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バステリア編
オペレーション「Freedom of The Earth 」
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強行偵察を受けた後のバステリア艦隊は勝った追い返したと盛り上がっていたが、指揮官クラスはただ手放しに喜ぶわけにはいかなかった。
最高指揮官が無能でも現場指揮官は優秀なのだ。いくら軍隊がマニュアル組織の手本のような組織といえど、最高指揮官が無能な上に現場指揮官まで無能では運用することは不可能なのだ。
故にあくまでも、デスター提督を中心に、という建前で運用するのだ。
「提督!念のため戦闘竜騎をこのまま空に待機させましょう。」
「あの、機械竜が飛んで行った方角に艦隊を差し向けましょう。」
「戦列艦を艦隊の前面で単横陣に並べ替えましょう。」
次々と参謀達から"意見"が提示される。唯、頷いていればその通りに実行され、会戦態勢に移される。
今までもこの様にして勝利を重ねてきた。
提督の仕事と言えば、戦闘前に兵に訓示を垂れ、敵国の元首に降伏文書にサインさせるくらいだ。
こうしている間にも、数百隻の戦列艦は、まるで一つの生き物かの様に陣形を組み直していく、そしてこの迅速な対応を可能にするのは通信球だ。
この巨大艦隊を統制するアドミラル・デスターには、通信球を集中的に運用するための部署があり、前世界の帆船とはここが異なる。
**************************
日米連合艦隊 旗艦 ニミッツ
フライトデッキ上ではデッキクルー達がひっきりなしに、F/A-18を打ち上げている。
空対空ミサイルをハードポイントに搭載出来るだけ載せた機体達は、凶悪なオーラさえ放ち、カタパルトによって打ち出される瞬間を並んで待っていた。
第一波では6個空母打撃群からそれぞれ10機ずつの計60機が送り込まれる、敵の数もさるものだが、こちらも数十の機体を狭いエリアに飛ばすと完全な管制を行うことは出来ないのだ。
テクノロジーの限界という奴だ、そもそも数千の敵を叩くことは設計思想に含まれていない。
しかし、F/A-18 F Eに搭載できる対空ミサイルの弾数はステルス性を考慮しないとしても11発である。
3000の竜騎兵を撃ち落とすためには、最低でも第5波まで送り込まなければならない。
日本一国であれば対処は難しかっただろう。
「αチーム、チームリーダージャック3へ貴隊は高度6000にて、250ノットで方位321へ飛行せよ。」
「αリーダー、了解!」
高高度で編隊を組み、E-2ホークアイの指示のもと他の隊とタイミングを合わせて一斉に攻撃を開始する。
早期警戒機の管制による攻撃は湾岸戦争でもワンサイドゲームになった要因の一つだ、相手が探知する前に相手を探知し、戦略的に動くということだ。
「こちら、シーカーキング、チーム アルファ、ブラボー、チャーリーへ 高度5000フィート、敵艦隊100キロ手前で待機」
「アルファリーダー ラジャー」
「ブラボーリーダー ラジャー」
「チャーリーリーダー ラジャー」
他の空域にも艦載機が集結し、指示があればいつでもなだれ込める。
実戦経験豊富なパイロット達にとっても、この大規模な作戦には高揚を感じた。
今までは、軍隊がもっとも苦手とする非対称戦が多かった。しかし今回は国と戦うのだ、ある意味では彼らの本領というところだろう。
「こちら旗艦ニミッツ、第一次攻撃部隊各員へ。本国より開戦の指示が出た。今こそ、君たちファイターパイロットの腕を振るう時だ。我が国の外交官達の処刑を企て、自由を尊ぶ我らに服従を求めた代償を奴らに払わせてやれ。この作戦を"Freedam of The Earth"と呼称する。各員の健闘を祈る。Good luck.」
「こちら、エリア1管制担当 シーカーキング、チームアルファ、ブラボー、チャーリー各隊へ方位 0から地点Δで変針 敵編隊の横腹をつく。オーバー Good luck 。」
編隊は速度を落とし空戦に備える。
「ジャック3よりチームアルファ各員へ、今から待ちに待った空戦の時間だ。
今回の相手は珍しくミグじゃない、ファンタジーの国から来たディズニーもびっくりな奴らだ。
ミサイルを1発無駄にするごとに、チーム全員にビール10杯だ。いいな、外しすぎて破産しないようにな。行くぞ。」
「アルファ2ラジャー」
「アルファ3ラジャー」
「アルファ4コピー!」
今日もいつもと同じ共に戦場を戦い抜いて来た仲間だ。
心強いことこの上ない。
そろそろ敵が視界に入る頃だ。
「ジョン、見えたぞっ前と同じ奴らだ!」
「バリー行くぞ。準備はいいか?<Are you ready?>」
「コンタクト!
