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新六話
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さすがのダルタシスも、突然そう言われれば不快に思うのもしかたない。だがさすがに真摯なダルタシスである。その時も、落ち着き払った様子で言った。
「ほう。そのように堂々といえるならば、私に教えてはいただけないかね?」
トイは項垂れたまま顔を上げる事が出来なかった。
「民はいずれ世代が交代していくということです。」
「は?」
もうだめだ。
トイはそう思った。またきっとあのわけの分からない話をし始めるのであろう。そうなれば一貫の終わりである。いや、もしかしたらここからどうにか挽回する事が出来るかもしれない。トイはそう思い顔をあげ、言葉を述べようとしたが、またもフェイナが話し始めたのである。
「民は子を生み、育て、そして自らの学んできたことを子に伝えます。そして子は大人となり町を支える一人となるのです。」
思っていたよりも、フェイナはまともに話していた。
そして、何よりもトイを黙らせたのは、その傲慢なまでにはっきりしたもののいいようと、人に有無を言わせぬようなその態度であった。
「その大人が身近にいない現状が何故よいといえるのでしょうか!それ以前に、その民の子の一人の訴えを聞けぬものが、民のためとよく言えたものです。貴殿は現在のことばかりに目を向けていますが、未来を支える環境を整えるのも領主の役目!それこそ最も大切なことではないのですか!」
ダルタシスは呆然とし、だがハッとすると、考え込むように深く息をついた。
一瞬の間ではあるが、この少女に圧倒されたダルタシスは、この少女がただの町娘ではないことには気付いていた。けれど、誰かは分からない。その上、今はそれ以上にその少女に言われた言葉が胸を突いていた。
だが、ならばどうすればいいのか。
ダルタシスは頭を押さえると、この町の情勢について考えていた。
ダルタシスがこの町に来て最も驚いたことは、前領主が町の民へなんの手立ても打っていなかったということである。だからこそ、自分はそうなるまいといろいろな政策を打ち立ててきた。だが、それが仇となったのだ。
生活苦が改善されるよう、物の流通を上手く利用し商売の町にしていこうと民を指導し、そして多くのことを学ばせた。そして適性検査の後に合うであろう職業へと促したのである。確かに楽ではなかっただろう。だが民は、生活苦が改善されていくうちにこちらを信頼してくれたのである。だが、信頼を、次世代の子どもたちからは得てはいなかったのだということに、ダルタシスはこの少女によって気付かされた。
年下の者に言い当てられるということほど、気分を害すものは無い。
ダルタシスは言葉を失っていた。
トイは立ち上がると、マントを床に広げた。
青いマントからはシャボン玉があがりはじめ、おもちゃたちが飛び出す。そしてラッパを吹き鳴らしながら楽しげな音楽を奏でていく。
とても陽気で、楽しい音楽と、可愛らしいおもちゃたちの空中での行進にダルタシスは目を奪われ、そしていつの間にか笑みを浮かべていた。
気がつけば憤りのような感情がすっと流れ、おもちゃを子どものころのようにワクワクとした気持ちで見つめている自分がいた。
そして思い出す。
小さな頃の両親との会話、笑顔、たくさんのおもちゃの数々。
両親のそろえてくれるおもちゃはとても面白いものばかりだった。けれど不意に思い出す。おもちゃ以上に嬉しかったものを。
ダルタシスは、トイの方へと視線を移すと笑みを浮べゆっくりと頷いた。
トイは笑みを返し、そして一つのシャボン玉を手に取ると、それをダルタシスのほうへ飛ばした。
シャボン玉はふわふわと飛び、ダルタシスの眼前でパチンと音を立てて割れた。
目の前に現れたのは、ダルタシスの故郷にしかないガティエというカエルの形をしたおもちゃであった。
懐かしさを感じつつ、ダルタシスはそれを手にとった。
「私の故郷をよく知っていたね。」
「おもちゃが貴方を選んだんです。僕は何もしていませんよ。」
