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Another Story
高良 美兎③
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白と黒の渦巻きが目に飛び込んできた。それがぐるぐると回り色が変わっていく。白、黒、赤、緑、青‥
画面の白と黒が様々な色に変わる。螺旋状に動くその色。
「さ、さぁ、だんだんと‥」
不気味な声も、その色を見ているうちに心地よい音色のように聞こえてくる。
「いまからおまえは‥」
その声が最後となり、私の意識はプツンと切れた。
---
--
-
—--う。みう。
声が聞こえる。
何だか、懐かしい声。
「美兎、起きなさい」
肩を揺らされ、私は目を覚ます。
まだ視界はぼやけていたが、ここが自分の部屋で、今私に話しかけているのがお母さんだということは分かった。
「良かった。目を覚まして」
ほっとした顔で私を見るお母さん。
あれ、今って、何時?
「あなた、半日寝ていたのよ?」
「半日‥って、いやだ、学校!」
飛び起きてスマホの画面を見ると、今日が休日だということがわかる。
「あ、土曜日‥」
「良かったわ。目を覚まして」
「変だな、そんな寝たことないのに」
「さぁ、起きたのならやる事があるでしょ?」
「やること?」
変だと言えば、お母さんも変だ。
いつものお母さんと、今のお母さん。
何だか、別人みたい。
「ほら、『仕事よ』」
お母さんのその声で、私は一つのことしか考えられなくなる。
「仕、事。そう、だった」
私は寝巻きを脱ぎ、いつもの制服に着替える。そして、そのまま家を出て目的地へと向かった。
---
--
-
着いたその場所は市立図書館。
休日なので人で賑わっている。
私は学生しか利用できない勉強ルームへと移動する。
仕事。私の、仕事。
会員証を受付の人に見せて、私は部屋の中へ入っていった。
あぁ、こんなにもストレスと戦っている生徒たちがいる。
私は、一番後ろの女子生徒の肩を叩いた。
イヤホンをしていたその女子生徒は振り返って私を見る。
ツインテールの可愛らしい女の子だ。
「な、なんですか?」
声も可愛らしい。
私は、自分の使命を全うする為に、その女の子の唇にキスをする。
「っひゃ!」
女の子は私の肩を力強く押した。
「な、何するんですか!」
あぁ、この子はストレスにやられている。
私が、解消してあげないと。
私は再度近づき、その子の耳元で言うべき言葉を呟いた。
「『自白する受験生』」
「‥あ」
警戒心で染まったその目が虚ろな目に変わる。
うん。これで、いい。
次に、することは、この子のストレスがどこにあるのかを、聞くこと。
「あなたの、お名前は?」
画面の白と黒が様々な色に変わる。螺旋状に動くその色。
「さ、さぁ、だんだんと‥」
不気味な声も、その色を見ているうちに心地よい音色のように聞こえてくる。
「いまからおまえは‥」
その声が最後となり、私の意識はプツンと切れた。
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—--う。みう。
声が聞こえる。
何だか、懐かしい声。
「美兎、起きなさい」
肩を揺らされ、私は目を覚ます。
まだ視界はぼやけていたが、ここが自分の部屋で、今私に話しかけているのがお母さんだということは分かった。
「良かった。目を覚まして」
ほっとした顔で私を見るお母さん。
あれ、今って、何時?
「あなた、半日寝ていたのよ?」
「半日‥って、いやだ、学校!」
飛び起きてスマホの画面を見ると、今日が休日だということがわかる。
「あ、土曜日‥」
「良かったわ。目を覚まして」
「変だな、そんな寝たことないのに」
「さぁ、起きたのならやる事があるでしょ?」
「やること?」
変だと言えば、お母さんも変だ。
いつものお母さんと、今のお母さん。
何だか、別人みたい。
「ほら、『仕事よ』」
お母さんのその声で、私は一つのことしか考えられなくなる。
「仕、事。そう、だった」
私は寝巻きを脱ぎ、いつもの制服に着替える。そして、そのまま家を出て目的地へと向かった。
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着いたその場所は市立図書館。
休日なので人で賑わっている。
私は学生しか利用できない勉強ルームへと移動する。
仕事。私の、仕事。
会員証を受付の人に見せて、私は部屋の中へ入っていった。
あぁ、こんなにもストレスと戦っている生徒たちがいる。
私は、一番後ろの女子生徒の肩を叩いた。
イヤホンをしていたその女子生徒は振り返って私を見る。
ツインテールの可愛らしい女の子だ。
「な、なんですか?」
声も可愛らしい。
私は、自分の使命を全うする為に、その女の子の唇にキスをする。
「っひゃ!」
女の子は私の肩を力強く押した。
「な、何するんですか!」
あぁ、この子はストレスにやられている。
私が、解消してあげないと。
私は再度近づき、その子の耳元で言うべき言葉を呟いた。
「『自白する受験生』」
「‥あ」
警戒心で染まったその目が虚ろな目に変わる。
うん。これで、いい。
次に、することは、この子のストレスがどこにあるのかを、聞くこと。
「あなたの、お名前は?」
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