狂おしいほど綺麗な世界

哀れな王子2

王子は、姫を探す間少女……
赤ずきんの家に居候する事になった。
女の子の苦手な事を率先してやり仲良く暮らした。
そうして一年が経とうとしている頃王子は、赤ずきんに惹かれている自分に気がついた。
笑顔がとても可愛らしく元気で明るい赤ずきんに王子は恋をしてしまったのだ。

だが、それは許されない恋だった。
自分は、姫を探しにここに来た…なのに別の少女に恋をするなどと、王子は自分が許せなくて許せなくてたまらなかった…

そんな王子を知ってか赤ずきんはとても心配そうだった。
そんなある日二人の元に魔女がやってきた。
魔女は、王子が探している白雪姫がとうの昔に死んでいると告げ去って行った。

それからの王子は、赤ずきんでさえ手出しできないくらいの荒れようだった。
愛しの白雪姫が死んでいたにもかかわらず自分だけ赤ずきんと楽しく暮らし、本気で探そうとはしなかった自分を…最後には、赤ずきんに恋してしまった自分を王子はただただ責めた。

そして数日後王子は、赤ずきんに書き置きのみを残し、白雪姫を探しに旅立った。
白雪姫は、特殊な体質で簡単には死なない…いや、王子のキスさえあれば死んでいても生き返らす事が出来るのだ。

彼は知らない。その行動が新たな悲劇を生む事を