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第二十話

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 皆様ごきげんよう。

 はい。

 リリアーナ様はどうなさったかと思って会いに行きましたところ、国王陛下と大喧嘩をしておりました。

 私はその間に入ることはできませんのでしばらく待っていますと、妖精さんが中の様子を教えてくださいます。

『リリアーナねぇ。アルバスの事が好きになったから、レイズ王国に帰らないって駄々こねているの。』

『そしたらねぇ。王様怒っちゃった。』

『今大喧嘩中!』

 はい。

 びっくりです。

 アルバス様と言えばお年は四十手前、、おそらく三十八歳か三十九歳だったと記憶しております。

 年の差は確かにありますが、貴族ですから年の差があっても結婚することは確かにございます。

 ですが、アルバス様はオフィリア帝国の軍人です。

 国王陛下が怒るのも無理はないかと思いますが、私はあくまでもリリアーナ様のお友達ですから。

 お友達をもちろん応援します。

 しばらく待っていましたら、憤慨したご様子でリリアーナ様が出てこられて、私に気が付きますと満面の笑顔で抱きしめてくださいました。

 はう。

 美少女の抱擁ごちそうさまです。

「ティナ!久しぶりね!手紙ありがとう。とっても嬉しかったわ。」

「いいえ。国王陛下とのお話はどうなりましたの?」

「ふふ。大喧嘩中よ。でもいいの。私譲る気がないから。そのうちお父様が折れるわ。」

「国王陛下と仲直りはされましたの?」

「ふふ。喧嘩したらちょっとすっきりしたわ。」

 にこにこと笑われるリリアーナ様はとても可愛らしいです。

 その後は一緒にお茶をしましたの。

 久しぶりに一緒に過ごせてとても楽しかったですが、リリアーナ様はまたオフィリア帝国に帰るつもりのようで少しだけさびしく思いました。

 でも、ちょっと思いましたの。

 なんだか以前にもまして妖精の数が増えていませんか?

 リリアーナ様にも十人?十匹?ほど妖精がついていましたし、オーレリア様やレスター様にだってかなりの数ついています。

 私の周りにもたくさん飛んでますし、アレクシス様やヨハン様の所にも群がっております。

 え?

 増えてませんか?

 いや、え?

 私が今まで見えていなかったから気のせいでしょうか?

 いや、いや、増えていますよね?

 その時、オーレリア様が花畑でお水を上げているのを見まして、勇気を振り絞って声をかけてみました。

「ごきげんよう。オーレリア帝王陛下。ティナ・シュタインと申します。」

 するとオーレリア様はとても可愛らしく微笑まれて、美しく礼をしてくださいました。

「ごきげんよう。シュタイン様とはお話しするのは初めてですわね。」

「はい。突然声をかけてしまい申し訳ありません。」

「いいえ。声をかけていただけて嬉しいですわ。」

「あの、オーレリア帝王陛下に一つ質問がございます。よろしいですか?」

「?私で答えられる事であればかまいませんわ。」

「あの、妖精の数が増えていませんか?」

 そう尋ねますと、オーレリア様は周りを見回しまして、それから微笑まれました。

「ふふ。そうですねぇ。レスター様に群がっていた子たちが離れたからかしら?」

「群がっていた?」

「ええ。最初はレスター様のお顔がまったく見えないほどにわらわらと群がっていて、驚きましたの。皆様はすごいなぁ、妖精さんがいても、まったく気にされないんだなぁって思いました。」

「へ?」

「妖精さんと一緒に暮らしていると、慣れてくるものなのですかねぇ。」

 あ、これ、勘違いしているやつだと気づきました。

 オーレリア様、皆が皆妖精が見えると勘違いしているんですね。

 おかしいですね。

 なんで気づかないんでしょうか。

 見えていたの貴方だけですよ。

 それに、あれ?

 周りの人もそれをなんで教えてあげてないんでしょうか。

 あれ?もしかしてオーレリア様が勘違いしているのに、周りもそれに気づいていない?

 え?

 気づくきっかけたくさんあると思うんですが。

 何故?あ、天然さんですか?

 なら、んー。

「慣れてくるもの、、、なんですかねぇ?あの、ちなみにその最初の頃のレスター様どんな風だったのですか?」

「妖精の雪だるまみたいでした。」

「え。」

 それってかなりホラーじゃないですか。

「だから、それだけ好かれる方ならきっと優しいのだろうなと思いました。」

 うん。はい。

 オーレリア様が可愛い。

 はい。

 これをきっかけに私もオーレリア様とお友達になりました。

 オーレリア様が帝国に帰られてからもお手紙のやり取りをしています。

 はい。

 それでは皆様!

 ごきげんよう!
 


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