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12話前編:翼のペンダント(前)
しおりを挟むある日のログイン時、ゼクロス、エリシャ、クレイド、ローザの4人は、首都セルフィの北東にある、ジルドの町を経由して、その東にある、丘陵地帯で、オーガと戦っていた。
ダークナイト状態でのローザの斬撃スキル「暗黒剣」でダメージと共に、盲目状態になったオーガに、ウィザード状態のクレイドが手の平から雷光を発する「サンダーボルト」の魔法を放ちこれに帯電ダメージを与える。
そして、エリシャが「ダブルパワーショット」での威力のある2連射で追撃して、ゼクロスの「クロススラッシュ」で止めとなる。オーガは、黒くなってかき消える。
「さすがに、巨人族はタフだな。武器をみんなが新調してなかったら、もっと苦戦してただろうね」
オーガを割とあっさり倒したゼクロス達は、皆、鍛冶屋のメルの作った武器を装備して「完成度+50%」のそれらは、つまり、武器威力が5割増しになっている。
ルーシアの作った「完成度+20」の威力2割増しロングソードは、ゼクロスが「ホーリーナイト」状態の時に装備していた。
日差しの強い、丘のMAPで、さらにオーガと戦い、LV上げをするゼクロスPT。ローザが「ダークナイト」で戦っているので、HP回復は、主に「にパラディン」のゼクロスの白魔法「ヒール」である。
「でも、クレイドがウィザードで、攻撃魔法使ってくれてるから、PTの火力は上がっているわね。私もダークナイト状態で、安心して狩れるわ」
機嫌よさそうにローザは続けて、
「エリシャもいい弓が入ったし、エイム系スキル無しでも、大分弓の命中精度もあがってるし、なかなかいい感じじゃない?」
クレイドも頷いて、
「支援でも、戦闘でも、ローザの方がまだまだ上だけど、僕も成長してるからね。LVも上がって、使えるスキルや魔法も増えてきている。もう少し、頼ってくれてもかまわないよ」
エリシャも、弓の腕が上がったのを実感しているのか、にこやかに、
「みんな、PTプレイに慣れて来てるし、メルの鍛冶での武器で、確実に戦力は上がっているわ。さあ、もう少し、狩るわよ」といって、さらに進むようにPTの皆を促した。
☆
そして、普通のオーガより強力な、「オーガチーフ」に遭遇すると「今なら、これにも勝てるはずだ。いくよ、みんな」と、勢い込むゼクロスを先頭に、これに挑む。
「まずは、防御を下げるぞ!」
ウィザードのクレイドが、弱体化の魔法「ステータス・ブレイク」で、オーガチーフの防御力を大幅に下げると、
「じゃあ、私も少し、新しいスキル、使ってみるわ」
とローザが、白兵の間合いを取ると、ダークナイトの斬撃スキル「暗黒剣EX」で逆袈裟にオーガチーフに切り上げて、ダメージと共に、麻痺効果と防御低下を同時に加える。このスキルはランダムに状態異常の付く「暗黒剣」の上位版で、任意の状態異常効果を選択できる。
「武器威力が上がってるから、ここは、これが有効ね」
と、さらに、エリシャが、レンジャーの弓スキル「トリプルショット」で鉄の矢の3連射を放ち、その全てを命中させると、オーガのチーフのHPは大きく削れる。
「そろそろ止めだな」
とゼクロスは少し下がって、距離を置いて「パワーチャージ」の態勢に入る。そして、新調した5割増しの威力のロングソードでの突撃による一撃は、オーガチーフのHPを一気に減らして0にして、オーガチーフは大の字に倒れて、黒くなってかき消える。
「LVUP!」
ゼクロスPTの全員のLVが上がり、HP、SP、MPが皆全快して、パラディンLV25となったゼクロスは、これで新たなスキル「トライスラッシュ」を覚えた。
このスキルは「クロススラッシュ」の上位版で「スラッシュ」の3連撃にあたる良スキルで、このスキルを待望していたゼクロスは「やっと覚えたぞ、新スキル!」と歓喜した。
そして、狩りも一段落したので「じゃあ、そろそろ店に戻りましょうか」とエリシャが言い、PTの皆も少し狩り疲れたので異論もなく、この丘陵地帯のMAPを出て、途中にジルドの町を経由して、首都のセルフィにある。エリシャの隠れ家的なロッジ風の店に帰還した。
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