ダルタシスは歯を見せ笑うと、ジートのほうへと視線を移した。
「キミの意見を取り入れ、政策を良い方向へと進めていけるよう検討しよう。」
ジートはそれを聞き、キラキラと瞳を輝かした。フェイナもそれに喜び完成の声を上げている。だが、その瞬間に、ダルタシスの口調は厳しくなった。
「だがキミは、もう少し口を慎むべきだ。」
それにフェイナは憤然とし、言い返そうと口を開きかけたのだが、ダルタシスの言葉を聞きその言葉を飲み込んだ。
「もし、あなたが素性を誰にもばれたくないと思うならば・・の話だがね。」
フェイナは驚きの表情を浮かべていた。
この時、ダルタシスにはフェイナが誰かなど検討もついていなかった。だがしかし、ダルタシスには分かっていた。
身分の高きものゆえの傲慢。
それは空気で伝わるのだ。
「あと、トイに感謝するといい。もし、トイがいなければ私はキミが誰であろうとこの場でその素性を明かさせていただろう。」
「何故私が感謝せねばならぬのです。」
ダルタシスは笑みを浮かべた。
「キミが子どもだからだよ。では、悪いがキミたち二人は出て客間で待っていてくれたまえ。トイにはもう少しこの不思議なおもちゃを見せてもらいたい。」
「もちろんでございます。」
トイはそういうと恭しく頭を下げた。そして、納得しないフェイナを自らのおもちゃたちをつかい外へと押しやったのである。ジートはその後ろからいそいそとついていっている。
フェイナは何かを叫ぼうとしたのだが、それもトイのおもちゃが塞いだ。
それから三十分あまり、フェイナとジートは客間で待たされた。
そしてやっとトイが出てきたと思うと、ダルタシスはフェイナとジートには会いもしなかったのである。
トイは報酬を執事から受け取り、三人は屋敷を後にすることとなった。
帰り道、ジートは意気揚々としていたが、フェイナの怒りは収まっていなかった。
「失礼にもほどがあります。挨拶もしないなんて・・あんまりではなくって?」
そういった愚痴を延々と呟いているのである。
トイは、ずっとそれに我慢して付き合っていた。
ジートはその姿を時折横目で見つめながら、どうしてトイはこんなにも大人しく話を聞いているのかと不思議に思っていた。
「トイ!本当にありがとうね!」
子どもたちの秘密の隠れ家、通称“基地”と呼ばれる場所につくころにはすっかり夜はふけていた。ジートは子どもたち皆にことの全容を話し、その上でトイにお礼を述べたのである。もちろんフェイナにもお礼を述べたのだが、フェイナにちゃんとその声が届いていたかどうかは分からない。それほどフェイナは怒りに怒っていた。
「いいんだ。ジート。キミたちは一度家に帰ったほうがいい。あの領主様は本当に優秀な方だよ。今までいろんな町を回ってきたが、あれほど若く、聡明で、民の声を聞いてくれる領主はいないだろう。」
ジートたちは頷いたのだが、フェイナだけはそれに反応し怒鳴り声をあげた。
「あんな領主!どこが聡明なのですか!」
その言葉に、トイはフェイナに静かに述べた。
「年下の生意気な言葉に耳を傾けた。それだけで僕は彼が大人で冷静で真摯な方であると思うけれど?」
「わたくしに反論するの!?」
「キミは僕の主人でもなんでもないんだ。もちろん反論する。」
フェイナは唇を噛むと拳を強く握り、声を更に荒げた。
「無礼な!わたくしを誰だと思っているのですか!」
「ならば聞くけれど、キミは僕が誰か知っているのかい?」
子どもたちはびくびくとした様子でその二人の攻防を見つめていた。
フェイナは壁を思い切り強く叩くと、はっきりとした口調で述べた。
「貴方が何者かなど知りたくもありません!わたくし以上に高貴な人間などいないのですから貴方は私に反論するなど許されないのです!」
なんという言葉であろうか。
トイは頭が痛くなった。
だが、普通の人間ならばフェイナに言いくるめられていたかもしれない。それほどフェイナには人を屈服させる能力があるのである。
だが、トイは引かない。
「僕は誰にも服従などしない。たとえキミでもだ。」