こちらアルファリーダー,ジャック3、シーカーキングへ交戦開始する!」
「こちらシーカーキング了解した。交戦を許可する。
ウエポンズフリー。」
「エンゲージ!エンゲージ!」
各機のコックピットのモニター上に敵が割り振られ、表示される。AIM-120の搭載数は11発だ。
1チーム4機×11発の空対空ミサイルが敵、竜騎を屠る算段だ。1チームが全弾撃ち尽くすと、間髪置かずに次のチームが攻撃を仕掛ける。
そしてこれを数波に渡って行う。
距離は15キロを切った、とうに攻撃は可能な距離であるが、敵の数が多すぎるため的を絞るために接近したのだ。
視界には鳥の群れのように竜騎士達が待ち構えている。これから何が起ころうとも知らずに。
ジョンは隊長としての任も果たさねければならない。戦闘中の"隊長"ジョナサン・ブレスター中尉は至って真面目に振る舞う。あくまでも"隊長"としてはだが。
「各機散開、各員の判断で攻撃しろ。」
「ジャック3エンゲージ!」
「アルファ2エンゲージ」
「アルファ3エンゲージ」
「アルファ4エンゲージ」
戦闘開始だ。まだ距離があるので敵味方入り乱れた戦場というわけではない。
アウトレンジからのミサイルによる一方的な攻撃から始まる。敵はまだ攻撃に対しての準備を始めているようには見えない。この距離から攻撃を開始されるとは想像できるわけもない。
F/A-18 E/Fは同時に16の敵を認識し8の目標を同時にロックオンすることが可能である。2撃で全弾撃ち尽くすのだ。
HUD<ヘッドアップディスプレイ>に8つの目標がロックオンされた事が電信音と共に表示された。
8つに竜騎士と赤いサークルがディスプレイの中で重なっている。
「8enemys target Lock ON!」
ミサイル発射のスイッチに指をおき
「Fox2 fire!」
8つのAIM-120が火を吹き、白い航跡残しながらマッハ6で敵に向かって意思を持つかのように飛翔する。
何かが飛んでくることに気付いた竜騎士達は慌てて避けようと急降下するがそれも虚しく数秒後には、AIM-120によって正確無比に貫かれ、8つの肉片が出来上がり海に堕ちて魚の餌となった。
F/A-18 E/F達は既に次の目標に狙いを定め、竜騎士達に向けてAIM-120を放っていた。
一斉射目で撃ち落とされた竜騎士達は幸運だったのかもしれない。一度目を見てしまった竜騎士達の顔には恐怖が現れていた。
狂い出した者まで出てくるはめだ。
その火を吹き、煙を吐きながら飛んでくる矢はその数だけ竜騎士を消すのだ。しかも誰が狙われているのかもわからない。
今まで無敵を誇りにし無敗の記録を積み上げてきた分だけその反動は大きかった。
そして第2射撃で狙われたもの達はどれも例外なく逃れることは叶わず、AIM-120に貫かれたのだった。
「ジャック3、Target destroyed!」
僚機も1発も外すことなく全弾命中させた
「アルファ4、Enemys shot down!」
「アルファ2、Complete!」
「アルファ3、Finish!」
全弾命中の報告が届き、合計44騎の竜騎を排除した事が確定してた。
「こちらシーカーキング、チームアルファ機の全弾命中を確認した。
チームブラボー、チャーリーも全弾命中だ。
今この空域に残っているのはチームアルファのみだ。
残業しても残業手当は出ないぞ。たった今エリア2から第一波の別攻撃隊が戦闘空域へのアプローチを開始した。直ぐに帰投してくれ。」
「ジャック3ラジャー。聞いたか、直ぐに仲間が来るから出て行けと言われた。やり足りないだろうが帰るぞ。」
こうしてアルファチームはニミッツへ針路を向けた。しかし、これで終わりのわけがない。敵に休みを与えることなく"処理"し続けるのだ。
そう、バステリア帝国の悪夢はまだまだ始まったばっかりなのだ。
最高指揮官が無能でも現場指揮官は優秀なのだ。いくら軍隊がマニュアル組織の手本のような組織といえど、最高指揮官が無能な上に現場指揮官まで無能では運用することは不可能なのだ。
故にあくまでも、デスター提督を中心に、という建前で運用するのだ。
「提督!念のため戦闘竜騎をこのまま空に待機させましょう。」
「あの、機械竜が飛んで行った方角に艦隊を差し向けましょう。」
「戦列艦を艦隊の前面で単横陣に並べ替えましょう。」
次々と参謀達から"意見"が提示される。唯、頷いていればその通りに実行され、会戦態勢に移される。
今までもこの様にして勝利を重ねてきた。
提督の仕事と言えば、戦闘前に兵に訓示を垂れ、敵国の元首に降伏文書にサインさせるくらいだ。
こうしている間にも、数百隻の戦列艦は、まるで一つの生き物かの様に陣形を組み直していく、そしてこの迅速な対応を可能にするのは通信球だ。
この巨大艦隊を統制するアドミラル・デスターには、通信球を集中的に運用するための部署があり、前世界の帆船とはここが異なる。
**************************
日米連合艦隊 旗艦 ニミッツ
フライトデッキ上ではデッキクルー達がひっきりなしに、F/A-18を打ち上げている。
空対空ミサイルをハードポイントに搭載出来るだけ載せた機体達は、凶悪なオーラさえ放ち、カタパルトによって打ち出される瞬間を並んで待っていた。
第一波では6個空母打撃群からそれぞれ10機ずつの計60機が送り込まれる、敵の数もさるものだが、こちらも数十の機体を狭いエリアに飛ばすと完全な管制を行うことは出来ないのだ。
テクノロジーの限界という奴だ、そもそも数千の敵を叩くことは設計思想に含まれていない。
しかし、F/A-18 F Eに搭載できる対空ミサイルの弾数はステルス性を考慮しないとしても11発である。
3000の竜騎兵を撃ち落とすためには、最低でも第5波まで送り込まなければならない。
日本一国であれば対処は難しかっただろう。
「αチーム、チームリーダージャック3へ貴隊は高度6000にて、250ノットで方位321へ飛行せよ。」
「αリーダー、了解!」
高高度で編隊を組み、E-2ホークアイの指示のもと他の隊とタイミングを合わせて一斉に攻撃を開始する。
早期警戒機の管制による攻撃は湾岸戦争でもワンサイドゲームになった要因の一つだ、相手が探知する前に相手を探知し、戦略的に動くということだ。
「こちら、シーカーキング、チーム アルファ、ブラボー、チャーリーへ 高度5000フィート、敵艦隊100キロ手前で待機」
「アルファリーダー ラジャー」
「ブラボーリーダー ラジャー」
「チャーリーリーダー ラジャー」
他の空域にも艦載機が集結し、指示があればいつでもなだれ込める。
実戦経験豊富なパイロット達にとっても、この大規模な作戦には高揚を感じた。
今までは、軍隊がもっとも苦手とする非対称戦が多かった。しかし今回は国と戦うのだ、ある意味では彼らの本領というところだろう。
「こちら旗艦ニミッツ、第一次攻撃部隊各員へ。本国より開戦の指示が出た。今こそ、君たちファイターパイロットの腕を振るう時だ。我が国の外交官達の処刑を企て、自由を尊ぶ我らに服従を求めた代償を奴らに払わせてやれ。この作戦を"Freedam of The Earth"と呼称する。各員の健闘を祈る。Good luck.」
「こちら、エリア1管制担当 シーカーキング、チームアルファ、ブラボー、チャーリー各隊へ方位 0から地点Δで変針 敵編隊の横腹をつく。オーバー Good luck 。」
編隊は速度を落とし空戦に備える。
「ジャック3よりチームアルファ各員へ、今から待ちに待った空戦の時間だ。
今回の相手は珍しくミグじゃない、ファンタジーの国から来たディズニーもびっくりな奴らだ。
ミサイルを1発無駄にするごとに、チーム全員にビール10杯だ。いいな、外しすぎて破産しないようにな。行くぞ。」
「アルファ2ラジャー」
「アルファ3ラジャー」
「アルファ4コピー!」
今日もいつもと同じ共に戦場を戦い抜いて来た仲間だ。
心強いことこの上ない。
そろそろ敵が視界に入る頃だ。
「ジョン、見えたぞっ前と同じ奴らだ!」
「バリー行くぞ。準備はいいか?<Are you ready?>」
「コンタクト!
こちらアルファリーダー,ジャック3、シーカーキングへ交戦開始する!」
「こちらシーカーキング了解した。交戦を許可する。
ウエポンズフリー。」
「エンゲージ!エンゲージ!」
各機のコックピットのモニター上に敵が割り振られ、表示される。AIM-120の搭載数は11発だ。
1チーム4機×11発の空対空ミサイルが敵、竜騎を屠る算段だ。1チームが全弾撃ち尽くすと、間髪置かずに次のチームが攻撃を仕掛ける。
そしてこれを数波に渡って行う。
距離は15キロを切った、とうに攻撃は可能な距離であるが、敵の数が多すぎるため的を絞るために接近したのだ。
視界には鳥の群れのように竜騎士達が待ち構えている。これから何が起ころうとも知らずに。
ジョンは隊長としての任も果たさねければならない。戦闘中の"隊長"ジョナサン・ブレスター中尉は至って真面目に振る舞う。あくまでも"隊長"としてはだが。
「各機散開、各員の判断で攻撃しろ。」
「ジャック3エンゲージ!」
「アルファ2エンゲージ」
「アルファ3エンゲージ」
「アルファ4エンゲージ」
戦闘開始だ。まだ距離があるので敵味方入り乱れた戦場というわけではない。
アウトレンジからのミサイルによる一方的な攻撃から始まる。敵はまだ攻撃に対しての準備を始めているようには見えない。この距離から攻撃を開始されるとは想像できるわけもない。
F/A-18 E/Fは同時に16の敵を認識し8の目標を同時にロックオンすることが可能である。2撃で全弾撃ち尽くすのだ。
HUD<ヘッドアップディスプレイ>に8つの目標がロックオンされた事が電信音と共に表示された。
8つに竜騎士と赤いサークルがディスプレイの中で重なっている。
「8enemys target Lock ON!」
ミサイル発射のスイッチに指をおき
「Fox2 fire!」
8つのAIM-120が火を吹き、白い航跡残しながらマッハ6で敵に向かって意思を持つかのように飛翔する。
何かが飛んでくることに気付いた竜騎士達は慌てて避けようと急降下するがそれも虚しく数秒後には、AIM-120によって正確無比に貫かれ、8つの肉片が出来上がり海に堕ちて魚の餌となった。
F/A-18 E/F達は既に次の目標に狙いを定め、竜騎士達に向けてAIM-120を放っていた。
一斉射目で撃ち落とされた竜騎士達は幸運だったのかもしれない。一度目を見てしまった竜騎士達の顔には恐怖が現れていた。
狂い出した者まで出てくるはめだ。
その火を吹き、煙を吐きながら飛んでくる矢はその数だけ竜騎士を消すのだ。しかも誰が狙われているのかもわからない。
今まで無敵を誇りにし無敗の記録を積み上げてきた分だけその反動は大きかった。
そして第2射撃で狙われたもの達はどれも例外なく逃れることは叶わず、AIM-120に貫かれたのだった。
「ジャック3、Target destroyed!」
僚機も1発も外すことなく全弾命中させた
「アルファ4、Enemys shot down!」
「アルファ2、Complete!」
「アルファ3、Finish!」
全弾命中の報告が届き、合計44騎の竜騎を排除した事が確定してた。
「こちらシーカーキング、チームアルファ機の全弾命中を確認した。
チームブラボー、チャーリーも全弾命中だ。
今この空域に残っているのはチームアルファのみだ。
残業しても残業手当は出ないぞ。たった今エリア2から第一波の別攻撃隊が戦闘空域へのアプローチを開始した。直ぐに帰投してくれ。」
「ジャック3ラジャー。聞いたか、直ぐに仲間が来るから出て行けと言われた。やり足りないだろうが帰るぞ。」
こうしてアルファチームはニミッツへ針路を向けた。しかし、これで終わりのわけがない。敵に休みを与えることなく"処理"し続けるのだ。
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