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三千世界・時諦(6)
第六話 「誉れ高き残像」
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太平洋
怒涛の攻撃が乱れ飛び、互いの法外なまでの威力の攻撃が更に時空を歪めていく。ヴァナ・ファキナの放つ光線と、ホシヒメの放つ熱線が激突し、エリアルの防壁がなければ宇宙が滅ぶほどの出力の爆発で対消滅する。その影から大量の鋼の槍が射出され、ヴァナ・ファキナは鎖を呼び出して応戦する。
「……ふん、真滅王龍という名は伊達ではないらしい。ここまでシフルを上手く扱うとは」
バロンがそう言うと、ホシヒメも頷く。
「ここまで大きくなるのにどれだけの世界を食べてきたんだろう……」
ヴァナ・ファキナは二人を見据える。
「全ては我の手中にあってこそ輝く。我と一体となることで、我は真の全知全能足り得るのだ!」
そして右腕を空へ掲げる。
「そうだ!我は自然にして被造物、全ての意志にして全ての本能!森羅万象全てを網羅しようとも、我に敵うものなど存在しないのだ!」
右手にシフルが集束し、それを人差し指に溜め、バロンへ放つ。バロンは鋼の盾で難なく防ぎきる。
「……ならばお前が死ぬまで永遠に戦い続けるだけだ。行くぞ、ホシヒメ!」
「うん!」
ヴァナ・ファキナ内部・淵荊白蘭
二人がしばらく歩くと、突然落下するような感覚に見舞われる。そして少しの間自由落下し、気がつくと、砂に埋もれたビルの上にいた。
ヴァナ・ファキナ内部・茫漠の墓場
先ほどまでの一面の闇とは打って変わり、今度は雲一つない青空と、どこまでも続く白砂の砂漠が広がっていた。
「なんだ、ここ」
ストラトスが率直な感想を述べると、シエルが答える。
「わからないけど……なんというか、何も感じないわ」
「何も感じない?」
「ええ。どこにも気配がないわ。どこまで行っても虚無があるだけ。この空間を作り出すためだけに必要なシフルしか感じられないわ」
二人はビルから飛び降り、日光を浴びて冷めきっている砂に着地する。
「ようやく進んだかと思ったら、また何もねえな」
「そうね……」
白砂の上を二人は延々と歩き、そして大きなアパート三つに囲まれた広場が現れる。二人は広場に足を踏み入れると、広場は突然空中へ浮き上がる。
「おわっ、なんだ!?」
「来る……!ストラトス、強大な気配が急速に近づいてくるわ!構えて!」
シエルがそう言った瞬間、強烈な風が起こり、二人の頭上からロータが舞い降りてくる。
「あんたは……!」
ストラトスが着地したロータへ視線を向ける。
「やっぱり……出来損ないは計画に勘案しないのが一番ね……狐の助言など聞く必要もなかったのに……」
周囲の廃墟も砂から上昇し、まばらに白砂が流れてくる。そして、突然横から現れた何かにシエルが突き飛ばされる。
「シエル!?」
ストラトスがそちらへ向く。
「ストラトス!そっちは頼むわね!」
シエルは受け身を取って親指を立てる。シエルを追うように巨影が空中を飛んでいく。ストラトスはロータへ向き直る。
「ふう……」
ロータは心底不快そうに髪を靡かせる。
「兄様はどうしてこんなやつを生んだのか……兄様の力となれることを感謝しないばかりか、あまつさえ反逆を企てようとは……」
ストラトスは槍をロータへ向ける。
「あんたは親父を止める立場の人間だったはずだろ。それを、わざわざ間違った方向へ進ませて、何を今さら言ってんだ」
「出来損ないの蜥蜴が……兄様に愛された以上、兄様に尽くす以外の幸せなどこの世界にはない!」
異常に早口でそう告げ、ロータは黒い骨の両翼を広げる。
