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第百九十九話
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上から風に押さえつけられ、三人はどんどんと地下深くへと追いやられていく。
そして、地面に着いた瞬間に風がやむと、三人ははるか上を見上げた。
「かなり、深く落とされたね。」
アルルの言葉にレオとキースもうなずき、そして三人は手を上に掲げるようにして伸ばした。
すると、風が上へは上らせないと言うように吹き始めるのであった。
「これは、何かに呼ばれていると考えるべき?」
「いや、と言うより誘い込まれている?」
「罠かな?どうする?」
三人は顔を見合わせると上を見上げて小さくため息をもらした。
「どっちにしろ、進むしかないね。」
「うん。」
「そうだな。じゃあ、行くか。」
三人は地図を広げ、そしてまた道を進んでいく。
地下の道はまだ続いており、どんどんと細間っていった。
三人が並んで通るには道はさらに細くなり、先頭をキース、真ん中をアルル、後ろをレオの順になって進んでいく。
先のほうから生暖かい風が吹き抜けた。
アルルは、無言で歩いているのに飽きてしまい、口を開いた。
「ねぇ、キース。悪魔達は、魔術師の体をどうしているのかなぁ?」
「え?うーん。そうだなぁ。小さい頃、母ともその話をしたことがあるんだ。」
「へぇ。キースのお母さんは何て?」
レオも気になったのだろう、会話に入りそう尋ねると、キースは苦笑を浮かべて言った。
「母はね、悪魔とお昼寝でもしてるんじゃないかって言ってたよ。俺はそれを聞いておかしくってさ、思わず自分の悪魔に、もしそうなら、俺の時にはその時お気に入りだったテディベアを一緒に連れてってくれって頼んだ覚えがある。」
アルルは笑い、尋ねた。
「お母さんは何か頼まなかったの?」
「あー、そう言えば、自分の枕は必ず持っていってと言ってたなぁ。枕が変わったら寝れないってさ。」
アルルもレオも笑い、そしてキースもつられて笑った。
「ちゃんと枕持っていかれているといいね。」
「あぁ。そうだな。」
キースはうなずいた時だった。
足を止め、そしてアルルとレオに静かにと小さく言った。
道の奥の方で、何かの音がした。
三人がゆっくりと進み、そして音のする方へと目を凝らすと、そこは少し空間が開いており、地面に悪魔の絵が描かれた石板が嵌め込まれていた。
「これ何だろう。」
「リアルな悪魔だね。」
「この地下は迷宮のようになっていて、何のためだか分からないような仕掛けがあるらしいが、、、んなに奥まで来るのは初めてだから、、、初めて見た。」
次の瞬間、地面の悪魔の絵がガタガタと音をたてながら動き、石板が移動していく。
その動きを見ながら、三人は苦笑いした。
「これ、石板を間違えて踏んだら何かある、とか、ならないかな?」
レオの言葉に、アルルもキースも額から嫌な汗を流した。
そして、地面に着いた瞬間に風がやむと、三人ははるか上を見上げた。
「かなり、深く落とされたね。」
アルルの言葉にレオとキースもうなずき、そして三人は手を上に掲げるようにして伸ばした。
すると、風が上へは上らせないと言うように吹き始めるのであった。
「これは、何かに呼ばれていると考えるべき?」
「いや、と言うより誘い込まれている?」
「罠かな?どうする?」
三人は顔を見合わせると上を見上げて小さくため息をもらした。
「どっちにしろ、進むしかないね。」
「うん。」
「そうだな。じゃあ、行くか。」
三人は地図を広げ、そしてまた道を進んでいく。
地下の道はまだ続いており、どんどんと細間っていった。
三人が並んで通るには道はさらに細くなり、先頭をキース、真ん中をアルル、後ろをレオの順になって進んでいく。
先のほうから生暖かい風が吹き抜けた。
アルルは、無言で歩いているのに飽きてしまい、口を開いた。
「ねぇ、キース。悪魔達は、魔術師の体をどうしているのかなぁ?」
「え?うーん。そうだなぁ。小さい頃、母ともその話をしたことがあるんだ。」
「へぇ。キースのお母さんは何て?」
レオも気になったのだろう、会話に入りそう尋ねると、キースは苦笑を浮かべて言った。
「母はね、悪魔とお昼寝でもしてるんじゃないかって言ってたよ。俺はそれを聞いておかしくってさ、思わず自分の悪魔に、もしそうなら、俺の時にはその時お気に入りだったテディベアを一緒に連れてってくれって頼んだ覚えがある。」
アルルは笑い、尋ねた。
「お母さんは何か頼まなかったの?」
「あー、そう言えば、自分の枕は必ず持っていってと言ってたなぁ。枕が変わったら寝れないってさ。」
アルルもレオも笑い、そしてキースもつられて笑った。
「ちゃんと枕持っていかれているといいね。」
「あぁ。そうだな。」
キースはうなずいた時だった。
足を止め、そしてアルルとレオに静かにと小さく言った。
道の奥の方で、何かの音がした。
三人がゆっくりと進み、そして音のする方へと目を凝らすと、そこは少し空間が開いており、地面に悪魔の絵が描かれた石板が嵌め込まれていた。
「これ何だろう。」
「リアルな悪魔だね。」
「この地下は迷宮のようになっていて、何のためだか分からないような仕掛けがあるらしいが、、、んなに奥まで来るのは初めてだから、、、初めて見た。」
次の瞬間、地面の悪魔の絵がガタガタと音をたてながら動き、石板が移動していく。
その動きを見ながら、三人は苦笑いした。
「これ、石板を間違えて踏んだら何かある、とか、ならないかな?」
レオの言葉に、アルルもキースも額から嫌な汗を流した。
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