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八話

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 私が異世界に転移してから数か月が経とうとしていた。

 最近やっとイケメン四人との接触にも慣れてきた・・わけもなく、私は未だにイケメン四人に翻弄されまくりである。

 カインの逞しい腕に抱きしめられればきゅんとするし、可愛いライが私の名前を呼んで抱きしめてきたらぎゅってしたくなるし、クレストに不意に後ろから抱きしめられれば心臓がばくばくなるし、エバンは獣人特有ですぐに頬を舐めたりしてくるから気絶しそうになる。

 だが、嫌じゃない。

 私はこんなにも淫乱な女だったのかと自己嫌悪に陥りそうになるほどであるが、この国では当たり前の事なのでそれを誰かに愚痴ることも出来ない。

 それとなく侍女さんに夫の話を伺うと、侍女さんはなんと八人夫がいるらしい。すごい。

 私達はこれから基本は神殿住まいとなるらしく、日中は基本的に四人とも仕事に出かける。神殿の中は安全らしいから四人も安心して仕事に行けるのだとか。

 独りの時には絶対に神殿の外には出てはいけないと、四人に約束させられている。

 一度ふらふらーっと妖精に誘われるままに外に出ようとした時があったが、あの時はお仕置きと称して四人から執拗に甘やかされた為、かなりトラウマになった。

 イケメン怖い。

 なので基本私は昼間はフリーだが、神殿からは出ない。

 あまりに暇なのでオーリーに何か手伝う事はないかと尋ねると、お祈りを捧げる事と、妖精と遊んでほしいと願われて、毎日朝はお祈りをし、昼からは妖精と戯れると言うなんとも素敵な毎日を過ごしている。

 仕事を毎日残業代も出ないのに夜遅くまでし、コンビニでカップラーメンやら弁当屋らを買っていた自分が、今では三食昼寝付の毎日である。あぁ、幸せすぎて怖い。

 ただ、スマホがなくなると一日が本当に長い。スマホ自体は持ってきているのだが、すでに電池は切れてしまっている。

 あぁ、スマホがあれば動画ずっと見て時間をつぶすのに何て最初は思っていたが、自然とたわむれ、妖精と一緒に遊んでいると、あぁ、幸せだなと思える。

「妖精さーん。今日は何をして遊ぶ?」

 そう声をかけるといつもはたくさん寄ってくる妖精さんの様子が今日はいつもとは違う。何かを警戒するようにぶんぶんと空を飛び回っているのだ。

 何かあったのだろうかと思っていた時であった。

『ルカ!神殿の中へ急げ!』

『変なの来たー!』

『隠れろ!』

 妖精さんの言葉に何が起こったのか最初は分からなかった。だが、目の前に眩しいくらいの光が溢れ、体がふわりと浮かぶ感覚を感じ、私は何者かによって神殿が攻撃された事に気が付いたのであった。
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