「意志が消えてなくなるほど……細切れにすれば……お前も少しは役に立つだろう……」
ロータの目が黒く染まり、光彩が赤く輝く。そして尻尾が生え、口から蒸気を漏らす。
「力の前には、何者も無力……!」
ロータが鎖の這いずる球体を鎖から解き放ち、凄絶な爆発を起こす。ストラトスは竜化して飛び立ち、爆発から逃れる。しかしロータは攻撃のあとの隙すらなく、続けて魔力の塊の巨竜を作り出し、それがビームを放つ。ストラトスは時間障壁でそれを僅かに送らせ、躱す。ロータは紫色の棘を無数に召喚し、雨のように降らせる。ストラトスは必死に躱すが、いくつかの棘が突き刺さる。それで突然体の動きが急速に鈍る。魔力の巨竜の殴打を受けて叩き落とされ、ロータの鎖で絡め取られ、引き寄せられて左翼で腹を刺し貫かれる。
「ぐふっ!?」
ストラトスはこれまでの戦いで感じたことのないほどの激痛を感じる。
「ふん……その棘には……私が与える痛みを強化する力がある……実際に感じる痛みより、遥かに凶悪な苦痛が暴れまわるはず……」
翼爪が深く差し込まれ、ストラトスの骨髄に染み渡る痛みに意識が吹き飛びそうになる。しかしなんとか意識を繋ぎ止め、翼を掴み、反抗しようとする。
「あがぁっ……!」
「ふん……」
ロータが右翼でストラトスへ止めを刺そうとすると、右翼が空を裂き、ストラトスが居なかった。ロータはすぐに振り向き、広場を見る。そこには、シフルとセレナ、アポロニア、そしてヒカリが居た。ストラトスは、シフルの口に咥えられていた。シフルはストラトスを下ろし、ロータの方を向く。
「彼を殺させはしない。君の相手は私たちだ」
セレナが剣を抜く。
「ずいぶんと趣味が悪いのね、ロータおばさん。私たちが深層心理の夢で満足するとでも?」
ヒカリがガントレットを突き合わす。
「貴様は部外者だ。この戦いに踏み入る権利すらない」
アポロニアは、静かに頷く。
「理外の力は、確実に世界を歪ませる。例え全てが合一となっても、必ず綻びは生まれる」
ロータは露骨に不機嫌な顔をする。
「雑魚が……囀ずるな……」
シフルはセレナに合図し、セレナは頷く。ストラトスを抱えて竜化し、セレナは飛び去る。
「……」
ロータは当然のごとくセレナを狙うが、シフルが立ちふさがる。
「君を行かせはしない。この荒涼たる砂漠が、君の、そして私たちの墓場だ」
「ちっ」
ロータが鎖を召喚すると、シフルの時間障壁に受け止められ、そこへヒカリが光速で接近し、閃光を放つ。ロータはその光を右翼で弾き、右手に纏わせた紅い炎で薙ぎ払い、ヒカリの右のガントレットが破壊され、ロータは逃さず魔法陣を展開し、紫光を放つ。壊滅的な威力のそれはヒカリの纏うインベードアーマーを容易く貫通し、吹き飛ばす。アポロニアが輝く一矢を放ち、それがロータの頬を掠める。更にシフルが時間を光線に変えて発射する。ロータは鎖の防壁で光線を弾き、瞬時に作り出した怨愛の炎の火球をアポロニアに向けて発射する。アポロニアはすぐに躱し、ロータはそこを逃さず鎖で絡めとり、引き寄せる。
「消え失せろ、紛い物がッ!」
ロータは引き寄せて吹き飛ばし、全力で魔力を炸裂させ、アポロニアを消し炭にする。衝撃波が砂漠全域を揺らし、白い砂嵐が巻き起こり始める。シフルとロータは足場に着地し、シフルはヒカリと合流する。
「アポロニア……」
シフルが弾け飛んだ虚空を見つめ呟く。
「紛い物の魂に……因果は宿らない……」
ロータがそう言うと、シフルは頷く。
「うむ……その通りだ。彼は私が目的のために作ったエゴの産物。アイスヴァルバロイドの派生の一つでしかない。彼は元より使い捨てだ。残酷ではあるが」
「どうでもいい……死ね!」
ロータが目にも止まらぬ速度で魔法陣を産み出し、紫光を放つ。シフルが胸部の緑色のコアを輝かせ、全力の時間障壁で防ぐ。
