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三千世界・時諦(6)

第二話 「ブラザーズ・コンプレックス」

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 月詠の亡都アタラクシア
 シフルの凄まじい荒波が要塞を覆い、元々空洞の多いアタラクシアの内部は常に強風が吹き荒れている。玉座には巨大な結晶と、その前にはロータとトラツグミがいた。
「ああ……兄様、もうすぐ一つになれるよ……不純物が多いけど我慢してね……私もちゃんと我慢するから……」
 恍惚とするロータの横で、トラツグミは黙って俯いている。
「うひ、ひひひひひ……」
 ロータが気味の悪い笑い声を上げ、結晶の内部で荒れ狂うシフルが赤い目を開く。
「ロータ」
 結晶の中から声が響く。
「兄様……私はここに」
 ロータが跪く。
「我のためにここまで忠を尽くしたこと、礼を言おう」
「お気になさらず……私は兄様《あなた》と共にある」
「だがまだ力が足りぬ……」
 ロータは立ち上がり、首元のネクタイを外しながら結晶へ近づいていく。
「私の体を捧げ――」
 結晶の中の声がそれを拒否する。
「貴様はまだ我の手足として働いてもらう。そこの女を寄越せ」
 ロータは服装を正し、トラツグミを顎で使う。トラツグミが前へ出ると、結晶の中から鎖が湧き出て、結晶のなかに引きずり込まれる。
「兄様は私に力がないっていうの?」
「力があるからこそ、我の力となるのは最後でいい。ロータ、貴様は我の傀儡だ。その力も、その知恵も、その体も、何もかも、貴様は我の所有物だ。それが、我が写し身と交わった人間の宿命だ」
「んふふふ……それで構わない。この身を捧げたあの日から、全てはあなたの、兄様のために存在しているのだから……」
「ふん、好き者め」
「では……私は何をすれば?」
 結晶は光を放つ。
「もはや我の復活を阻むのは宙核と竜姫しか居らぬ。ならば、貴様は奴らを滅ぼし、我が復活の贄とするのみよ」
 ロータは頷き、お辞儀をして反転する。
「待て」
 その声に、ロータは立ち止まり振り返る。
「持っていけ」
 結晶から鎖が吐き出される。
「これは?」
「アルバの天象の鎖だ。元はと言えば貴様の力だろう。我から敬虔な奴隷への贈り物だ」
 ロータは鎖を拾い上げ、吸収する。
「じゃあ兄様、行ってくるね」
「吉報以外は必要ない」
 ロータは歩いて広間から去っていく。

 アタラクシア・屋上
 ロータが屋上に出ると、ちょうどバロンたちが目の前に着地する。
「……ロータ」
 バロンとロータは視線を交わす。
「……君は何のためにここにいる」
「愚問……私は兄様のためにここにいる」
 ホシヒメが続く。
「君の好きなレイヴンはあの竜の中に閉じ込められてるんだよ!?」
「それが?私にとって兄様は兄様。誰によってどんな意識が働いていようが、魂が兄様なら兄様なの」
 バロンが頷く。
「……かつての同士でも仕方ない。君が譲れぬ己の理想のために戦うなら、僕たちも目的のために戦うまでだ」
 ロータは鼻で笑う。
「下らない。私の全ては兄様のためにある。私はあくまでも兄様のために戦っている。それが結果として、お前たちの役に立っていたに過ぎない」
 そしてマントの裏から黒い骨の片翼を展開する。
「お前たちを殺して、兄様に捧げる。全ては兄様のために」
 ロータの両腕に鎖が巻き付く。
「速やかに果てろ!」