「わ・・・・わたくしはフリュンゲル国第一王女、フリュンゲル=エレノア=フェイティリア。時期王となる身です!そのわたくしに従えないというのですか!」
その言葉に、子ども達は息を飲んだ。
「ほう。そのように堂々といえるならば、私に教えてはいただけないかね?」
トイは項垂れたまま顔を上げる事が出来なかった。
「民はいずれ世代が交代していくということです。」
「は?」
もうだめだ。
トイはそう思った。またきっとあのわけの分からない話をし始めるのであろう。そうなれば一貫の終わりである。いや、もしかしたらここからどうにか挽回する事が出来るかもしれない。トイはそう思い顔をあげ、言葉を述べようとしたが、またもフェイナが話し始めたのである。
「民は子を生み、育て、そして自らの学んできたことを子に伝えます。そして子は大人となり町を支える一人となるのです。」
思っていたよりも、フェイナはまともに話していた。
そして、何よりもトイを黙らせたのは、その傲慢なまでにはっきりしたもののいいようと、人に有無を言わせぬようなその態度であった。
「その大人が身近にいない現状が何故よいといえるのでしょうか!それ以前に、その民の子の一人の訴えを聞けぬものが、民のためとよく言えたものです。貴殿は現在のことばかりに目を向けていますが、未来を支える環境を整えるのも領主の役目!それこそ最も大切なことではないのですか!」
ダルタシスは呆然とし、だがハッとすると、考え込むように深く息をついた。
一瞬の間ではあるが、この少女に圧倒されたダルタシスは、この少女がただの町娘ではないことには気付いていた。けれど、誰かは分からない。その上、今はそれ以上にその少女に言われた言葉が胸を突いていた。
だが、ならばどうすればいいのか。
ダルタシスは頭を押さえると、この町の情勢について考えていた。
ダルタシスがこの町に来て最も驚いたことは、前領主が町の民へなんの手立ても打っていなかったということである。だからこそ、自分はそうなるまいといろいろな政策を打ち立ててきた。だが、それが仇となったのだ。
生活苦が改善されるよう、物の流通を上手く利用し商売の町にしていこうと民を指導し、そして多くのことを学ばせた。そして適性検査の後に合うであろう職業へと促したのである。確かに楽ではなかっただろう。だが民は、生活苦が改善されていくうちにこちらを信頼してくれたのである。だが、信頼を、次世代の子どもたちからは得てはいなかったのだということに、ダルタシスはこの少女によって気付かされた。
年下の者に言い当てられるということほど、気分を害すものは無い。
ダルタシスは言葉を失っていた。
トイは立ち上がると、マントを床に広げた。
青いマントからはシャボン玉があがりはじめ、おもちゃたちが飛び出す。そしてラッパを吹き鳴らしながら楽しげな音楽を奏でていく。
とても陽気で、楽しい音楽と、可愛らしいおもちゃたちの空中での行進にダルタシスは目を奪われ、そしていつの間にか笑みを浮かべていた。
気がつけば憤りのような感情がすっと流れ、おもちゃを子どものころのようにワクワクとした気持ちで見つめている自分がいた。
そして思い出す。
小さな頃の両親との会話、笑顔、たくさんのおもちゃの数々。
両親のそろえてくれるおもちゃはとても面白いものばかりだった。けれど不意に思い出す。おもちゃ以上に嬉しかったものを。
ダルタシスは、トイの方へと視線を移すと笑みを浮べゆっくりと頷いた。
トイは笑みを返し、そして一つのシャボン玉を手に取ると、それをダルタシスのほうへ飛ばした。
シャボン玉はふわふわと飛び、ダルタシスの眼前でパチンと音を立てて割れた。
目の前に現れたのは、ダルタシスの故郷にしかないガティエというカエルの形をしたおもちゃであった。
懐かしさを感じつつ、ダルタシスはそれを手にとった。
「私の故郷をよく知っていたね。」
「おもちゃが貴方を選んだんです。僕は何もしていませんよ。」
ダルタシスは歯を見せ笑うと、ジートのほうへと視線を移した。
「キミの意見を取り入れ、政策を良い方向へと進めていけるよう検討しよう。」
ジートはそれを聞き、キラキラと瞳を輝かした。フェイナもそれに喜び完成の声を上げている。だが、その瞬間に、ダルタシスの口調は厳しくなった。
