魔法使いアルル

かのん

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第二百三十一話

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 ロッテンベイマーの一件が終わり、学園にはいつもの日常が戻ってきた。

 アルルはその日はラベンダー色のワンピースを着て、髪は編み込んでもらっていた。そして学園の正門の前でミーガンを待っている。

 時計の針が待ち合わせの時間を告げた時、ミーガンが白いフリルのシャツに緑のロングスカート姿で現れた。

 二人は手と手を合わせてきゃっきゃっと声をあげた。

「ミーガン可愛い!!とってもその格好似合っている!」

「アルルも可愛い!髪の毛は編み込んでもらったのね!すごく可愛いわぁ!」

 二人はにこにこと微笑みあうと、手を繋いで学園のすぐちかくにある商店街へと向かった。

「今日はお買い物をしてから、今人気のマダムショコラのケーキ屋さんに行きましょう?」

「やった!私、女の子の友達とこうやって出掛けるの初めてなの!すっごく嬉しい!!」

 アルルは嬉しそうににこにことしており、ミーガンもそれにつられるように笑った。


 そんな女子の買い物を後ろの方からうらやましそうに見つめる影が三つ。

 レオとルビーとキースである。

 ここ最近レオとルビーはアロンに言われてアルルとは別行動を取って魔法協会で魔力の検査を受けていた。

 キースはアルル達と遊ぼうと思ってやってきたのだが先約があるとアルルに断られた。

 そしてそんな三人はアルルの楽しそうな様子に唇を尖らせるのであった。

「アルルを独り占めなんて、あのミーガンっていう子ずるい!」

 ルビーの呟きに、同意するようにレオとキースもうなずいた。

「二人だけじゃなくて、僕たちも入れてくれたらいいのに。」

 レオの呟きに、同意するようにルビーとキースがうなずいた。

「男だって仲間に入れてくれてもいいじゃないか。」

 キースの呟きに、同意するようにルビーとレオはうなずいた。

 そんな三人に後ろからため息をつきながらサリーが現れて声をかけた。

「女の子は、女の子同士で可愛いものを愛でたい日もあるんですよ。」

 サリーが現れたことに驚きもせずに三人は声を合わせて言った。

『仲間に入れてくれてもいいじゃないか!』

 サリーは三人の言葉ににーっこりと笑みを浮かべるとパチンと指をならした。

 すると、三人の回りに鏡やリボン、アクセサリーにワンピース、お化粧道具が飛び回り始めた。

 サリーは楽しそうに言った。

「ならば!仲間に入れるようにしてさしあげます!」

『え?!』

 三人を魔法の渦が飲み込み、そして、キラキラと光が舞う。

「え?」

「は?」

「お?」

 レオ、ルビー、キースの三人は完璧に可愛らしい女の子へと化粧をほどこされ、洋服も可憐なワンピースへとそれぞれ変わっている。

 サリーは満足気に三人の前に鏡を向けた。

『これが・・・私?』

 この後、女装したレオとルビーとキースの登場にアルルは大爆笑し、ミーガンは可愛そうなものを見る視線で三人を見たのであった。





 

 
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