 ロータの眼前に魔法陣が展開され、紫の光線が三つ飛ぶ。四人は躱し、その勢いのままエリアルが後ろに飛び退く。そしてホシヒメが光速で接近し、右腕を放つ。ロータは上体を逸らして避け、ホシヒメの体に鎖を巻き付け、振り回して叩きつける。ルクレツィアがそこへ突進して神速の抜刀を放つも、ロータは難なく躱し、怨愛の炎を纏った鎖が飛んでくる。ルクレツィアは隙なく打ち返し、続けて翼の一撃を防ぐ。ロータは両手を合わせ、掌からシフル塊を放つ。ルクレツィアが後ろに激しく吹き飛ばされるが、エリアルの力ですぐに傷が癒える。バロンがロータへ拳を放ち、ロータも拳を合わせる。衝突し、互いに肘を折り、前腕で競り合う。
「……君がここにいると言うことは、ヴァナ・ファキナはまだ覚醒には遠いらしい」
「……」
 ロータは力を込めてバロンを押し返し、魔法陣から紫の光線を放つ。バロンは鋼の盾で防ぎ、ロータの背後からホシヒメが殴りかかる。しかし拳は翼に受け止められ、ロータは拳を振り下ろす。ホシヒメは躱し、反撃に拳を叩き込む。ロータは怯まず、魔力を一気に解き放ってホシヒメを吹き飛ばす。後方から超光速で接近してきたバロンの拳をロータは鎖で受け止め、そして身を翻し、鎖をバロンへ光速で叩きつける。バロンはそれを防ぎ、反撃に鋼の球体を発射して爆裂させ、ロータは鎖の壁で防ぐ。
「……ホシヒメ、ここは僕が相手をする。ヴァナ・ファキナは君に頼めるか」
「うん!まっかせて!」
 ホシヒメとルクレツィアが嵐の中へ飛び込もうとし、ロータが全力で妨害しようとするが、バロンがロータに追随して妨害する。そして二人がいなくなったあと、バロンとロータは一定の距離を取って向かい合う。
「ちっ、無駄に賢しい奴め……」
「……君は目的のために周囲を見ることをしない癖がある。これだけがむしゃらに戦われては、何か本丸に不備があると証明しているようなものだ」
「まあいい。ホシヒメより宙核の確保の方が優先……」
 ロータが全身から力を発し、周囲の嵐が消えていく。

 太平洋上空・アタラクシア
 紺碧の空と海が視界の天地を包み、白日が降り注ぐ。
「世界の命運はここで潰える。全てはヴァナ・ファキナに隷属し、力と知識を捧げるだけの供物となる」
 ロータの瞳孔が赤く染まり、白目が黒く染まる。そして骨の翼がもう一枚生え、尾てい骨からスカートを貫いて尻尾が現れる。
「心のままに歌うがいい。希望を、絶望を、過去を、未来を。何がどうなろうと運命は変わらない。結末は一つだけ」
 ロータはふっと足を踏み出し、空中に浮く。
「我は戒めでも、神の歴史を物語るものでもない。我は天を象る鎖、天に満ちたる原初なる輝き」
「……天象の鎖……始源世界と他の全ての世界とを隔てる、万象の力か。それだけではない。君から感じるこの力は……ヴァナ・ファキナと、ギルグルガの力か」
 後ろでエリアルが続く。
「ギルグルガ……始源世界の王龍の一角ね。まさか、ヴァナ・ファキナに吸収されていたなんて」
 ロータが珍しく口角を上げる。
「私と言う最高の素体には、最高の力が相応しい。当然のこと」
「……果てしない邪気を感じる。それが君の心を埋め尽くす闇か」
「邪気?違う。これは兄様への愛……私の体の中を駆け巡る、シフルへ注ぎ込む狂おしき炎」
「……ふう。確かに凄まじい感情の波だ。常人なら君の前に立つことすら出来ずに焼き尽くされるだろうな」
 バロンは呼吸を整える。
「……初めて会ったときから、君の心の危うさを知っていたが……これほどまでに心に間隙を持っていたとはな。大きな心の隙間を持っている人間ほど、その心を埋めてくれる存在のために狂気的なまでに奔走する」
