19 / 36
十八話
しおりを挟む
シルビアンヌによって伝えられたかなりオブラートに包まれた言葉を聞いた四人の、目が死んでいた。
光のないその瞳に、シルビアンヌは挑むように真っ直ぐに見つめると言った。
「私、ちゃんと理解しておりますから!安心してください。」
ラルフは静かに、アリー、ギデオン、ジルに向かって言った。
「この中に、女性よりも男性が好きな人はいる?」
三人は首を横に振る。
ラルフも冷ややかな笑みを浮かべて言った。
「同性婚は認められてはいるけど、少なくとも僕達は、女性が恋愛対象だよ。」
「え?」
シルビアンヌはその言葉に眉間にシワを寄せた。
そんなはずはない。
先程だって四人にはただならぬ雰囲気が流れており、ヒロインであるアリーを取り囲んでいたではないかと思ってしまう。
「あの、私は偏見はありませんわよ?」
そう言ってみるものの、四人が首を横に振る。
シルビアンヌは少し考えると、もしかしたらゲームの始まる年齢ではないから、まだ目覚めていないのかもしれないと思い付いた。
それならば納得が出来る。
シルビアンヌは頷くと、少しだけ何故かほっとした気持ちになっている自分に気が付いた。
何故かしらと思いながらも、四人に顔を向けると頭を下げた。
「変な勘違いをしてしまい申し訳ありませんわ。」
そういうとほっとしたように四人は息をつき、そしてラルフは瞳に輝きを取り戻すと、ゆっくりとシルビアンヌの手を取って言った。
「シルビアンヌ嬢。誤解は解けたから、僕達からお願いがあるんだけれどいいかな?」
ラルフの言葉に、シルビアンヌは小首を傾げて四人を見る。
もしや先ほど四人でこそこそと話をしていたことについてだろうかと思ったシルビアンヌは頷いた。
「はい。私にできる事であれば。」
だが、次の言葉を聞いたシルビアンヌは聞くのではなかったと顔を引きつらせることになる。
「よかった。あのね、最初はおもしろそうだから見守ろうかと思っていたんだけれど、君があまりに魅力的だからそれは止めることにしたんだ。」
「え?」
「僕達四人は君にこれから求婚するつもりだよ。だから、これから誰との婚約を受けるかよく考えてね。」
「はへ?」
突然の言葉に、シルビアンヌは何を言われているのか理解が出来ずに、視線をさまよわせ、アリーを見た。
すると、アリーはいつになく真剣な瞳でシルビアンヌを見つめており、その瞳に熱を感じて、シルビアンヌはさらに視線をさまよわせることとなる。
どういう事なのかが理解が追いつかない。
「ちょ、ちょっとお待ちください。え?・・・誰との誰の婚約について言っているのです?」
「ん?だから、僕達四人と君との婚約だよ?」
「は?え・・・えぇ?」
ギデオンはにやりと笑うと言った。
「シルビアンヌ嬢はまだ誰に対しても、恋愛的な好意は抱いていないのだろう?なら、俺達四人の中から選んだらどうかと言っているんだ。」
ジルもにっこりと微笑んで頷いた。
「そうそう。まぁアリーは少しばかり地位は低いけれど、まぁ許容範囲でしょう?恐らくこの四人の誰を選んでも婚約できる。」
「シルビアンヌ様・・・僕が・・なんておこがましいのは分かっています。でも、諦められないんです。」
アリーに真っ直ぐに見つめられそう言われ、シルビアンヌは耳まで赤くなっていくのが分かる。
震えそうになる声をぐっと押さえてシルビアンヌは口を開いた。
「き・・貴族の結婚は家同士のつながりですから・・・その、私が選べるわけでは・・・ないと思うのです。」
その言葉にラルフはにこりと優しげな笑みを浮かべながら頷いた。
「そうだね。本来は僕が、君を婚約者に指名すればいいのだけれど・・・」
そう言った瞬間、三人の鋭い視線がラルフへと向けられる。
「まぁ、男同士やっぱり正々堂々と、ね?」
”ね?”ではない。
シルビアンヌはラルフの婚約者になるつもりはない。だからといって、ギデオンは侯爵家ではあるものの騎士団に将来は所属する形となるであろう。兄が爵位は次ぐはずであるし、そうなるとシルビアンヌとつり合いが取れるかどうかは微妙である。それはアリーもであり、子爵家とはいえ、男爵家からなったばかりでありシルビアンヌが輿入れするには少しばかり地位が低い気もする。
