5 / 14
五話
しおりを挟む
「あ・・あの、この国では・・これが普通なのでしょうか。」
何故か私は今、イケメン四人に囲まれて、色とりどりのお菓子を食べさせられている。
いや、止めて!カロリーが明らかにオーバーですから。私最近体重落ちなくなってきたんです。
心の中で叫ぶがそれがイケメンに届くことはない。
「あぁ、妻を大切にするのはこの国では普通だな。」
黒髪騎士様のカインはそう言うと、私の頭を優しく撫でる。やめて!イケメンの免疫がなさ過ぎてどうすればいいのかわからないんだから!
戸惑う私に、可愛らしい容貌のライは笑い声を上げて言った。
「僕達の奥さんがこんなに可愛いなんて、あぁー!世界中に自慢したい。」
そんな事をされたら私は自爆する。貴方達と違って私は煌めき要素何て全くないただの三十路前の女なんです。ごめんなさい。そして容赦なく私のほっぺをつつくのもやめて下さい。
魔法使い金髪イケメンのクレストはそんな様子をどこか楽しげに見つめると言った。
「それは私も同意します。精霊の導きに本当に感謝ですね。」
甘い瞳で見つめないで。溶けます。溶けてしまいます。
「俺も!俺は元々この国の人間じゃないから、最初はかなり迷ったけど、ルカを一目見て、運命に感謝した!」
元気いっぱいに尻尾をブンブンと振りながら獣人のエバンにそう言われ、笑顔が眩しい。というか、魅惑のその尻尾とお耳をぜひ触らせてもらいたい。
え、妻だからいいかな?
はぁはぁ・・って、私は変態ではない。変態ではないが、触りたいので後で交渉させてもらおうと内心思う。
「あの、その・・・本当に妻が私でいいんですか?」
おずおずとそう尋ねると、四人はもちろんと言った様子で頷いており、私は不安になった。
なので、私についてまずは知ってもらった方が良いだろうと自己紹介を始めた。
「私の名前は源ルカ。今年で二十九歳の三十路手前の女です。趣味らしい趣味もない、味気のない女ですよ?貴方方ほどの見目麗しい方々ならば引く手あまたでしょうに、本当にいいんですか?」
一気にしゃべった私に、四人は少し驚いた表情を浮かべた後に、嬉しそうに笑みを浮かべた。
「二十九歳か。年上の妻っていうのもいいな。」
「年上だぁー。ふふふ。たくさん甘えよっと。」
「ふふふ。何歳でも構いませんけどね。」
「気にしねーぞ。そんなの。」
その言葉に、思わず胸がきゅんとなる。あぁ、私のほとんど腐れ落ちかけていた乙女心をぐんぐんと掴んでくるイケメン達がすごい。
最近恋愛漫画とか読んでも、冷めた目でしか見れなくなっていた私の凝り固まった心が崩されそうで怖い。
「と、とにかく、その、夫とはいえ、その、まだ知り合って間もないですし・・友人から・・その・・よろしくお願いします。私、この国の作法とか知りませんから・・色々教えてください。」
上目使いでそう言うと、『色々と教える・・』と、四人が怪しい瞳をきらりと輝かせて呟いた気がする。
ちょっと怖い気がしたが、すぐに優しい笑みに変わったので気のせいだったのだろう。
あぁ、私の心臓はいつまでもつのだろうか。というか、彼氏もずっといたことないのに、突然四人も夫が出来るなんて。無理だ。爆死する。
私はどうしたものかと、天を仰ぐしかなかった。
何故か私は今、イケメン四人に囲まれて、色とりどりのお菓子を食べさせられている。
いや、止めて!カロリーが明らかにオーバーですから。私最近体重落ちなくなってきたんです。
心の中で叫ぶがそれがイケメンに届くことはない。
「あぁ、妻を大切にするのはこの国では普通だな。」
黒髪騎士様のカインはそう言うと、私の頭を優しく撫でる。やめて!イケメンの免疫がなさ過ぎてどうすればいいのかわからないんだから!
