ヶ月で何が出来るというのであろうか。
コーデリアにはきっと何も出来ない。
そう思うと今からコーデリアがみっともなく何もできなかった姿を晒すのが面白くて仕方がない。
「父上も私が次期王に相応しいと分かるだろう。」
ダニエルは笑みを浮かべると、どんな風にコーデリアをバカにしてやろうかと考えるのであった。
ダニエルがエドウィンに命じて婚約破棄騒動を起こしたのは、発端には母親の存在があった。
コーデリアを良く思わない母は、事あるごとに嫌がらせをするようにダニエルに命じてきた。
ダニエルもダニエルで、太っていて可愛くない妹を疎んでいたので母と一緒に嫌がらせをすることを楽しんでいた。
王子である自分の方が立場が上なのは当たり前であり、回りも自分の言葉に賛同してコーデリアを悪く言うのが心地よかった。
そしてエドウィンを使った今回の婚約破棄騒動も有力なエドウィンの元にコーデリアが嫁いで幸せになることを妬んだ母の命令であった。
「あぁ、くそっ。」
エドウィンがあの場で自分の命令ではないとはっきりと言えば良かったのだ。
それなのに、エドウィンは自分を裏切りコーデリアの側についたのだ。
あの、ブスで陰険な女に!
ダニエルは立ち上がると机の上に飾られていた花瓶を床に投げつけ苛立ちを露にすると、大きく息を吐き、また椅子に腰かけた。
だが、まぁ大丈夫だろう。
コーデリアに一体何が出来るというのか。
あの、デブで頭の悪い、人の意見には逆らえないコーデリアに何か出来るわけがない。
そう思うと苛立ちも薄れていく。
父親の言葉を思い出す。
「3ヶ月で、か。」
たった3ヶ月で何が出来るというのであろうか。
コーデリアにはきっと何も出来ない。
そう思うと今からコーデリアがみっともなく何もできなかった姿を晒すのが面白くて仕方がない。
「父上も私が次期王に相応しいと分かるだろう。」
ダニエルは笑みを浮かべると、どんな風にコーデリアをバカにしてやろうかと考えるのであった。
10
お気に入りに追加
2,673
あなたにおすすめの小説
【完結】「私は善意に殺された」
まほりろ
恋愛
筆頭公爵家の娘である私が、母親は身分が低い王太子殿下の後ろ盾になるため、彼の婚約者になるのは自然な流れだった。
誰もが私が王太子妃になると信じて疑わなかった。
私も殿下と婚約してから一度も、彼との結婚を疑ったことはない。
だが殿下が病に倒れ、その治療のため異世界から聖女が召喚され二人が愛し合ったことで……全ての運命が狂い出す。
どなたにも悪意はなかった……私が不運な星の下に生まれた……ただそれだけ。
※無断転載を禁止します。
※朗読動画の無断配信も禁止します。
※他サイトにも投稿中。
※表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。
「Copyright(C)2022-九頭竜坂まほろん」
※小説家になろうにて2022年11月19日昼、日間異世界恋愛ランキング38位、総合59位まで上がった作品です!

【完結】悪役令嬢だったみたいなので婚約から回避してみた
21時完結
恋愛
春風に彩られた王国で、名門貴族ロゼリア家の娘ナタリアは、ある日見た悪夢によって人生が一変する。夢の中、彼女は「悪役令嬢」として婚約を破棄され、王国から追放される未来を目撃する。それを避けるため、彼女は最愛の王太子アレクサンダーから距離を置き、自らを守ろうとするが、彼の深い愛と執着が彼女の運命を変えていく。