「否。私の心には最初から兄様しかいない、あの人しか見えてない。お前も所詮、兄様にとって価値があるもの。私にとってはどうでもいい」
「……。なんにせよ、ここで君には死んでもらおう。新生世界を滅ぼしただけでは足りないようだからな」
 バロンは静かに闘気を露にする。
「見える……二人の発するシフルが、渦巻いて熱を上げていくのが……」
 エリアルは外野から眺めつつ呟く。
「まるで始源世界の戦いね……この宇宙で耐えられるかしら……」
 そんな心配をよそに、二人は発する力をさらに高めていく。
「派手に死ねえ!」
 ロータが叫び、無数の魔法陣が現れ、そこから黄金の光を纏った鎖が暗黒を放ちながら発射される。バロンは真正面から鎖を無動作で弾き、接近する。バロンは鋼の拳に純シフルを乗せ、ロータは怨愛の炎を纏った鎖でそれを防御する。強烈な衝撃で太平洋が一瞬で干上がり、空がひび割れる。バロンの続く攻撃をロータは蹴りで応戦し、渾身の尾の一撃をぶつけ、バロンはガードして反撃の拳を上から振り下ろす。左翼で往なし、右翼でバロンの胸部目掛けて攻撃を放つ。が、翼はバロンの胸に届くことなく受け止められ、至近距離でバロンの撃掌を受け、ロータの腹部が煙を上げる。ロータは黄金の輝きを纏った鎖をぶつけ、同時に力を放出してバロンを弾き飛ばす。両者は一旦距離を取る。
「……なるほど、熱い思いだ。敵ながらあっぱれといったところか」
「相も変わらず無垢な闘気……欲望のない、空色の魂……反吐が出る。何も望まない、何も欲さない、そんな命に何の価値があるの?」
「……価値は誰かが決めてくれるさ。僕はそれに応えるだけだ」
「自分の意思を持たぬものがいけしゃあしゃあと……よくも私の心を見定めたようなことを言えたな」
「……自分で決めるのも、誰かに決めてもらうのも、正しさの一つだ。君が納得できるかどうかは別として、な」
 ロータの口から蒸気が漏れる。
「私の心は兄様のためだけにある。兄様だけが私を絆し、唆し、食らい、嬲り、犯し、尊厳も自我も、私を好きなように作り替える権利がある」
「……それでいいのだろう。僕にはもう、どの自分が正解かなどわからない」
 ロータが鎖を振り回して橙色の輝きを放つ球体を作り出す。その球体の中には鎖が凄まじい速度で蠢いていた。バロンの眼前で炸裂し、バロンは鋼の盾で防ぐ。その衝撃で雲は全て消え、空間が捩れていく。黄金の渦がいくつも現れ、そこから暗黒を纏った鎖が乱射される。バロンは鎖の雨を巧みに躱し、ロータは尻尾に全霊を込めてバロンへぶつける。尾の一撃を加速して躱し、頭上から殴り下ろしてロータは突っ伏す。すぐに起き上がったロータは頭上から追撃するバロンへ魔法陣を展開し、そこから紫光を放つ。バロンは光速で動いて距離を取り、ロータがすかさず右手から紫雷を放射し、バロンは鋼の波で応戦する。
「ちいっ……」
 ロータが焦燥感に駆られる。自分は全力で攻撃を仕掛けているにも関わらず、バロンは本気を出すどころか竜化すらしていない。
「どうして竜化しない……ッ!」
 そして発するシフルが乱れ、苛立ちで気の流れが整わなくなっていく。
「……どうして、か。何となくでもわかるだろう。僕にとって、君は取るに足らない。それだけのことだ」
「舐めるな……!」
 ロータは鎖を放ち、紫光と紫雷とを重ね、更に魔力で作られた竜が何体も現れて極大の光線を放つ。それらが同時に着弾し、バロンが鋼の壁で全て防ぐ。
「このクソがッ……!」
 ロータが無暗に攻撃を仕掛け、バロンの手痛い反撃を食らって吹き飛ばされる。同時に、ロータの胸部を鎖が貫く。