「まだ死ねぬ。君にセレナを追わせるわけにはいかないのでね」
「傲慢な……未来人ね……」
怒涛の攻撃が乱れ飛び、互いの法外なまでの威力の攻撃が更に時空を歪めていく。ヴァナ・ファキナの放つ光線と、ホシヒメの放つ熱線が激突し、エリアルの防壁がなければ宇宙が滅ぶほどの出力の爆発で対消滅する。その影から大量の鋼の槍が射出され、ヴァナ・ファキナは鎖を呼び出して応戦する。
「……ふん、真滅王龍という名は伊達ではないらしい。ここまでシフルを上手く扱うとは」
バロンがそう言うと、ホシヒメも頷く。
「ここまで大きくなるのにどれだけの世界を食べてきたんだろう……」
ヴァナ・ファキナは二人を見据える。
「全ては我の手中にあってこそ輝く。我と一体となることで、我は真の全知全能足り得るのだ!」
そして右腕を空へ掲げる。
「そうだ!我は自然にして被造物、全ての意志にして全ての本能!森羅万象全てを網羅しようとも、我に敵うものなど存在しないのだ!」
右手にシフルが集束し、それを人差し指に溜め、バロンへ放つ。バロンは鋼の盾で難なく防ぎきる。
「……ならばお前が死ぬまで永遠に戦い続けるだけだ。行くぞ、ホシヒメ!」
「うん!」
ヴァナ・ファキナ内部・淵荊白蘭
二人がしばらく歩くと、突然落下するような感覚に見舞われる。そして少しの間自由落下し、気がつくと、砂に埋もれたビルの上にいた。
ヴァナ・ファキナ内部・茫漠の墓場
先ほどまでの一面の闇とは打って変わり、今度は雲一つない青空と、どこまでも続く白砂の砂漠が広がっていた。
「なんだ、ここ」
ストラトスが率直な感想を述べると、シエルが答える。
「わからないけど……なんというか、何も感じないわ」
「何も感じない?」
「ええ。どこにも気配がないわ。どこまで行っても虚無があるだけ。この空間を作り出すためだけに必要なシフルしか感じられないわ」
二人はビルから飛び降り、日光を浴びて冷めきっている砂に着地する。
「ようやく進んだかと思ったら、また何もねえな」
「そうね……」
白砂の上を二人は延々と歩き、そして大きなアパート三つに囲まれた広場が現れる。二人は広場に足を踏み入れると、広場は突然空中へ浮き上がる。
「おわっ、なんだ!?」
「来る……!ストラトス、強大な気配が急速に近づいてくるわ!構えて!」
シエルがそう言った瞬間、強烈な風が起こり、二人の頭上からロータが舞い降りてくる。
「あんたは……!」
ストラトスが着地したロータへ視線を向ける。
「やっぱり……出来損ないは計画に勘案しないのが一番ね……狐の助言など聞く必要もなかったのに……」
周囲の廃墟も砂から上昇し、まばらに白砂が流れてくる。そして、突然横から現れた何かにシエルが突き飛ばされる。
「シエル!?」
ストラトスがそちらへ向く。
「ストラトス!そっちは頼むわね!」
シエルは受け身を取って親指を立てる。シエルを追うように巨影が空中を飛んでいく。ストラトスはロータへ向き直る。
「ふう……」
ロータは心底不快そうに髪を靡かせる。
「兄様はどうしてこんなやつを生んだのか……兄様の力となれることを感謝しないばかりか、あまつさえ反逆を企てようとは……」
ストラトスは槍をロータへ向ける。
「あんたは親父を止める立場の人間だったはずだろ。それを、わざわざ間違った方向へ進ませて、何を今さら言ってんだ」
「出来損ないの蜥蜴が……兄様に愛された以上、兄様に尽くす以外の幸せなどこの世界にはない!」
異常に早口でそう告げ、ロータは黒い骨の両翼を広げる。
「意志が消えてなくなるほど……細切れにすれば……お前も少しは役に立つだろう……」
ロータの目が黒く染まり、光彩が赤く輝く。そして尻尾が生え、口から蒸気を漏らす。