となると公爵家のジルだが、シルビアンヌは心の中で首を横にブンブンと振る。
ヤンデレは自分には対応できそうにない。
シルビアンヌはちらりとアリーを見た。
はっきりと言えば、アリーと将来ずっと一緒にいられる方法が婚約であるなら、シルビアンヌにとっては恋愛うんぬんよりも優先したい。
だが、アリーの熱のこもった瞳を見ると少し一歩引いてしまう。
シルビアンヌは大きく息吸って、そして吐くと、四人に向かって笑顔を向けてはっきりと言った。
「では、お答えしますが、皆さんお断りいたします。」
『え?』
四人が目を丸くして固まった。
シルビアンヌは思った。
どうせ十六歳のゲーム開始時になればみんなヒロインちゃんであるアリーに夢中になるのである。ならば、ここではっきりと断っておいた方が無難であろう。
「っひ!」
そう思ったのだが、四人の顔を見たシルビアンヌは一歩後ろへと下がった。
皆笑顔を浮かべているくせに、全く笑っていないのが伝わってくる。今一瞬よからぬことを考えたのがばれたのであろうかとシルビアンヌはびくびくとする。
「わ、私が選んでいいのでしょう!?そ・・それに婚約者はお父様が決めて下さるはずです!なので、私が軽率にお返事など出来ませんわ!」
「そんなこと、皆分かっているよ?貴族だもの。しかも君は公爵家のお姫様だ。だから、子どもだけのこの席で伝えたんじゃないか。」
「へ?」
「君の父上の公爵は、君に甘いってことは知っているよ?たぶん、君が願えば、好きな人と結婚させてもらえるんじゃないかな?たとえ、誰であっても、ね?」
頭の中に自分の父親を思い描いたシルビアンヌは確かにそうであろうと、思わず頷きそうになった。
父であればシルビアンヌがお願いすれば好きな相手と添い遂げる事を許してくれると思う。だがしかし、それがこの四人の中の誰かだなんてことは思えない。
「わ、私は、皆様にはふさわしくありませんわ!」
そう言ったところで聞いてはくれなさそうな雰囲気を、シルビアンヌは感じた。
光のないその瞳に、シルビアンヌは挑むように真っ直ぐに見つめると言った。
「私、ちゃんと理解しておりますから!安心してください。」
ラルフは静かに、アリー、ギデオン、ジルに向かって言った。
「この中に、女性よりも男性が好きな人はいる?」
三人は首を横に振る。
ラルフも冷ややかな笑みを浮かべて言った。
「同性婚は認められてはいるけど、少なくとも僕達は、女性が恋愛対象だよ。」
「え?」
シルビアンヌはその言葉に眉間にシワを寄せた。
そんなはずはない。
先程だって四人にはただならぬ雰囲気が流れており、ヒロインであるアリーを取り囲んでいたではないかと思ってしまう。
「あの、私は偏見はありませんわよ?」
そう言ってみるものの、四人が首を横に振る。
シルビアンヌは少し考えると、もしかしたらゲームの始まる年齢ではないから、まだ目覚めていないのかもしれないと思い付いた。
それならば納得が出来る。
シルビアンヌは頷くと、少しだけ何故かほっとした気持ちになっている自分に気が付いた。
何故かしらと思いながらも、四人に顔を向けると頭を下げた。
「変な勘違いをしてしまい申し訳ありませんわ。」
そういうとほっとしたように四人は息をつき、そしてラルフは瞳に輝きを取り戻すと、ゆっくりとシルビアンヌの手を取って言った。
「シルビアンヌ嬢。誤解は解けたから、僕達からお願いがあるんだけれどいいかな?」
ラルフの言葉に、シルビアンヌは小首を傾げて四人を見る。
もしや先ほど四人でこそこそと話をしていたことについてだろうかと思ったシルビアンヌは頷いた。
「はい。私にできる事であれば。」
だが、次の言葉を聞いたシルビアンヌは聞くのではなかったと顔を引きつらせることになる。
「よかった。あのね、最初はおもしろそうだから見守ろうかと思っていたんだけれど、君があまりに魅力的だからそれは止めることにしたんだ。」
「え?」
「僕達四人は君にこれから求婚するつもりだよ。だから、これから誰との婚約を受けるかよく考えてね。」
「はへ?」
突然の言葉に、シルビアンヌは何を言われているのか理解が出来ずに、視線をさまよわせ、アリーを見た。
