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第二十八話
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フェイナは、ベッドに寝転び、自分の寝室でアーロについて考えていた。
自分の母親は、信頼できない人間を側に置くような人間ではない。だからこそ、どれだけアーロのことを自分の母親が信頼しているのかが分かった。
だが、フェイナが気になっているのはそんなことではない。
大っぴらに、あの母親が言ったのだ。
それにフェイナは違和感を覚えずにはいられなかった。
あの秘密主義者の母親が明らかにするということは、その裏に、何かがあるに決まっている。
フェイナは起き上がると、自室の扉を開け、廊下に待機していた女中を静かに手招きし、部屋へと引き入れた。
「なんでございましょうか?」
その女中は、フェイナが幼い頃から慕っていたアンナという女中であった。
「アンナ。服を脱いで頂戴。そして、貴方がこの服を来てわたくしの部屋にいるの。」
その言葉を聞いた途端、アンナは青ざめた。
「フェイナ様!私にはそのようなことできかねます。」
「お願いよ。これはこの国に関わってくることなの!」
「で・・・ですが・・・私には無理です。そのようなことをすれば、私はもうこの城で働かせていただけなくなります!」
「そんなことにはならないわ!わたくしが絶対にそうはさせません。お願いよ!お願い!」
潤んだ瞳でアンナはフェイナに説得され続けた。それでも、アンナは首を縦には振らなかったのだが何度も何度もフェイナに頭を下げられ、涙を見せられ、ついにアンナはひざをついて泣きながらフェイナの願を聞き届けることにした。
アンナは自分がどうなるのか覚悟した上で、服を脱ぎ、それをフェイナに手渡した。
眼は真っ赤に腫れ、瞳は涙であふれているが、その表情は覚悟を決めている様子であった。
「フェイナ様・・・・一つ約束してくださいませ。」
女中のメイド服を頭からかぶったフェイナの顔をジッとアンナは見つめ、はっきりとした口調で言った。
「絶対に戻ってきてくださいませ。貴方様はもうすぐ王となる身でございます。ご自愛ください。絶対に、戻ってきてくださいね!」
強く、しっかりとしたそのフェイナを心から心配する言葉に、フェイナはアンナの手を取ると握り、深々と頷いた。
「戻ってきます。あなたの期待を裏切らぬ王になるために、戻ってくるわ。ありがとうアンナ。」
アンナを自室に残し、フェイナは女中の格好をすると長い廊下を歩いていった。まずいくべきはフライ兄弟の所である。あの二人ならば何かを知っているかもしれない。
地下牢へは廊下の突き当たりにある扉を抜け、一度中庭に出てから地下へと通じる階段を降りていくと早い。
その道順をフェイナはよく知っていた。そこは昔、よく遊んでいた所であった。
城に捕らえられる者はほとんどいなかったため、地下牢が使われたことはフェイナが覚えている限りはなく、地下牢は子どものころのフェイナには良い遊び場だったのだ。
フェイナは階段を降りると、松明の焚かれている牢へと足を踏み入れた。だが、おかしなことに兵士はおらず、見張りもいないようであった。
フェイナがここにはいないのかと思ったときであった。奥の牢から声が聞こえた。
その声の主は、間違いなく、フライ兄弟であった。
「よかった。やっぱりここにいたのね。」
フェイナが女中の格好で現れたことにフライ兄弟は眼を丸くして驚いている。けれど、フェイナはそんなことは気にせずに、自分の聞きたいことだけを聞けるように厳しい口調で二人に言った。
「わたくしの質問だけに答えなさい。余計な事は言わずに結構です。」
その言葉は有無を言わせぬものがあり、二人はゴクリとつばを飲み込んだ。
「あなた方わたくしが玉座を離れた後もあの場にいたのでしょう?その時の会話を話なさい。」
けれどその質問は、バカな二人には少し難しかった。だが、二人はフェイナに頼まれたからと一生懸命に思い出そうと頭を抱え、そして思い出したことを言葉にした。
「えっと・・あの・・・縄を解いてもらって・・・・」
「それで・・・計画は・・・うまく・・・いってるとか・・そんな・・ことを」
フェイナには意味がわからなかった。
「ちょっと待って・・縄を解いてもらった?」
そんなことありえるはずがない。