戸惑う私に、可愛らしい容貌のライは笑い声を上げて言った。
「僕達の奥さんがこんなに可愛いなんて、あぁー!世界中に自慢したい。」
そんな事をされたら私は自爆する。貴方達と違って私は煌めき要素何て全くないただの三十路前の女なんです。ごめんなさい。そして容赦なく私のほっぺをつつくのもやめて下さい。
魔法使い金髪イケメンのクレストはそんな様子をどこか楽しげに見つめると言った。
「それは私も同意します。精霊の導きに本当に感謝ですね。」
甘い瞳で見つめないで。溶けます。溶けてしまいます。
「俺も!俺は元々この国の人間じゃないから、最初はかなり迷ったけど、ルカを一目見て、運命に感謝した!」
元気いっぱいに尻尾をブンブンと振りながら獣人のエバンにそう言われ、笑顔が眩しい。というか、魅惑のその尻尾とお耳をぜひ触らせてもらいたい。
え、妻だからいいかな?
はぁはぁ・・って、私は変態ではない。変態ではないが、触りたいので後で交渉させてもらおうと内心思う。
「あの、その・・・本当に妻が私でいいんですか?」
おずおずとそう尋ねると、四人はもちろんと言った様子で頷いており、私は不安になった。
なので、私についてまずは知ってもらった方が良いだろうと自己紹介を始めた。
「私の名前は源ルカ。今年で二十九歳の三十路手前の女です。趣味らしい趣味もない、味気のない女ですよ?貴方方ほどの見目麗しい方々ならば引く手あまたでしょうに、本当にいいんですか?」
一気にしゃべった私に、四人は少し驚いた表情を浮かべた後に、嬉しそうに笑みを浮かべた。
「二十九歳か。年上の妻っていうのもいいな。」
「年上だぁー。ふふふ。たくさん甘えよっと。」
「ふふふ。何歳でも構いませんけどね。」
「気にしねーぞ。そんなの。」
その言葉に、思わず胸がきゅんとなる。あぁ、私のほとんど腐れ落ちかけていた乙女心をぐんぐんと掴んでくるイケメン達がすごい。
最近恋愛漫画とか読んでも、冷めた目でしか見れなくなっていた私の凝り固まった心が崩されそうで怖い。
「と、とにかく、その、夫とはいえ、その、まだ知り合って間もないですし・・友人から・・その・・よろしくお願いします。私、この国の作法とか知りませんから・・色々教えてください。」
上目使いでそう言うと、『色々と教える・・』と、四人が怪しい瞳をきらりと輝かせて呟いた気がする。
ちょっと怖い気がしたが、すぐに優しい笑みに変わったので気のせいだったのだろう。
あぁ、私の心臓はいつまでもつのだろうか。というか、彼氏もずっといたことないのに、突然四人も夫が出来るなんて。無理だ。爆死する。
私はどうしたものかと、天を仰ぐしかなかった。
12
お気に入りに追加
1,880
あなたにおすすめの小説
キャンプに行ったら異世界転移しましたが、最速で保護されました。
新条 カイ
恋愛
週末の休みを利用してキャンプ場に来た。一歩振り返ったら、周りの環境がガラッと変わって山の中に。車もキャンプ場の施設もないってなに!?クマ出現するし!?と、どうなることかと思いきや、最速でイケメンに保護されました、
サラシがちぎれた男装騎士の私、初恋の陛下に【女体化の呪い】だと勘違いされました。
ゆちば
恋愛
ビリビリッ!
「む……、胸がぁぁぁッ!!」
「陛下、声がでかいです!」
◆
フェルナン陛下に密かに想いを寄せる私こと、護衛騎士アルヴァロ。
私は女嫌いの陛下のお傍にいるため、男のフリをしていた。
だがある日、黒魔術師の呪いを防いだ際にサラシがちぎれてしまう。
たわわなたわわの存在が顕になり、絶対絶命の私に陛下がかけた言葉は……。
「【女体化の呪い】だ!」
勘違いした陛下と、今度は男→女になったと偽る私の恋の行き着く先は――?!