すると、アリーはいつになく真剣な瞳でシルビアンヌを見つめており、その瞳に熱を感じて、シルビアンヌはさらに視線をさまよわせることとなる。
どういう事なのかが理解が追いつかない。
「ちょ、ちょっとお待ちください。え?・・・誰との誰の婚約について言っているのです?」
「ん?だから、僕達四人と君との婚約だよ?」
「は?え・・・えぇ?」
ギデオンはにやりと笑うと言った。
「シルビアンヌ嬢はまだ誰に対しても、恋愛的な好意は抱いていないのだろう?なら、俺達四人の中から選んだらどうかと言っているんだ。」
ジルもにっこりと微笑んで頷いた。
「そうそう。まぁアリーは少しばかり地位は低いけれど、まぁ許容範囲でしょう?恐らくこの四人の誰を選んでも婚約できる。」
「シルビアンヌ様・・・僕が・・なんておこがましいのは分かっています。でも、諦められないんです。」
アリーに真っ直ぐに見つめられそう言われ、シルビアンヌは耳まで赤くなっていくのが分かる。
震えそうになる声をぐっと押さえてシルビアンヌは口を開いた。
「き・・貴族の結婚は家同士のつながりですから・・・その、私が選べるわけでは・・・ないと思うのです。」
その言葉にラルフはにこりと優しげな笑みを浮かべながら頷いた。
「そうだね。本来は僕が、君を婚約者に指名すればいいのだけれど・・・」
そう言った瞬間、三人の鋭い視線がラルフへと向けられる。
「まぁ、男同士やっぱり正々堂々と、ね?」
”ね?”ではない。
シルビアンヌはラルフの婚約者になるつもりはない。だからといって、ギデオンは侯爵家ではあるものの騎士団に将来は所属する形となるであろう。兄が爵位は次ぐはずであるし、そうなるとシルビアンヌとつり合いが取れるかどうかは微妙である。それはアリーもであり、子爵家とはいえ、男爵家からなったばかりでありシルビアンヌが輿入れするには少しばかり地位が低い気もする。
となると公爵家のジルだが、シルビアンヌは心の中で首を横にブンブンと振る。
ヤンデレは自分には対応できそうにない。
シルビアンヌはちらりとアリーを見た。
はっきりと言えば、アリーと将来ずっと一緒にいられる方法が婚約であるなら、シルビアンヌにとっては恋愛うんぬんよりも優先したい。
だが、アリーの熱のこもった瞳を見ると少し一歩引いてしまう。
シルビアンヌは大きく息吸って、そして吐くと、四人に向かって笑顔を向けてはっきりと言った。
「では、お答えしますが、皆さんお断りいたします。」
『え?』
四人が目を丸くして固まった。
シルビアンヌは思った。
どうせ十六歳のゲーム開始時になればみんなヒロインちゃんであるアリーに夢中になるのである。ならば、ここではっきりと断っておいた方が無難であろう。
「っひ!」
そう思ったのだが、四人の顔を見たシルビアンヌは一歩後ろへと下がった。
皆笑顔を浮かべているくせに、全く笑っていないのが伝わってくる。今一瞬よからぬことを考えたのがばれたのであろうかとシルビアンヌはびくびくとする。
「わ、私が選んでいいのでしょう!?そ・・それに婚約者はお父様が決めて下さるはずです!なので、私が軽率にお返事など出来ませんわ!」
「そんなこと、皆分かっているよ?貴族だもの。しかも君は公爵家のお姫様だ。だから、子どもだけのこの席で伝えたんじゃないか。」
「へ?」
「君の父上の公爵は、君に甘いってことは知っているよ?たぶん、君が願えば、好きな人と結婚させてもらえるんじゃないかな?たとえ、誰であっても、ね?」
頭の中に自分の父親を思い描いたシルビアンヌは確かにそうであろうと、思わず頷きそうになった。
父であればシルビアンヌがお願いすれば好きな相手と添い遂げる事を許してくれると思う。だがしかし、それがこの四人の中の誰かだなんてことは思えない。
「わ、私は、皆様にはふさわしくありませんわ!」
そう言ったところで聞いてはくれなさそうな雰囲気を、シルビアンヌは感じた。
11
お気に入りに追加
1,825
あなたにおすすめの小説

【完結】引きこもり令嬢は迷い込んできた猫達を愛でることにしました
かな
恋愛
乙女ゲームのモブですらない公爵令嬢に転生してしまった主人公は訳あって絶賛引きこもり中!
