深い森の彼方に

とも茶

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第十二章 また別の出会い

12-4

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朝、目を覚ますと窓から仕事に行くらしい女たちが見えた。当時よりかなり人数は減ったが、プリーツスカート姿だった。この人たちはどうも背景ではないらしい。
突然、その中に異様な恰好の女が現れた。フリルで縁取られたたっぷりフレア入った膝丈のスカートにレースのヒラヒラのブラウス、ピンクハウスだ。
ちょうど目を覚ました厚化粧は、私がピンクハウスに目を向けているのに気づき、
「へんなやつだね。あんなヒラヒラした服を着ているうえに、猿みたいに足に毛が生えているんだよ。」
「あの子はずっとここにいるんですか。」
「いや、来たのは1週間ぐらい前さ。毎日あの恰好でどこかに仕事に行って、夕方にはかえってくる。今日もたぶんそうだろう。」
ピンクハウスは私に気付かず、出かけていった。
「じゃあ、私は仕事に行ってくるからね。何時まででもゆっくりしてっていいよ。今晩もここに泊まってもいいし。」
厚化粧は仕事に行った。
私は、二日酔いの状態でまた3~4時間かけて帰るのが億劫になり、暫く休ませてもらうことにした。着替えもないので、スーツを脱ぎ捨て全裸になり(ここでは全裸はめずらしくない)下着とブラウスを洗濯し外に干させてもらうと、全裸のまま再びベッドで寝込んだ。

目が覚めるともう午後らしい。あわてて、干してあった下着とブラウスを回収すると身に着けた。いつものようにスーツ姿になったところで、ぽつぽつ女たちが仕事から戻って来る。私と話をしたそうだったピンクハウスと情報交換するにはいい機会だろう。長身の娘と最初の情報交換もここだ。
ろくな化粧もせず男丸出しのピンクハウスと対面するには、私は先住者として、女らしさをきちんと見せなくてはならないと思った。他の服は持ってきていいないので、しょうがない。厚化粧から明るいルージュとマスカラを借り丹念に化粧をした。イヤリングとネックレスも借りた。髪もシュシュで纏めようとしたが、ちょっとたりない。なんとなく見栄の張り方が女っぽくなってきた自分にちょっと不思議な気がした。
玄関脇に立っていると、遠くからピンクハウスが歩いてくるのが見えた。下を向き、おどおどした態度だ。玄関に近づくと恐る恐る廻りを見渡し、私に気付くとびっくりした表情をした。
「あなた、お仕事の帰り? ここに暮らしていたのね?」
私は声をかけた。
「あ、こんにちは。どうして、ここに。」
「ここに、お友達がいるので昨日からきてたの。そうしたら、今朝あなたを見掛けて、私と話したがっているのを思いだして、待ってたのよ。」
「わざわざ、すみません。」
「もしよければちょっと話をする?」
「はい。でもここでは目立つし・・・」
「じゃあ、裏の森に行きましょう。」

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