この二人は自分を誘拐しようとした犯人である。そんな二人の縄を玉座の前で解くなどありえないことである。
一体どういうことなのだろうか。
「本当に・・解いてもらったんです・・・あの・・・あの男の方が俺達に・・貴方を捕らえたら空を自由に飛べるようになるって・・・言った人です。」
「その男は・・仮面をつけていた。」
「仮面?・・・どんな仮面?」
「黒の仮面です。顔の上だけかくれる。」
「え?」
一瞬、トイの姿が思い浮かんだが、あの場にいたのはアーロと母だけである。そんなはずがない。
「ねぇ、その仮面の男って誰のことをいっているの?」
「え?・・・いや・・・分からない・・・・」
「名前は・・覚えてない。」
二人はバカだった。だから、記憶力に乏しいのである。
「そう・・・」
フライ兄弟は身を寄せ合いながら、びくびくとした様子で言った。
「嘘は・・ついてないです。」
「許してください。俺達・・空を飛びたかっただけなんです・・・すみません・・すみません。」
頭を床に何度もつけながらそう言うフライ兄弟を見つめていたフェイナは、胸の中に罪悪感を覚えずにはいられなかった。
王がいるから、空を飛べないのである。
それが、フェイナには辛かった。
「・・わたくしがこの国を変えます。すぐにとはいかないかもしれないけれど、わたくしが空を自由に飛べる時代を作ります。ですから、待っていてください。」
フライ兄弟は呆然とした様子でフェイナを見上げていた。
フェイナはそれ以上何も言わずにその場から立ち去ると、階段を上がっていった。
変えなければいけないのである。
時代はどんどんと進んでいく。
ならば、自分達も進まなければならない。
フェイナはそう思い、母に頭の中で何を言うか決めていた。だが、階段を上がりきり、光が見えた瞬間に人影にそれを阻まれた。
そこにはアーロがたっていた。
緊張が前身を走っていくのを感じた。この男が自分を誘拐しようとした張本人の可能性が高い今、どうにかこの男から逃げる道を見つけなければならない。
しかし、予想外にもアーロはフェイナの前に膝をついた。
「こんなところにおいでとは思いもいたしませんでした。」
その姿は本当に忠誠心に満ちているようであり、フェイナは危うく騙されそうになってしまう。そのため、表情を強張らせずにはいられなかった。
「わたくしがどこにいようが、わたくしの勝手です。」
「ですが、そのような格好で城内をうろつくのは貴方の立場からして、あまりお勧めは出来かねます。」
「貴方もなのではなくて?」
「これは一本とられましたね。あっはは。」
「ふふふ。」
二人は笑い声を立てた。だが、その眼は笑っていない。
二人の間には緊張に満ちた冷たい空気が流れていく。
アーロは、小さく息を吐くと、笑みを消した。
「フェイティリア様。貴方様に、お伝えせねばならぬ事があるのです。」
「なにかしら?」
「・・・貴方が、私の息子を信じている事は存じております。ですが・・・誠に残念なことをお伝えせねばならないのです。」
「だから何なのです?」
「私の息子は、この国に反旗を翻そうともくろんでおります。」
「は?」
フェイナは、アーロが何を言おうとしているのか理解に苦しんだ。トイが反旗を翻す?そんなことありえない。
そんなフェイナの心を読んだかのようにアーロは言った。
「フライ兄弟・・・仮面の男の話など・・・しませんでしたかな?」
「え?」
フェイナは動揺を隠せなかった。
「実は先ほど、トイが現れあの二人を逃がそうとしたのですよ。」
一体何をこの男は言っているのだろうか。
フェイナは煩いくらいに心臓がなっているのを感じた。
トイが城に現れた?そんなはずがない。トイは今まだ竜の民の所にいるはずだ。
「貴方はトイを信じているようですが、私は信じていません。」
その辛辣な言葉に、フェイナは憤慨した。
「なっ・・・あなたの息子でしょう!なんということを言うのですか!」
父が息子を信じないなど、なんということかとフェイナはその時は思っていた。だが、次の言葉を聞いた瞬間に、言葉を失う。
「あいつは・・・・・実の所・・・私の息子ではないのです。」
「え?」
「あれは・・・・我が妹の息子であり・・・父は・・・竜なのです。」
何もいえなかった。
アーロは何を言っているのであろうか。
思考回路が途絶え、頭の中が真っ白になったのだ。
トイが、竜の息子?