勢い強めの3万字ラブコメです。
全18話、5/5の昼には完結します。
他のサイトでも公開しています。
【完】嫁き遅れの伯爵令嬢は逃げられ公爵に熱愛される
えとう蜜夏☆コミカライズ中
恋愛
リリエラは母を亡くし弟の養育や領地の執務の手伝いをしていて貴族令嬢としての適齢期をやや逃してしまっていた。ところが弟の成人と婚約を機に家を追い出されることになり、住み込みの働き口を探していたところ教会のシスターから公爵との契約婚を勧められた。
お相手は公爵家当主となったばかりで、さらに彼は婚約者に立て続けに逃げられるといういわくつきの物件だったのだ。
少し辛辣なところがあるもののお人好しでお節介なリリエラに公爵も心惹かれていて……。
22.4.7女性向けホットランキングに入っておりました。ありがとうございます 22.4.9.9位,4.10.5位,4.11.3位,4.12.2位
Unauthorized duplication is a violation of applicable laws.
ⓒえとう蜜夏(無断転載等はご遠慮ください)
転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~
月
恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん)
は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。
しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!?
(もしかして、私、転生してる!!?)
そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!!
そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?
甘すぎ旦那様の溺愛の理由(※ただし旦那様は、冷酷陛下です!?)
夕立悠理
恋愛
伯爵令嬢ミレシアは、恐れ多すぎる婚約に震えていた。
父が結んできた婚約の相手は、なんと冷酷と謳われている隣国の皇帝陛下だったのだ。
何かやらかして、殺されてしまう未来しか見えない……。
不安に思いながらも、隣国へ嫁ぐミレシア。
そこで待っていたのは、麗しの冷酷皇帝陛下。
ぞっとするほど美しい顔で、彼はミレシアに言った。
「あなたをずっと待っていました」
「……え?」
「だって、下僕が主を待つのは当然でしょう?」
下僕。誰が、誰の。
「過去も未来も。永久に俺の主はあなただけ」
「!?!?!?!?!?!?」
そういって、本当にミレシアの前では冷酷どころか、甘すぎるふるまいをする皇帝ルクシナード。
果たして、ルクシナードがミレシアを溺愛する理由は――。
モブの私がなぜかヒロインを押し退けて王太子殿下に選ばれました
みゅー
恋愛
その国では婚約者候補を集め、その中から王太子殿下が自分の婚約者を選ぶ。
ケイトは自分がそんな乙女ゲームの世界に、転生してしまったことを知った。
だが、ケイトはそのゲームには登場しておらず、気にせずそのままその世界で自分の身の丈にあった普通の生活をするつもりでいた。だが、ある日宮廷から使者が訪れ、婚約者候補となってしまい……
そんなお話です。
転生先のご飯がディストピア飯だった件〜逆ハーレムはいらないから美味しいご飯ください
木野葛
恋愛
食事のあまりの不味さに前世を思い出した私。
水洗トイレにシステムキッチン。テレビもラジオもスマホある日本。異世界転生じゃなかったわ。
と、思っていたらなんか可笑しいぞ?
なんか視線の先には、男性ばかり。
そう、ここは男女比8:2の滅び間近な世界だったのです。
人口減少によって様々なことが効率化された世界。その一環による食事の効率化。
料理とは非効率的な家事であり、非効率的な栄養摂取方法になっていた…。
お、美味しいご飯が食べたい…!
え、そんなことより、恋でもして子ども産め?
うるせぇ!そんなことより美味しいご飯だ!!!
転生先は推しの婚約者のご令嬢でした
真咲
恋愛
馬に蹴られた私エイミー・シュタットフェルトは前世の記憶を取り戻し、大好きな乙女ゲームの最推し第二王子のリチャード様の婚約者に転生したことに気が付いた。
ライバルキャラではあるけれど悪役令嬢ではない。
ざまぁもないし、行きつく先は円満な婚約解消。
推しが尊い。だからこそ幸せになってほしい。
ヒロインと恋をして幸せになるならその時は身を引く覚悟はできている。
けれども婚約解消のその時までは、推しの隣にいる事をどうか許してほしいのです。
※「小説家になろう」にも掲載中です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる