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十二話 衝動買いはほどほどに
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ジャンは、屋敷につくなりジークに許可を取って購入した品々を検品し、そして明らかに派手すぎたり、明らかにルチアーナには似合わないと思った品を仕分けていく。
ジーク曰く、途中から面白そうなものも買ったが、今考えるとルチアーナには似合わないモノも買ってしまったと少しばかり反省している様子であった。
宝石やドレスばかりではなく、恐らくはジークがおふざけで勝ったであろう不思議な仮面や人形など、価値は高いだろうが必要ではないであろう物。
それらをある程度仕分けて、ジャンはルチアーナの元へと向かった。
ノックをしてルチアーナの了解を取ってから部屋へと入ると、ジャンは仕分けた必要ないであろう品々のリストをルチアーナに手渡した。
「奥様。購入した品々ですが、こちらの品々に関しましては奥様がどうするか判断していただいてもよろしいですか?旦那様も、少し奥様には似合わない品を買ってしまったと言っていまして・・・おそらく、奥様にはお似合いにならない品々ですし。旦那様からも奥様が判断してかまわない聞いています。あぁ、そういえば奥様には妹君もいらっしゃるとか。ご実家に贈り物として送られてもいいですし、不必要であればこちらで対処しますし、いかがされますか?」
その言葉にルチアーナは驚きつつも、ありがたく思い、ジャンの仕分けたリストに目を通していく。
たしかに、購入した時にはジークと楽しくて面白くて勢いで勝ってしまったものも多くあった。
そしてリストにして見て見ると、思っていたよりもそうした物が多そうである。
だが、価値はあるものばかりだ。
いいのだろうかと内心思いながらも、せっかくの申し出をありがたく思い、ルチアーナはそれらの品々を実家へと送る事に決める。ただ、ジークに申し訳なく思えて、胸のあたりが痛む。
「いいのかしら・・・」
思わずそう呟くと、ジャンはにっこりとほほ笑みを浮かべて言った。
「奥様。奥様限定で、ジーク様は心の広い男ですから、いいのですよ。それにきっとご実家も喜ばれるのではないですか?」
その言葉に、ルチアーナは恐らく実家の事も調べられているのだろうなと感じながら、小さくため息をついた。
私は、悪い女になると決めたのよ。このくらい出来ないでどうするの。
そう心の中で思うと、ルチアーナはにっこりとほほ笑みを浮かべた。
「実家へ送ってくれるかしら?」
「かしこまりました。」
ジャンはルチアーナの部屋から出ると、くすりと笑みを浮かべた。
ジークの結婚相手がルチアーナに決まって良かった。見た目が人形のようだと貴族界で噂されるルチアーナだが、思っていた以上に表情豊かで、そしてジークの横にいる時には幸せそうに微笑む姿も見れた。
そしてジークも幸せそうに笑うのだ。
三年前、戦争に行く前にジークを絶望から救ってくれたルチアーナ。
彼女は気づいていないだろうが、三年前にルチアーナと出会っていなければジークは今笑顔ではいられなかったであろう。
「さぁ、仕事仕事。」
ジャンは不必要な品々の片付け先が決まったことににこにこ顔なのであった。
ちなみにだが、ジークが面白そうだと買い取った不必要な品々の中には、大切にすれば幸福を、粗末に扱えば不幸を与えると言われる人形や不吉な仮面が入っていたことを知るものはいない。
「まぁ!なんて可愛い人形かしら?!」
ナタリアはルチアーナから届けられた品々の中から、一際気に入った人形を抱きしめて、部屋に飾った。
「私にぴったりの可愛い人形ね。」
ナタリアが眠りに落ちた後、人形の緑の目が光ったとか、光らないとか・・・・。
ジーク曰く、途中から面白そうなものも買ったが、今考えるとルチアーナには似合わないモノも買ってしまったと少しばかり反省している様子であった。
宝石やドレスばかりではなく、恐らくはジークがおふざけで勝ったであろう不思議な仮面や人形など、価値は高いだろうが必要ではないであろう物。
それらをある程度仕分けて、ジャンはルチアーナの元へと向かった。
ノックをしてルチアーナの了解を取ってから部屋へと入ると、ジャンは仕分けた必要ないであろう品々のリストをルチアーナに手渡した。
「奥様。購入した品々ですが、こちらの品々に関しましては奥様がどうするか判断していただいてもよろしいですか?旦那様も、少し奥様には似合わない品を買ってしまったと言っていまして・・・おそらく、奥様にはお似合いにならない品々ですし。旦那様からも奥様が判断してかまわない聞いています。あぁ、そういえば奥様には妹君もいらっしゃるとか。ご実家に贈り物として送られてもいいですし、不必要であればこちらで対処しますし、いかがされますか?」
その言葉にルチアーナは驚きつつも、ありがたく思い、ジャンの仕分けたリストに目を通していく。
たしかに、購入した時にはジークと楽しくて面白くて勢いで勝ってしまったものも多くあった。
そしてリストにして見て見ると、思っていたよりもそうした物が多そうである。
だが、価値はあるものばかりだ。
いいのだろうかと内心思いながらも、せっかくの申し出をありがたく思い、ルチアーナはそれらの品々を実家へと送る事に決める。ただ、ジークに申し訳なく思えて、胸のあたりが痛む。
「いいのかしら・・・」
思わずそう呟くと、ジャンはにっこりとほほ笑みを浮かべて言った。
「奥様。奥様限定で、ジーク様は心の広い男ですから、いいのですよ。それにきっとご実家も喜ばれるのではないですか?」
その言葉に、ルチアーナは恐らく実家の事も調べられているのだろうなと感じながら、小さくため息をついた。
私は、悪い女になると決めたのよ。このくらい出来ないでどうするの。
そう心の中で思うと、ルチアーナはにっこりとほほ笑みを浮かべた。
「実家へ送ってくれるかしら?」
「かしこまりました。」
ジャンはルチアーナの部屋から出ると、くすりと笑みを浮かべた。
ジークの結婚相手がルチアーナに決まって良かった。見た目が人形のようだと貴族界で噂されるルチアーナだが、思っていた以上に表情豊かで、そしてジークの横にいる時には幸せそうに微笑む姿も見れた。
そしてジークも幸せそうに笑うのだ。
三年前、戦争に行く前にジークを絶望から救ってくれたルチアーナ。
彼女は気づいていないだろうが、三年前にルチアーナと出会っていなければジークは今笑顔ではいられなかったであろう。
「さぁ、仕事仕事。」
ジャンは不必要な品々の片付け先が決まったことににこにこ顔なのであった。
ちなみにだが、ジークが面白そうだと買い取った不必要な品々の中には、大切にすれば幸福を、粗末に扱えば不幸を与えると言われる人形や不吉な仮面が入っていたことを知るものはいない。
「まぁ!なんて可愛い人形かしら?!」
ナタリアはルチアーナから届けられた品々の中から、一際気に入った人形を抱きしめて、部屋に飾った。
「私にぴったりの可愛い人形ね。」
ナタリアが眠りに落ちた後、人形の緑の目が光ったとか、光らないとか・・・・。
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