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第四章

エンカウンター⑦

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木本先生は口を開けたまま固まった。

数秒後、「は、ははは!すごい、すごい!」と両手で拍手をする。

ガシャン、とカメラが落ちる音がした。

「いやぁ、分からないもんだね!君みたいな底辺な生徒が、まだ催眠深度が浅いとはいえそこから覚醒するなんて!」

永遠に続くような拍手。
いつの間にか、目の前の四人は固まっていた。

木本先生の異常なテンションがただただ怖かった。

「はぁー‥。君の言うとおりだよ。君は以前に一度催眠を掛けられている。暗示内容は単純でね。まぁ、実際に体感してもらった方が早い。その前に、まずは状況を整理しよう」

木本先生はフリーズした四人の前まで行き、姉と山之内くんに向かって耳打ちをした。

二人とも虚ろな表情のままブツブツと何かを言っている。

ぱんっ、とまた大きな音がすると、姉は瞬きを数回した後、山之内くんのモノを躊躇なく加え激しくフェラをし始めた。

虚ろな表情のまま、まるでプログラムをされた機械のように動く。

「や、やめろぉ‥」

山之内くんは驚愕と恍惚が混じったような反応を見せる。

「あ、がっ、や、やばい‥それ、やばい」

その願いも虚しく、姉はその行為をやめない。まるで妹が取り憑いたかのようだ。

いや、まさしくその姿は先ほどの安西の姿と見事に重なった。

「あ、あっ、あ、で、でるっ!」

目を逸らしたくても、それが出来ず射精の瞬間をマジマジと目撃する。

妹と同じように顔にドロっとした精子がかかった。
それをぬぐいもせず、一点だけを見つめている。

制服の上にボタ、ボタと垂れても気にする様子もない。

あぁ、疑うこともなく、彼女は催眠状態なんだ。

人間ではなく、自分の意思とは関係なしにプログラムされたことを実行する機械なんだ。

そして、僕にプログラムされたことは、単純だ。

この、あり得ない状況に興奮を覚える。
ただそれだけ。

「見事!流石一流選手。見て覚えるのは得意のようだね。どうだい、これが催眠アプリの力だよ!抵抗があることも工夫次第では今のように行動を強制できる。さぁ、仕上げようか」

いつの間にかカメラを回している木本先生は、四人を僕の前で一列に並ばせる。

「君が望むことをしなさい」

木本先生の言葉が耳に入る度、僕はまともな思考が出来なくなる。

虚ろな表情の四人。
僕は、働かない頭で何かを言った。

『え?それが君の願い?たったそれだけかい?』

段々と遠くなる声。
ため息が聞こえた。

ぼやける視界。

しかし、山之内くんと多部くんが何度も何度も頭を下げて何かを言っている事だけは辛うじて分かった。

その二人の姿を見て、ポロリと頬に何かが流れた。

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