魔法使いアルル

かのん

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第二百四十話

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 アルル、レオ、アロンの三人は詳しく話を聞くと、三人で集まり、防音の魔法を周囲にかけると話し始めた。

「お父さん、これからどうする?」

「そうじゃなぁ。」

「問題点は大きく分けて3つですね。」

 三人は問題点を整理するように話し始めた。

「一つ目は、音楽の民の音を私たちが魔法で消したと思われていることだね。誤解を解かなきゃ。」

「うむ。二つ目は誰がそれを仕組んだのかということじゃな。それを解決せねばなるまい。」

「はい。そして三つ目はこの見放された民たちをどうするか、ですね。」

 アロンはうなずくと言った。

「どうやら、競技に参加していた子どもたちは次々とゴールはしたようで、それぞれの国に帰っているようだ。わしたちの魔法がしっかりと作動をしているのを感じるからの。」

 その言葉にアルルもレオもうなずいた。

 子どもたちのことはおそらく大丈夫だろう。

 音楽の民は基本は温厚な種族だ。

 怒りの矛先である自分たち以外には危害を加えることはないだろう。

「よし、では、まずは今回の事件を解決するかの。解決をしなけれは音楽の民も納得しないだろうからな。」

「うん。でも、何で音が消えたんだろう?」

 アルルの言葉にレオもアロンも同様に眉間にシワを寄せて考える。

「何者かの手でしかけられていたことは確かだろうが、何故か。」

「うーん。何故ですかねぇ。子どもたちも楽しそうだったし、音楽の民も楽しそうだったのに。」

 レオの言葉にアルルもうなずく。

「うん。本当に皆楽しそうだったよね。ふふ。きっと帰ったらお父さんやお母さんに自慢するんだろうなぁ。」

 にこにこと言ったアルルの一言に、アロンの動きが止まる。

 レオも目を丸くして、アロンを見た。

「先生、まさか、」

「ああ。やられたやもしれん。」

「え?どう言うこと?」

 アルルが首をかしげる中、アロンは通信魔法で王城へと連絡を入れようとする。

 だが、ジジジっという音が続くばかりで人の声がしない。

「やられた!」

 アロンは唇を噛むといらだたげにそう声を上げたのであった。




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