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三千世界・再誕(8)
第一話 「甘めの朝食」
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イタリア区・Chaos社ヨーロッパ支部
バロンがデスクから離れ、急ぎ足で転送装置のある部屋に向かう。自動ドアがスライドし、転送部屋に入ると、そこにはエリアルと、息も絶え絶えなアリアがいた。
「……急にセレスティアル・アークからワープしてきたと思ったら、何があったんだ」
バロンが跪き、へたり込んでいるアリアの肩に手を置く。
「明人くんが、明人くんが拐われちゃったのです!」
「……どういうことだね。詳しく説明してくれるか」
「えっと、えっとですね、燐花ちゃんっていう女の子が突然やって来て、セレスティアル・アークを燃やして……!」
バロンとエリアルは、その名前で頷き合う。
「……事情はわかった。少し休むといい」
会話が終わると、エリアルがアリアを連れて部屋を去る。
「……行方不明になっていた月城兄妹が生きていたのか……最近目立つ旧Chaos社の残党を率いているのは彼女たちということか」
バロンは部屋を出て、向かうときと同じように早足で執務室へ去った。
フランス区・ロストレミニセンス
大通りにあるカフェの客席で、レイヴンがパフェを食べていた。その様を見つつアーシャが微笑む。
「レイヴンさんって、実は甘党だったんですね」
「ん?ま、戦うってのは体力使うからな。しかし、お前は何も食わねえのか?」
「食べると太っちゃいますから」
アーシャの答えに、レイヴンはスプーンでパフェのアイスを掬ってアーシャに向ける。
「むっ……そういうの、いけないと思います。私はちゃんと自分を律してるんです」
「はっ、ストイックなのは結構だが、食わねえと育たねえぞ?」
「レイヴンさんはどういう女性が好みなんですか?」
「んあ?なんでそういう話になる」
「別に気にしなくていいですから、答えてみてください」
レイヴンはスプーンに残ったアイスを舐めとる。
「そうだな……お前が大人になったら教えてやるよ」
「むむ……そうやっていつも私のことを子供扱いするんですから……私だって十歳になったんですから、成人まであと少しです」
「何言ってやがる、グランシデアは二十二歳で成人だろ」
「でもリリュールは十八で成人です!」
「グランシデアの王女様にリリュールの法律が適用されるわけねえだろ」
「そりゃそうですけど……少しくらい、私との関係、進めてもいいんじゃないですか?」
「わかった。好みの女性は言わんが守備範囲外は言ってやる。ガキは勘弁な」
「……!わかりました!私だって願い下げです!べーっ!」
アーシャが煽るように舌を出すが、レイヴンはスルーしてパフェを食べる。
「ふん……もういいです……レイヴンさんがそうやって私をからかってる間に、誰かのお嫁さんになっちゃうんです。その時になって泣きついてきても知りませんからね」
顔を伏せて拗ねた態度を見せると、レイヴンは気の抜けた笑いで返す。
「ま、ほどほどに頑張れや」
レイヴンがパフェを食べ終わると同時に、店の扉が開けられ、店内の人々がざわめく。二人がそちらへ視線を向けると、バロンが真っ直ぐ二人へ向かい、その目の前で立ち止まる。
「……ここにいたか」
「おう、あんたのお陰でタダ飯食えるからな」
「……仕事の時間だ」
その一言で、レイヴンとアーシャは視線を合わせ、頷く。そして同時に、バロンの方を向く。
「わかった」
「……うむ。準備が出来たらすぐにヨーロッパ支部まで来てくれ」
それだけ告げて、バロンは店から去った。
「だとよ、アーシャ」
「わかってます。レイヴンさん、出掛ける前に湯浴みしませんか?」
「はぁ?シャワーなら朝浴びたぞ」
「いいじゃないですか。仕事ってことは、しばらくちゃんと休憩できないかもしれないんですよ?出来るだけ清潔にしておきましょうよ」
「わかったわかった。なら急ぐぞ」
二人は席を立ち、店を出ていった。
イタリア区・Chaos社ヨーロッパ支部
客間でバロンとエリアルが並んで長椅子に座り、膝丈程度の高さのテーブルを挟んで対面にアリアが座っていた。
「……落ち着いたようだね」
バロンが口を開くと、アリアが頷く。
「……君が言った、燐花、という少女だが……」
エリアルが持っていた資料をテーブルに出す。
「……Chaos社の外部特殊作戦部の部隊長、そしてChaos社の中で最も杉原明人を崇拝していた人物だ。僕たちがバロン・クロザキとの戦いを繰り広げる裏で、明人からの命を受け、無明桃源郷という場所について調査をしており……そして、行方不明になっていた」
アリアが資料に目を通す。
「その子が、どうして明人くんを攻撃したのです?」
「……流石にそこまでは。だが、推測できる理由としては、ある程度の狂信者は、自分の中で依存している人物を神格化するものだ。明人が自分の思う姿とは異なる一面を僅かでも見せただけで、極端な攻撃性を示す可能性がある」
「よく、わからないのですけど……このままだと、明人くんが危ないのです?」
「……少なくとも、最近報告が多くある、旧Chaos社のテロリズムを活発化させる危険性がある以上、彼の身柄はどうであれ奪還せねばならない」
バロンが冷ややかにそう言うと、アリアは頷く。
「私が明人くんを今の道に引き込んだのですから、私が助けに行きたいのです」
アリアが真っ直ぐに伝えると、客間の扉が開かれ、レイヴンとアーシャが入室する。
「バロン、準備できたぜ……って、なんでアリアがここに居るんだよ」
レイヴンが驚き、バロンが立ち上がる。
「……ちょうどいい。君も聞いてくれ、レイヴン」
「ああ」
立ったまま、バロンは話を続ける。
「……アリア君。君には後で試作品を使ってみてほしい。故に、ここでしばらく待機していてくれ。エリアルもだ」
エリアルは軽く頷く。
「わかったわ」
「……今から僕たちは、イギリスに向かう。僕が旧Chaos社を潰しにかかったと知れば、あちらも何かしらの動きは見せるはずだからな。レイヴン、君には用心棒をしてもらおう」
レイヴンは苦笑する。
「あんたに用心棒?笑わせてくれるぜ。その旧Chaos社とやらも、あんた一人でどうにかなるんじゃねえか?」
「……戦力は多い方がいいだろう。当然のことだ。では、行くぞ」
バロンが部屋を出て、それに従ってレイヴンとアーシャも部屋を出る。扉が勝手に閉じて、エリアルが伸びて椅子に横になる。
「んんーっ、やっぱ真面目な話疲れるわー」
アリアはエリアルのだらけた姿を見る。
「えっと、エリアルさんはバロンさんと一緒に行かなくていいのです?」
「ああ、あの人は不器用だからねー。自分が残ってもあなたの相手は出来ないと思ったのよ」
「……」
アリアは下を向いて膝上で拳を握る。
「ふふ、そんなに彼が気になる?」
エリアルが微笑みを向けると、アリアは少し緊張が和らいだように顔を緩める。
「私が明人くんを今の姿にしたのですから……ちゃんと、昔の明人くんとを分かつ戦いに、私も加わるのが道理なのですよね」
「そんな大層なものじゃないわ。……いや、あなたや燐花にとっては、とても重要なものなのかもしれないけれど」
エリアルは体を起こす。
「ちょっと採寸したいから、私の部屋に行きましょ」
「はいなのです」
二人は立ち上がり、客間を出ていった。
バロンがデスクから離れ、急ぎ足で転送装置のある部屋に向かう。自動ドアがスライドし、転送部屋に入ると、そこにはエリアルと、息も絶え絶えなアリアがいた。
「……急にセレスティアル・アークからワープしてきたと思ったら、何があったんだ」
バロンが跪き、へたり込んでいるアリアの肩に手を置く。
「明人くんが、明人くんが拐われちゃったのです!」
「……どういうことだね。詳しく説明してくれるか」
「えっと、えっとですね、燐花ちゃんっていう女の子が突然やって来て、セレスティアル・アークを燃やして……!」
バロンとエリアルは、その名前で頷き合う。
「……事情はわかった。少し休むといい」
会話が終わると、エリアルがアリアを連れて部屋を去る。
「……行方不明になっていた月城兄妹が生きていたのか……最近目立つ旧Chaos社の残党を率いているのは彼女たちということか」
バロンは部屋を出て、向かうときと同じように早足で執務室へ去った。
フランス区・ロストレミニセンス
大通りにあるカフェの客席で、レイヴンがパフェを食べていた。その様を見つつアーシャが微笑む。
「レイヴンさんって、実は甘党だったんですね」
「ん?ま、戦うってのは体力使うからな。しかし、お前は何も食わねえのか?」
「食べると太っちゃいますから」
アーシャの答えに、レイヴンはスプーンでパフェのアイスを掬ってアーシャに向ける。
「むっ……そういうの、いけないと思います。私はちゃんと自分を律してるんです」
「はっ、ストイックなのは結構だが、食わねえと育たねえぞ?」
「レイヴンさんはどういう女性が好みなんですか?」
「んあ?なんでそういう話になる」
「別に気にしなくていいですから、答えてみてください」
レイヴンはスプーンに残ったアイスを舐めとる。
「そうだな……お前が大人になったら教えてやるよ」
「むむ……そうやっていつも私のことを子供扱いするんですから……私だって十歳になったんですから、成人まであと少しです」
「何言ってやがる、グランシデアは二十二歳で成人だろ」
「でもリリュールは十八で成人です!」
「グランシデアの王女様にリリュールの法律が適用されるわけねえだろ」
「そりゃそうですけど……少しくらい、私との関係、進めてもいいんじゃないですか?」
「わかった。好みの女性は言わんが守備範囲外は言ってやる。ガキは勘弁な」
「……!わかりました!私だって願い下げです!べーっ!」
アーシャが煽るように舌を出すが、レイヴンはスルーしてパフェを食べる。
「ふん……もういいです……レイヴンさんがそうやって私をからかってる間に、誰かのお嫁さんになっちゃうんです。その時になって泣きついてきても知りませんからね」
顔を伏せて拗ねた態度を見せると、レイヴンは気の抜けた笑いで返す。
「ま、ほどほどに頑張れや」
レイヴンがパフェを食べ終わると同時に、店の扉が開けられ、店内の人々がざわめく。二人がそちらへ視線を向けると、バロンが真っ直ぐ二人へ向かい、その目の前で立ち止まる。
「……ここにいたか」
「おう、あんたのお陰でタダ飯食えるからな」
「……仕事の時間だ」
その一言で、レイヴンとアーシャは視線を合わせ、頷く。そして同時に、バロンの方を向く。
「わかった」
「……うむ。準備が出来たらすぐにヨーロッパ支部まで来てくれ」
それだけ告げて、バロンは店から去った。
「だとよ、アーシャ」
「わかってます。レイヴンさん、出掛ける前に湯浴みしませんか?」
「はぁ?シャワーなら朝浴びたぞ」
「いいじゃないですか。仕事ってことは、しばらくちゃんと休憩できないかもしれないんですよ?出来るだけ清潔にしておきましょうよ」
「わかったわかった。なら急ぐぞ」
二人は席を立ち、店を出ていった。
イタリア区・Chaos社ヨーロッパ支部
客間でバロンとエリアルが並んで長椅子に座り、膝丈程度の高さのテーブルを挟んで対面にアリアが座っていた。
「……落ち着いたようだね」
バロンが口を開くと、アリアが頷く。
「……君が言った、燐花、という少女だが……」
エリアルが持っていた資料をテーブルに出す。
「……Chaos社の外部特殊作戦部の部隊長、そしてChaos社の中で最も杉原明人を崇拝していた人物だ。僕たちがバロン・クロザキとの戦いを繰り広げる裏で、明人からの命を受け、無明桃源郷という場所について調査をしており……そして、行方不明になっていた」
アリアが資料に目を通す。
「その子が、どうして明人くんを攻撃したのです?」
「……流石にそこまでは。だが、推測できる理由としては、ある程度の狂信者は、自分の中で依存している人物を神格化するものだ。明人が自分の思う姿とは異なる一面を僅かでも見せただけで、極端な攻撃性を示す可能性がある」
「よく、わからないのですけど……このままだと、明人くんが危ないのです?」
「……少なくとも、最近報告が多くある、旧Chaos社のテロリズムを活発化させる危険性がある以上、彼の身柄はどうであれ奪還せねばならない」
バロンが冷ややかにそう言うと、アリアは頷く。
「私が明人くんを今の道に引き込んだのですから、私が助けに行きたいのです」
アリアが真っ直ぐに伝えると、客間の扉が開かれ、レイヴンとアーシャが入室する。
「バロン、準備できたぜ……って、なんでアリアがここに居るんだよ」
レイヴンが驚き、バロンが立ち上がる。
「……ちょうどいい。君も聞いてくれ、レイヴン」
「ああ」
立ったまま、バロンは話を続ける。
「……アリア君。君には後で試作品を使ってみてほしい。故に、ここでしばらく待機していてくれ。エリアルもだ」
エリアルは軽く頷く。
「わかったわ」
「……今から僕たちは、イギリスに向かう。僕が旧Chaos社を潰しにかかったと知れば、あちらも何かしらの動きは見せるはずだからな。レイヴン、君には用心棒をしてもらおう」
レイヴンは苦笑する。
「あんたに用心棒?笑わせてくれるぜ。その旧Chaos社とやらも、あんた一人でどうにかなるんじゃねえか?」
「……戦力は多い方がいいだろう。当然のことだ。では、行くぞ」
バロンが部屋を出て、それに従ってレイヴンとアーシャも部屋を出る。扉が勝手に閉じて、エリアルが伸びて椅子に横になる。
「んんーっ、やっぱ真面目な話疲れるわー」
アリアはエリアルのだらけた姿を見る。
「えっと、エリアルさんはバロンさんと一緒に行かなくていいのです?」
「ああ、あの人は不器用だからねー。自分が残ってもあなたの相手は出来ないと思ったのよ」
「……」
アリアは下を向いて膝上で拳を握る。
「ふふ、そんなに彼が気になる?」
エリアルが微笑みを向けると、アリアは少し緊張が和らいだように顔を緩める。
「私が明人くんを今の姿にしたのですから……ちゃんと、昔の明人くんとを分かつ戦いに、私も加わるのが道理なのですよね」
「そんな大層なものじゃないわ。……いや、あなたや燐花にとっては、とても重要なものなのかもしれないけれど」
エリアルは体を起こす。
「ちょっと採寸したいから、私の部屋に行きましょ」
「はいなのです」
二人は立ち上がり、客間を出ていった。
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