「……なんだ……」
 バロンが警戒し、後方でエリアルが腕を組む。
「バロン、あの鎖は天象の鎖じゃないわ。気を付けて……もっと別次元の力を感じるわ!」
「……ああ、わかっているとも……」
 二人が傍観していると、ロータは激しく呻く。
「兄様のためなら……どんな力でも……受け入れる……私は……兄様の欲求を……全て満たすためだけに、生まれてきた……!」
 鎖の先端が発火し、紫炎を発する。それはロータの全身に燃え広がり、ロータは立ち上がる。
「声がする……兄様の、声が……力を求める、切なる言葉が、孤独を埋め尽くす、知識への渇望が……」
 ロータが胸から鎖を引き抜く。
「狂おしき炎の衝動と共に、私の全てを懸ける」
 そして鎖に包まれ、紫色の大爆発を起こす。そこには、ロータとは似ても似つかぬ、紫色の魔獣が居た。魔獣は二本の足で降り立ち、怨愛の炎を宿した翼と剣を携えていた。
「兄様のため、全てを滅ぼさん。我が名は隷王龍〈コンジャンクション〉」
 エリアルがその言葉に反応する。
「コンジャンクション……なるほど、月《セレナ》と太陽《アルバ》が大気《ストラトス》のなかで一つになってるって、そういうことかしら」
「……望遠鏡から見ているにしては近すぎる気もするがな」
 バロンは改めて拳を構える。
「ふん、まだその姿で戦おうと言うの……?空っぽの心では相手を侮るだけしかできない……」
 コンジャンクションが剣を振るうと、紫炎の激流がバロン目掛けて荒れ狂う。バロンは闘気を巧みに流して炎の軌跡を変え、距離を縮める。コンジャンクションは炎の翼を盾にし、バロンは流体の鋼で炎の噴出を押さえて防御を突破し、コンジャンクションは身を翻して剣をぶつける。右腕で防がれ、左腕の攻撃が届く前に鎖を放ち、それを盾にして魔法陣から熱線を放ってバロンを強襲する。
「……随分と冷たい炎だ。そんなもので僕を焼き尽くせるのか?」
「戯れ言を……!」
 熱線を光の闘気で受け流し、至近距離で鋼の槍を撃ち込む。コンジャンクションは剣で薙ぎ払い、そして空いている左腕を地面に叩きつけて衝撃波と熱波を放つ。バロンはその二つの攻撃を全て往なし、撃ち込んだ鋼の槍が弾け飛んでコンジャンクションの速度が流体金属で鈍化し、そこへバロンが渾身の拳を叩き込む。コンジャンクションの鎧が砕け、中身のロータが飛び出して転がる。
「ぐっ……」
 ロータは起き上がろうとするが、余りにも重度のダメージを受けたためか、その場から動かない。
「……」
 バロンは近づく。そして、砕けたコンジャンクションの体から、鎖を取り出す。
「……こっちがアルバの持っている鎖だな」
 ロータが這いずってバロンの足にすがりつく。
「行かせない……兄様のもとへは、行かせない……!」
 バロンはロータの頭を掴んで持ち上げる。
「……他の世界の君が報われることを願う」
 そして、拳でロータを砕き、消滅させる。後方からエリアルが近寄ってくる。
「本当に殺してよかったの?」
「……仕方ないだろう。彼女は、どうあっても敵対することしかできない。ヴァナ・ファキナを滅ぼし、彼女が生きていたなら、次は彼女こそが世界にとっての脅威となる。僕たちも一度は経験したことだ」
「サヘラントロプスの争乱ね……零獄の審判の時も彼女は敵になったし……」
「……敵に情けは無用だ」
「そうね……」
 二人はアタラクシアの内部へ向かう。
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