そんな主人公の生活はとある2匹の猫を保護したことによって一変してしまい……?
可愛い猫達を可愛がっていたら、とんでもないことに巻き込まれてしまった主人公の無自覚無双の幕開けです!
そしていつのまにか溺愛ルートにまで突入していて……!?
イケメンからの溺愛なんて、元引きこもりの私には刺激が強すぎます!!
毎日17時と19時に更新します。
全12話完結+番外編
「小説家になろう」でも掲載しています。

【完結】すり替わられた小間使い令嬢は、元婚約者に恋をする
白雨 音
恋愛
公爵令嬢オーロラの罪は、雇われのエバが罰を受ける、
12歳の時からの日常だった。
恨みを持つエバは、オーロラの14歳の誕生日、魔力を使い入れ換わりを果たす。
それ以来、オーロラはエバ、エバはオーロラとして暮らす事に…。
ガッカリな婚約者と思っていたオーロラの婚約者は、《エバ》には何故か優しい。
『自分を許してくれれば、元の姿に戻してくれる』と信じて待つが、
魔法学校に上がっても、入れ換わったままで___
(※転生ものではありません) ※完結しました

前世では美人が原因で傾国の悪役令嬢と断罪された私、今世では喪女を目指します!
鳥柄ささみ
恋愛
美人になんて、生まれたくなかった……!
前世で絶世の美女として生まれ、その見た目で国王に好かれてしまったのが運の尽き。
正妃に嫌われ、私は国を傾けた悪女とレッテルを貼られて処刑されてしまった。
そして、気づけば違う世界に転生!
けれど、なんとこの世界でも私は絶世の美女として生まれてしまったのだ!
私は前世の経験を生かし、今世こそは目立たず、人目にもつかない喪女になろうと引きこもり生活をして平穏な人生を手に入れようと試みていたのだが、なぜか世界有数の魔法学校で陽キャがいっぱいいるはずのNMA(ノーマ)から招待状が来て……?
前世の教訓から喪女生活を目指していたはずの主人公クラリスが、トラウマを抱えながらも奮闘し、四苦八苦しながら魔法学園で成長する異世界恋愛ファンタジー!
※第15回恋愛大賞にエントリーしてます!
開催中はポチッと投票してもらえると嬉しいです!
よろしくお願いします!!

転生したので前世の大切な人に会いに行きます!
本見りん
恋愛
魔法大国と呼ばれるレーベン王国。
家族の中でただ一人弱い治療魔法しか使えなかったセリーナ。ある出来事によりセリーナが王都から離れた領地で暮らす事が決まったその夜、国を揺るがす未曾有の大事件が起きた。
……その時、眠っていた魔法が覚醒し更に自分の前世を思い出し死んですぐに生まれ変わったと気付いたセリーナ。
自分は今の家族に必要とされていない。……それなら、前世の自分の大切な人達に会いに行こう。そうして『少年セリ』として旅に出た。そこで出会った、大切な仲間たち。
……しかし一年後祖国レーベン王国では、セリーナの生死についての議論がされる事態になっていたのである。
『小説家になろう』様にも投稿しています。
『誰もが秘密を持っている 〜『治療魔法』使いセリの事情 転生したので前世の大切な人に会いに行きます!〜』
でしたが、今回は大幅にお直しした改稿版となります。楽しんでいただければ幸いです。

【完結】婚約者はお譲りします!転生悪役令嬢は世界を救いたい!
