3 / 20
「異世界の楽園」編
2.二日後
しおりを挟む
翌日、俺は赤の魔力を得るため、森の更に奥にある山へと足を踏み入れていた。
こういう順番にしたのにも理由はある。
まず森に行ったのは、一番家から近いというのと、そこで得た魔力がなければ他のどこの地形にも辿り着けないからだった。
ちゃんとした装備もなしに山を登るのは死にに行くようなものだし、底なし沼にはどうも毒気があるようなので対策が取れるまで近寄りたくない。川へはその沼を越えねばならず、平地は家から一番遠い。
そんなわけで選択の余地はなく、まずは森、そしてその次は山となるのだが……ここで昨日得た緑の魔力が大活躍していた。
「えーと……『蜘蛛糸』」
本で覚えた魔術の呪文を唱えると、その名前通りに俺の手から蜘蛛の糸が伸びて、とても自力では登れそうにない崖の上の岩壁にピタッと張り付く。
それを手繰って登ったら、山道を行けるところまで行き、また難所に出くわしたなら同じ方法を使って乗り越える。そんな風にして、頂上への最短距離を進んでいく。ちなみに選ぶべきルートは「閃き」が教えてくれるので、迷うこともない。
いくら高スペックな肉体になったとはいえ、ロッククライミングの心得なんてない俺が、こんなに簡単に断崖絶壁を登れるとは。まさにスキルと魔術様々だ。
そんな感じで苦もなく山頂に辿り着き、魔力渦巻く火口の淵までソロソロと近づいていって、盛り上がっているマグマの中に血を垂らす。すると、今回もパッと光り輝いたのちに赤の魔力が体に流れ込んでくる。
よし、ここも契約完了だ。帰りもそれこそ蜘蛛のようにスルスル糸を垂らして、あっという間に下山していった。
***
更に翌日。昨日は山登りでかなり疲れたが、緑魔術の「活性化」によって魔力が体力を補ってくれる。少しだけ不覚をとった擦り傷も、「再生」で治してあるから問題ない。
早速森を抜けて山の反対側の麓にある沼地まで行き、周囲に満ちた毒気を緑魔術の「命の根」で無効化しつつ、魔力の流れを追う。
そして、ここの魔力の流れの元に辿り着いたのだが……
「なんだありゃ……」
なんとそこにあったのは、どうにも生き物としか思えない生々しい動き方をする、奇妙な泥の塊だった。
「っ⁉︎」
しかも、俺に気付くと襲いかかってきて、危うく呑み込まれる寸前で慌てて身を躱す。
いかんいかん、どうやらこいつはこれまでの二つとは違って、魔力と土地が結びついて魔物的な何かになっているらしい。
こういう時はーー倒すに限る!
単なる思いつきだったが間違いではなかったようで、赤魔術の「稲妻」や「火球」をしばらく泥の塊に打ち込みまくった結果、ブスブスと煙を上げて動かなくなった。
そこへ俺の血を垂らすと、またパッと光って黒の魔力が俺に流れ込んでくる。ちなみに泥の塊はそのまま溶けてなくなったのだった。
***
またまた翌日。魔力集めもすでに三つ目を終え、残るは青と白のみ。
緑魔法での回復と腹ごしらえを終えると、はるばる昨日の沼地を越え、川に辿り着いた。
轟々と鳴る奔流は、近づくのさえためらわれるほどの勢いだ。そして、その水の勢いに散らされているのか、これまでと違って魔力の流れが意味不明なほど混乱していて、真に合流する場所が掴みきれない。
試しに適当な所で血を垂らしてみてもダメだった。やっぱりちゃんと見つける必要があるようだ。
「さて、どうしたもんかな」
