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第三話
しおりを挟む皆様ごきげんよう。
はい。
このゲーム、だいぶストーリーがですね、ヒロインを無視するようになって参りました。
いえ、ヒロインが本来ならば頑張らなければならないのではないでしょうか。
おかしいのです。
本来ならば、アレクシスルートに入りましたらヒロインがアレクシスから貰った紅茶の茶葉に興味を持つことから事件が発生いたします。
ヒロインは何だかんだで事件を解決し、アルメニアを救うことになります。
そこでアレクシスとの距離がぐっと縮まるというイベントでございます。
はい。
ヒロインが紅茶を飲む前に根本的問題をオーレリア様が指摘してしまったせいでイベントのいの字も発生いたしません。
迅速に事件は収束してしまい、ヒロインの出番はなし。
何ということでしょうか。
オーレリア様はイベントクラッシャーでいらっしゃいましたか。
はい。
え?
あらあらあら。
何故今度は隠れキャラの暗殺一家のエドモンド様が登場したのでしょうか。
彼の登場は本来であれば2周目以降です。
そして何故、オーレリア様と一緒にお花を植えているのでしょうか。
はい。
皆様只今カオスな状況でオーレリア様はお花畑を作っておりますの。
きっとご本人はあまり考えていないのでしょうが、結構カオスです。
アルメニアの王子と、オフィリア帝国の皇女、暗殺一家と、ヒロインに当て馬キャラ。
そんな方々が仲良くお花畑作りです。
もうカオスですよ。
王子がお花を植えるとか、本来ならばありえませんからね?
しかもアレクシス様もエドモンド様もオーレリア様を見つめる目が何やら怪しくなってまいりました。
え?
え?
オーレリア皇女何してやがるのでしょうか。
そんなに皆に笑顔を振りまいて。
しかも悪意がないのでたままったものではありません。
可愛いです。
はい。
そしてですね、もうすでにゲームは機能していないのではないかと思えます。
始めのうちはゲームの強制力なのか当て馬キャラのレスターは機能していましたが、今ではそれも怪しくなって参りました。
ヒロインは、このゲーム、クリアできないのではないでしょうか。
あら。
あれ?
このゲームって、バッドエンドはどうなるのだったかしら。
取りあえず、また観察日記はつけていこうと思います。
では皆様ごきげんよう。
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