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第九十二話

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 アマリーとルルドの結婚式の三日前。

 ルルドは、ハンスとテイラーに呼び出されて王宮の一室へと向かっていた。

 普通の仕事に加えて、はっきり言って最後の確認などがありかなり忙しいのだが、二人から呼び出されてしまえば行かないわけにはいかない。

「陛下。ルルドです。入りますよ?」

 ノックをし、いつもの事だと声を一言駆けて扉を開けた瞬間、ルルドは中に入って少しばかり訝しげに首を傾げた。

 部屋の中にはハンスとテイラーがおり、二人はルルドが入ってきたのを見るとにやにやと笑みを深めたのである。

 これは何かがあるなとルルドは嫌な予感がしながら二人に歩み寄ると、執事がお茶をルルドに出してくれたので席に座った。

「二人そろって、そのしまりのない顔は何です?」

 ハンスは歯を見せて笑うと、テイラーと目配せをして一つの箱をルルドの前へと出した。

 可愛らしくリボンまでされており、ルルドは眉間にしわを寄せるとテイラーとハンスに視線を向ける。

 二人は明らかに開けてみろと目で言っており、ルルドはその箱を手に取るといぶかしげに見つめてからゆっくりと箱を開いた。

「こ、、、これは。」

 ルルドは思わず目を丸くするとしばらくそれをじっと見つめ、そしてハンスとテイラーに視線を移した。

「私達二人からの結婚祝いだ。」

「結構大変だったんだぞ。」

 ルルドは嬉しそうに笑みを深めると二人に礼を言った。

「アマリーが喜ぶだろう。ありがとう二人とも。」

 その様子にハンスとテイラーは満足げに笑みを深めると言った。

「アマリーにはかなり世話になったからな。」

「俺も、アマリー嬢には最初にいらないレッテルを張ってしまったから、少しでもこれで許してもらえると助かるんだがなぁ。」

 ルルドは苦笑を浮かべた。

 アマリーには本当にかなり世話になっている。

 今陛下が無事王位へと付くことが出来たのはアマリーの協力があったからこそである。

 それを思うと、本当に素晴らしい人を自分は妻に迎えることが出来るのだとルルドは思った。

「私は幸せ者だな。」

 しみじみとした口調でルルドがそう言う物だから、ハンスもテイラーも苦笑を浮かべた。

「本当だな。だが、結婚とは始まりに過ぎないぞ。」

「そうそう。ゴールは新たなスタートとも言うしな。」

 二人の言葉に、ルルドは笑った。

「それもまた、楽しみにの一つだ。」

 幸せ前回なルルドの様子に、ハンスもテイラーも喜んでくれたようで何よりだと苦笑をまた浮かべるのであった。

 




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