白雨 音
恋愛
公爵令嬢アラベラは、階段から転落した際、前世を思い出し、
この世界が、前世で好きだった乙女ゲームの世界に似ている事に気付いた。
自分に与えられた役は《悪役令嬢》、このままでは破滅だが、避ける事は出来ない。
ゲームのヒロインは、聖女となり世界を救う《予言》をするのだが、
それは、白竜への生贄として《アラベラ》を捧げる事だった___
「この世界を救う為、悪役令嬢に徹するわ!」と決めたアラベラは、
トゥルーエンドを目指し、ゲーム通りに進めようと、日々奮闘!
そんな彼女を見つめるのは…?
異世界転生:恋愛 (※婚約者の王子とは結ばれません) 《完結しました》
お読み下さり、お気に入り、エール、ありがとうございます☆

闇黒の悪役令嬢は溺愛される
葵川真衣
恋愛
公爵令嬢リアは十歳のときに、転生していることを知る。
今は二度目の人生だ。
十六歳の舞踏会、皇太子ジークハルトから、婚約破棄を突き付けられる。
記憶を得たリアは前世同様、世界を旅する決意をする。
前世の仲間と、冒険の日々を送ろう!
婚約破棄された後、すぐ帝都を出られるように、リアは旅の支度をし、舞踏会に向かった。
だが、その夜、前世と異なる出来事が起きて──!?
悪役令嬢、溺愛物語。
☆本編完結しました。ありがとうございました。番外編等、不定期更新です。
☆2025年3月4日、書籍発売予定です。どうぞよろしくお願いいたします。
記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした
結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。
神様と呼ばれた精霊使い ~個性豊かな精霊達と共に~
川原源明
ファンタジー
ルマーン帝国ハーヴァー地方の小さな村に一人の少女がいた。
彼女の名はラミナ、小さな村で祖母と両親と4人で平和な生活を送っていた。
そんなある日のこと、狩りに行った父が倒れ、仲間の狩人に担がれて帰宅。
祖母の必死な看病もむなしく数時間後には亡くなり、同日母親も謎の病で息を引き取った。
両親が立て続けに亡くなった事で絶望で埋め尽くされているなか、
『ラミナ元気出しぃ、ウチが側におるから! と言うても聞こえてへんか……』
活発そうな女の子の声が頭の中に響いた。
祖母にそのことを話すと、代々側に居る精霊様では無いかという
そして、週末にあるスキル継承の儀で『精霊使い』を授かるかもしれないねと言われ、
絶望の中に居る少女に小さな明かりが灯った気がした。
そして、週末、スキル継承の儀で念願の『精霊使い』を授かり、少女の物語はここから始まった。
先祖の甥に学園に行ってみてはといわれ、ルマーン帝国国立アカデミーに入学、そこで知り合った友人や先輩や先生等と織りなす物語
各地に散る精霊達と契約しながら
外科医療の存在しない世の中で、友人の肺に巣くう病魔を取り除いたり
探偵のまねごとをしている精霊とアカデミー7不思議の謎を解いたり
ラミナ自身は学内武道会には参加しないけれど、400年ぶりに公衆の面前に姿を現す精霊達
夏休みには,思ってもみなかったことに巻き込まれ
収穫祭&学園祭では、○○役になったりと様々なことに巻き込まれていく。
そして、数年後には、先祖の軌跡をなぞるように、ラミナも世界に羽ばたく。
何事にも捕らわれない発想と、様々な経験をしていくことで、周囲から神様と呼ばれるようになった一人の精霊使いの物語のはじまりはじまり
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる