狂おしいほど綺麗な世界

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哀れな王子

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王子は夢の国の住人では無かった。
ただ自分の愛する姫を追いかけ夢の国にやってきた。

だが、姫は見つからず帰り道さえ分からなくなってしまった王子は、森の中で倒れてしまった。
気がつくとそこには赤い頭巾をかぶった少女と体格のいい男が立っていた。
少女に今の自分の状況を聞くと、「森の中で倒れていたのを見つけこちらの狩り人の方と一緒に私のお家までお運びいたしました。といってもほとんど狩人の人が運んで下さったんですけど…」と照れくさそうに少女は笑った。
狩人の方はと言うと、笑顔一つ見せず王子を警戒している様子だった。

そんな二人に慌てて感謝の言葉と自分が倒れていた理由を話すと少し狩人の警戒が和らいだ気がした。

彼女は、森のはずれにあるこの家でずっと一人で住んでいるらしい。
ここは狼が出るらしく少女と町の人を守るため彼(狩人)がいるのだろうと王子は、理解した。
少女の日課は血の繋がっていない森の中に住むおばあちゃんの家に遊びに行く事らしい。だから王子を発見できたのだろう。
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