「だがキミは、もう少し口を慎むべきだ。」
それにフェイナは憤然とし、言い返そうと口を開きかけたのだが、ダルタシスの言葉を聞きその言葉を飲み込んだ。
「もし、あなたが素性を誰にもばれたくないと思うならば・・の話だがね。」
フェイナは驚きの表情を浮かべていた。
この時、ダルタシスにはフェイナが誰かなど検討もついていなかった。だがしかし、ダルタシスには分かっていた。
身分の高きものゆえの傲慢。
それは空気で伝わるのだ。
「あと、トイに感謝するといい。もし、トイがいなければ私はキミが誰であろうとこの場でその素性を明かさせていただろう。」
「何故私が感謝せねばならぬのです。」
ダルタシスは笑みを浮かべた。
「キミが子どもだからだよ。では、悪いがキミたち二人は出て客間で待っていてくれたまえ。トイにはもう少しこの不思議なおもちゃを見せてもらいたい。」
「もちろんでございます。」
トイはそういうと恭しく頭を下げた。そして、納得しないフェイナを自らのおもちゃたちをつかい外へと押しやったのである。ジートはその後ろからいそいそとついていっている。
フェイナは何かを叫ぼうとしたのだが、それもトイのおもちゃが塞いだ。
それから三十分あまり、フェイナとジートは客間で待たされた。
そしてやっとトイが出てきたと思うと、ダルタシスはフェイナとジートには会いもしなかったのである。
トイは報酬を執事から受け取り、三人は屋敷を後にすることとなった。
帰り道、ジートは意気揚々としていたが、フェイナの怒りは収まっていなかった。
「失礼にもほどがあります。挨拶もしないなんて・・あんまりではなくって?」
そういった愚痴を延々と呟いているのである。
トイは、ずっとそれに我慢して付き合っていた。
ジートはその姿を時折横目で見つめながら、どうしてトイはこんなにも大人しく話を聞いているのかと不思議に思っていた。
「トイ!本当にありがとうね!」
子どもたちの秘密の隠れ家、通称“基地”と呼ばれる場所につくころにはすっかり夜はふけていた。ジートは子どもたち皆にことの全容を話し、その上でトイにお礼を述べたのである。もちろんフェイナにもお礼を述べたのだが、フェイナにちゃんとその声が届いていたかどうかは分からない。それほどフェイナは怒りに怒っていた。
「いいんだ。ジート。キミたちは一度家に帰ったほうがいい。あの領主様は本当に優秀な方だよ。今までいろんな町を回ってきたが、あれほど若く、聡明で、民の声を聞いてくれる領主はいないだろう。」
ジートたちは頷いたのだが、フェイナだけはそれに反応し怒鳴り声をあげた。
「あんな領主!どこが聡明なのですか!」
その言葉に、トイはフェイナに静かに述べた。
「年下の生意気な言葉に耳を傾けた。それだけで僕は彼が大人で冷静で真摯な方であると思うけれど?」
「わたくしに反論するの!?」
「キミは僕の主人でもなんでもないんだ。もちろん反論する。」
フェイナは唇を噛むと拳を強く握り、声を更に荒げた。
「無礼な!わたくしを誰だと思っているのですか!」
「ならば聞くけれど、キミは僕が誰か知っているのかい?」
子どもたちはびくびくとした様子でその二人の攻防を見つめていた。
フェイナは壁を思い切り強く叩くと、はっきりとした口調で述べた。
「貴方が何者かなど知りたくもありません!わたくし以上に高貴な人間などいないのですから貴方は私に反論するなど許されないのです!」
なんという言葉であろうか。
トイは頭が痛くなった。
だが、普通の人間ならばフェイナに言いくるめられていたかもしれない。それほどフェイナには人を屈服させる能力があるのである。
だが、トイは引かない。
「僕は誰にも服従などしない。たとえキミでもだ。」
「わ・・・・わたくしはフリュンゲル国第一王女、フリュンゲル=エレノア=フェイティリア。時期王となる身です!そのわたくしに従えないというのですか!」
その言葉に、子ども達は息を飲んだ。
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