「力の前には、何者も無力……!」
ロータが鎖の這いずる球体を鎖から解き放ち、凄絶な爆発を起こす。ストラトスは竜化して飛び立ち、爆発から逃れる。しかしロータは攻撃のあとの隙すらなく、続けて魔力の塊の巨竜を作り出し、それがビームを放つ。ストラトスは時間障壁でそれを僅かに送らせ、躱す。ロータは紫色の棘を無数に召喚し、雨のように降らせる。ストラトスは必死に躱すが、いくつかの棘が突き刺さる。それで突然体の動きが急速に鈍る。魔力の巨竜の殴打を受けて叩き落とされ、ロータの鎖で絡め取られ、引き寄せられて左翼で腹を刺し貫かれる。
「ぐふっ!?」
ストラトスはこれまでの戦いで感じたことのないほどの激痛を感じる。
「ふん……その棘には……私が与える痛みを強化する力がある……実際に感じる痛みより、遥かに凶悪な苦痛が暴れまわるはず……」
翼爪が深く差し込まれ、ストラトスの骨髄に染み渡る痛みに意識が吹き飛びそうになる。しかしなんとか意識を繋ぎ止め、翼を掴み、反抗しようとする。
「あがぁっ……!」
「ふん……」
ロータが右翼でストラトスへ止めを刺そうとすると、右翼が空を裂き、ストラトスが居なかった。ロータはすぐに振り向き、広場を見る。そこには、シフルとセレナ、アポロニア、そしてヒカリが居た。ストラトスは、シフルの口に咥えられていた。シフルはストラトスを下ろし、ロータの方を向く。
「彼を殺させはしない。君の相手は私たちだ」
セレナが剣を抜く。
「ずいぶんと趣味が悪いのね、ロータおばさん。私たちが深層心理の夢で満足するとでも?」
ヒカリがガントレットを突き合わす。
「貴様は部外者だ。この戦いに踏み入る権利すらない」
アポロニアは、静かに頷く。
「理外の力は、確実に世界を歪ませる。例え全てが合一となっても、必ず綻びは生まれる」
ロータは露骨に不機嫌な顔をする。
「雑魚が……囀ずるな……」
シフルはセレナに合図し、セレナは頷く。ストラトスを抱えて竜化し、セレナは飛び去る。
「……」
ロータは当然のごとくセレナを狙うが、シフルが立ちふさがる。
「君を行かせはしない。この荒涼たる砂漠が、君の、そして私たちの墓場だ」
「ちっ」
ロータが鎖を召喚すると、シフルの時間障壁に受け止められ、そこへヒカリが光速で接近し、閃光を放つ。ロータはその光を右翼で弾き、右手に纏わせた紅い炎で薙ぎ払い、ヒカリの右のガントレットが破壊され、ロータは逃さず魔法陣を展開し、紫光を放つ。壊滅的な威力のそれはヒカリの纏うインベードアーマーを容易く貫通し、吹き飛ばす。アポロニアが輝く一矢を放ち、それがロータの頬を掠める。更にシフルが時間を光線に変えて発射する。ロータは鎖の防壁で光線を弾き、瞬時に作り出した怨愛の炎の火球をアポロニアに向けて発射する。アポロニアはすぐに躱し、ロータはそこを逃さず鎖で絡めとり、引き寄せる。
「消え失せろ、紛い物がッ!」
ロータは引き寄せて吹き飛ばし、全力で魔力を炸裂させ、アポロニアを消し炭にする。衝撃波が砂漠全域を揺らし、白い砂嵐が巻き起こり始める。シフルとロータは足場に着地し、シフルはヒカリと合流する。
「アポロニア……」
シフルが弾け飛んだ虚空を見つめ呟く。
「紛い物の魂に……因果は宿らない……」
ロータがそう言うと、シフルは頷く。
「うむ……その通りだ。彼は私が目的のために作ったエゴの産物。アイスヴァルバロイドの派生の一つでしかない。彼は元より使い捨てだ。残酷ではあるが」
「どうでもいい……死ね!」
ロータが目にも止まらぬ速度で魔法陣を産み出し、紫光を放つ。シフルが胸部の緑色のコアを輝かせ、全力の時間障壁で防ぐ。
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