魔女と従者

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魔女と従者

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「本当に人間は愚かだな」

昔むかしあるところに瞳の色が左右で違う子供が産まれました。
産まれたばかりのその赤子は、その瞳のせいで街の人からも親からも気味悪がられ森の奥に捨てられました。


数百年後雪積もる同じ場所に一人のフードを被った幼子と人間によく似た何かが一つ…

「迷ったのか?森は寒い。早く家で暖を取れ小僧」

「・・・」

「よいか?この森には人間嫌いの憤怒の魔女が居るのだぞ?餓鬼は大人しく母親の元へ帰ってやれ!」

小さく、か細いながらもしっかりとした声で幼子は言いました。

「帰る場所も迎えてくれる人も居ない」

魔女は何故だと問いました。
すると幼子はゆっくりとフードを脱ぎ、この髪のせいだと端的に言いました。
短いその言葉に恐怖と諦めを滲ませて。

幼子の髪は魔女が長らく生きてきた中で見たことも無い色の髪でした。
いえ、正確には色が無い髪でした。

「雪のように真っ白い綺麗な髪じゃない」

幼子はその言葉に驚き声の主を初めて見ました。
そこには左右で違う瞳がありました。
その瞳に数秒前の自分と同じような恐怖と憤怒を感じならも幼子は子供らしい素直な感想を述べました。

「宝石みたいな綺麗な瞳。」

今度は魔女がその言葉に驚き顔を右目と同じ色に染めました。

雪のような少年と烈火と深海の魔女のお話。


二十年後


黒いドレスに黒い髪、烈火を髪で隠した魔女が一人とその従者の黒いタキシード姿の白髪の青年が一人。
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