いくつか考えられることを試してみたが、あてずっぽうにやってもダメみたいだった。それと、不思議と言うべきか、「閃き」は起こらない。さすがに発動には何か条件があるのかもしれないな。
こんな所で夜を過ごすのはごめんなので、暗くなる前に引き上げることにした。
その帰り道。
森の中を歩いている途中で、妙なものを見つけた。いや、むしろあって自然なものかも。
それは、人の白骨死体だった。この島はかなりの秘境らしいので、来られる者は限られる。現状俺が知りうる限りで言えば……
「こいつが、あの家の元持ち主か」
この島に辿り着いて、あれほどの本などを蓄えていたのなら、さぞかし優れた魔術士だったのだろう。それがこんなところで野ざらしになっているとは。
とはいえ、木の根元にもたれかかるような姿勢のそれは、穏やかな最期であったと思わせる。成仏せいよ。
ーーと、そこまで考えて、ふと思いついたことがあった。
今の俺は黒魔術が使える。そして、あの家で読んだ本の中には、こんな時にこそ役立つ呪文が書いてあった。
それは、「反魂」の術だ。屍体に魂を憑依させ、生き返らせる邪法。あまり褒められた手段ではないが、こいつなら何か役に立つ知恵を知っているかもしれない。今は他に打つ手がないし、こんな状況では生き残ることが第一と割り切ることも必要だ。
よし、やろう。
俺は、きれいに残った白い髑髏を手に取り、家に帰るのだった。
***
黒の魔力が最も安定する夜。反魂術の儀式の準備を整えた俺は、魔法陣の中央に骸骨を安置して、呪文を唱える。すると、黒い魔力が俺から立ち上り、魔法陣へと繋がっていく。
この感触……これまで使った魔術とはまったく違う、鳥肌が立つようなやばい感じだ。本当に使って大丈夫なのかな……
それでも、魔術が発現する前兆なのか、光を放ち始めた骸骨は徐々にその光量を増していき、一瞬最も強く輝いた後、逆に収まっていく。
「……ドコノ愚カ者ジャ。コノワ私ヲ永久ノ眠リカラ呼ビサマストハ……貴様、名乗ラヌカ」
おお、骸骨が喋った。成功か?
気付けば、寒気を催すような嫌な感じはなくなっており、夜の闇の中で骸骨がわずかに光を放っている。
「あー、他人に気易く名前を教えちゃダメなんだろ? あんたの蔵書を読んだよ。それはともかく、あんたを喚んだのは訊きたいことがあるからなんだ。この島の川の魔力を手に入れる方法、教えてくれないか?」
「黒魔術士ガ青魔力ヲ手ニ入レテ、ドウスルトイウノダ。タトエ手二入レタトコロデ扱ウコトナドデキマイ。己ノ分ヲ弁エイ!」
「そうなのか? 黒の魔力の他に緑と赤も手に入れられたから、てっきりそういう制限はないのかと……」
そう言うと、表情筋なんてものはない骸骨なのに、ハッキリと驚きが伝わってくる。
「マサカ! コノ私ヲ謀ルカ! ……ムム? イヤ、確カニオ主カラハ、三色ノ魔力ヲ感ジル……ドウイウコトジャ……」
「じゃあ、これで証拠になるかな」
俺は骸骨に向かって緑魔術の「再生」を唱える。
するとビデオの逆再生みたいな感じで全身の骨が出来て、更にどんどん肉が付いていく。おえ、ちょっとグロい。
「⁉︎ ま、まさか、本当に⁉︎」
そして二度びっくり。そこに現れたのは、肩口で整えられた金髪に、細身かつグラマラスな体と、すらっと長い手足ーー骸骨の元の姿は、なんととっても美しい女性なのでした。
しかも当然服は再生されないので、生まれたままの姿だ。うーん、役得なのか?
気まずいので家から服を取ってきて渡し、着てもらう。そもそも彼女のものだしな。
「うむむ、黒魔術士でもないのに反魂術を成功させ、あまつさえ更に二色の魔力を持つなど、只者ではあるまい。改めて問おう、貴様は何者なのだ」
ここは本当のことを言った方が話が先に進むと思い、自分の素性や神様とのアレコレを包み隠さず伝える。
「地球……異次元? そして、神? ということは……」
俺が話し終えるとすっかり考え込んでしまった彼女は、やがてこっちを見て言った。
「お前の話はあり得んとしか思えんが、実際にこんな真似をされては、信じるしかあるまい。よいだろう、このビビアナが知ることであれば、なんでも教えてやる」
やった、苦労した甲斐があった。
俺は蘇った骸骨もとい、ビビアナと名乗った美女魔術士に、これまで抱えていた疑問の全てをぶつけて夜を明かすのだった。
こういう順番にしたのにも理由はある。
まず森に行ったのは、一番家から近いというのと、そこで得た魔力がなければ他のどこの地形にも辿り着けないからだった。
ちゃんとした装備もなしに山を登るのは死にに行くようなものだし、底なし沼にはどうも毒気があるようなので対策が取れるまで近寄りたくない。川へはその沼を越えねばならず、平地は家から一番遠い。
そんなわけで選択の余地はなく、まずは森、そしてその次は山となるのだが……ここで昨日得た緑の魔力が大活躍していた。
「えーと……『蜘蛛糸』」
本で覚えた魔術の呪文を唱えると、その名前通りに俺の手から蜘蛛の糸が伸びて、とても自力では登れそうにない崖の上の岩壁にピタッと張り付く。
それを手繰って登ったら、山道を行けるところまで行き、また難所に出くわしたなら同じ方法を使って乗り越える。そんな風にして、頂上への最短距離を進んでいく。ちなみに選ぶべきルートは「閃き」が教えてくれるので、迷うこともない。
いくら高スペックな肉体になったとはいえ、ロッククライミングの心得なんてない俺が、こんなに簡単に断崖絶壁を登れるとは。まさにスキルと魔術様々だ。
そんな感じで苦もなく山頂に辿り着き、魔力渦巻く火口の淵までソロソロと近づいていって、盛り上がっているマグマの中に血を垂らす。すると、今回もパッと光り輝いたのちに赤の魔力が体に流れ込んでくる。
よし、ここも契約完了だ。帰りもそれこそ蜘蛛のようにスルスル糸を垂らして、あっという間に下山していった。
***
更に翌日。昨日は山登りでかなり疲れたが、緑魔術の「活性化」によって魔力が体力を補ってくれる。少しだけ不覚をとった擦り傷も、「再生」で治してあるから問題ない。
早速森を抜けて山の反対側の麓にある沼地まで行き、周囲に満ちた毒気を緑魔術の「命の根」で無効化しつつ、魔力の流れを追う。
そして、ここの魔力の流れの元に辿り着いたのだが……
「なんだありゃ……」
なんとそこにあったのは、どうにも生き物としか思えない生々しい動き方をする、奇妙な泥の塊だった。
「っ⁉︎」
しかも、俺に気付くと襲いかかってきて、危うく呑み込まれる寸前で慌てて身を躱す。
いかんいかん、どうやらこいつはこれまでの二つとは違って、魔力と土地が結びついて魔物的な何かになっているらしい。
こういう時はーー倒すに限る!
単なる思いつきだったが間違いではなかったようで、赤魔術の「稲妻」や「火球」をしばらく泥の塊に打ち込みまくった結果、ブスブスと煙を上げて動かなくなった。
そこへ俺の血を垂らすと、またパッと光って黒の魔力が俺に流れ込んでくる。ちなみに泥の塊はそのまま溶けてなくなったのだった。
***
またまた翌日。魔力集めもすでに三つ目を終え、残るは青と白のみ。
緑魔法での回復と腹ごしらえを終えると、はるばる昨日の沼地を越え、川に辿り着いた。
轟々と鳴る奔流は、近づくのさえためらわれるほどの勢いだ。そして、その水の勢いに散らされているのか、これまでと違って魔力の流れが意味不明なほど混乱していて、真に合流する場所が掴みきれない。
試しに適当な所で血を垂らしてみてもダメだった。やっぱりちゃんと見つける必要があるようだ。
「さて、どうしたもんかな」
いくつか考えられることを試してみたが、あてずっぽうにやってもダメみたいだった。それと、不思議と言うべきか、「閃き」は起こらない。さすがに発動には何か条件があるのかもしれないな。
こんな所で夜を過ごすのはごめんなので、暗くなる前に引き上げることにした。
その帰り道。
森の中を歩いている途中で、妙なものを見つけた。いや、むしろあって自然なものかも。
それは、人の白骨死体だった。この島はかなりの秘境らしいので、来られる者は限られる。現状俺が知りうる限りで言えば……
「こいつが、あの家の元持ち主か」
この島に辿り着いて、あれほどの本などを蓄えていたのなら、さぞかし優れた魔術士だったのだろう。それがこんなところで野ざらしになっているとは。
とはいえ、木の根元にもたれかかるような姿勢のそれは、穏やかな最期であったと思わせる。成仏せいよ。
ーーと、そこまで考えて、ふと思いついたことがあった。
今の俺は黒魔術が使える。そして、あの家で読んだ本の中には、こんな時にこそ役立つ呪文が書いてあった。
それは、「反魂」の術だ。屍体に魂を憑依させ、生き返らせる邪法。あまり褒められた手段ではないが、こいつなら何か役に立つ知恵を知っているかもしれない。今は他に打つ手がないし、こんな状況では生き残ることが第一と割り切ることも必要だ。
よし、やろう。
俺は、きれいに残った白い髑髏を手に取り、家に帰るのだった。
***
黒の魔力が最も安定する夜。反魂術の儀式の準備を整えた俺は、魔法陣の中央に骸骨を安置して、呪文を唱える。すると、黒い魔力が俺から立ち上り、魔法陣へと繋がっていく。
この感触……これまで使った魔術とはまったく違う、鳥肌が立つようなやばい感じだ。本当に使って大丈夫なのかな……
それでも、魔術が発現する前兆なのか、光を放ち始めた骸骨は徐々にその光量を増していき、一瞬最も強く輝いた後、逆に収まっていく。
「……ドコノ愚カ者ジャ。コノワ私ヲ永久ノ眠リカラ呼ビサマストハ……貴様、名乗ラヌカ」
おお、骸骨が喋った。成功か?
気付けば、寒気を催すような嫌な感じはなくなっており、夜の闇の中で骸骨がわずかに光を放っている。
「あー、他人に気易く名前を教えちゃダメなんだろ? あんたの蔵書を読んだよ。それはともかく、あんたを喚んだのは訊きたいことがあるからなんだ。この島の川の魔力を手に入れる方法、教えてくれないか?」
「黒魔術士ガ青魔力ヲ手ニ入レテ、ドウスルトイウノダ。タトエ手二入レタトコロデ扱ウコトナドデキマイ。己ノ分ヲ弁エイ!」
「そうなのか? 黒の魔力の他に緑と赤も手に入れられたから、てっきりそういう制限はないのかと……」
そう言うと、表情筋なんてものはない骸骨なのに、ハッキリと驚きが伝わってくる。
「マサカ! コノ私ヲ謀ルカ! ……ムム? イヤ、確カニオ主カラハ、三色ノ魔力ヲ感ジル……ドウイウコトジャ……」
「じゃあ、これで証拠になるかな」
俺は骸骨に向かって緑魔術の「再生」を唱える。
するとビデオの逆再生みたいな感じで全身の骨が出来て、更にどんどん肉が付いていく。おえ、ちょっとグロい。
「⁉︎ ま、まさか、本当に⁉︎」
そして二度びっくり。そこに現れたのは、肩口で整えられた金髪に、細身かつグラマラスな体と、すらっと長い手足ーー骸骨の元の姿は、なんととっても美しい女性なのでした。
しかも当然服は再生されないので、生まれたままの姿だ。うーん、役得なのか?
気まずいので家から服を取ってきて渡し、着てもらう。そもそも彼女のものだしな。
「うむむ、黒魔術士でもないのに反魂術を成功させ、あまつさえ更に二色の魔力を持つなど、只者ではあるまい。改めて問おう、貴様は何者なのだ」
ここは本当のことを言った方が話が先に進むと思い、自分の素性や神様とのアレコレを包み隠さず伝える。
「地球……異次元? そして、神? ということは……」
俺が話し終えるとすっかり考え込んでしまった彼女は、やがてこっちを見て言った。
「お前の話はあり得んとしか思えんが、実際にこんな真似をされては、信じるしかあるまい。よいだろう、このビビアナが知ることであれば、なんでも教えてやる」
やった、苦労した甲斐があった。
俺は蘇った骸骨もとい、ビビアナと名乗った美女魔術士に、これまで抱えていた疑問の全てをぶつけて夜を明かすのだった。
0
お気に入りに追加
27
あなたにおすすめの小説
【完結】悪役だった令嬢の美味しい日記
蕪 リタ
ファンタジー
前世の妹がやっていた乙女ゲームの世界に転生した主人公、実は悪役令嬢でした・・・・・・。え?そうなの?それなら破滅は避けたい!でも乙女ゲームなんてしたことない!妹には「悪役令嬢可愛い!!」と永遠聞かされただけ・・・・・・困った・・・・・・。
どれがフラグかなんてわかんないし、無視してもいいかなーって頭の片隅に仕舞い込み、あぁポテサラが食べたい・・・・・・と思考はどんどん食べ物へ。恋しい食べ物達を作っては食べ、作ってはあげて・・・・・・。あれ?いつのまにか、ヒロインともお友達になっちゃった。攻略対象達も設定とはなんだか違う?とヒロイン談。
なんだかんだで生きていける気がする?主人公が、豚汁騎士科生たちやダメダメ先生に懐かれたり。腹黒婚約者に赤面させられたと思ったら、自称ヒロインまで登場しちゃってうっかり魔王降臨しちゃったり・・・・・・。もうどうにでもなれ!とステキなお姉様方や本物の乙女ゲームヒロインたちとお菓子や食事楽しみながら、青春を謳歌するレティシアのお食事日記。
※爵位や言葉遣いは、現実や他作者様の作品と異なります。
※誤字脱字あるかもしれません。ごめんなさい。
※戦闘シーンがあるので、R指定は念のためです。
※カクヨムでも投稿してます。
飯屋の娘は魔法を使いたくない?
秋野 木星
ファンタジー
3歳の時に川で溺れた時に前世の記憶人格がよみがえったセリカ。
魔法が使えることをひた隠しにしてきたが、ある日馬車に轢かれそうになった男の子を助けるために思わず魔法を使ってしまう。
それを見ていた貴族の青年が…。
異世界転生の話です。
のんびりとしたセリカの日常を追っていきます。
※ 表紙は星影さんの作品です。
※ 「小説家になろう」から改稿転記しています。
余命半年のはずが?異世界生活始めます
ゆぃ♫
ファンタジー
静波杏花、本日病院で健康診断の結果を聞きに行き半年の余命と判明…
不運が重なり、途方に暮れていると…
確認はしていますが、拙い文章で誤字脱字もありますが読んでいただけると嬉しいです。
〈完結〉この女を家に入れたことが父にとっての致命傷でした。
江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」アリサは父の後妻の言葉により、家を追い出されることとなる。
だがそれは待ち望んでいた日がやってきたでもあった。横領の罪で連座蟄居されられていた祖父の復活する日だった。
十年前、八歳の時からアリサは父と後妻により使用人として扱われてきた。
ところが自分の代わりに可愛がられてきたはずの異母妹ミュゼットまでもが、義母によって使用人に落とされてしまった。義母は自分の周囲に年頃の女が居ること自体が気に食わなかったのだ。
元々それぞれ自体は仲が悪い訳ではなかった二人は、お互い使用人の立場で二年間共に過ごすが、ミュゼットへの義母の仕打ちの酷さに、アリサは彼女を乳母のもとへ逃がす。
そして更に二年、とうとうその日が来た……
30代社畜の私が1ヶ月後に異世界転生するらしい。
ひさまま
ファンタジー
前世で搾取されまくりだった私。
魂の休養のため、地球に転生したが、地球でも今世も搾取されまくりのため魂の消滅の危機らしい。
とある理由から元の世界に戻るように言われ、マジックバックを自称神様から頂いたよ。
これで地球で買ったものを持ち込めるとのこと。やっぱり夢ではないらしい。
取り敢えず、明日は退職届けを出そう。
目指せ、快適異世界生活。
ぽちぽち更新します。
作者、うっかりなのでこれも買わないと!というのがあれば教えて下さい。
脳内の空想を、つらつら書いているのでお目汚しな際はごめんなさい。
【完結】異世界で小料理屋さんを自由気ままに営業する〜おっかなびっくり魔物ジビエ料理の数々〜
櫛田こころ
ファンタジー
料理人の人生を絶たれた。
和食料理人である女性の秋吉宏香(あきよしひろか)は、ひき逃げ事故に遭ったのだ。
命には関わらなかったが、生き甲斐となっていた料理人にとって大事な利き腕の神経が切れてしまい、不随までの重傷を負う。
さすがに勤め先を続けるわけにもいかず、辞めて公園で途方に暮れていると……女神に請われ、異世界転移をすることに。
腕の障害をリセットされたため、新たな料理人としての人生をスタートさせようとした時に、尾が二又に別れた猫が……ジビエに似た魔物を狩っていたところに遭遇。
料理人としての再スタートの機会を得た女性と、猟りの腕前はプロ級の猫又ぽい魔物との飯テロスローライフが始まる!!
おっかなびっくり料理の小料理屋さんの料理を召し上がれ?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる