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五話 面白くてしょうがない
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貴方は、貴方の両親に何と説明したのでしょうか。
貴方の両親は、私が怪我をしているのを知っていても、何も言う事はありませんでした。
そして貴方がどう説明したのかわかりませんが、いつの間にか、ミリアーナ様と貴方の事を私のせいだと言うようになりました。
貴方が悪い。
貴方が嫁いできてからあの子はおかしくなった。
貴方との間に子どもが出来ないから、あの子は浮気をするしかなかった。
私は、貴方に酷く心も体も傷つけられて、何が本当で、何が現実か訳が分からなくなった。
そして、嬉しそうな顔で言われた言葉に私は笑い声をあげるしかなくなりました。
「ミリアーナ嬢が妊娠したらしいわ。本当に、貴方ってぐずよねぇ。浮気相手に先を越されるなんて。」
やっと妊娠したの?
きっとたくさん励んだのでしょう?
何て気持ちの悪い。
私が大きな笑い声をあげると、貴方の両親は私がおかしくなったと思って何も言わなくなったわ。それ以来私は会うのをやめたから、もう、何を考えているのかは分からないけれど、待望のお子様が生まれてよかったわねって私は笑ってあげたの。
だって、貴方と私の間に子どもが出来るわけがないじゃない。
白い結婚で何もしていないのに、子どもが出来るわけがないでしょう?
それなのに貴方の両親ったらずっとずっとずーっと私に言い続けるのだもの。馬鹿じゃないのかしらって最後には思ったわ。
そして笑ったら何だか私も諦めがついたのよ。
私はね、死ぬことを諦めたの。
だって死にたいって思っても、貴方が死なせてくれないのだもの。
ならしょうがないでしょう?
なら、もう、諦めるしかないでしょう?
貴方ってば。子どもが出来てからは苛立つことが少なくなったのか、私の所に来る回数が減ったわよね。愛する人のことは大切なのねって、私としてもありがたかったわ。
だって痛い思い何てしたくないもの。
貴方なんて大嫌い。
貴方なんて死ねばいい。
私の前に二度と現れてほしくなかったのに、貴方はたまに来るのよ。
私は貴方にどんなに殴られても、蹴られても、もう悲鳴も泣き言も言わないって決めたの。だって死ねないもの。なら、感情なんていらないでしょう?
どんなに懇願しても、貴方は私を死なせてはくれない。
それが分かったから。
けれどね、私の中にはまだ恐怖が残っていたみたい。貴方が、ミリーアーナ様を夜に妊娠中だから抱けなくなって、私を性のはけ口にしようとしているかもしれないって気づいた時はぞっとしたわ。
どれだけミリアーナ様を毎日抱いていたのかしら?
いえ、体におぼれていたからこそ、愛していたのかしら?
それは分からないけれど、貴方が性欲を発散する場所を探しているのに気づいて、私はやっと気づいたのよ。
もういやだって。
逃げなくちゃって。
ここにいてもどうせ死ねないし、貴方に殴られるか、蹴られるか、最悪の場合貴方の夜の相手をしなくてはならなくなるのでしょう?
そんなのはうんざり。
吐き気しかないわ。
貴方私が逃げないと思っていたのでしょう?最初のころと比べて見張りはいなくなったし、私は今しかチャンスはないと思ったわ。
だから、逃げることを決意したの。
私だって貴族だもの。外に女の身一つで出ればどれだけ危ない、危険な目に合うかなんて分かっていたわ。
でも、無理よ。
貴方以外に抱かれて殺される方が、まだ我慢できるわ。
絶対に、貴方にだけは、指一本触れて何てほしくない。
だから私は、夜、一人で逃げることに決めたの。
貴方の両親は、私が怪我をしているのを知っていても、何も言う事はありませんでした。
そして貴方がどう説明したのかわかりませんが、いつの間にか、ミリアーナ様と貴方の事を私のせいだと言うようになりました。
貴方が悪い。
貴方が嫁いできてからあの子はおかしくなった。
貴方との間に子どもが出来ないから、あの子は浮気をするしかなかった。
私は、貴方に酷く心も体も傷つけられて、何が本当で、何が現実か訳が分からなくなった。
そして、嬉しそうな顔で言われた言葉に私は笑い声をあげるしかなくなりました。
「ミリアーナ嬢が妊娠したらしいわ。本当に、貴方ってぐずよねぇ。浮気相手に先を越されるなんて。」
やっと妊娠したの?
きっとたくさん励んだのでしょう?
何て気持ちの悪い。
私が大きな笑い声をあげると、貴方の両親は私がおかしくなったと思って何も言わなくなったわ。それ以来私は会うのをやめたから、もう、何を考えているのかは分からないけれど、待望のお子様が生まれてよかったわねって私は笑ってあげたの。
だって、貴方と私の間に子どもが出来るわけがないじゃない。
白い結婚で何もしていないのに、子どもが出来るわけがないでしょう?
それなのに貴方の両親ったらずっとずっとずーっと私に言い続けるのだもの。馬鹿じゃないのかしらって最後には思ったわ。
そして笑ったら何だか私も諦めがついたのよ。
私はね、死ぬことを諦めたの。
だって死にたいって思っても、貴方が死なせてくれないのだもの。
ならしょうがないでしょう?
なら、もう、諦めるしかないでしょう?
貴方ってば。子どもが出来てからは苛立つことが少なくなったのか、私の所に来る回数が減ったわよね。愛する人のことは大切なのねって、私としてもありがたかったわ。
だって痛い思い何てしたくないもの。
貴方なんて大嫌い。
貴方なんて死ねばいい。
私の前に二度と現れてほしくなかったのに、貴方はたまに来るのよ。
私は貴方にどんなに殴られても、蹴られても、もう悲鳴も泣き言も言わないって決めたの。だって死ねないもの。なら、感情なんていらないでしょう?
どんなに懇願しても、貴方は私を死なせてはくれない。
それが分かったから。
けれどね、私の中にはまだ恐怖が残っていたみたい。貴方が、ミリーアーナ様を夜に妊娠中だから抱けなくなって、私を性のはけ口にしようとしているかもしれないって気づいた時はぞっとしたわ。
どれだけミリアーナ様を毎日抱いていたのかしら?
いえ、体におぼれていたからこそ、愛していたのかしら?
それは分からないけれど、貴方が性欲を発散する場所を探しているのに気づいて、私はやっと気づいたのよ。
もういやだって。
逃げなくちゃって。
ここにいてもどうせ死ねないし、貴方に殴られるか、蹴られるか、最悪の場合貴方の夜の相手をしなくてはならなくなるのでしょう?
そんなのはうんざり。
吐き気しかないわ。
貴方私が逃げないと思っていたのでしょう?最初のころと比べて見張りはいなくなったし、私は今しかチャンスはないと思ったわ。
だから、逃げることを決意したの。
私だって貴族だもの。外に女の身一つで出ればどれだけ危ない、危険な目に合うかなんて分かっていたわ。
でも、無理よ。
貴方以外に抱かれて殺される方が、まだ我慢できるわ。
絶対に、貴方にだけは、指一本触れて何てほしくない。
だから私は、夜、一人で逃げることに決めたの。
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