【完結】白い結婚なのでさっさとこの家から出ていきます~私の人生本番は離婚から。しっかり稼ぎたいと思います~
Na20
恋愛
ヴァイオレットは十歳の時に両親を事故で亡くしたショックで前世を思い出した。次期マクスター伯爵であったヴァイオレットだが、まだ十歳ということで父の弟である叔父がヴァイオレットが十八歳になるまでの代理として爵位を継ぐことになる。しかし叔父はヴァイオレットが十七歳の時に縁談を取り付け家から追い出してしまう。その縁談の相手は平民の恋人がいる侯爵家の嫡男だった。
「俺はお前を愛することはない!」
初夜にそう宣言した旦那様にヴァイオレットは思った。
(この家も長くはもたないわね)
貴族同士の結婚は簡単には離婚することができない。だけど離婚できる方法はもちろんある。それが三年の白い結婚だ。
ヴァイオレットは結婚初日に白い結婚でさっさと離婚し、この家から出ていくと決めたのだった。
6話と7話の間が抜けてしまいました…
7*として投稿しましたのでよろしければご覧ください!
悪役断罪?そもそも何かしましたか?
SHIN
恋愛
明日から王城に最終王妃教育のために登城する、懇談会パーティーに参加中の私の目の前では多人数の男性に囲まれてちやほやされている少女がいた。
男性はたしか婚約者がいたり妻がいたりするのだけど、良いのかしら。
あら、あそこに居ますのは第二王子では、ないですか。
えっ、婚約破棄?別に構いませんが、怒られますよ。
勘違い王子と企み少女に巻き込まれたある少女の話し。

婚約破棄されなかった者たち
ましゅぺちーの
恋愛
とある学園にて、高位貴族の令息五人を虜にした一人の男爵令嬢がいた。
令息たちは全員が男爵令嬢に本気だったが、結局彼女が選んだのはその中で最も地位の高い第一王子だった。
第一王子は許嫁であった公爵令嬢との婚約を破棄し、男爵令嬢と結婚。
公爵令嬢は嫌がらせの罪を追及され修道院送りとなった。
一方、選ばれなかった四人は当然それぞれの婚約者と結婚することとなった。
その中の一人、侯爵令嬢のシェリルは早々に夫であるアーノルドから「愛することは無い」と宣言されてしまい……。
ヒロインがハッピーエンドを迎えたその後の話。
許婚と親友は両片思いだったので2人の仲を取り持つことにしました
結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
<2人の仲を応援するので、どうか私を嫌わないでください>
私には子供のころから決められた許嫁がいた。ある日、久しぶりに再会した親友を紹介した私は次第に2人がお互いを好きになっていく様子に気が付いた。どちらも私にとっては大切な存在。2人から邪魔者と思われ、嫌われたくはないので、私は全力で許嫁と親友の仲を取り持つ事を心に決めた。すると彼の評判が悪くなっていき、それまで冷たかった彼の態度が軟化してきて話は意外な展開に・・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています

【完結】義姉の言いなりとなる貴方など要りません
かずきりり
恋愛
今日も約束を反故される。
……約束の時間を過ぎてから。
侍女の怒りに私の怒りが収まる日々を過ごしている。
貴族の結婚なんて、所詮は政略で。
家同士を繋げる、ただの契約結婚に過ぎない。
なのに……
何もかも義姉優先。
挙句、式や私の部屋も義姉の言いなりで、義姉の望むまま。
挙句の果て、侯爵家なのだから。
そっちは子爵家なのだからと見下される始末。
そんな相手に信用や信頼が生まれるわけもなく、ただ先行きに不安しかないのだけれど……。
更に、バージンロードを義姉に歩かせろだ!?
流石にそこはお断りしますけど!?
もう、付き合いきれない。
けれど、婚約白紙を今更出来ない……
なら、新たに契約を結びましょうか。
義理や人情がないのであれば、こちらは情けをかけません。
-----------------------
※こちらの作品はカクヨムでも掲載しております。

私を侮辱する婚約者は早急に婚約破棄をしましょう。
しげむろ ゆうき
恋愛
私の婚約者は編入してきた男爵令嬢とあっという間に仲良くなり、私を侮辱しはじめたのだ。
だから、私は両親に相談して婚約を解消しようとしたのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる