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第二百二十二話
しおりを挟むアルルは魔法学園んへと付くと、すぐにミーガンの元へと向かった。
廊下ですれ違う知り合いの生徒らは久しぶりに見るアルルに優しく声をかけてくれたり、尊敬のまなざしで見たりと反応はそれぞれであった。
「ミーガン!」
アルルは教室に入ると、すぐにミーガンの所へと駆け寄った。
だが、駆け寄ってミーガンの顔を見た瞬間アルルは驚いて目を丸くした。
何と、ミーガンの瞳は真っ赤になっており、泣いていたのだと気づいたアルルは何と言っていいかが分からずにクラスを見回すと、他の生徒も何人か涙しているのに気が付いた。
全体的にクラスが暗い気がして、どうしてこうなったのだと動揺してしまう。
「アルル?」
突然現れたアルルに驚いたミーガンは、涙をひっこめた後にアルルに抱き着いた。
「どうしたのミーガン。」
「新しく入ってきた先生が、最悪なのよ。」
「え?」
「本当に、最低、最悪。陰湿な女なの。」
その時であった。
突然クラスの扉が開いたかと思えば、扉の所に立っていたのは背の高いほっそりとした、お腹だけが妙にぽっこりと出ている女性であった。
眼鏡をかけており、その鋭い眼光は子ども達を捕えると目を細めた。
しっかりと頭に撫でつけて結ばれている髪の毛は一本の乱れもなく、身につけている者は全て紺色であった。
そして、アルルに視線を定めると真っ直ぐに歩き、アルルの目の前で止まった。
ミーガンは青ざめてうつむいてしまい、アルルは何だろうと驚くとその女性が手で机をバシンっと大きな音を立てて叩いた。
「まぁまぁまぁ。貴方は一体どなたかしら?誰の許可を得て、この教室へ入っているのですか。」
「え?私はアルル。許可?」
「まぁ口答えをするの?学園に入る際には許可を得るのが当然でしょう。まぁまぁそんな事も分からないなんてなんていう子なのかしら?」
「え?だってそんな事誰も言わなかったし・・」
バシン!
机がまた叩かれ、アルルはその音に驚いて身がすくんでしまった。
「また言い訳。はぁ。貴方はどういう教育を受けてきたのかしら?それに、まぁまぁ。そんな派手な洋服を着てなんてだらしないのかしら。貴方、一般常識がないのではなくて?」
アルルは突然の事に意味が分からないのと、言葉をどんどんとまくし立てられて驚いてしまっていた。
それでもこのままではいけないと口を開こうとすると、
バシン!
また、机が叩かれるのである。
アルルはその音が怖くて傍にいたミーガンの手をぎゅっと握った。
ミーガンもその手をぎゅっと握り返してくれる。
何が何だかわからないまま、アルルはその場で三十分以上にわたって意味の分からな言葉をまくし立てられた。
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