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第二百十話
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アルル達がキースと父ヴィンセントとの問題を解決している頃、アロンは一人魔術の国の境界線を箒で飛び見て回っていた。
魔術の国に怪しい動きがあると聞いていたが、アルルの一件からシュリレだけが原因ではないとアロンは感じ、秘密裏に調べていた。
アルルとレオはキース王子と行動を共にしている事は把握していたアロンは、おそらく悪魔達の所へとたどり着くだろうと思いながらもそちらは二人に任せることにした。
魔術の国事態は悪い国ではない。
だが、力を持つ以上は怪しい動きをするものは出てくるものである。
アロンは箒で境界線に沿って飛びながら目を凝らしていると、一か所に境界線のほころびを感じ、その場に降り立った。
一見何の問題もないように見えるが、偉大なる大魔法使いであるアロンにはその魔術の小さなほころびが見て取れた。
「ふむ。これは。」
近くによってみてみると、おそらく人的要因にてこの場にあえてほころびが作ってあるのであろう。
「何のためのほころびか。」
アロンはほころびのあった場所に監視用の花の魔法を咲かせると空を飛び、また境界線沿いを進んでいった。
ほころびは全部で五つ。
何のためのほころびか考えながら城に戻ると、王城内の異変にアロンは気づいた。
「なんじゃ、これは。」
城の中には悪魔達が溢れかえり、そして舞踏会場が立食会のように設営されており、人々と悪魔達が談笑しながら楽しげに会話しているのである。
このような光景は今まで一度も見たことがなく、まして魔術の国はマナーに厳しい国である。それなのにもかかわらず、マナーなど気にせずに楽しげに人々が悪魔と会話しているのである。
アロンが現れたのを見つけたアルルはアロンに駆け寄った。
「お父さん!」
「アルル!これは一体、なんじゃ?」
困惑するアロンに、アルルはにこにことを笑いながら言った。
「あのね、王様が準備してくれたの。」
そう言うと、アルルはこれまでの経緯をアロンに話した。そして、国王が悪魔に好意的な者達を招待し、事情を説明して実験的に立食会を開いたとの話を聞き目を丸くした。
自分がいない間に魔術の国にこれほどまでの変革が起きようとは思ってもおらず、アロンは困惑したままアルルに手を引かれ、国王の前へと進んだ。
国王自身も悪魔達と楽しげに話をしており、その表情は晴れやかであり、さらにアロンは驚いた。
あの暗かった表情が一変している。
アルルを見つめ、アロンは深く息をついた。
アルルが来てから、驚かされる事ばかりである。
長い間生きてきているが、アルルが来てからの毎日が今まで以上に色づいて見える。
それはきっと自身だけが感じている事ではないであろう。
この子は、時の分岐点となる子であろう。
そう、アロンは感じていた。
魔術の国に怪しい動きがあると聞いていたが、アルルの一件からシュリレだけが原因ではないとアロンは感じ、秘密裏に調べていた。
アルルとレオはキース王子と行動を共にしている事は把握していたアロンは、おそらく悪魔達の所へとたどり着くだろうと思いながらもそちらは二人に任せることにした。
魔術の国事態は悪い国ではない。
だが、力を持つ以上は怪しい動きをするものは出てくるものである。
アロンは箒で境界線に沿って飛びながら目を凝らしていると、一か所に境界線のほころびを感じ、その場に降り立った。
一見何の問題もないように見えるが、偉大なる大魔法使いであるアロンにはその魔術の小さなほころびが見て取れた。
「ふむ。これは。」
近くによってみてみると、おそらく人的要因にてこの場にあえてほころびが作ってあるのであろう。
「何のためのほころびか。」
アロンはほころびのあった場所に監視用の花の魔法を咲かせると空を飛び、また境界線沿いを進んでいった。
ほころびは全部で五つ。
何のためのほころびか考えながら城に戻ると、王城内の異変にアロンは気づいた。
「なんじゃ、これは。」
城の中には悪魔達が溢れかえり、そして舞踏会場が立食会のように設営されており、人々と悪魔達が談笑しながら楽しげに会話しているのである。
このような光景は今まで一度も見たことがなく、まして魔術の国はマナーに厳しい国である。それなのにもかかわらず、マナーなど気にせずに楽しげに人々が悪魔と会話しているのである。
アロンが現れたのを見つけたアルルはアロンに駆け寄った。
「お父さん!」
「アルル!これは一体、なんじゃ?」
困惑するアロンに、アルルはにこにことを笑いながら言った。
「あのね、王様が準備してくれたの。」
そう言うと、アルルはこれまでの経緯をアロンに話した。そして、国王が悪魔に好意的な者達を招待し、事情を説明して実験的に立食会を開いたとの話を聞き目を丸くした。
自分がいない間に魔術の国にこれほどまでの変革が起きようとは思ってもおらず、アロンは困惑したままアルルに手を引かれ、国王の前へと進んだ。
国王自身も悪魔達と楽しげに話をしており、その表情は晴れやかであり、さらにアロンは驚いた。
あの暗かった表情が一変している。
アルルを見つめ、アロンは深く息をついた。
アルルが来てから、驚かされる事ばかりである。
長い間生きてきているが、アルルが来てからの毎日が今まで以上に色づいて見える。
それはきっと自身だけが感じている事ではないであろう。
この子は、時の分岐点となる子であろう。
そう、アロンは感じていた。
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