「私の妹は、とある理由でトイを育てられず、私に預けたのです。竜と人の間に生まれた子どもとバレでもしたら、トイの人生は狂ってしまうと思い、今まで育ててきたのです。ですがアイツは・・・・竜と結託し、この国に宣戦布告してきているのです。」
「そ・・・それは何かの間違いです!・・トイが・・・竜の息子だとか・・そんなことわたくしは知りません。それに、竜が宣戦布告するなど・・・ありえません!わたくしは先ほどまで竜の民の所にいたのです。だからはっきりという事が出来ます!」
「だから言っているでしょう。貴方は、騙されたのですよ。全てはトイの策略なのです。」
「わたくしは、トイを信じています!」
「ごめんねフェイナ。」
不意に聞こえた、聞き覚えのある声にフェイナは反応することができなかった。
アーロはゆっくりと、生垣の先にある塀の上に座る人物に目をやった。
そこには、仮面を付けた少年と、見知らぬ男が立っていた。
自分の母親は、信頼できない人間を側に置くような人間ではない。だからこそ、どれだけアーロのことを自分の母親が信頼しているのかが分かった。
だが、フェイナが気になっているのはそんなことではない。
大っぴらに、あの母親が言ったのだ。
それにフェイナは違和感を覚えずにはいられなかった。
あの秘密主義者の母親が明らかにするということは、その裏に、何かがあるに決まっている。
フェイナは起き上がると、自室の扉を開け、廊下に待機していた女中を静かに手招きし、部屋へと引き入れた。
「なんでございましょうか?」
その女中は、フェイナが幼い頃から慕っていたアンナという女中であった。
「アンナ。服を脱いで頂戴。そして、貴方がこの服を来てわたくしの部屋にいるの。」
その言葉を聞いた途端、アンナは青ざめた。
「フェイナ様!私にはそのようなことできかねます。」
「お願いよ。これはこの国に関わってくることなの!」
「で・・・ですが・・・私には無理です。そのようなことをすれば、私はもうこの城で働かせていただけなくなります!」
「そんなことにはならないわ!わたくしが絶対にそうはさせません。お願いよ!お願い!」
潤んだ瞳でアンナはフェイナに説得され続けた。それでも、アンナは首を縦には振らなかったのだが何度も何度もフェイナに頭を下げられ、涙を見せられ、ついにアンナはひざをついて泣きながらフェイナの願を聞き届けることにした。
アンナは自分がどうなるのか覚悟した上で、服を脱ぎ、それをフェイナに手渡した。
眼は真っ赤に腫れ、瞳は涙であふれているが、その表情は覚悟を決めている様子であった。
「フェイナ様・・・・一つ約束してくださいませ。」
女中のメイド服を頭からかぶったフェイナの顔をジッとアンナは見つめ、はっきりとした口調で言った。
「絶対に戻ってきてくださいませ。貴方様はもうすぐ王となる身でございます。ご自愛ください。絶対に、戻ってきてくださいね!」
強く、しっかりとしたそのフェイナを心から心配する言葉に、フェイナはアンナの手を取ると握り、深々と頷いた。
「戻ってきます。あなたの期待を裏切らぬ王になるために、戻ってくるわ。ありがとうアンナ。」
アンナを自室に残し、フェイナは女中の格好をすると長い廊下を歩いていった。まずいくべきはフライ兄弟の所である。あの二人ならば何かを知っているかもしれない。
地下牢へは廊下の突き当たりにある扉を抜け、一度中庭に出てから地下へと通じる階段を降りていくと早い。
その道順をフェイナはよく知っていた。そこは昔、よく遊んでいた所であった。
城に捕らえられる者はほとんどいなかったため、地下牢が使われたことはフェイナが覚えている限りはなく、地下牢は子どものころのフェイナには良い遊び場だったのだ。
フェイナは階段を降りると、松明の焚かれている牢へと足を踏み入れた。だが、おかしなことに兵士はおらず、見張りもいないようであった。
フェイナがここにはいないのかと思ったときであった。奥の牢から声が聞こえた。
その声の主は、間違いなく、フライ兄弟であった。
「よかった。やっぱりここにいたのね。」
フェイナが女中の格好で現れたことにフライ兄弟は眼を丸くして驚いている。けれど、フェイナはそんなことは気にせずに、自分の聞きたいことだけを聞けるように厳しい口調で二人に言った。
「わたくしの質問だけに答えなさい。余計な事は言わずに結構です。」
その言葉は有無を言わせぬものがあり、二人はゴクリとつばを飲み込んだ。
「あなた方わたくしが玉座を離れた後もあの場にいたのでしょう?その時の会話を話なさい。」
けれどその質問は、バカな二人には少し難しかった。だが、二人はフェイナに頼まれたからと一生懸命に思い出そうと頭を抱え、そして思い出したことを言葉にした。
「えっと・・あの・・・縄を解いてもらって・・・・」
「それで・・・計画は・・・うまく・・・いってるとか・・そんな・・ことを」
フェイナには意味がわからなかった。
「ちょっと待って・・縄を解いてもらった?」
そんなことありえるはずがない。
この二人は自分を誘拐しようとした犯人である。そんな二人の縄を玉座の前で解くなどありえないことである。
一体どういうことなのだろうか。
「本当に・・解いてもらったんです・・・あの・・・あの男の方が俺達に・・貴方を捕らえたら空を自由に飛べるようになるって・・・言った人です。」
「その男は・・仮面をつけていた。」
「仮面?・・・どんな仮面?」
「黒の仮面です。顔の上だけかくれる。」
「え?」
一瞬、トイの姿が思い浮かんだが、あの場にいたのはアーロと母だけである。そんなはずがない。
「ねぇ、その仮面の男って誰のことをいっているの?」
「え?・・・いや・・・分からない・・・・」
「名前は・・覚えてない。」
二人はバカだった。だから、記憶力に乏しいのである。
「そう・・・」
フライ兄弟は身を寄せ合いながら、びくびくとした様子で言った。
「嘘は・・ついてないです。」
「許してください。俺達・・空を飛びたかっただけなんです・・・すみません・・すみません。」
頭を床に何度もつけながらそう言うフライ兄弟を見つめていたフェイナは、胸の中に罪悪感を覚えずにはいられなかった。
王がいるから、空を飛べないのである。
それが、フェイナには辛かった。
「・・わたくしがこの国を変えます。すぐにとはいかないかもしれないけれど、わたくしが空を自由に飛べる時代を作ります。ですから、待っていてください。」
フライ兄弟は呆然とした様子でフェイナを見上げていた。
フェイナはそれ以上何も言わずにその場から立ち去ると、階段を上がっていった。
変えなければいけないのである。
時代はどんどんと進んでいく。
ならば、自分達も進まなければならない。
フェイナはそう思い、母に頭の中で何を言うか決めていた。だが、階段を上がりきり、光が見えた瞬間に人影にそれを阻まれた。
そこにはアーロがたっていた。
緊張が前身を走っていくのを感じた。この男が自分を誘拐しようとした張本人の可能性が高い今、どうにかこの男から逃げる道を見つけなければならない。
しかし、予想外にもアーロはフェイナの前に膝をついた。
「こんなところにおいでとは思いもいたしませんでした。」
その姿は本当に忠誠心に満ちているようであり、フェイナは危うく騙されそうになってしまう。そのため、表情を強張らせずにはいられなかった。
「わたくしがどこにいようが、わたくしの勝手です。」
「ですが、そのような格好で城内をうろつくのは貴方の立場からして、あまりお勧めは出来かねます。」
「貴方もなのではなくて?」
「これは一本とられましたね。あっはは。」
「ふふふ。」
二人は笑い声を立てた。だが、その眼は笑っていない。
二人の間には緊張に満ちた冷たい空気が流れていく。
アーロは、小さく息を吐くと、笑みを消した。
「フェイティリア様。貴方様に、お伝えせねばならぬ事があるのです。」
「なにかしら?」
「・・・貴方が、私の息子を信じている事は存じております。ですが・・・誠に残念なことをお伝えせねばならないのです。」
「だから何なのです?」
「私の息子は、この国に反旗を翻そうともくろんでおります。」
「は?」
フェイナは、アーロが何を言おうとしているのか理解に苦しんだ。トイが反旗を翻す?そんなことありえない。
そんなフェイナの心を読んだかのようにアーロは言った。
「フライ兄弟・・・仮面の男の話など・・・しませんでしたかな?」
「え?」
フェイナは動揺を隠せなかった。
「実は先ほど、トイが現れあの二人を逃がそうとしたのですよ。」
一体何をこの男は言っているのだろうか。
フェイナは煩いくらいに心臓がなっているのを感じた。
トイが城に現れた?そんなはずがない。トイは今まだ竜の民の所にいるはずだ。
「貴方はトイを信じているようですが、私は信じていません。」
その辛辣な言葉に、フェイナは憤慨した。
「なっ・・・あなたの息子でしょう!なんということを言うのですか!」
父が息子を信じないなど、なんということかとフェイナはその時は思っていた。だが、次の言葉を聞いた瞬間に、言葉を失う。
「あいつは・・・・・実の所・・・私の息子ではないのです。」
「え?」
「あれは・・・・我が妹の息子であり・・・父は・・・竜なのです。」
何もいえなかった。
アーロは何を言っているのであろうか。
思考回路が途絶え、頭の中が真っ白になったのだ。
トイが、竜の息子?
「私の妹は、とある理由でトイを育てられず、私に預けたのです。竜と人の間に生まれた子どもとバレでもしたら、トイの人生は狂ってしまうと思い、今まで育ててきたのです。ですがアイツは・・・・竜と結託し、この国に宣戦布告してきているのです。」
「そ・・・それは何かの間違いです!・・トイが・・・竜の息子だとか・・そんなことわたくしは知りません。それに、竜が宣戦布告するなど・・・ありえません!わたくしは先ほどまで竜の民の所にいたのです。だからはっきりという事が出来ます!」
「だから言っているでしょう。貴方は、騙されたのですよ。全てはトイの策略なのです。」
「わたくしは、トイを信じています!」
「ごめんねフェイナ。」
不意に聞こえた、聞き覚えのある声にフェイナは反応することができなかった。
アーロはゆっくりと、生垣の先にある塀の上に座る人物に目をやった。
そこには、仮面を付けた少年と、見知らぬ男が立っていた。
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